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53話
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その夜、サラは執務室に呼ばれていた。
「じゃあ、リリアンヌは明日からは学園に行けるのだな?」
「はい。時々不安になられる事もあるとも言われましたが大丈夫な様です。クリスティナ様も学園での様子を気にかけて下さるそうです」
「はぁ・・・良かったわ。サラ達も付きっきりで大変だったでしょう?ありがとう」
当主夫妻の安堵した表情にサラもほっとする。仕事や社交で一緒に過ごす時間は少ないが、夫妻はとても愛情深くリリアンヌ様を大切にしている。
少し報告をするか迷ったがリリアンヌの「吊り橋効果」について切り出す事にした。
「それとですね・・・」
「何か気になる事でも?」
「お嬢様が今回の件で吊り橋効果により・・・リュドに恋心を抱いておいでです」
「「・・・っ!?」」
「本当か!?」
「まぁ!まぁまぁまぁ!」
ジェイムズは立ち上がりエレーヌは執務室をウロウロと歩き回る。
「サラ、本当なのかしら!」
「本当で御座います」
「ジェイムス!とうとうリリアンヌに恋愛感情が!」
「エレーヌ、一時的とはいえ奇跡だな!」
夫妻は手を取り合い喜んだ。娘の事を正確に理解しているのは良いが「奇跡」とまで言うのはどうなのだろうか?
「リリアンヌはどんな感じなのかしら?」
「初めての感情にとても戸惑っていらっしゃいますね。リュドに迷惑をかけてしまうからと、吊り橋効果がどうしたら早く終わるのかと考えている様です」
「一時的でも良い傾向ね。リュドはどうなのかしら?」
「リリアンヌ様に他意は無いのをわかっていますし、今までの事もありますからね。慣れた様です」
「少しも意識していないの?リュドも真面目ね・・・困ったわ」
令嬢の近くに居るのが不真面目でも困るのだが・・・。
「リュドは5年目だが仕事も出来るし信頼出来る。リリアンヌにそういう感情を持って専属を続けはしないだろう・・・。しばらくは様子を見よう。効果が切れても人を好きになる気持ちは理解出来るようになったはずだから」
「サラ、リリアンヌの様子を報告してね。私は余計な事を言ってしまいそうだから見守るわ」
「畏まりました」
夫妻は娘の疑似恋愛とはいえ諦めていた「恋愛感情の芽生えに」に喜びのワインを開けた。
*****
翌日、1週間ぶりに学園に登校した。
先生と話し合い試験の成績が良かった事と、事情が事情なので休んだ1週間の課題は無しとなったわ。
「リリとカフェテリアでランチをするのも久しぶりね」
「ええ。やっといつもの生活が送れるわ」
「それで?リュドとはどうなのかしら?」
リリアンヌとやっと恋バナが出来るとクリスティナは喜んでいた。
「どうもしないわ。迷惑をかけてしまうから効果が切れるまでは、呼ばない限り部屋に来ないように言ってあるわ。帰るまでに仕事の資料は揃えてくれるって言っていたから問題はないと思うわ」
「・・・・・・・・・」
吊り橋効果とはいえ恋をしているのだから少しは変わるかと思っていたのにリリはリリね・・・。他人の事にはとても敏感なのに、どうしてリリは自分の事にこんなにも鈍感なのかわからないわ・・・。
「ティナどうかしたの?」
「もしも・・・リュドへの気持ちが吊り橋効果じゃなかったら・・・リリはどうするの?」
「そうね・・・リュドは仕事が出来るし信頼できるから残念だけれど専属を別の人に変えるわ。自分に恋愛感情を持っている上司なんて仕事がやりにくいでしょう?」
何故仕事のやりやすさが判断基準なの?理解出来ないしリリと恋バナがしたいのに~!
「あらあら、ティナってば頬を膨らませたらリスみたいよ?とっても可愛いらしいけれど」
「もう!リリと恋バナがしたいの!」
「アンドリュー様との惚気ならいくらでも聞くわよ?」
「私はリリの惚気が聞きたいわ・・・」
その日は何度もリュドの事を聞き出そうとするティナを宥めながら、休んでいた間のノートを写させてもらい帰宅したわ。
*****
湯浴みの後、久しぶりに仕事に手をつける。資料のリュドの字に少しドキドキしたけれど深呼吸をして気持ちを切り替える。
鉱山の労働環境改善は上手くいっているわね。お爺様から引き継いで現場から不満が上がるのは避けなければ・・・。
今回は要望書があるのね・・・あら?これはどうしたら良いのかしら・・・聞ける要望は叶えてあげたいけれど・・・娼館ってどうやって誘致するのかしら?
