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10話
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私のお勉強が始まった。
ざっくり分けると国語、算数、英語、社会そして魔法学と淑女教育という感じ。
共通語と隣国の言葉はエマ達から合格点をもらっているから気持ち的には楽かな。あと算数は前世のせいかとっても簡単。
でもフェーリから『出来すぎると変に注目されて、愛し子とバレるかもね』と言われたから気をつけているわ。
この世界は1週間は6日。4日働いて2日休むのが普通。
授業も午前と午後に国算英社を1教科ずつ、魔法学と淑女教育はそれぞれ1日、4日間授業を受けて2日お休みというスケジュール。
時間が合えば食事やティータイムを、お兄様と過ごしているわ。
「ミュリー、授業はどう?」
「とっても楽しいです。特に魔法学が楽しくて!」
「洗礼を受けないと魔法の勉強は出来ないからね」
「でも、魔力操作はつまらないわ…」
「魔力操作は大事だよ。上手く出来るようにならないと魔法は使わせてもらえないからね」
魔力操作は魔力量を増やす事と、魔力暴走を防ぐ意味がある。それに魔法を実際に使う時にも差が出ててくる。
基礎が大事なのは分かるけれど、魔法を早く使ってみたいと思うのよ。前世には魔法が無かったもの。
「早く魔法が使いたいわ…」
「焦っては駄目だよ。ミュリーに何かあれば皆が悲しむからね」
眉を下げ困ったように言うお兄様。そんな顔でもキラキラしているって美少年凄いな…。
「分かっているわ」
「ミュリーは良い子だね」
抱っこから最近なでなでに変わったの。
体が成長して子供用のカトラリーの練習もしていて、かなり上手に食べられるようになったわ。
私の体が小さくてカトラリーも上手く使えなかったから、お兄様の膝に乗せられてのティータイムに疑問は無かったけれど…。
これは兄妹としては普通なのかしら?
お兄様はもしかして…シスコンというやつなのかしら?
*****
最近は寝る前に、フェーリから愛し子の力についても学んでいる。
『手の平に力を集めて』
『これ難しいのよ…』
手の平に聖属性の力を集めて丸い玉を作る。ただそれだけなのに難しい。かなり集中しないと、すぐに形が崩れちゃうの。
『考えなくても出来るようになるまでやるよ』
『フェーリ…私は別に愛し子としての役目は無いのだけれど…』
『役目が無くても、力の使い方は覚えておいた方が良いでしょ』
『はい…』
フェーリの教え方はスパルタだ。
集中してるのに何かと邪魔してくるから、すぐに形が崩れちゃう。それを元に戻す間も、もちろん邪魔してきて大変。
『この程度で崩れるなんて、まだまだ駄目だね』
フェーリは私の守護精霊よね?
守る相手に対して厳しすぎない?
でもフェーリの言う通り。使えないより使えた方が良いのは分かるわ。私が疲れきって眠るまでやるのは改善して欲しいけれど…。
『今日はもう無理…』
『昨日よりは良いかな。力が使えるようになれば疲労も回復できるよ』
『回復したら更に訓練するでしょう?』
『もちろん』
フェーリ…綺麗な顔して鬼教官…。
*****
今日はやっと魔法が使える!
魔力操作を始めて2ヶ月。まずは適性のあった水魔法からよ。
『浮かれて力を出し過ぎないでね』とフェーリから注意された。確かに私の魔力量は無限。気をつけなくちゃね。
先生の様子を見ながら水魔法を使う。水の玉を作り出し的に当てる。
「上手く出来てますよ」
「ありがとうございます」
「もっと的をよく見て狙いは正確に」
「はい」
そう。当たるけど私はコントロールが下手みたい…。
微調整をしながら的を狙うけれど、1度も綺麗に的を撃ち抜けなかったわ…。
「ミュリエル様は狙いをつけやすい、アローの方が良いかもしれませんね。来週からはそちらの練習をしましょう」
「はい。先生、ありがとうございました」
「沢山魔法を使いましたから、ゆっくり休んでくださいね。自習は魔力操作と座学だけ。魔法はまだ禁止ですからね」
「分かりました」
魔力無限だから、本当は全然疲れていないのよね。
部屋で休みながら淑女の嗜みである刺繍を刺す。明日の淑女教育の授業に提出するハンカチよ。
エマ達に助言をもらいながら刺したのは薔薇の花。赤いぐちゃぐちゃの塊にしか見えないけれど…。
「少し引っ張りすぎですね。もう少し力を抜いて、もう一度やってみましょう」
エマに新しいハンカチを渡されたわ。ご令嬢って本当に大変ね…。
そんな私の隣では、ミアが私のリボンに綺麗な刺繍を刺している。あんな風に刺繍が出来るようになる日が来るのだろうか…。
ちなみにアンはレース編みでリボンを編んでくれている。
乳母とメイド達が優秀なのは良い事だけれど、ミアとアンは何歳なんだろう?そろそろ結婚とかしないのかな?
貴族って結婚が早いイメージがあるのだけれど…どうなのかな?エマから教わった常識に結婚の事は無かったから、分からないのよね。
私も将来は侯爵家の利益になる人と結婚するのかな?
