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第二章/盈盈一水─Even though there`re so close─
第陸話:赤の衝動
しおりを挟む哲学者たちのやり口は、まずあらかじめ考えておいた命題とか、思い付きとか、「ひらめき」を想定する。これは、大抵は彼らが抽象的に作り出し、ふるいにかけたひそかな願望なのだ──。
こんな日に、よりにもよってこんな日に。選択科目の倫理の授業教材はニーチェだった。
神は死んだとか、深淵を覗く時とかのフレーズで有名なひねくれ者の先生は、神とか魂とか善悪を何よりも崇高なものとする哲学者のお歴々をまとめて形而上学かぶれのおいぼれ呼ばわりし、そんな彼らを縷々綿々とフルボッコにこき下ろした著書に「善悪の彼岸」と名付けて後世に残している。
彼にとっては、神も魂も民俗学的な迷信であり、彼の目には当時の哲学や信仰の何もかもが、欺瞞に満ちたインチキに見えていたのだろうという事が、文面からビシビシと伝わってくる。
いつの時代にも、そんな風にみんなから愛されている人やモノが嫌いなヤツがいるという事実には一定の理解を持っているつもりだったけれど。今この瞬間だけは、「なんでそんなことを言うんだ」と思わざるを得ない。
僕の左斜め前。窓際の列の先頭にある机の上の献花は、今日も真新しい白を纏ったカサブランカの花。込められた花言葉は「純潔」
何も言わずに去っていった彼女の事を思うと、ニーチェの痛罵にも似た言葉の数々は、今の僕の心をことさら厳しく責め立ててくるようだった。
花は花、それ以上でも以下でもない。だからそんな風にいつまでも亡き幼馴染の面影を空っぽの椅子に重ねるんじゃない。それはただの椅子で、それはただの花瓶。葛原玲奈はもうそこにはいないのだ。
「おい、百瀨」
何かが頭の上に落ちた。それは軽く、硬く、髪の上でわずかに動いている。こすりつけられているみたいに。
「百瀨、何ボーっとしてる」
今度はもっと強めに、パシンと音が分かる程度に頭に何かが直撃した。そこでやっと、僕は自身が叩かれたことを自覚した。よくある事なんだ。考え事をしていると、周囲の声かけや接触に気が回らなくなる。そのせいでよくケガをする。往来の車に小突かれて転んだりすることも一度や二度じゃない。そう、よくある事なんだ。
「すみません。分かりません」
「お前の番じゃないし、別に指名してない。それに分からないという言い分もないだろう、全国模試一位くん」
「…………」
全国模試一位くん……か。高校の勉強なんて単なる〇×ゲームじゃないか。すでに御膳立てされた公式と手順が揃えば、誰にだって答えの導き出せるものでしかない。既に明かされた事柄を、細部まで舗装された道筋を辿るだけのことに順位を付けて、いったい何になるというのか。
人の価値は、そんな借り物の「正しさ」で決まるものじゃない。だから、そんな数字だけのまやかしで人の名を呼ぶこの教師は、はっきり言ってナンセンスな奴だと思う。
「授業が退屈なのは分かるが、周りの目もある。少しはそれらしい態度で頼む」
そう言って、倫理の担当教諭はのそのそと教壇に戻っていった。
──私たち二人は、善い事をしないし、さりとて悪いことをする身でもない。
私たちの島と緑の草地は、善悪の彼岸にある。
板書されたその文章を眺める。僕の名を数字であだ名したあの教師がテキストを見て書き記したものだが、果たして彼はそこに書いてある文の意図を本当に分かっているのだろうか? と、僕は何やら呆れたような気持になる。
葛原玲奈が自殺してから半年。悲しみの名残が徐々にこそげ落ちて、机の上に飾られた花瓶がただの風景と化しつつある中、おそらく僕だけがあの日のことに対して変わらぬ想いを馳せ続けている。
あの日にいったい何があったのか、何があって、彼女は自らの命を絶つに至ったのか。
誰が、どこで、いつ、どうやって。
Who……Where……When……How done it?