そもそも、この世界の風俗ってどうなっているの?要望が出るのだからあるのよね・・・どんな感じなのかしら?ちょっと気になるわ。
迷ったけれどリュドを部屋に呼ぶ。
「鉱山から上がっている要望書の事なのだけれど・・・」
「何か問題でもありましたか?」
何かしら・・・ちょっと言いにくいわね・・・。
「娼館の事なのよ・・・」
「・・・・・・・・・」
「リュド?」
「その要望書は手違いですので、こちらで処理致します」
「でも正式な書類よ?」
不備の無い正式な書類をリュドに見せる。
「お嬢様、そちらを渡して下さい」
「駄目よ。誘致は出来るのかしら?」
「私が手配致しますからご安心下さい」
「リュドが?」
同じ男の人のリュドなら鉱夫達が満足するように手配してくれると思うのに・・・何だかモヤモヤするわ・・・。リュドは行った事があるのかしら?男の人だものあるわよね・・・何だか凄く嫌だわ・・・。
「お嬢様?」
「リュドは・・・・・・行ったりするのかしら・・・」
あぁ・・・何故聞いてしまったのかしら・・・リュドの顔が見られないわ。行っているかなんて聞きたくないのに・・・。
「ごめんなさい・・・答えなくて良いわ。この件はお願いね。もう下がって良いわ」
「畏まりました。失礼致します」
部屋に1人になると溜息がもれ涙が滲んでくる。これは多分「嫉妬」ね。リュドに迷惑をかけない様にするのは難しいわね・・・。
いつになったら吊り橋効果は消えるのかしら・・・よくわからない気持ちになったり、感情に振り回されるのなんて嫌なのに・・・。
リュドと会うと仕事でも嬉しいわ。でも今みたいに余計な事を言ってしまうのは嫌・・・。でも・・・専属を外すのも本当は嫌・・・。
どうしたら良いのかしら・・・。
「じゃあ、リリアンヌは明日からは学園に行けるのだな?」
「はい。時々不安になられる事もあるとも言われましたが大丈夫な様です。クリスティナ様も学園での様子を気にかけて下さるそうです」
「はぁ・・・良かったわ。サラ達も付きっきりで大変だったでしょう?ありがとう」
当主夫妻の安堵した表情にサラもほっとする。仕事や社交で一緒に過ごす時間は少ないが、夫妻はとても愛情深くリリアンヌ様を大切にしている。
少し報告をするか迷ったがリリアンヌの「吊り橋効果」について切り出す事にした。
「それとですね・・・」
「何か気になる事でも?」
「お嬢様が今回の件で吊り橋効果により・・・リュドに恋心を抱いておいでです」
「「・・・っ!?」」
「本当か!?」
「まぁ!まぁまぁまぁ!」
ジェイムズは立ち上がりエレーヌは執務室をウロウロと歩き回る。
「サラ、本当なのかしら!」
「本当で御座います」
「ジェイムス!とうとうリリアンヌに恋愛感情が!」
「エレーヌ、一時的とはいえ奇跡だな!」
夫妻は手を取り合い喜んだ。娘の事を正確に理解しているのは良いが「奇跡」とまで言うのはどうなのだろうか?
