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閑話
03.少し前の小話
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✿物語り的に28話前後のお話✿
「ミリガン、話がある」
「奇遇ですね団長。私からもあります」
「どうやったらシルが俺に依存してくれると思う?」
「過去の自分を捨てる、誠実に対応する、アティルナ公女のご家族に認めてもらう」
「は? 今の俺は誠実だろ?」
「犯罪を犯さない。先程から盗聴されていますよね」
「バレる可能性が高いから滅多に使えないけど必要なことだ」
「止めて下さい。気持ち悪いです」
「もっと俺のこと頼ってくんねェかなぁ…」
「こんちはー! ミリガンも久しぶり!」
「お久しぶりですフォボス様。いつも言いますが気軽に訪ねて来ないで下さい」
「まぁまぁ気にするなって! 魔導士部隊隊長としての仕事もあんだからさぁ!」
「そんなことより大事なことを考えてる最中だ、邪魔すんな」
「もぉー俺だって研究したいんスよ!? ちょっと聞こえたから助言させてもらうとぉ。アティルナ公女に暴漢を襲わせて隊長が助けてやればいーじゃないっすかー!」
「殺すぞテメェ」
「いやいやよぉく考えて見てくださいよ! そーゆーのって女の子は憧れるっしょ? 一気に隊長の好感度爆上がりだって!」
「アティルナ家が許すわけありませんし、馬鹿でもありません。止めて下さい、捕まえますよ」
「じゃあ隊長がストーカーしてアティルナ公女を怖がらせれば? それならアティルナ家の奴らも気づかないっしょ!」
「フォボス様!」
「―――俺がストーカーしてシルを怖がらせる…。シルが怖がって俺に助けを求める…。一緒にいられる!?」
「そうそう! やべー、楽しそー! どんな魔法使って困らせます?!」
「今すぐその危険思想を捨てないと、私は今すぐアティルナ家と皇帝陛下に報告致します。それからフォボン様を処刑致します」
「何で俺だけ死刑なんだよッ! あーあ、折角どんな魔法使うか楽しみだったのに…」
「本当に貴方は魔法以外に興味がないクソ野郎ですね」
「アハハッ! どーもっ。こんなクソだから両親も嫌になったんだろうな!」
「団長。私は本気ですからね」
「いや…冗談だろ。シルを怖がらせることなんてしたくねぇよ…」
✿
「お話が終わったようなので私からも宜しいですか?」
「何だ」
「たいちょー…先にさくっとこの書類にサインしてくれぇ」
「明日が何の日かご存じですか?」
「俺とシルの記念日ならまだまだ先だぞ?」
「何故世界が自分達を中心に回ってると思ってるんですか。軍法会議の日です」
「ああ、そんなことか。書類の準備はできてるだろ」
「それは知っています。なのに何故アティルナ公女とお会いする予定を入れてるのですか」
「いいだろ別に、あんな会議お前一人で行けば。今までもそうだったし」
「トラキアについてのご報告を団長の口からお聞きしたい方もいらっしゃいます」
「ほっとけほっとけ。大した事じゃねぇ」
「あれ、隊長。それなんの魔法陣っスか?」
「過去に戻る魔法」
「えええええ!? マジっスか!! ええっ、ちょっ…おいミリガン見ろよ! なんだこの文字の羅列! やべェって! ねぇ隊長! これっ、これいつ完成!? 俺も手伝っていいスか!?」
「(真面目に仕事しているかと思えば…)フォボス様、やかましいです。それと隊長、禁忌魔法はあれほど使用しないようにとお伝え致しましたよね」
「あー…そうだな」
「ってか過去に戻る魔法なんて存在するんスかッ!? ねぇ隊長! なんでこんな魔法をいきなり!!? あと何文字で完成!? どの属性!? ああっそこに闇属性の魔法式と治癒魔法を!??」
「一応禁忌魔法に所属してるが文字に書かれただけで本当に存在するか、発動するかは知らん」
「なのにここまで描きあげたんスかッ!? やっぱ隊長は最高っスね、大天才! あぁ…なんって綺麗な羅列…見たことのない展開式!」
「…。理論を理解されているのですか?」
「いやなんとなくこうじゃねェかなぁって…」
「どうしていきなりそんな魔法を…」
「過去の自分を殴りたいから。修正したい過去ばかりだからなっ…!」
「ああっ! そんなグシャグシャにしないでくださいよぉ勿体ない! 俺にくださいっ!」
「やってもいいが死ぬぞ」
「えッ」
「実際にやらないと解らないがほぼ命を失う。それだけはどうしても免れない」
「そんなぁ…! じゃあ過去なんて戻れねぇじゃないスかぁ…」
「やはり過去を償いながら接するしかありませんね」
「まぁな。(どうせ過去に戻るならこの記憶を継承して戻りたいけど、そこを理論展開できない…。不備があれば代償を払うかもしれない…。それに過去に戻れたとして「今」のシルがどうなるか…。過去に戻ってやり直したい気持ちはあるけど、今のシルを捨てるなんてできない)」
「はぁぁあああ…。なぁんかやる気失った…。ミリガン、お茶」
