4 / 8
3 きゅうりと翔太郎
しおりを挟む
稲穂がゆらゆらと風と遊んでいる。
朝日が川面に反射して踊っている。
見渡す限りの水田。
見渡す限りの青空。
見渡す限りの景色の色が、稲穂の黄金色と空の青色の2色しかない。
「田舎って不思議な世界だね❣️」
(うさぎちゃんは、田舎は嫌いじゃなかった❓)
「そうね....
そうだったね。
でも、ちょっとだけ好きかもしれないよ💕」
うさぎはサポートAIのkameとおしゃべりしながら、朝の五行川沿いを歩いていた。
「そうだkameちゃん。
九郎さんに連絡しなくちゃ💦」
(心配しているかな❓
今、呼び出してるよ)
「はい、九郎です」
思ったより素っ気ない声だった。
「おはようございますうさぎです❣️
報告します。
通報のあった妖怪は、鵺です。
鵺は猿、狸、虎、蛇の4体の妖怪が合わさったモノです。
蛇はすでに退治されていましたので、残り3体を退治します」
「鵺か‼️
手強いぞ」
「大丈夫です。
協力者もいますから❣️」
「そうか。
なら、昨日送られた蛇の頭部の解析結果を送る。
蛇の頭部にはサポートAIが埋め込まれていた。
操っている者が何処かに潜んでいる筈だ。
そいつも一緒に処分を頼む」
「わかりました❣️」
通話を切ってすぐに、送られたデータを確認するうさぎとkame。
(うさぎちゃんが任命された理由が分かったね)
「なるほど❣️
これならガーランドも使えそうですね」
(専用の魔方陣を作っておくよ)
おしゃべりしている間に、畑の中で作業をしている風太郎の姿が見えてきた。
翔太郎は農家だが、なぜかお米を作らない。
きゅうりばっかり作っている。
きゅうりだけに心血を注いでいる。
地元のみんなに、きゅうりバカと呼ばれているそうだ。
でも、翔太郎の作ったきゅうりは、とっても美味しいと評判だった。
黄金色の稲穂の中に、ここだけ緑色に染まっている。
「なんかここだけ別世界みたいだね❣️」
(きゅうりバカがいるせいだね)
「朝の収穫はまだ終わらないのかな❓」
大きな声で呼んでみた。
「翔太郎さーん❣️
朝ごはんできたよ🍚」
うさぎの声に収穫の手を止める翔太郎。
長い髪を後ろで縛っている翔太郎の額に汗が光っていた。
「トラックにきゅうりを積むのを手伝ってくれ」
トラックの近くに、たくさんのきゅうりが詰まった黄色い採集コンテナが積み上がっていた。
うさぎはひとつずつコンテナを持ち上げる。
翔太郎は4つまとめて持ち上げる。
汗をかいた翔太郎の身体は、皮膚の下で太い筋肉がうごめいている。
その筋肉のひと束が、うさぎの腕くらいの太さのようだ。
「きゅうりばっかり食べているのに、なんでこんなに立派な身体になるのかな⁉️」
「旨いものを食べてるからさ」
屈託のない笑みで答える。
近所のお婆さんが声を掛けてきた。
「あら翔太郎、恋人かい⁉️」
お婆さんは散歩の途中のようだ。
「親戚の子です」
そう答える翔太郎。
他愛ない会話をして、楽しそうに笑って、お婆さんはまた歩き出した。
「この街のみんなに良くしてもらっている。
皆、気のいい人たちなんだ。
それなのに、この街に鵺が住み着いてしまった。
被害が出る前に、おれが奴を退治したい」
「一緒にやりましょう❣️」
「宜しく頼みます」
翔太郎は嬉しそうにきゅうりを頬張った。
「旨い‼️」
(それはスーパーに卸すきゅうりだろう💦)
kameの言葉に、うさぎも笑った。
「全部食べないでね❣️」
大きな空と豊富な水が、今日も旨いきゅうりを育ててくれる。
朝日が川面に反射して踊っている。
見渡す限りの水田。
見渡す限りの青空。
見渡す限りの景色の色が、稲穂の黄金色と空の青色の2色しかない。
「田舎って不思議な世界だね❣️」
(うさぎちゃんは、田舎は嫌いじゃなかった❓)
「そうね....
