転生したら同性から性的な目で見られている俺の冒険紀行

第1章 異世界へようこそ

焦り

こんにちは、神崎満です。




俺、国に拘束されて人体実験受けるかもしれません。





魔法属性の確認、終わりました。
ステータス、見ますか？







ステータス

名前：神崎満カンザキミチル
レベル：1
年齢：18
職業：ピューフォルテギルド所属　冒険者
スキル：魔眼、魅了、能力吸収、体力無限、超記憶、四次元バッグ、高速移動
魔法：火属性魔法、水属性魔法、風属性魔法、地属性魔法











まさかの全属性！！！！！！！！！！！！！！！！！
これは捕まる、絶対捕まる。死んじゃう。
やだ、国の奴隷とかやだ。実験とかやだ。



フレディから前に「2属性持ちの生物は国に拘束されて、実験されている」って聞いていたので、俺は恐怖で打ち震えていた。

実験自体は噂って言ってたけど、拘束されることは決まってるらしい。






え、バレちゃやばくね？？



俺は何属性って偽って生きていく？火かな、フィンさん火だったし。
あ、でも能力吸収の件でちょっと信用ならないからフレディと一緒の水属性にする？
フレディなら安心だし、水にするわ。決めた、君に決めた。


そもそも、今心臓バックバクで動揺がやばい。
全属性対応とか全然嬉しくない。怖い、全然怖い。生きた心地がしない。






俺は思った。強いことが格好良くて、幸せなことじゃないんだと。
平凡に何も起こらないことが幸せだったと。




よく考えたらスキルもバレたらやばくない？
能力吸収のスキルバレたら、俺一生国の性奴隷じゃん。





バレちゃダメだ。隠せ隠せ、隠し通せ。

他言無用。絶対バレないように過ごすと誓う。







フラグにしか聞こえないけど、今の俺に考えられることはこれしかなかった。






このまま起きていると、鬱になりそうだったので、無理やり布団に入り、俺は水属性、俺は水属性だって暗示をかけながら眠りについた。

















チュンチュン













朝になった。おはよう。


昨日の寝付けは驚くほど悪かったが、一回も途中で起きる事なく、寝起きはスッキリしていた。




部屋に備え付けの寝間着があったものの、俺は着替えずにそのまま眠ってしまっていた。



服の変えを持っていないことに気づき、どうしようかと思っていた時、部屋のノックが聞こえた。








コンコン






「起きてる？入るよ。」







そこには丁度よく扉を開けたフレディがいた。





「おはようミチル」




朝からイケメンの笑顔は眩しく、俺には毒だ。



「おはよう」




「朝からごめんね。フィンの奴、ミチルに鍵渡すの忘れたって言ってさ、はいこれ。後着替え困ってるかな～と思って俺のだけど持ってきたよ。少し大きいのはごめんね、今日洋服買いに行こう。」





やはり理解者持ちのフレディは完璧だ。
俺の必要なものが完全に分かっている。


「ありがとう、丁度思ってた。助かるよ。」



「うん、よかった。じゃあ準備できたら下に降りてきてね。」






フレディはまたね～と残して扉を閉めた。




鍵、閉めないで寝てたのか・・・危ない

スキルも魔法も含めて自分の危機管理をしっかりしないと、と再度思わされた。






すっかり忘れていた風呂に入り、フレディからもらった服に着替えて俺は下に降りた。