「魔導士邸にお戻り下さい」
「ミリガン、話がある」
「奇遇ですね団長。私からもあります」
「どうやったらシルが俺に依存してくれると思う?」
「過去の自分を捨てる、誠実に対応する、アティルナ公女のご家族に認めてもらう」
「は? 今の俺は誠実だろ?」
「犯罪を犯さない。先程から盗聴されていますよね」
「バレる可能性が高いから滅多に使えないけど必要なことだ」
「止めて下さい。気持ち悪いです」
「もっと俺のこと頼ってくんねェかなぁ…」
「こんちはー! ミリガンも久しぶり!」
「お久しぶりですフォボス様。いつも言いますが気軽に訪ねて来ないで下さい」
「まぁまぁ気にするなって! 魔導士部隊隊長としての仕事もあんだからさぁ!」
「そんなことより大事なことを考えてる最中だ、邪魔すんな」
「もぉー俺だって研究したいんスよ!? ちょっと聞こえたから助言させてもらうとぉ。アティルナ公女に暴漢を襲わせて隊長が助けてやればいーじゃないっすかー!」
「殺すぞテメェ」
「いやいやよぉく考えて見てくださいよ! そーゆーのって女の子は憧れるっしょ? 一気に隊長の好感度爆上がりだって!」
「アティルナ家が許すわけありませんし、馬鹿でもありません。止めて下さい、捕まえますよ」
「じゃあ隊長がストーカーしてアティルナ公女を怖がらせれば? それならアティルナ家の奴らも気づかないっしょ!」
「フォボス様!」
「―――俺がストーカーしてシルを怖がらせる…。シルが怖がって俺に助けを求める…。一緒にいられる!?」
「そうそう! やべー、楽しそー! どんな魔法使って困らせます?!」
「今すぐその危険思想を捨てないと、私は今すぐアティルナ家と皇帝陛下に報告致します。それからフォボン様を処刑致します」
「何で俺だけ死刑なんだよッ! あーあ、折角どんな魔法使うか楽しみだったのに…」
「本当に貴方は魔法以外に興味がないクソ野郎ですね」
「アハハッ! どーもっ。こんなクソだから両親も嫌になったんだろうな!」
「団長。私は本気ですからね」
「いや…冗談だろ。シルを怖がらせることなんてしたくねぇよ…」
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「お話が終わったようなので私からも宜しいですか?」
「何だ」
「たいちょー…先にさくっとこの書類にサインしてくれぇ」
「明日が何の日かご存じですか?」
「俺とシルの記念日ならまだまだ先だぞ?」
「何故世界が自分達を中心に回ってると思ってるんですか。軍法会議の日です」
「ああ、そんなことか。書類の準備はできてるだろ」
「それは知っています。なのに何故アティルナ公女とお会いする予定を入れてるのですか」
「いいだろ別に、あんな会議お前一人で行けば。今までもそうだったし」
「トラキアについてのご報告を団長の口からお聞きしたい方もいらっしゃいます」
「ほっとけほっとけ。大した事じゃねぇ」
「あれ、隊長。それなんの魔法陣っスか?」
「過去に戻る魔法」
「えええええ!? マジっスか!! ええっ、ちょっ…おいミリガン見ろよ! なんだこの文字の羅列! やべェって! ねぇ隊長! これっ、これいつ完成!? 俺も手伝っていいスか!?」
「(真面目に仕事しているかと思えば…)フォボス様、やかましいです。それと隊長、禁忌魔法はあれほど使用しないようにとお伝え致しましたよね」
「あー…そうだな」
「ってか過去に戻る魔法なんて存在するんスかッ!? ねぇ隊長! なんでこんな魔法をいきなり!!? あと何文字で完成!? どの属性!? ああっそこに闇属性の魔法式と治癒魔法を!??」
「一応禁忌魔法に所属してるが文字に書かれただけで本当に存在するか、発動するかは知らん」
「なのにここまで描きあげたんスかッ!? やっぱ隊長は最高っスね、大天才! あぁ…なんって綺麗な羅列…見たことのない展開式!」
「…。理論を理解されているのですか?」
「いやなんとなくこうじゃねェかなぁって…」
「どうしていきなりそんな魔法を…」
「過去の自分を殴りたいから。修正したい過去ばかりだからなっ…!」
「ああっ! そんなグシャグシャにしないでくださいよぉ勿体ない! 俺にくださいっ!」
「やってもいいが死ぬぞ」
「えッ」
「実際にやらないと解らないがほぼ命を失う。それだけはどうしても免れない」
「そんなぁ…! じゃあ過去なんて戻れねぇじゃないスかぁ…」
「やはり過去を償いながら接するしかありませんね」
「まぁな。(どうせ過去に戻るならこの記憶を継承して戻りたいけど、そこを理論展開できない…。不備があれば代償を払うかもしれない…。それに過去に戻れたとして「今」のシルがどうなるか…。過去に戻ってやり直したい気持ちはあるけど、今のシルを捨てるなんてできない)」
「はぁぁあああ…。なぁんかやる気失った…。ミリガン、お茶」
「魔導士邸にお戻り下さい」
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