そうだったね。
でも、ちょっとだけ好きかもしれないよ💕」
うさぎはサポートAIのkameとおしゃべりしながら、朝の五行川沿いを歩いていた。
「そうだkameちゃん。
九郎さんに連絡しなくちゃ💦」
(心配しているかな❓
今、呼び出してるよ)
「はい、九郎です」
思ったより素っ気ない声だった。
「おはようございますうさぎです❣️
報告します。
通報のあった妖怪は、鵺です。
鵺は猿、狸、虎、蛇の4体の妖怪が合わさったモノです。
蛇はすでに退治されていましたので、残り3体を退治します」
「鵺か‼️
手強いぞ」
「大丈夫です。
協力者もいますから❣️」
「そうか。
なら、昨日送られた蛇の頭部の解析結果を送る。
蛇の頭部にはサポートAIが埋め込まれていた。
操っている者が何処かに潜んでいる筈だ。
そいつも一緒に処分を頼む」
「わかりました❣️」
通話を切ってすぐに、送られたデータを確認するうさぎとkame。
(うさぎちゃんが任命された理由が分かったね)
「なるほど❣️
これならガーランドも使えそうですね」
(専用の魔方陣を作っておくよ)
おしゃべりしている間に、畑の中で作業をしている風太郎の姿が見えてきた。
翔太郎は農家だが、なぜかお米を作らない。
きゅうりばっかり作っている。
きゅうりだけに心血を注いでいる。
地元のみんなに、きゅうりバカと呼ばれているそうだ。
でも、翔太郎の作ったきゅうりは、とっても美味しいと評判だった。
黄金色の稲穂の中に、ここだけ緑色に染まっている。
「なんかここだけ別世界みたいだね❣️」
(きゅうりバカがいるせいだね)
「朝の収穫はまだ終わらないのかな❓」
大きな声で呼んでみた。
「翔太郎さーん❣️
朝ごはんできたよ🍚」
うさぎの声に収穫の手を止める翔太郎。
長い髪を後ろで縛っている翔太郎の額に汗が光っていた。
「トラックにきゅうりを積むのを手伝ってくれ」
トラックの近くに、たくさんのきゅうりが詰まった黄色い採集コンテナが積み上がっていた。
うさぎはひとつずつコンテナを持ち上げる。
翔太郎は4つまとめて持ち上げる。
汗をかいた翔太郎の身体は、皮膚の下で太い筋肉がうごめいている。
その筋肉のひと束が、うさぎの腕くらいの太さのようだ。
「きゅうりばっかり食べているのに、なんでこんなに立派な身体になるのかな⁉️」
「旨いものを食べてるからさ」
屈託のない笑みで答える。
近所のお婆さんが声を掛けてきた。
「あら翔太郎、恋人かい⁉️」
お婆さんは散歩の途中のようだ。
「親戚の子です」
そう答える翔太郎。
他愛ない会話をして、楽しそうに笑って、お婆さんはまた歩き出した。
「この街のみんなに良くしてもらっている。
皆、気のいい人たちなんだ。
それなのに、この街に鵺が住み着いてしまった。
被害が出る前に、おれが奴を退治したい」
「一緒にやりましょう❣️」
「宜しく頼みます」
翔太郎は嬉しそうにきゅうりを頬張った。
「旨い‼️」
(それはスーパーに卸すきゅうりだろう💦)
kameの言葉に、うさぎも笑った。
「全部食べないでね❣️」
大きな空と豊富な水が、今日も旨いきゅうりを育ててくれる。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる