上 下
164 / 625

三河にも動きが

しおりを挟む
 長尾景虎改め上杉政虎が関東で北条氏康氏政親子を小田原城に封じ込めている最中。今川領に動きが。



春日虎綱「申し上げます。松平元康。長沢城の麓を越え東三河に侵入。牛久保城にて牧野成定と交戦に入った模様であります。」



 松平元康が居る岡崎から東は今川領。長沢城は長年。今川義元が三河の拠点の1つとして使用している城。牛久保城に居る牧野成定は今川氏真に忠誠を誓う東三河の国人。



真田幸隆「将軍様の和睦を拒絶したと言うことか。」

春日虎綱「はい。そればかりか元康はこれを好機と捉え、将軍様に馬を献上したとか。」

私(村上義清)「目的は。」

春日虎綱「将軍様に自分(元康)の存在を認めさせること。氏真の家臣では無く独立した領主であるお墨付きを得ることであります。」

私(村上義清)「そんなカネ何処にあるんだ。」

春日虎綱「家臣が貯えていたとか。」

私(村上義清)「しかしそれでは限度があるだろう。岡崎城は今川に管理されていたんだろ。」

春日虎綱「はい。」

私(村上義清)「元康の家臣に今川から扶持が渡されていたわけでは無かったのだろ。」

春日虎綱「はい。」

私(村上義清)「(岡崎周辺の)商いの権益は一向宗が握っているんだろ。」

春日虎綱「はい。」

私(村上義清)「どうやって多額の献金を捻出することが出来たんだ。」

春日虎綱「わかりませぬ。推測の話で良いのでありましたら。」

真田幸隆「元康に協力しているものが居る。」

春日虎綱「そうなるかと。」

私(村上義清)「元康と氏真の間を引き離したいと思っているものがいる。」

春日虎綱「はい。」

私(村上義清)「良好な将軍と氏真の関係をもひっくり返すことの出来るだけの金額を用意することが出来る元康の協力者。」

真田幸隆「氏康に援軍を出させないために政虎が。にしては遠過ぎますし。」

私(村上義清)「結果的にはそうなったのではあるが。」

真田幸隆「そうですね。それにしてもまだ岡崎城しかない元康に資金を提供することは無いでしょう。」

私(村上義清)「そうだな。していくさの状況は。」

春日虎綱「はい。牧野の中に元康側に付くものが現れましたが、元康は勝利を修めることは出来ませんでした。」

私(村上義清)「元康が敗れた?」

春日虎綱「いえ。長沢城を抑えることが出来たことから見ますと、必ずしも負けたわけでは無いと。」

真田幸隆「元康からすれば、東三河に楔を打ち込むことが出来、かつ牧野家を分断させることが出来たのでありますから十分でしょう。」

私(村上義清)「しかし誰だろう。元康を支援しているのは。」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

超文明日本

点P
ファンタジー
2030年の日本は、憲法改正により国防軍を保有していた。海軍は艦名を漢字表記に変更し、正規空母、原子力潜水艦を保有した。空軍はステルス爆撃機を保有。さらにアメリカからの要求で核兵器も保有していた。世界で1、2を争うほどの軍事力を有する。 そんな日本はある日、列島全域が突如として謎の光に包まれる。光が消えると他国と連絡が取れなくなっていた。 異世界転移ネタなんて何番煎じかわかりませんがとりあえず書きます。この話はフィクションです。実在の人物、団体、地名等とは一切関係ありません。

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

アレク・プランタン

かえるまる
ファンタジー
長く辛い闘病が終わった と‥‥転生となった 剣と魔法が織りなす世界へ チートも特典も何もないまま ただ前世の記憶だけを頼りに 俺は精一杯やってみる 毎日更新中!

旅行先で目を覚ましたら武田勝頼になっていた私。どうやら自分が当主らしい。そこまでわかって不安に覚える事が1つ。それは今私が居るのは天正何年?

俣彦
ファンタジー
旅行先で目を覚ましたら武田勝頼になった私。 武田家の当主として歴史を覆すべく、父信玄時代の同僚と共に生き残りを図る物語。

大日本帝国、アラスカを購入して無双する

雨宮 徹
歴史・時代
1853年、ロシア帝国はクリミア戦争で敗戦し、財政難に悩んでいた。友好国アメリカにアラスカ購入を打診するも、失敗に終わる。1867年、すでに大日本帝国へと生まれ変わっていた日本がアラスカを購入すると金鉱や油田が発見されて……。 大日本帝国VS全世界、ここに開幕! ※架空の日本史・世界史です。 ※分かりやすくするように、領土や登場人物など世界情勢を大きく変えています。 ※ツッコミどころ満載ですが、ご勘弁を。

旧陸軍の天才?に転生したので大東亜戦争に勝ちます

竹本田重朗
ファンタジー
転生石原閣下による大東亜戦争必勝論 東亜連邦を志した同志達よ、ごきげんようである。どうやら、私は旧陸軍の石原莞爾に転生してしまったらしい。これは神の思し召しなのかもしれない。どうであれ、現代日本のような没落を回避するために粉骨砕身で働こうじゃないか。東亜の同志と手を取り合って真なる独立を掴み取るまで… ※超注意書き※ 1.政治的な主張をする目的は一切ありません 2.そのため政治的な要素は「濁す」又は「省略」することがあります 3.あくまでもフィクションのファンタジーの非現実です 4.そこら中に無茶苦茶が含まれています 5.現実的に存在する如何なる国家や地域、団体、人物と関係ありません 6.カクヨムとマルチ投稿 以上をご理解の上でお読みください

虐殺者の称号を持つ戦士が元公爵令嬢に雇われました

オオノギ
ファンタジー
【虐殺者《スレイヤー》】の汚名を着せられた王国戦士エリクと、 【才姫《プリンセス》】と帝国内で謳われる公爵令嬢アリア。 互いに理由は違いながらも国から追われた先で出会い、 戦士エリクはアリアの護衛として雇われる事となった。 そして安寧の地を求めて二人で旅を繰り広げる。 暴走気味の前向き美少女アリアに振り回される戦士エリクと、 不器用で愚直なエリクに呆れながらも付き合う元公爵令嬢アリア。 凸凹コンビが織り成し紡ぐ異世界を巡るファンタジー作品です。

処理中です...