「リリアンヌはどんな感じなのかしら?」
「初めての感情にとても戸惑っていらっしゃいますね。リュドに迷惑をかけてしまうからと、吊り橋効果がどうしたら早く終わるのかと考えている様です」
「一時的でも良い傾向ね。リュドはどうなのかしら?」
「リリアンヌ様に他意は無いのをわかっていますし、今までの事もありますからね。慣れた様です」
「少しも意識していないの?リュドも真面目ね・・・困ったわ」
令嬢の近くに居るのが不真面目でも困るのだが・・・。
「リュドは5年目だが仕事も出来るし信頼出来る。リリアンヌにそういう感情を持って専属を続けはしないだろう・・・。しばらくは様子を見よう。効果が切れても人を好きになる気持ちは理解出来るようになったはずだから」
「サラ、リリアンヌの様子を報告してね。私は余計な事を言ってしまいそうだから見守るわ」
「畏まりました」
夫妻は娘の疑似恋愛とはいえ諦めていた「恋愛感情の芽生えに」に喜びのワインを開けた。
*****
翌日、1週間ぶりに学園に登校した。
先生と話し合い試験の成績が良かった事と、事情が事情なので休んだ1週間の課題は無しとなったわ。
「リリとカフェテリアでランチをするのも久しぶりね」
「ええ。やっといつもの生活が送れるわ」
「それで?リュドとはどうなのかしら?」
リリアンヌとやっと恋バナが出来るとクリスティナは喜んでいた。
「どうもしないわ。迷惑をかけてしまうから効果が切れるまでは、呼ばない限り部屋に来ないように言ってあるわ。帰るまでに仕事の資料は揃えてくれるって言っていたから問題はないと思うわ」
「・・・・・・・・・」
吊り橋効果とはいえ恋をしているのだから少しは変わるかと思っていたのにリリはリリね・・・。他人の事にはとても敏感なのに、どうしてリリは自分の事にこんなにも鈍感なのかわからないわ・・・。
「ティナどうかしたの?」
「もしも・・・リュドへの気持ちが吊り橋効果じゃなかったら・・・リリはどうするの?」
「そうね・・・リュドは仕事が出来るし信頼できるから残念だけれど専属を別の人に変えるわ。自分に恋愛感情を持っている上司なんて仕事がやりにくいでしょう?」
何故仕事のやりやすさが判断基準なの?理解出来ないしリリと恋バナがしたいのに~!
「あらあら、ティナってば頬を膨らませたらリスみたいよ?とっても可愛いらしいけれど」
「もう!リリと恋バナがしたいの!」
「アンドリュー様との惚気ならいくらでも聞くわよ?」
「私はリリの惚気が聞きたいわ・・・」
その日は何度もリュドの事を聞き出そうとするティナを宥めながら、休んでいた間のノートを写させてもらい帰宅したわ。
*****
湯浴みの後、久しぶりに仕事に手をつける。資料のリュドの字に少しドキドキしたけれど深呼吸をして気持ちを切り替える。
鉱山の労働環境改善は上手くいっているわね。お爺様から引き継いで現場から不満が上がるのは避けなければ・・・。
今回は要望書があるのね・・・あら?これはどうしたら良いのかしら・・・聞ける要望は叶えてあげたいけれど・・・娼館ってどうやって誘致するのかしら?
そもそも、この世界の風俗ってどうなっているの?要望が出るのだからあるのよね・・・どんな感じなのかしら?ちょっと気になるわ。
迷ったけれどリュドを部屋に呼ぶ。
「鉱山から上がっている要望書の事なのだけれど・・・」
「何か問題でもありましたか?」
何かしら・・・ちょっと言いにくいわね・・・。
「娼館の事なのよ・・・」
「・・・・・・・・・」
「リュド?」
「その要望書は手違いですので、こちらで処理致します」
「でも正式な書類よ?」
不備の無い正式な書類をリュドに見せる。
「お嬢様、そちらを渡して下さい」
「駄目よ。誘致は出来るのかしら?」
「私が手配致しますからご安心下さい」
「リュドが?」
同じ男の人のリュドなら鉱夫達が満足するように手配してくれると思うのに・・・何だかモヤモヤするわ・・・。リュドは行った事があるのかしら?男の人だものあるわよね・・・何だか凄く嫌だわ・・・。
「お嬢様?」
「リュドは・・・・・・行ったりするのかしら・・・」
あぁ・・・何故聞いてしまったのかしら・・・リュドの顔が見られないわ。行っているかなんて聞きたくないのに・・・。
「ごめんなさい・・・答えなくて良いわ。この件はお願いね。もう下がって良いわ」
「畏まりました。失礼致します」
部屋に1人になると溜息がもれ涙が滲んでくる。これは多分「嫉妬」ね。リュドに迷惑をかけない様にするのは難しいわね・・・。
いつになったら吊り橋効果は消えるのかしら・・・よくわからない気持ちになったり、感情に振り回されるのなんて嫌なのに・・・。
リュドと会うと仕事でも嬉しいわ。でも今みたいに余計な事を言ってしまうのは嫌・・・。でも・・・専属を外すのも本当は嫌・・・。
どうしたら良いのかしら・・・。
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