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13話
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お兄様はお茶会から疲れて帰ってくる事が本当に多くなった。
そして最近やたらとハグされる。「癒される…」と言われるから、お兄様のされるがままになっているわ。ぬいぐるみ的な扱いかしら?
お兄様でこんなにも疲れるお茶会…私も10歳になったら行くのよね?嫌だなぁ。
寒くなってサロンでティータイムを過ごす事が増えたわ。
「ミュリーはよく本を読んでいるね」
「冒険小説です。とっても面白いの」
「女の子は恋愛小説じゃないの?」
「だって騎士様とか王子様って想像が出来ないもの。皆お兄様になっちゃうし」
「そうなの?」
「格好良くて剣術も強いから騎士様で王子様でしょう?」
「ふふっ、ありがとう。お出かけの約束もしたのに、なかなか連れて行けなくてごめんね」
「大丈夫です。本の中で色々な所へ冒険に行ってますもの」
「はぁ…ミュリーは本当に可愛いね」
今日はハグと撫でるのがセットね。昨日のお茶会は、よほど疲れるものだったのかしら?
「お茶会に行くようになったら、私にもお友達が出来るのかしら?」
「ミュリーなら大丈夫だよ」
とりあえず…大人しい子とお友達になりたいわ。落ち着きそう。
「まだ先だし、母様の友人のお家からだからね」
お母様の友人。どんな人達なのかな?
お茶会に出る頃には、元実家の噂も落ち着いていると良いけれど…定期的に再熱するのよね。
*****
魔法学は適正のあった水と光を習いながら、他の属性も練習している。
ただ...本当は全属性に適性があるから、出来すぎないように失敗するのが難しい。
成功と見せかけて不発とかね。失敗のバリエーションは増えたわ。途中で止めるのは難しいから、フェーリに手伝ってもらっているの。
だから魔法学の日は、おやつのクッキーが半分になっちゃうわ…。
『労働に対する正当な報酬だ』て言うのよ。魔法を途中で邪魔したり止めたりするの、楽しんでいるの知っているのよ。
あれは労働じゃなくて完全に遊びよ。
「他の属性も半分は成功ですね。練習していけば、もっと安定して発動出来ると思いますよ」
「はい。頑張ります」
「では、午後の座学まではゆっくり休んでくださいね」
「先生、ありがとうございました」
ランチを食べて、午後の授業までのんびり過ごす。
『フェーリが魔力操作をみてくれるから、魔法がスムーズに使えるわ』
『今日は乱れることなく魔法が使えてたよ』
『本当に?』
『うん。でも完璧になるまで続けるからね』
『はい…』
フェーリは妥協してくれないのよね…。どの先生より厳しいと思うわ。
でも、そのお陰で愛し子の力も魔力も上手く扱えるようになったから、先生としては優秀なのよ。
もう少し優しかったら良いのに。
*****
年が明けたらお兄様の入学式があるわ。
この前、仕立て上がった制服を着て見せてくれたけれど、上下白のブレザーだったから「すっごく汚れやすそう…」と思ってしまったわ。
でも、お兄様にとっても似合っていたの。
「ミュリーも入学式に来れたら良かったのにね」
「騒がれるのはあまり…」
元実家の嫡男も入学するから行けば色々言われるだろうと、私はお留守番とお父様が決めたの。
もう元気だけれど病弱という噂は色々と都合が良いから、そのままにしているみたい。多分体調を理由にお断り出来るからだと思う。
「ミュリーがお茶会に出るようになれば、きっと騒がれるよ。ミュリーはとっても可愛いからね」
それも嫌だな。でも確かに私の容姿は美少女。
お母様からは亡くなった母の小さい時にそっくりだと言われたわ。緩く波打つ淡い金髪に青い瞳はお人形みたい。
成長は相変わらず1歳遅れを取り戻せていない。お兄様はもう150cmを超えているのに、私は110cmをやっと超えたわ…。
元気になったのに、あまり成長しないのは何故かしら?
「お茶会に行く頃には大きくなっているかしら?」
「どうかな?でも小さいミュリーもとっても可愛いよ」
久しぶりに膝の上に乗せられる。私も一応成長しているのに、昔より軽々と抱き上げられる不思議。やはりお兄様はマッチョなのかしら…。
お兄様ってとっても格好良いのに、シスコンのせいでなんだか残念な感じになっちゃうのよね…。外ではちゃんとしているわよね?
「フェル兄様、もう抱っこの歳じゃないのよ」
「そうだね。でも僕からしたらミュリーはまだまだ小さくて可愛いよ」
「私は大きくなりたいの!」
「でも、ミュリーの母様も背が低かったって母様が言ってたからなぁ…」
まさかの遺伝!?成長しないんじゃなくて、母からの遺伝なの!?
お母様が女性にしては長身だから、なんとなくそうなれると思っていたのに…。
「お祖母様にミュリーの母様は似たみたいだから、ミュリーもそうなんじゃないかな?」
お母様と母は姉妹だけれどタイプが違うのよね。お母様は美女!て感じだけれど、母は美女だけれど可愛い感じ。
遺伝なら残念だけれど仕方がないわね…。
そして最近やたらとハグされる。「癒される…」と言われるから、お兄様のされるがままになっているわ。ぬいぐるみ的な扱いかしら?
