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プロローグ

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時は2085年
機械化サイボーグや生体サイボーグが認可された近未来の物語

今回は、重犯罪サイボーグを狩るエージェント『ルカ』が活躍します

.....遠くでサイレンが聞こえる

町外れに残っている大きな工場で、始業のサイレンが鳴ったようだ

平成の頃までは隆盛を誇っていた工業団地も、今では周囲を住宅に埋め尽くされて肩身の狭い思いをしている

令和の終わりごろから続いた3度の震災で東京の臨海部は水没していた

東京駅の地下は水没し、波打ち際の東京タワーは少しずつ傾き始めた

工場も多くが郊外に移転して、そこに公営団地が建てられた

煙突から立ち上る白い水蒸気さえも、新しい住民は良しとはしない

住民の反対運動で移転を余儀無くされ、操業を停止した大きな工場が今回の事件現場だった

重犯罪者の機械化サイボーグが、工場の外壁に付けられたハシゴを登る途中で息絶えていた

もう少しで工場の屋根に届く高さだった

「逃げようとしたんですかね⁉️」

若手の刑事がサイボーグの顔を見上げた

「そうなんだろうな....
今でも必死に逃げているみたいだな」

先輩刑事が答えた通り、サイボーグの男は必死の形相でハシゴに掴まっていた

だが、どんなに頑張っても、彼の足がハシゴを登る手伝いはしない

何故なら、彼の下半身は遥か下の地面に倒れているからだ

「しかし、凄まじい切れ味だな」

サイボーグの身体を両断した切り口は、大きな工場の外壁まで切り裂いていた

「これはブライドさんの仕事じゃないですね❓」

「そうだな、だが俺たちの仕事でもないようだ」

先輩刑事は以前、内閣調査室本部でアリスとルカに会っていた

その時、ルカの音叉剣の切れ味を見ている

「先輩、何か知ってるんですか❓」

若手が顔を覗き込むように聞いてきた

「いや、刑事の勘だ」

先輩は笑って誤魔化した

そして2人の刑事は、街の雑踏に消えて行った


⭐️登場人物紹介

宇佐妓 ルカ(うさぎ るか)

コードネーム:バルキリー
一人称:オレ
所属:内閣調査室 対サイボーグ班
性別:男性
身長:173cm
年齢:3歳(ブライドと同じ)
サイボーグ比率:0%
特徴:アルビノ
特記事項:宇佐妓アリス(ブライド)の腹違いの弟。姉が自分の事を「うさぎ」と呼ぶので、ルカは自分の苗字を名乗れないと不満を持っている。
特技:短刀の超振動ブレード使い
拳銃の弾を切ったり弾いたりできる。
性格:無口、無表情、エロに興味ない。姉のアリスを女性と見ていない

⭐️バルキリースーツ

燕尾服に似たスーツタイプの戦闘服を着用する

🟠外観

ジャケット:黒の燕尾服に見えるが、実はショートジャケットにスワローテイルを付けている
スワローテイルはマントのように広がる
スワローテイルの内側はミッドナイトブルー
暑いから....と言う理由で、ルカは袖を折り返している

ウエストコート:黒、シングル
本来なら白であるべきだが、ブライドとの差別化で黒にしている

シャツ:半袖、白
暑いから...

スラックス:黒
普通に燕尾服のスラックス

靴:エナメルブラックのショートブーツ
激しい動きでも脱げないから

ネクタイ:無し
暑いから...


🟠機能

光学迷彩:ブライドと同じ機能を使っている

振動増幅繊維:金属繊維が織り込まれているため、スーツ全体から振動や衝撃波を出すことができる
ジャンプと同時に靴底から衝撃波を出し、スワローテイルで羽ばたくことによって十数メートルの飛翔ができる
スワローテイルは、飛翔時やバイク運転時にスタビライザーの役割をする

音叉剣:太もものホルダーに左右2本装備している
普段は光学迷彩で隠している

🟠戦闘スタイル

天のチャクラ(頭頂部のさらに上)から電気を吸収して、地のチャクラ(かかと)から放出することが得意なブライドに対して、バルキリーは地のチャクラから振動を吸収して空のチャクラ(手のひら)から放出することを得意としている
振動や衝撃波を使って戦う

音叉剣:振動を受けて共鳴する剣

超振動ブレード:音叉剣に超振動を伝わせたもの
なんでも切る
リィィィィィイイイン🎵
と小さな鈴の音のような音が聞こえる

ブラインドブレード:超振動ブレードの振動を切っ先から空気に伝播させ、その振動に気を乗せることで、長さ数メートルの見えない刃を形成する
キャァァァァァアアアア‼️
と甲高い女性の悲鳴のような音が聞こえる

ブライドが持つガーランドは装備していない

もし、ブライドとバルキリーが戦うと、おそらくバルキリーが勝利する
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