52 / 625
目的
しおりを挟む
真田幸隆「来る武田晴信とのいくさに際し、我らの目的は晴信の首を取ることであります。」
村上義清が武田晴信にどうしても勝つことが出来ないもの。それは経済力。一度や二度の侵攻を防いだところですぐに態勢を立て直し晴信は挑んでくる。消耗戦に陥って苦しくなるのは勿論経済的に弱い村上義清のほう。そのことを承知で晴信が戦略を練ってきたら勝つことは出来ないのでありましたが……。
真田幸隆「晴信はこれまで一度のいくさで相手を打ち破ることを選択していましたし、実際。それで成功を収めていました。その勢いのまま我が領内に侵入することが予想されます。」
そこで幸隆が打った手が。
私(村上義清)「幸隆が崩れたふりに騙された武田勢。特に板垣や甘利をこちらの狙いの地に引き入れることにより、晴信の旗本衆と板垣甘利を分断する。」
真田幸隆「板垣甘利との連絡が取れない状況となり、晴信本隊が動いたところに殿が突撃を図る。目的は勿論。このいくさによって晴信を確実に仕留めること。これを実現するべく殿が示した案が……。」
弓と種子島を5人ずつ1組とし、各指揮官の号令のもと統一した行動をとる。
真田幸隆「種子島は彼らにとって未知の兵器。」
このいくさの2年後。京の都におけるいざこざにおいて使用された種子島により、1人の武将が無くなったことを「珍しいこと」として貴族が日記に残しましたり、どれくらいの威力があるのか定かでなかったため、時の将軍足利義晴が築いた城には過剰とも思える壁がそびえ立ったそんな時代。
真田幸隆「ここまでは良いのでありますが、気になるのはここからであります。」
矢や玉薬が尽きた後、無用の長物となった弓と種子島を投げ捨て。抜刀し、武田晴信本陣目掛け襲い掛かる。
私(村上義清)「全て使い捨てになってしまうんだよな……。」
真田幸隆「玉薬や矢とは異なり消耗品ではない。何度も使うことが出来る弓と種子島。必ずしも安いものではありませぬ。加えて足軽とは申せ。弓と種子島を操ることの出来る人材は貴重。しかも敵の最前線で構える彼らを。相手を恐れさせることの出来る方法が無くなったからと言って、そのまま突っ込ませるのは……。」
私(村上義清)「忍びない……。」
真田幸隆「勿論その後ろから殿の本隊が武田晴信目掛け殺到することになるのでありますが、その中にあって最も危険な任務を負うことになるのは、刀しか持っていない元弓兵であり種子島の兵。」
そこで真田幸隆が出した修正案は……。
村上義清が武田晴信にどうしても勝つことが出来ないもの。それは経済力。一度や二度の侵攻を防いだところですぐに態勢を立て直し晴信は挑んでくる。消耗戦に陥って苦しくなるのは勿論経済的に弱い村上義清のほう。そのことを承知で晴信が戦略を練ってきたら勝つことは出来ないのでありましたが……。
真田幸隆「晴信はこれまで一度のいくさで相手を打ち破ることを選択していましたし、実際。それで成功を収めていました。その勢いのまま我が領内に侵入することが予想されます。」
そこで幸隆が打った手が。
私(村上義清)「幸隆が崩れたふりに騙された武田勢。特に板垣や甘利をこちらの狙いの地に引き入れることにより、晴信の旗本衆と板垣甘利を分断する。」
真田幸隆「板垣甘利との連絡が取れない状況となり、晴信本隊が動いたところに殿が突撃を図る。目的は勿論。このいくさによって晴信を確実に仕留めること。これを実現するべく殿が示した案が……。」
弓と種子島を5人ずつ1組とし、各指揮官の号令のもと統一した行動をとる。
真田幸隆「種子島は彼らにとって未知の兵器。」
このいくさの2年後。京の都におけるいざこざにおいて使用された種子島により、1人の武将が無くなったことを「珍しいこと」として貴族が日記に残しましたり、どれくらいの威力があるのか定かでなかったため、時の将軍足利義晴が築いた城には過剰とも思える壁がそびえ立ったそんな時代。
真田幸隆「ここまでは良いのでありますが、気になるのはここからであります。」
矢や玉薬が尽きた後、無用の長物となった弓と種子島を投げ捨て。抜刀し、武田晴信本陣目掛け襲い掛かる。
私(村上義清)「全て使い捨てになってしまうんだよな……。」
真田幸隆「玉薬や矢とは異なり消耗品ではない。何度も使うことが出来る弓と種子島。必ずしも安いものではありませぬ。加えて足軽とは申せ。弓と種子島を操ることの出来る人材は貴重。しかも敵の最前線で構える彼らを。相手を恐れさせることの出来る方法が無くなったからと言って、そのまま突っ込ませるのは……。」
私(村上義清)「忍びない……。」
真田幸隆「勿論その後ろから殿の本隊が武田晴信目掛け殺到することになるのでありますが、その中にあって最も危険な任務を負うことになるのは、刀しか持っていない元弓兵であり種子島の兵。」
そこで真田幸隆が出した修正案は……。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。
婚約破棄?貴方程度がわたくしと結婚出来ると本気で思ったの?