お兄様でこんなにも疲れるお茶会…私も10歳になったら行くのよね?嫌だなぁ。
寒くなってサロンでティータイムを過ごす事が増えたわ。
「ミュリーはよく本を読んでいるね」
「冒険小説です。とっても面白いの」
「女の子は恋愛小説じゃないの?」
「だって騎士様とか王子様って想像が出来ないもの。皆お兄様になっちゃうし」
「そうなの?」
「格好良くて剣術も強いから騎士様で王子様でしょう?」
「ふふっ、ありがとう。お出かけの約束もしたのに、なかなか連れて行けなくてごめんね」
「大丈夫です。本の中で色々な所へ冒険に行ってますもの」
「はぁ…ミュリーは本当に可愛いね」
今日はハグと撫でるのがセットね。昨日のお茶会は、よほど疲れるものだったのかしら?
「お茶会に行くようになったら、私にもお友達が出来るのかしら?」
「ミュリーなら大丈夫だよ」
とりあえず…大人しい子とお友達になりたいわ。落ち着きそう。
「まだ先だし、母様の友人のお家からだからね」
お母様の友人。どんな人達なのかな?
お茶会に出る頃には、元実家の噂も落ち着いていると良いけれど…定期的に再熱するのよね。
*****
魔法学は適正のあった水と光を習いながら、他の属性も練習している。
ただ...本当は全属性に適性があるから、出来すぎないように失敗するのが難しい。
成功と見せかけて不発とかね。失敗のバリエーションは増えたわ。途中で止めるのは難しいから、フェーリに手伝ってもらっているの。
だから魔法学の日は、おやつのクッキーが半分になっちゃうわ…。
『労働に対する正当な報酬だ』て言うのよ。魔法を途中で邪魔したり止めたりするの、楽しんでいるの知っているのよ。
あれは労働じゃなくて完全に遊びよ。
「他の属性も半分は成功ですね。練習していけば、もっと安定して発動出来ると思いますよ」
「はい。頑張ります」
「では、午後の座学まではゆっくり休んでくださいね」
「先生、ありがとうございました」
ランチを食べて、午後の授業までのんびり過ごす。
『フェーリが魔力操作をみてくれるから、魔法がスムーズに使えるわ』
『今日は乱れることなく魔法が使えてたよ』
『本当に?』
『うん。でも完璧になるまで続けるからね』
『はい…』
フェーリは妥協してくれないのよね…。どの先生より厳しいと思うわ。
でも、そのお陰で愛し子の力も魔力も上手く扱えるようになったから、先生としては優秀なのよ。
もう少し優しかったら良いのに。
*****
年が明けたらお兄様の入学式があるわ。
この前、仕立て上がった制服を着て見せてくれたけれど、上下白のブレザーだったから「すっごく汚れやすそう…」と思ってしまったわ。
でも、お兄様にとっても似合っていたの。
「ミュリーも入学式に来れたら良かったのにね」
「騒がれるのはあまり…」
元実家の嫡男も入学するから行けば色々言われるだろうと、私はお留守番とお父様が決めたの。
もう元気だけれど病弱という噂は色々と都合が良いから、そのままにしているみたい。多分体調を理由にお断り出来るからだと思う。
「ミュリーがお茶会に出るようになれば、きっと騒がれるよ。ミュリーはとっても可愛いからね」
それも嫌だな。でも確かに私の容姿は美少女。
お母様からは亡くなった母の小さい時にそっくりだと言われたわ。緩く波打つ淡い金髪に青い瞳はお人形みたい。
成長は相変わらず1歳遅れを取り戻せていない。お兄様はもう150cmを超えているのに、私は110cmをやっと超えたわ…。
元気になったのに、あまり成長しないのは何故かしら?
「お茶会に行く頃には大きくなっているかしら?」
「どうかな?でも小さいミュリーもとっても可愛いよ」
久しぶりに膝の上に乗せられる。私も一応成長しているのに、昔より軽々と抱き上げられる不思議。やはりお兄様はマッチョなのかしら…。
お兄様ってとっても格好良いのに、シスコンのせいでなんだか残念な感じになっちゃうのよね…。外ではちゃんとしているわよね?
「フェル兄様、もう抱っこの歳じゃないのよ」
「そうだね。でも僕からしたらミュリーはまだまだ小さくて可愛いよ」
「私は大きくなりたいの!」
「でも、ミュリーの母様も背が低かったって母様が言ってたからなぁ…」
まさかの遺伝!?成長しないんじゃなくて、母からの遺伝なの!?
お母様が女性にしては長身だから、なんとなくそうなれると思っていたのに…。
「お祖母様にミュリーの母様は似たみたいだから、ミュリーもそうなんじゃないかな?」
お母様と母は姉妹だけれどタイプが違うのよね。お母様は美女!て感じだけれど、母は美女だけれど可愛い感じ。
遺伝なら残念だけれど仕方がないわね…。
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