ざっくり分けると国語、算数、英語、社会そして魔法学と淑女教育という感じ。
共通語と隣国の言葉はエマ達から合格点をもらっているから気持ち的には楽かな。あと算数は前世のせいかとっても簡単。
でもフェーリから『出来すぎると変に注目されて、愛し子とバレるかもね』と言われたから気をつけているわ。
この世界は1週間は6日。4日働いて2日休むのが普通。
授業も午前と午後に国算英社を1教科ずつ、魔法学と淑女教育はそれぞれ1日、4日間授業を受けて2日お休みというスケジュール。
時間が合えば食事やティータイムを、お兄様と過ごしているわ。
「ミュリー、授業はどう?」
「とっても楽しいです。特に魔法学が楽しくて!」
「洗礼を受けないと魔法の勉強は出来ないからね」
「でも、魔力操作はつまらないわ…」
「魔力操作は大事だよ。上手く出来るようにならないと魔法は使わせてもらえないからね」
魔力操作は魔力量を増やす事と、魔力暴走を防ぐ意味がある。それに魔法を実際に使う時にも差が出ててくる。
基礎が大事なのは分かるけれど、魔法を早く使ってみたいと思うのよ。前世には魔法が無かったもの。
「早く魔法が使いたいわ…」
「焦っては駄目だよ。ミュリーに何かあれば皆が悲しむからね」
眉を下げ困ったように言うお兄様。そんな顔でもキラキラしているって美少年凄いな…。
「分かっているわ」
「ミュリーは良い子だね」
抱っこから最近なでなでに変わったの。
体が成長して子供用のカトラリーの練習もしていて、かなり上手に食べられるようになったわ。
私の体が小さくてカトラリーも上手く使えなかったから、お兄様の膝に乗せられてのティータイムに疑問は無かったけれど…。
これは兄妹としては普通なのかしら?
お兄様はもしかして…シスコンというやつなのかしら?
*****
最近は寝る前に、フェーリから愛し子の力についても学んでいる。
『手の平に力を集めて』
『これ難しいのよ…』
手の平に聖属性の力を集めて丸い玉を作る。ただそれだけなのに難しい。かなり集中しないと、すぐに形が崩れちゃうの。
『考えなくても出来るようになるまでやるよ』
『フェーリ…私は別に愛し子としての役目は無いのだけれど…』
『役目が無くても、力の使い方は覚えておいた方が良いでしょ』
『はい…』
フェーリの教え方はスパルタだ。
集中してるのに何かと邪魔してくるから、すぐに形が崩れちゃう。それを元に戻す間も、もちろん邪魔してきて大変。
『この程度で崩れるなんて、まだまだ駄目だね』
フェーリは私の守護精霊よね?
守る相手に対して厳しすぎない?
でもフェーリの言う通り。使えないより使えた方が良いのは分かるわ。私が疲れきって眠るまでやるのは改善して欲しいけれど…。
『今日はもう無理…』
『昨日よりは良いかな。力が使えるようになれば疲労も回復できるよ』
『回復したら更に訓練するでしょう?』
『もちろん』
フェーリ…綺麗な顔して鬼教官…。
*****
今日はやっと魔法が使える!
魔力操作を始めて2ヶ月。まずは適性のあった水魔法からよ。
『浮かれて力を出し過ぎないでね』とフェーリから注意された。確かに私の魔力量は無限。気をつけなくちゃね。
先生の様子を見ながら水魔法を使う。水の玉を作り出し的に当てる。
「上手く出来てますよ」
「ありがとうございます」
「もっと的をよく見て狙いは正確に」
「はい」
そう。当たるけど私はコントロールが下手みたい…。
微調整をしながら的を狙うけれど、1度も綺麗に的を撃ち抜けなかったわ…。
「ミュリエル様は狙いをつけやすい、アローの方が良いかもしれませんね。来週からはそちらの練習をしましょう」
「はい。先生、ありがとうございました」
「沢山魔法を使いましたから、ゆっくり休んでくださいね。自習は魔力操作と座学だけ。魔法はまだ禁止ですからね」
「分かりました」
魔力無限だから、本当は全然疲れていないのよね。
部屋で休みながら淑女の嗜みである刺繍を刺す。明日の淑女教育の授業に提出するハンカチよ。
エマ達に助言をもらいながら刺したのは薔薇の花。赤いぐちゃぐちゃの塊にしか見えないけれど…。
「少し引っ張りすぎですね。もう少し力を抜いて、もう一度やってみましょう」
エマに新しいハンカチを渡されたわ。ご令嬢って本当に大変ね…。
そんな私の隣では、ミアが私のリボンに綺麗な刺繍を刺している。あんな風に刺繍が出来るようになる日が来るのだろうか…。
ちなみにアンはレース編みでリボンを編んでくれている。
乳母とメイド達が優秀なのは良い事だけれど、ミアとアンは何歳なんだろう?そろそろ結婚とかしないのかな?
貴族って結婚が早いイメージがあるのだけれど…どうなのかな?エマから教わった常識に結婚の事は無かったから、分からないのよね。
私も将来は侯爵家の利益になる人と結婚するのかな?
応援ありがとうございます!
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