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13話
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3回目の社交シーズンも順調に終わったわ。
同級生となるご令嬢達とも仲良くなれたわ。学園への入学は楽しみだけど不安なのも皆同じで安心したわ。
私はタウンハウスから通うけど寮生活になる方は環境が大きく変わるから本当に不安そうだったわ。寮は爵位に関係なく一人部屋で同じ間取り。連れて行ける使用人は2人まで。掃除等は寮の使用人がやってくれるわ。
入学までもう半年も無いのね。
*****
今日は久しぶりにティナと2人だけのお茶会よ。
忙しくて最近ゆっくり会えなくなってきたわ。仕方ないけど少し寂しいわね。
「リリ、お招きありがとう」
「来てくれて嬉しいわ。どうぞ掛けて頂戴」
2人だけのお茶会もマナーを守ったものへと変化してきたわ。おしゃべりに夢中になると砕けちゃうけどね。
「リリが8月まで王都に居るなんて初めてじゃないかしら?」
「ドレスを仕立てないと今年は帰らせて貰えないの」
「ドレス?」
「来年デビュタントを迎えたら夜会や晩餐もあるでしょ?そのドレスよ。他にも学園で着るワンピースとか・・・お母様とサラが納得するまで帰らせて貰えないの」
「ふふ、リリらしい理由だわ」
「もう、笑い事じゃないのよ。イブニングドレスって慣れないじゃない?急に胸元や背中をあんなに出すなんて」
「わかるわ・・・。私も仕立て始めたけど正直恥ずかしいわよね・・・」
「アンドリュー様なら褒めてくれるわよ?」
「1番見られたら恥ずかしいわよ!」
真っ赤になって照れるティナは可愛いわ。初めての夜会でティナがアンドリュー様に褒められる所は絶対に見るわ!
「じゃあ、デビュタントまでサミュエルお兄様で練習しましょうか?」
「お兄様なら恥ずかしくないけど、型通りの褒め言葉を胡散臭い笑顔で言われるのはちょっと・・・」
「面白くて良いと思うけど?」
「えぇ・・・リリって男の趣味が悪いのかしら・・・」
「サミュエルお兄様は異性という対象ではないわよ?」
「わかっているわ。でも、お父様がね「リリが跡取りじゃなければ」て最近よく言うのよね」
「私に兄弟が居たら・・・政略としては有り得るわね。でも、サミュエルお兄様のお相手選び難航しているの?」
「両親からは・・・同性が好きなんじゃないかって疑惑が出ているわ」
「ふふっ・・・ティナ・・・ふっ・・・ふふっ・・・面白い事になっているのね・・・」
サミュエルお兄様の同性愛疑惑!面白すぎるわ・・・あぁ・・・お腹が痛い・・・。グリーズのお陰で腹筋が鍛えられてて助かったわ。
「リリ、思いっきり笑っても良いのよ?」
「大丈夫よ。表情を崩さない練習になるわ」
「もう、リリはお兄様の好きそうな人わかるかしら?」
「相性が良さそうな方は居るけど・・・選ぶのはサミュエルお兄様よ。私もそうだけど口を出されたくないと思うわ」
「そうだけど、今年卒業だから両親は婚約だけでもさせたいみたいなの」
「男性は遅くても大丈夫でしょ?25歳くらいまでは焦る必要は無いと思うわ。お相手も10歳くらいなら年下でも全然構わないと思うのだけど?」
「私もそう思うわ。お兄様はしっかりしているから放っておいても大丈夫だって」
「同性愛・・・ふっ・・・疑惑の・・・・・・せいかしら・・・ふふっ」
「リリ・・・震えるくらい面白いのね・・・」
だってサミュエルお兄様よ?相手は絶対アンドリュー様だと思うのよ。アンドリュー様は緩く波打つ金髪にグリーンの瞳の優しげな爽やか美青年よ。色気のあるお兄様と並ばせたら目の保養にはなるわ。
この世界にも腐ったご趣味の方が居るのかしら?ちょっとお話を聞きたいわ。
「ふぅ・・・しばらくこの話で笑えるわね。でもご両親はどうしてそんな事を言い出したの?急ぐ必要でもあるのかしら?」
「詳しくは教えてくれないけど、お兄様の噂が原因らしいわ」
「へぇ・・・面白そうだから調べてみるわね」
ティナも興味がありそうね。内容によってはティナには言えないけど、でも本当にアンドリュー様がお相手に上がったら教えても良いのかしら?悩むわね。
*****
サミュエルお兄様の噂については両親にも濁されたけど、ご令嬢を通して親しくお付き合いしている侯爵夫人から教えて貰えたわ。
同性愛の噂は基本的には見目の麗しい方や凛々しい騎士の方を愛でて楽しまれている、ご令嬢やご夫人が出処だったわ。見て想像して楽しむだけだから害は無いのよ。夜会でサミュエルお兄様とアンドリュー様の親密な雰囲気から噂というか愛でる対象になったとか。
それと、もう1つ・・・。
ある未亡人の方と恋人だと噂があるそう。夫人も夜会で親しげに話している姿を見たそうだけど、本当に関係があるのか噂の真偽は不明。私でも知っている・・・ある意味では有名人。サミュエルお兄様にしては不用意なのが引っかかるわ。
この未亡人に何かあるのかしら?
「サラ、この方を詳しく調べてくれない?」
名前を書いたメモを渡す。
「お嬢様、この方はあまり・・・」
「良い噂が無いのは知っているわ。でも必要なの。出生から現在まで。真偽不明の噂まで詳細にお願いね」
「畏まりました」
叩けばホコリしか出なそうな方とサミュエルお兄様ね・・・。どんな思惑が隠れているのかしら?
ティナに心配させたくないわ。場合によっては思惑なんて無視して未亡人の方には社交界から退場して頂きたいわね。
同級生となるご令嬢達とも仲良くなれたわ。学園への入学は楽しみだけど不安なのも皆同じで安心したわ。
私はタウンハウスから通うけど寮生活になる方は環境が大きく変わるから本当に不安そうだったわ。寮は爵位に関係なく一人部屋で同じ間取り。連れて行ける使用人は2人まで。掃除等は寮の使用人がやってくれるわ。
入学までもう半年も無いのね。
*****
今日は久しぶりにティナと2人だけのお茶会よ。
忙しくて最近ゆっくり会えなくなってきたわ。仕方ないけど少し寂しいわね。
「リリ、お招きありがとう」
「来てくれて嬉しいわ。どうぞ掛けて頂戴」
2人だけのお茶会もマナーを守ったものへと変化してきたわ。おしゃべりに夢中になると砕けちゃうけどね。
「リリが8月まで王都に居るなんて初めてじゃないかしら?」
「ドレスを仕立てないと今年は帰らせて貰えないの」
「ドレス?」
「来年デビュタントを迎えたら夜会や晩餐もあるでしょ?そのドレスよ。他にも学園で着るワンピースとか・・・お母様とサラが納得するまで帰らせて貰えないの」
「ふふ、リリらしい理由だわ」
「もう、笑い事じゃないのよ。イブニングドレスって慣れないじゃない?急に胸元や背中をあんなに出すなんて」
「わかるわ・・・。私も仕立て始めたけど正直恥ずかしいわよね・・・」
「アンドリュー様なら褒めてくれるわよ?」
「1番見られたら恥ずかしいわよ!」
真っ赤になって照れるティナは可愛いわ。初めての夜会でティナがアンドリュー様に褒められる所は絶対に見るわ!
「じゃあ、デビュタントまでサミュエルお兄様で練習しましょうか?」
「お兄様なら恥ずかしくないけど、型通りの褒め言葉を胡散臭い笑顔で言われるのはちょっと・・・」
「面白くて良いと思うけど?」
「えぇ・・・リリって男の趣味が悪いのかしら・・・」
「サミュエルお兄様は異性という対象ではないわよ?」
「わかっているわ。でも、お父様がね「リリが跡取りじゃなければ」て最近よく言うのよね」
「私に兄弟が居たら・・・政略としては有り得るわね。でも、サミュエルお兄様のお相手選び難航しているの?」
「両親からは・・・同性が好きなんじゃないかって疑惑が出ているわ」
「ふふっ・・・ティナ・・・ふっ・・・ふふっ・・・面白い事になっているのね・・・」
サミュエルお兄様の同性愛疑惑!面白すぎるわ・・・あぁ・・・お腹が痛い・・・。グリーズのお陰で腹筋が鍛えられてて助かったわ。
「リリ、思いっきり笑っても良いのよ?」
「大丈夫よ。表情を崩さない練習になるわ」
「もう、リリはお兄様の好きそうな人わかるかしら?」
「相性が良さそうな方は居るけど・・・選ぶのはサミュエルお兄様よ。私もそうだけど口を出されたくないと思うわ」
「そうだけど、今年卒業だから両親は婚約だけでもさせたいみたいなの」
「男性は遅くても大丈夫でしょ?25歳くらいまでは焦る必要は無いと思うわ。お相手も10歳くらいなら年下でも全然構わないと思うのだけど?」
「私もそう思うわ。お兄様はしっかりしているから放っておいても大丈夫だって」
「同性愛・・・ふっ・・・疑惑の・・・・・・せいかしら・・・ふふっ」
「リリ・・・震えるくらい面白いのね・・・」
だってサミュエルお兄様よ?相手は絶対アンドリュー様だと思うのよ。アンドリュー様は緩く波打つ金髪にグリーンの瞳の優しげな爽やか美青年よ。色気のあるお兄様と並ばせたら目の保養にはなるわ。
この世界にも腐ったご趣味の方が居るのかしら?ちょっとお話を聞きたいわ。
「ふぅ・・・しばらくこの話で笑えるわね。でもご両親はどうしてそんな事を言い出したの?急ぐ必要でもあるのかしら?」
「詳しくは教えてくれないけど、お兄様の噂が原因らしいわ」
「へぇ・・・面白そうだから調べてみるわね」
ティナも興味がありそうね。内容によってはティナには言えないけど、でも本当にアンドリュー様がお相手に上がったら教えても良いのかしら?悩むわね。
*****
サミュエルお兄様の噂については両親にも濁されたけど、ご令嬢を通して親しくお付き合いしている侯爵夫人から教えて貰えたわ。
同性愛の噂は基本的には見目の麗しい方や凛々しい騎士の方を愛でて楽しまれている、ご令嬢やご夫人が出処だったわ。見て想像して楽しむだけだから害は無いのよ。夜会でサミュエルお兄様とアンドリュー様の親密な雰囲気から噂というか愛でる対象になったとか。
それと、もう1つ・・・。
ある未亡人の方と恋人だと噂があるそう。夫人も夜会で親しげに話している姿を見たそうだけど、本当に関係があるのか噂の真偽は不明。私でも知っている・・・ある意味では有名人。サミュエルお兄様にしては不用意なのが引っかかるわ。
この未亡人に何かあるのかしら?
「サラ、この方を詳しく調べてくれない?」
名前を書いたメモを渡す。
「お嬢様、この方はあまり・・・」
「良い噂が無いのは知っているわ。でも必要なの。出生から現在まで。真偽不明の噂まで詳細にお願いね」
「畏まりました」
叩けばホコリしか出なそうな方とサミュエルお兄様ね・・・。どんな思惑が隠れているのかしら?
ティナに心配させたくないわ。場合によっては思惑なんて無視して未亡人の方には社交界から退場して頂きたいわね。
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