四つの「Done」が疑いようもなく明らかにされ、どこからどう見ても自殺としか思えない、自殺としか断ずることのできないあの悲劇の中で、いまだ唯一明かされていないことがある。
Why done it……?
すなわち「なぜそうした」のか。
──校内にいじめはありませんでした。
──葛原玲奈さんは明るく活発で、誰からも愛される人でした。
──悩んでいる様子はありませんでした。
──家庭内にも問題はありませんでした。
──なぜ彼女が自らの命を絶ったのか見当もつきません。
未来ある若者の壮絶な死。そんなセンセーショナルな事件は瞬く間に全国紙に掲載され、事件直後はあらゆるメディアが彼女の死に群がり、存在するかどうかも分からない何かを暴き立てようと躍起になり、およそそのすべてが無駄に終わった。どころか、事件に対してなんの落ち度もない校長や当時の担任が「責任をもって」辞職するという奇妙な事態にまで発展した始末だ。
けれど、少なくとも担任と校長の辞職に関しては全くの無駄といってもいい。何故なら周囲の観測が届きうる限りにおいて、玲奈にはあんな風に自分自身を破壊して死ぬような動機なんて一つもなかったのだから。
本当に、非の打ちどころもなく唐突に、彼女は死んだ。仮にそれが突発的な衝動に駆られてのものだったとしても、今度はその手口がかみ合わない。
衝動的に自殺を図ったなら、その手口も場当たり的で単純なものでなければ辻褄が合わない。
彼女の死因は頸部切創による失血性ショック死。聖麗学園高等舎三階の女子トイレ、厳密にはその化粧台前、始業前の八時五十五分。凶器はカッターナイフ。その時間のその場所で、まるで身なりを整えるついでみたいに、彼女は鏡の前で自らの喉笛をぶった切った。
どう考えてもおかしい。そんな明らかに痛みを伴うようなやり方以外にも、方法はいくらでもあった。
そんな憎悪すら感じさせる手段を取ってまで、あえて人目に触れるような場所で行為に及んだ意味がまるで分からない。
そんな風に死のうと思うなら、遺書や意味深なSNSの書き込みの一つや二つがあってもおかしくないのに、手紙の一枚、示唆の一片たりとも見つかることはなかった。
こう見ると、衝動的という言葉でさえ彼女の死の原因としては適切ではないような気さえしてくる。
この、疑いようもなくはっきりとした事実がすでに噛み合っていないという事は、僕以外にも気づく者がいた。けれどそれを解き明かすには、その瞬間の彼女の感情が分かっていなければならなかった。
「……レナ」
誰にも聞こえない声で、僕は独り言ちた。
──君はあの日、いったい何を考えていたんだ?
神様がまだ死んでいなかったら、僕にその答えを教えてくれただろうか……。
そんな益体もない思考に耽って、気が付いたら五時限目もホームルームも終わっていて、仕方なく僕は帰ることにした。
いつもと変わらない風景──彼女だけがいなくても、尚。
◇◆◇
変化があったのは帰り道だった。そのことを説明する前に、僕が学校に内密で行っている「仕事」についてを話しておかなければならない。
僕は探偵だ。
いささか要約が過ぎた。厳密には、父親の構える事務所で資料整理の手伝いをする傍ら、「情報提供」として、警察が入ると警戒されそうな場所に踏み込んでちょっとした手がかりを見つける。そんなベイカー遊撃隊まがいの事をしてお小遣いを稼いでいる。
警察から金品を受け取るのはご法度に触れるので金額としてはかなり控えめなものだけれど、その他の見返りとして、僕が気になった事件や事故の情報を職務規定に触れない範囲で、ひそかに受け取っていた。
そんな秘密のアルバイトのお得意さんとでも呼べる刑事さんから、唐突に電話が来たのだ。
「百瀨君、今大丈夫かい?」
「花乃囲刑事、ご無沙汰してます。どうかされましたか?」