三条桜子
恋愛
王都に久しぶりにやって来た。楽しみにしていた舞踏会で突如、婚約破棄を突きつけられた。腕に女性を抱いてる。ん?その子、誰?わたくしがいじめたですって?わたくしなら、そんな平民殺しちゃうわ。ふふふ。ねえ?本気で貴方程度がわたくしと結婚出来ると思っていたの?可笑しい! ◎短いお話。文字数も少なく読みやすいかと思います。全6話。
イラスト/ノーコピーライトガール
【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部
山本 双六
歴史・時代
たくさんの人が亡くなった太平洋戦争。では、もし日本が勝てば原爆が落とされず、何万人の人が助かったかもしれないそう思い執筆しました。(一部史実と異なることがあるためご了承ください)初投稿ということで俊也さんの『re:太平洋戦争・大東亜の旭日となれ』を参考にさせて頂きました。
これからどうかよろしくお願い致します!
ちなみに、作品の表紙は、AIで生成しております。
『スキルの素』を3つ選べって言うけど、早いもの勝ちで余りモノしか残っていませんでした。※チートスキルを生み出してバカにした奴らを見返します
ヒゲ抜き地蔵
ファンタジー
【書籍化に伴う掲載終了について】詳しくは近況ボードをご参照下さい。
ある日、まったく知らない空間で目覚めた300人の集団は、「スキルの素を3つ選べ」と謎の声を聞いた。
制限時間は10分。まさかの早いもの勝ちだった。
「鑑定」、「合成」、「錬成」、「癒やし」
チートの匂いがするスキルの素は、あっという間に取られていった。
そんな中、どうしても『スキルの素』の違和感が気になるタクミは、あるアイデアに従って、時間ギリギリで余りモノの中からスキルの素を選んだ。
その後、異世界に転生したタクミは余りモノの『スキルの素』で、世界の法則を変えていく。
その大胆な発想に人々は驚嘆し、やがて彼は人間とエルフ、ドワーフと魔族の勢力図を変えていく。
この男がどんなスキルを使うのか。
ひとつだけ確かなことは、タクミが選択した『スキルの素』は世界を変えられる能力だったということだ。
※【同時掲載】カクヨム様、小説家になろう様
中の御所奮闘記~大賢者が異世界転生
小狐丸
ファンタジー
高校の歴史教師だった男が、生徒達と異世界召喚されてしまう。だが、彼は生徒達の巻き添え召喚だった。それでも勇者である生徒をサポートする為、彼は奮闘する。異世界を生き抜き、やがて大賢者と呼ばれる様になった男は、大往生で寿命を終える。日本に帰ることを最後まで夢みて。
次に男が目を覚ますと、彼は日本で赤ちゃんとして生まれ変わっていた。ただ平成日本ではなく、天文年間であったが……
※作者の創作を多分に含みます。史実を忠実に描いている訳ではありません。
名前を書くとお漏らしさせることが出来るノートを拾ったのでイジメてくる女子に復讐します。ついでにアイドルとかも漏らさせてやりたい放題します
カルラ アンジェリ
ファンタジー
平凡な高校生暁 大地は陰キャな性格も手伝って女子からイジメられていた。
そんな毎日に鬱憤が溜まっていたが相手が女子では暴力でやり返すことも出来ず苦しんでいた大地はある日一冊のノートを拾う。
それはお漏らしノートという物でこれに名前を書くと対象を自在にお漏らしさせることが出来るというのだ。
これを使い主人公はいじめっ子女子たちに復讐を開始する。
更にそれがきっかけで元からあったお漏らしフェチの素養は高まりアイドルも漏らさせていきやりたい放題することに。
ネット上ではこの怪事件が何らかの超常現象の力と話題になりそれを失禁王から略してシンと呼び一部から奉られることになる。
しかしその変態行為を許さない美少女名探偵が現れシンの正体を暴くことを誓い……
これはそんな一人の変態男と美少女名探偵の頭脳戦とお漏らしを楽しむ物語。
無職ニートの俺は気が付くと聯合艦隊司令長官になっていた
中七七三
ファンタジー
■■アルファポリス 第1回歴史・時代小説大賞 読者賞受賞■■
無職ニートで軍ヲタの俺が太平洋戦争時の聯合艦隊司令長官となっていた。
これは、別次元から来た女神のせいだった。
その次元では日本が勝利していたのだった。
女神は、神国日本が負けた歴史の世界が許せない。
なぜか、俺を真珠湾攻撃直前の時代に転移させ、聯合艦隊司令長官にした。
軍ヲタ知識で、歴史をどーにかできるのか?
日本勝たせるなんて、無理ゲーじゃねと思いつつ、このままでは自分が死ぬ。
ブーゲンビルで機上戦死か、戦争終わって、戦犯で死刑だ。
この運命を回避するため、必死の戦いが始まった。
参考文献は、各話の最後に掲載しています。完結後に纏めようかと思います。
使用している地図・画像は自作か、ライセンスで再利用可のものを検索し使用しています。
表紙イラストは、ヤングマガジンで賞をとった方が画いたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる