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04話
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母の姉に引き取られると聞いた翌日、早速お引越しするらしい。
乳母とメイドと一緒に揺れる乗り物、多分馬車で移動したのが義理の家族となる家。
馬車の中で乳母が「今日からミュリエル様の家族はランベール侯爵家ですよ」と教えてくれた。
「公爵」なのか「侯爵」なのか発音だけじゃ分からないけど、とりあえず更にお金持ちの家の子になるということか…。
新しい家族となる家に着くも、視界ぼんやりでは何も分からない。
医者の診察中、私がこの状態なのが何故か分かるのかと期待したけれど…分からなかった。病院じゃなくて往診だから、医療技術は遅れているのかなぁ…と思った。
「兄 」になる義両親の息子と会う予定だったけれど、熱が出でしまい回復してからとなった。申し訳ない…。
この体…ほんと熱出すぎじゃない?
*****
数日後、熱が下がり新しい家族と対面する事になった。ぼんやりしか見えないから、顔は分からないけど皆黄色の髪に青い瞳だと思う。
「ミュリエル、君の父親になるジョセフ・ランベールだ。ここはランベール侯爵家。君の名前もミュリエル・ランベールになるよ。これから本当の家族になっていけたらと思う」
大きな手で頭を優しく撫でてくれるのが父ね。低めの落ち着いた声。「公」か「侯」かやっぱり分からない…。
「あなたのお母様になるアルベルティーヌよ。あなたの亡くなったお母様は私の妹だったの。ミュリエル、あなたを妹の代わりに我が子として育てていくわ」
声は少し亡くなった母に似ている。私はまだ赤ちゃんだから実の親子っぽくなれるのかな?
「ミュリエルのお兄様になるフェリクスだよ。勉強の無い日は遊びに来るからね。妹ができて嬉しいよ。これからよろしくね」
小さな手が頭を撫でてくれる。声は子供特有の高い声だけれど優しそう。勉強があるってお兄様は何歳なのかな?
両親は忙しいようで、しばらくしたら部屋を出て行った。貴族ってどんな仕事するんだろう?
その後はお兄様がランベール家の事を色々教えてくれた。
どうやら、勉強して習った事を披露できるのが嬉しいらしい。実家の伯爵家も良い家だったと思うけれど、ここも優しい人が多そう。
寝たきりで何も出来ないのが申し訳ない…。
*****
その夜、不思議な夢を見た。
不思議な髪色で白いヒラヒラしたドレスを着た、もの凄い美女が申し訳なさそうに佇んでいた。
『私の名前は女神イーリス。この世界の神です』
名乗られた瞬間「あっ、夢だな」と思ったよね。
私の現状について説明しに、夢を介して会いに来てくれたらしい。女神様なかなか親切なのね。
その説明の結果、私がこの状態なのは女神様のせいらしい。親切…では無いかもしれない…。
生まれ変わる前、魂の時に「つい」使ってしまった力のせいなんだとか。でも、それが無ければ私は死産だったらしいから、一応命の恩人なのかな?
でも咄嗟に使ったせいで、上手く加減が出来なかったらしい。
女神様の力が馴染むまで、癇癪を起こしたりすると命が危ないから、前世を少し引っ張り出して感情を抑えているらしい。だから記憶が中途半端なのね。
頻繁に熱を出すのは一種の拒絶反応。女神様の力が強すぎて、体と魂が上手く馴染めないせいなんだとか。
ちなみに馴染めば目も見えるし体も動くんだって。魂と体の間に女神様の力があって一体化してないから、視界ぼんやり寝たきり状態らしい。
馴染んだ時に女神様の力がどのくらい体に残るかは分からないから、馴染んだらまた来るって言われたわ。
翌朝、目覚めはスッキリ!
視界ぼんやり寝たきり状態だけれど、病気では無いって分かったのは良かったわ。でも喋れないのに、物は食べられるから不思議なんだよね。
ちなみに食事は3回、おやつ2回。1度に沢山食べられ無いからみたい。ミルクは卒業したけれど、寝たきりだからオムツとは、なかなかサヨナラ出来ない…。
赤ちゃんだけど中身大人だから、ちょっとメンタルにくる…早くトイレに行けるようにならないかな…。
乳母とメイドと一緒に揺れる乗り物、多分馬車で移動したのが義理の家族となる家。
馬車の中で乳母が「今日からミュリエル様の家族はランベール侯爵家ですよ」と教えてくれた。
「公爵」なのか「侯爵」なのか発音だけじゃ分からないけど、とりあえず更にお金持ちの家の子になるということか…。
新しい家族となる家に着くも、視界ぼんやりでは何も分からない。
医者の診察中、私がこの状態なのが何故か分かるのかと期待したけれど…分からなかった。病院じゃなくて往診だから、医療技術は遅れているのかなぁ…と思った。
「兄 」になる義両親の息子と会う予定だったけれど、熱が出でしまい回復してからとなった。申し訳ない…。
この体…ほんと熱出すぎじゃない?
*****
数日後、熱が下がり新しい家族と対面する事になった。ぼんやりしか見えないから、顔は分からないけど皆黄色の髪に青い瞳だと思う。
「ミュリエル、君の父親になるジョセフ・ランベールだ。ここはランベール侯爵家。君の名前もミュリエル・ランベールになるよ。これから本当の家族になっていけたらと思う」
大きな手で頭を優しく撫でてくれるのが父ね。低めの落ち着いた声。「公」か「侯」かやっぱり分からない…。
「あなたのお母様になるアルベルティーヌよ。あなたの亡くなったお母様は私の妹だったの。ミュリエル、あなたを妹の代わりに我が子として育てていくわ」
声は少し亡くなった母に似ている。私はまだ赤ちゃんだから実の親子っぽくなれるのかな?
「ミュリエルのお兄様になるフェリクスだよ。勉強の無い日は遊びに来るからね。妹ができて嬉しいよ。これからよろしくね」
小さな手が頭を撫でてくれる。声は子供特有の高い声だけれど優しそう。勉強があるってお兄様は何歳なのかな?
両親は忙しいようで、しばらくしたら部屋を出て行った。貴族ってどんな仕事するんだろう?
その後はお兄様がランベール家の事を色々教えてくれた。
どうやら、勉強して習った事を披露できるのが嬉しいらしい。実家の伯爵家も良い家だったと思うけれど、ここも優しい人が多そう。
寝たきりで何も出来ないのが申し訳ない…。
*****
その夜、不思議な夢を見た。
不思議な髪色で白いヒラヒラしたドレスを着た、もの凄い美女が申し訳なさそうに佇んでいた。
『私の名前は女神イーリス。この世界の神です』
名乗られた瞬間「あっ、夢だな」と思ったよね。
私の現状について説明しに、夢を介して会いに来てくれたらしい。女神様なかなか親切なのね。
その説明の結果、私がこの状態なのは女神様のせいらしい。親切…では無いかもしれない…。
生まれ変わる前、魂の時に「つい」使ってしまった力のせいなんだとか。でも、それが無ければ私は死産だったらしいから、一応命の恩人なのかな?
でも咄嗟に使ったせいで、上手く加減が出来なかったらしい。
女神様の力が馴染むまで、癇癪を起こしたりすると命が危ないから、前世を少し引っ張り出して感情を抑えているらしい。だから記憶が中途半端なのね。
頻繁に熱を出すのは一種の拒絶反応。女神様の力が強すぎて、体と魂が上手く馴染めないせいなんだとか。
ちなみに馴染めば目も見えるし体も動くんだって。魂と体の間に女神様の力があって一体化してないから、視界ぼんやり寝たきり状態らしい。
馴染んだ時に女神様の力がどのくらい体に残るかは分からないから、馴染んだらまた来るって言われたわ。
翌朝、目覚めはスッキリ!
視界ぼんやり寝たきり状態だけれど、病気では無いって分かったのは良かったわ。でも喋れないのに、物は食べられるから不思議なんだよね。
ちなみに食事は3回、おやつ2回。1度に沢山食べられ無いからみたい。ミルクは卒業したけれど、寝たきりだからオムツとは、なかなかサヨナラ出来ない…。
赤ちゃんだけど中身大人だから、ちょっとメンタルにくる…早くトイレに行けるようにならないかな…。
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