花乃囲桔梗。そこはかとなく入り用を匂わせる電話口の男性刑事の声はやけにくぐもっている。マイクに手でも当てているような、細かい息遣いがノイズのように混じっていて感度が悪い。
「半年前の事件、覚えているだろ?」
「ええ、葛原の件……」
「結局、捜査は玲奈さんの自殺で事件性はないとしてケリがついて、遺品やらなんやらの整理が先日あったんだけど」
「はあ……」
事件性はない。覚悟はしていたことだけれど、改めて言われると胸に来るものがある。
仕方ない。仕方ない。仕方ない。
でもそれならなんで、僕はそれから先を知りたがるのだろう。それを考えるよりも先に、僕は桔梗さんに続きを促していた。
「遺品のね、カッターナイフ。なくなってるんだ」
「カッターナイフが?」
遺品の喪失。そんな情報を流して大丈夫なのか? いや、大丈夫じゃないからこそ、こんなコソコソとした風に連絡をしてきたのだろう。
しかし、署内での遺失物に関しては僕の管轄外。忸怩たる限りだけれど特に力になれそうなこともない。
なぜそんな話をわざわざ僕に……。
「すでに決着がついた事案の物品とはいえ、証拠品の一つだ。なくなってしまったとなればそれなりに問題になる。無論、このことは口外無用だよ」
「ええ、分かっています」
ずいぶんと回りくどい言い方をする。桔梗さんがいったい何を言いたいのか、いまいち僕には理解が及ばない。
「それで、桔梗さん。本題はなんなんですか?」
「なくなり方がね、変なんだよ。管理室の中には膨大な証拠品が保管されてるんだけど、今回の件での遺品は初動捜査以外ではまったく使われていないから、記録上でもずっと管理室に保管されていたことになってる。けど実際は事件のあった二日後にはすでになくなっていたんだ」
「その、失礼なことを申し上げますが……」
「分かっているよ、はっきり言って遺品の紛失はどれだけ気を使っても起こりうるイレギュラーなんだ。だけど今回はあえて断言する。管理に問題はなかった。記録にも、監視カメラにも不審な点は何もなかった。事件二日目の夜、カッターナイフだけが忽然と消えた」
「その言い方……消えたっていうのは、この場合比喩とかじゃないんですよね?」
「その通りだ」
奇々怪々。とでも言いたげな口調だ。話を聞く限りではやはり理解が及ばない。記録に不審な点がないとは言え、常に誰かがそこで見ていたわけではない。何かの拍子でなくなってしまったという事も確率上否定することは出来ない。それが分からない桔梗さんではないから、文字通り遺品のカッターナイフが消えた……消滅したと。そういいたいのだろう。
「馬鹿馬鹿しい、と断ずることは簡単ですが。何か決定的な物があるんですよね?」
「うん、まあ、そうなんだ。これを君に見せるべきか悩んだんだが、この手のものに免疫がある体質の君なら、何か感じるものがあるんじゃないかと思って……今送った動画を見てほしい」
アウト。桔梗さんは今一線を越えた。僕の端末に送られてきた動画はそういう代物だった。
尼子原暑証拠品管理室前に設置された監視カメラの映像のコピー。警察署の内部情報に関わる資料の漏洩。明らかな職務規定違反だ。それを分かっていてあえて僕にこれを見せるという事は、桔梗さんにもそれなりの覚悟があるという事なのだろう。だったらこの僕にしてみても、見る以上は共犯として腹をくくらなければいけない。
「なるほど……」
桔梗さんが僕の「体質」について触れた理由におおよそ合点がいった。管理室前を捉えた映像には、本来だったら映るはずのないものが映り込んでいたのだ。
ぬらりとした足取りで、ドアも開けずに管理室の中に消えていく黒い影。画像が荒いのもあってつぶさに見て取ることは出来ないが、明らかに人の形をした「ソレ」が完全に室内に溶け込むと同時に、一瞬映像にノイズが入る。それから数十秒と待たないうちに、影は来た道を戻るように管理室を後にし、画面の外へと消えていく。
「まさかとは思いますが、この映像の後にカッターナイフが消えたと?」
「おそらくは……だけどね。カメラに不備もないし、持ち出し記録に不審な点もなかった。唯一この映像のこの瞬間だけが、かすかな──いや明らかな違和感として残っている。そしてカッターナイフがなくなったのは紛れもなく事実なんだ」
「霊媒体質者的な視点で言えば、霊障と見るのが妥当ですけど。まさか幽霊に証拠品を盗み出されただなんていわないですよね」
「冗談じゃない。僕の立場でそんなことは言えないよ」
「けれど実際にカッターナイフはなくなっている。誰がやったのか、どうやって消えたのかもわからない。映像を除いた不審な点はどこにもない。確かに妙と言えば妙な話です。システムに不正アクセスがあった形跡はないんですか」
「専門のチームに三度解析を依頼したが、外部から侵入された形跡は一切なかった。セキュリティがいじられた形跡もない。あの瞬間のあのノイズは原因不明の不具合としか言いようがない状態だと結論付けられた」
「なるほど……」
けどたぶん、問題はそこじゃない。桔梗さんの言う通り、今回のこれに関しては管理に不備はなかった。カッターを消したそいつは、誰の目も構わずに堂々と管理室に侵入して事に及んだ。現実にはあり得ない話だけれど、そう解釈するのが一番しっくりくる。
「他には何か盗み出された形跡はないんですか?」
「ないね、本当にカッターだけだ」
「確認しますが、そのカッターっていうのはレナの……葛原玲奈さんが自殺の際に使用したもので間違いないんですよね」
「間違いない、現品そのままで保管していたよ。血で真っ赤に染まっていたけどね」
葛原玲奈の血で染まったカッターナイフ。そんなものを欲しがる奴の気がまるで知れない。
「尼子原以外で、似たようなケースはないんですか?」
「分からない。あくまで所轄内でのごたごただから、そんな情報を別の管轄で共有するわけにもいかないからね。お役所の嫌なところさ。ただ……」
「ただ……」
「葛原さんと似たような事案が、近ごろ急増している」
「死ぬ動機のない人が唐突に自殺するケース……ですか?」
「うん、彼女ほど大々的に報道されてはいないけど、明らかに増えてはいるんだ」
「まるでウェルテル効果ですね」
「確かにその側面がないとも言えない。多感な思春期がセンセーショナルな事件に触発されて共感覚を暴走させてしまうケースは珍しくない。だから彼女の一件以降、そのようなユッコ・シンドロームが起こらないように報道管制を敷いていたんだが。件数は増える一方でね」
「つまり、彼女の件とは無関係に、全国で唐突な死を遂げる人たちが急増していると」
「そうだ」
桔梗さんの言ってる事一つ一つは理解できる。けれどその一つ一つがどう絡んでいるのかが分からない。いや、たぶん桔梗さんにもそれらの繋がりが見えているわけではないのだろう。ただ何となく、それぞれがそれぞれに引っかかるのだ。おそらくそれは僕が現時点で感じている違和感と同じもの。だがそれは多分、警察……あるいは法治国家の手の届かない領域も決して無関係ではない。今回桔梗さんが用があるのは、探偵もどきの百瀨蓮であると同時に、霊媒体質者としての僕なのだろう。
たぶんそれは、この事件がほぼ完全にケリがついてしまったから。桔梗さんの個人的な好奇心が動く余地があるという事でもある。
「分かりました、僕の方でもある程度調べてみます」
「ああ、無理のない範囲で頼むよ」
無理のない範囲……か。桔梗さんも人が悪い。僕が今までこの手の調査で無理をしなかったためしがない。性格的にセーブが効かないことを知っておきながら、それでも天然でこんなことを頼んでくるのだから。
ともかく、一度思考する必要がある。どんな荒唐無稽なものであれ、一度はなにかしら仮説を立てなければ始まらない。
急いで帰ろう。
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