1 / 3
嘘つきと災い
しおりを挟む
あなたの嘘は好き。私のためにあるから。
あなたの「好き」は嫌い。あなたのための嘘だから。
私たちは傷を舐め合うために、この遊びを続けていただけ。いつか終わるのを知っていながら、それを先延ばしにするのに慣れていた。
誰も損してない。なにがいけないの。
私は傷つかない。それでいいじゃない。
遊ぶだけ遊んで、いくとこまでいったら操作完了。私はコントロールを失わない。愉悦は、増えていくばかり。
満たされないくらいが丁度良いじゃない。全身全霊なんて疲れてしまうわ。ただ上手に泳いでいたいだけ。あなたもそうでしょう。
今日だってほら、そんな目をして誘っている。
艶やかな唇は雄弁。巧みな指先に絡むのは紅い紅い糸じゃないでしょう。
それでもいいの。それがいいの。本気かどうかなんて下らないわ。私たちは切っても切れない間柄。ただそれだけ。
奪うのに慣れてるなんて、笑止千万。
私は与えられこそすれ、奪ったことなんてないわ。愛なんていう免罪符、私はいらないの。
盗った盗られたなんてはしたないわ。だってねえ、そうでしょう。
「さよなら」をあなたがいつまでも言わないから。耳障りな「すき」がいつまでも鳴り止まない。
嘘だよとただ一言、言って笑って。
災いよ、どうぞこちらへいらっしゃい。
あなたの「好き」は嫌い。あなたのための嘘だから。
私たちは傷を舐め合うために、この遊びを続けていただけ。いつか終わるのを知っていながら、それを先延ばしにするのに慣れていた。
誰も損してない。なにがいけないの。
私は傷つかない。それでいいじゃない。
遊ぶだけ遊んで、いくとこまでいったら操作完了。私はコントロールを失わない。愉悦は、増えていくばかり。
満たされないくらいが丁度良いじゃない。全身全霊なんて疲れてしまうわ。ただ上手に泳いでいたいだけ。あなたもそうでしょう。
今日だってほら、そんな目をして誘っている。
艶やかな唇は雄弁。巧みな指先に絡むのは紅い紅い糸じゃないでしょう。
それでもいいの。それがいいの。本気かどうかなんて下らないわ。私たちは切っても切れない間柄。ただそれだけ。
奪うのに慣れてるなんて、笑止千万。
私は与えられこそすれ、奪ったことなんてないわ。愛なんていう免罪符、私はいらないの。
盗った盗られたなんてはしたないわ。だってねえ、そうでしょう。
「さよなら」をあなたがいつまでも言わないから。耳障りな「すき」がいつまでも鳴り止まない。
嘘だよとただ一言、言って笑って。
災いよ、どうぞこちらへいらっしゃい。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ブラック企業を退職したら、極上マッサージに蕩ける日々が待ってました。
イセヤ レキ
恋愛
ブラック企業に勤める赤羽(あかばね)陽葵(ひまり)は、ある夜、退職を決意する。
きっかけは、雑居ビルのとあるマッサージ店。
そのマッサージ店の恰幅が良く朗らかな女性オーナーに新たな職場を紹介されるが、そこには無口で無表情な男の店長がいて……?
※ストーリー構成上、導入部だけシリアスです。
※他サイトにも掲載しています。
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【ショートショート】おやすみ
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
◆こちらは声劇用台本になりますが普通に読んで頂いても癒される作品になっています。
声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
再び出会うその日まで
あみにあ
恋愛
機内にアナウンスが流れると、私はそっと窓の外へ視線を向ける。
雲を抜け、懐かしい故郷が目に映ると、胸がジワリと熱くなった。
懐かしい、3年ぶりだなぁ。
長かったような短かったような……。
高層ビルが立ち並ぶ風景を並べる中、思い出がよみがえると、私はそっと息を吐き出した。
3年前のあの日、正直に全てを話していれば、何かが変わったのだろうか……。
到着口へやってくると、人がごった返している。
私は避難するように隅へと移動すると、近くにあったカフェへと入って行った。
壁にもたれかかり一息ついていると、ふとラジオの音が耳にとどく。
懐かしい日本語にそっと耳を傾けると、DJのイキイキした声が響いた。
「本日初めのリクエストは、3年前輝かしいデビューを飾った大人気バンドグループ(スターズ)のデビュー曲。みんな知っての通り、卒業シーズンにピッタリの別れの曲だね。それでは【it's time to say goodbye】お聞きください」
ラジオから流れるその曲に、3年前……彼らと過ごした日々がよぎると、私は聞き入るように瞳を閉じた。
3年前、とあるバンドに所属していた少女のお話です。
※なろうでも投稿しております。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
バレてはいけないこと
つっちーfrom千葉
恋愛
僕はどこにでもある高校の二年生。自分には恋人はいないが、卓球部に所属している親友の原田と尾鳥さんという大人しい女子が付き合ってるという噂が耳に入る。その情報が原田の口から自分には知らされていなかったことに僕は憤った。しかも、ふたりの生々しい恋文を拾ってしまう。原田を問い詰めようとした僕だが、この恋愛の裏側には特別な事情があるらしい。何でも、彼女には誰も知り得ない秘密があるらしいのだが……。基本は恋愛ですが、単純なミステリー要素もあります。なるべく簡潔にまとめてみました。よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる