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第1章
1.その日、紗綾はリディになった
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青い空の下で白い帆が大きく広がる。その同じ風が結んだ黒髪をなびかせた。同時に被り布が舞い上がりそうになり、紗綾は慌てて胸の辺りで押さえる。
(危ない危ない。まだ、目の色を見られるわけにはいかないからね)
注意深く布を被り直して振り返った紗綾は、手すりの向こう側に広がる光景を見つめた。
離れ行く港に見えるのは幾隻もの船や忙しく働く船員に加え、大きく手を振る人々だ。中には海へ落ちそうなほど縁まで近寄って必死に叫んでいる人もいる。きっとこの船に親しい誰かが乗っているのだろう。紗綾のいる甲板にも船員の他に、手すりから身を乗り出すようにして手を振っている人は見受けられた。
(……誰が誰の、見送りなのかな)
双方を見比べながら、ほんの少し羨ましく思う。
あの港に紗綾の見送りはいない。
小さく息を吐き、紗綾は顔を右へ向けた。
港から続く大きな道の先に見えるのは多くの建物だ。
この港と、あの町並み。
それがこの紫禳国の都、五尾上だった。
五尾上は一本の大きな川とその支流によっていくつかの区画に別れている水の街だ。
中でも一番重要なのが港から最も離れている区画。何しろあそこには、紫禳の国主・鈴鳴家の屋敷がある。
その屋敷こそ、紗綾がこの船に乗る理由を言い渡された場所だった。
――あれは今から四日前の、うららかな午後のこと。
「鈴鳴 紗綾よ。良く聞け」
あたたかな日差しとは真逆の冷たい声で言ったのは、年の離れた異母兄、鷹弘だ。
大広間の奥に座った彼は、声と同じ冷たい黒の瞳を紗綾に向ける。
「オレリア・グランジュの足取りがつかめた。あの女は一昨日、西方へ行く船に乗ったらしい。――身内の不始末は身内が片を付けるべきだ。そうは思わないか?」
紗綾は何も言わない。
代わるようにして兄のさらに奥、一段高い場所に座っていた年かさの男性が「待て」と声をあげるが、兄はそれを無言の一瞥で黙らせた。
「よって盗人オレリア・グランジュの娘、鈴鳴 紗綾に命ずる。西方へ行き、オレリアに盗まれた我が『鈴鳴家の宝』を取り戻せ。さもなくば紫禳の地は二度と踏めぬと心得よ。良いな?」
紗綾とは違い、鷹弘は生粋の紫禳人だ。
彼は紫禳の上流階級に生まれた女性を母に持つ。
その母の死後、西方から来た素性の知れぬ女性――オレリア・グランジュを妻に迎えた父を兄が良く思っていないのは、紫禳の中でも広く知られている。この大広間に集められた二十名ほどの有力者たちも何も言わないのも、西方を嫌う人々が鷹弘に多く同調しているためだ。
紫禳国において最も力を持つのはもう、国主ではない。二十代半ばのこの世嗣だ。彼が“色無き者”なのだとしても、背後にある力の大きさに父の一派は敵わなかった。
実を言えば紗綾は、母が姿を消して家宝の行方も知れないと聞いた時からこの事態の想定はしていたし、兄が紗綾の拒否を受け付けるような人物でないことも知っている。
白衣の袖を広げて畳に両手をつき、紗綾は深く頭を下げた。
「はい。ご命令、謹んでお受けいたします」
「……良い覚悟だ」
紗綾が素直に承諾の返事をしたのは意外だったのか、鷹弘の返事は一拍の間があいた。
「だがオレリアはともかく、其方は鈴鳴家の人間でもある。温情として、発つに当たっての荷は用意しよう。――此度の評定は以上だ」
ほぼ一方的に言い渡しただけの“評定”を終え、高い足音を響かせた兄が紗綾の横を通り過ぎる。続いて周囲の人々が幾人も去り、人気の少なくなった大広間で次に声を発したのは、
「……紗綾」
最奥にいた父だった。
顔を上げた紗綾の元へ、父は袴の裾を踏みそうになりながら近寄る。崩れるように目の前へ座り込んだその様子は、先日五十の誕生日を迎えたばかりとは信じられないほどの老け込み方だった。
「紗綾、紗綾。すまぬ。儂ではもう、鷹弘を止めることはできなんだ」
紫禳の国主は畳に両手をつき、娘へ頭を下げる。
「七歳のお前を巫女として大社へ籠めただけでは飽き足らず、今度は西へ行けなどと……お前はまだ十五になったばかりだというのに、なんという非道な……」
「大丈夫です、父様。私なら大丈夫。私には、母様からお聞きした西方の知識がたくさんあります。西の言葉も話せるし、文字だって読めます。この紫禳の国で私以上に西方を知る者はいないくらいです」
明るく言って、紗綾は骨ばった父の手を取る。
「それに私は、母様と一緒に何度も町へでかけています。だから私は姫でも巫女でもなく、町娘のようにも振る舞えるんです。そんな紗綾をご覧になったら、父様はとても驚かれるでしょうね」
父が顔を上げる。涙に濡れた紫の瞳を、紗綾は同じ色の瞳で覗き込んだ。
「父様。母様が何の理由もなく家宝を盗むとは思えません。だから紗綾は西へ行きます。母様を探して、行動の理由をお聞きして、必ず、家宝と一緒に戻ってきます」
紗綾の母オレリアは東方とは縁もゆかりもない西方の女性だ。偶然出会った年の離れた男性――紫禳の国主・直芳と恋に落ちて紗綾を産み、以降は西へ戻ることなくずっとこの国で暮らしていた。
それらすべては宝を盗むために仕組んだことだという人もいたのだが、盗まれた宝というのは紫禳でもごく一部の者にしか意味はなく、便宜上「家宝」と呼ばれていたという程度のもの。失われても鈴鳴家に大きな差支えは出ず、どこかで換金して大金を得られるものでもなく、ましてや西方で役に立つわけでもない。
つまり宝を盗んでもオレリアには何の得もない。彼女は単に夫である国主と、娘の紗綾の立場を悪くしただけだ。
しかし紗綾は、母が自分や父を愛していたのだと知っている。理由もなく身内を苦境に立たせるような人物ではないということも。
――きっと母には何か考えがある。
だから宝を盗み、「自分を追ってこい」とばかりに西へ行った。
紗綾はそう確信していた。
それにオレリアは、自身を追ってくるのが紗綾だけだろうとも予測していたはずだ。何しろ紫禳の上流階級にとって紗綾は『扱いに困る存在』であり、西方へ放逐できるのならそれはそれで安堵する人々が多いはずなのだから。
事実、この船に乗せられたのは紗綾だけ。
護衛のひとりすら共に来ることは無かった。
正直なところ、見たこともない地へ単独で行くのに不安がないといえば嘘になる。だがそれ以上に、紗綾の中には母への信頼があった。母が大丈夫だと判断したのだから、きっと紗綾はひとりで西方へ行ってもやっていける。
(……これから私は母様を追うよ。でも“鈴鳴 紗綾”は五尾上の大社で天の神にお仕えする巫女姫だから、紫禳に置いて行く。西へ行くのは――)
身に着けているものは白地に花の描かれた着物、下は赤色の袴。遠く離れても故郷を忘れないように“鈴鳴 紗綾”が着ていた巫女装束と似たものを選んだ。
「今日から私はリディだよ。リディ・グランジュ。母様がくれた、もうひとつの私の名前」
明るい光が降る船の上で紗綾――リディは、遠くなる陸に背を向ける。
こうしてリディの旅は始まった。
同行者はいない。
母の手がかりも。まだ、ない。
(危ない危ない。まだ、目の色を見られるわけにはいかないからね)
注意深く布を被り直して振り返った紗綾は、手すりの向こう側に広がる光景を見つめた。
離れ行く港に見えるのは幾隻もの船や忙しく働く船員に加え、大きく手を振る人々だ。中には海へ落ちそうなほど縁まで近寄って必死に叫んでいる人もいる。きっとこの船に親しい誰かが乗っているのだろう。紗綾のいる甲板にも船員の他に、手すりから身を乗り出すようにして手を振っている人は見受けられた。
(……誰が誰の、見送りなのかな)
双方を見比べながら、ほんの少し羨ましく思う。
あの港に紗綾の見送りはいない。
小さく息を吐き、紗綾は顔を右へ向けた。
港から続く大きな道の先に見えるのは多くの建物だ。
この港と、あの町並み。
それがこの紫禳国の都、五尾上だった。
五尾上は一本の大きな川とその支流によっていくつかの区画に別れている水の街だ。
中でも一番重要なのが港から最も離れている区画。何しろあそこには、紫禳の国主・鈴鳴家の屋敷がある。
その屋敷こそ、紗綾がこの船に乗る理由を言い渡された場所だった。
――あれは今から四日前の、うららかな午後のこと。
「鈴鳴 紗綾よ。良く聞け」
あたたかな日差しとは真逆の冷たい声で言ったのは、年の離れた異母兄、鷹弘だ。
大広間の奥に座った彼は、声と同じ冷たい黒の瞳を紗綾に向ける。
「オレリア・グランジュの足取りがつかめた。あの女は一昨日、西方へ行く船に乗ったらしい。――身内の不始末は身内が片を付けるべきだ。そうは思わないか?」
紗綾は何も言わない。
代わるようにして兄のさらに奥、一段高い場所に座っていた年かさの男性が「待て」と声をあげるが、兄はそれを無言の一瞥で黙らせた。
「よって盗人オレリア・グランジュの娘、鈴鳴 紗綾に命ずる。西方へ行き、オレリアに盗まれた我が『鈴鳴家の宝』を取り戻せ。さもなくば紫禳の地は二度と踏めぬと心得よ。良いな?」
紗綾とは違い、鷹弘は生粋の紫禳人だ。
彼は紫禳の上流階級に生まれた女性を母に持つ。
その母の死後、西方から来た素性の知れぬ女性――オレリア・グランジュを妻に迎えた父を兄が良く思っていないのは、紫禳の中でも広く知られている。この大広間に集められた二十名ほどの有力者たちも何も言わないのも、西方を嫌う人々が鷹弘に多く同調しているためだ。
紫禳国において最も力を持つのはもう、国主ではない。二十代半ばのこの世嗣だ。彼が“色無き者”なのだとしても、背後にある力の大きさに父の一派は敵わなかった。
実を言えば紗綾は、母が姿を消して家宝の行方も知れないと聞いた時からこの事態の想定はしていたし、兄が紗綾の拒否を受け付けるような人物でないことも知っている。
白衣の袖を広げて畳に両手をつき、紗綾は深く頭を下げた。
「はい。ご命令、謹んでお受けいたします」
「……良い覚悟だ」
紗綾が素直に承諾の返事をしたのは意外だったのか、鷹弘の返事は一拍の間があいた。
「だがオレリアはともかく、其方は鈴鳴家の人間でもある。温情として、発つに当たっての荷は用意しよう。――此度の評定は以上だ」
ほぼ一方的に言い渡しただけの“評定”を終え、高い足音を響かせた兄が紗綾の横を通り過ぎる。続いて周囲の人々が幾人も去り、人気の少なくなった大広間で次に声を発したのは、
「……紗綾」
最奥にいた父だった。
顔を上げた紗綾の元へ、父は袴の裾を踏みそうになりながら近寄る。崩れるように目の前へ座り込んだその様子は、先日五十の誕生日を迎えたばかりとは信じられないほどの老け込み方だった。
「紗綾、紗綾。すまぬ。儂ではもう、鷹弘を止めることはできなんだ」
紫禳の国主は畳に両手をつき、娘へ頭を下げる。
「七歳のお前を巫女として大社へ籠めただけでは飽き足らず、今度は西へ行けなどと……お前はまだ十五になったばかりだというのに、なんという非道な……」
「大丈夫です、父様。私なら大丈夫。私には、母様からお聞きした西方の知識がたくさんあります。西の言葉も話せるし、文字だって読めます。この紫禳の国で私以上に西方を知る者はいないくらいです」
明るく言って、紗綾は骨ばった父の手を取る。
「それに私は、母様と一緒に何度も町へでかけています。だから私は姫でも巫女でもなく、町娘のようにも振る舞えるんです。そんな紗綾をご覧になったら、父様はとても驚かれるでしょうね」
父が顔を上げる。涙に濡れた紫の瞳を、紗綾は同じ色の瞳で覗き込んだ。
「父様。母様が何の理由もなく家宝を盗むとは思えません。だから紗綾は西へ行きます。母様を探して、行動の理由をお聞きして、必ず、家宝と一緒に戻ってきます」
紗綾の母オレリアは東方とは縁もゆかりもない西方の女性だ。偶然出会った年の離れた男性――紫禳の国主・直芳と恋に落ちて紗綾を産み、以降は西へ戻ることなくずっとこの国で暮らしていた。
それらすべては宝を盗むために仕組んだことだという人もいたのだが、盗まれた宝というのは紫禳でもごく一部の者にしか意味はなく、便宜上「家宝」と呼ばれていたという程度のもの。失われても鈴鳴家に大きな差支えは出ず、どこかで換金して大金を得られるものでもなく、ましてや西方で役に立つわけでもない。
つまり宝を盗んでもオレリアには何の得もない。彼女は単に夫である国主と、娘の紗綾の立場を悪くしただけだ。
しかし紗綾は、母が自分や父を愛していたのだと知っている。理由もなく身内を苦境に立たせるような人物ではないということも。
――きっと母には何か考えがある。
だから宝を盗み、「自分を追ってこい」とばかりに西へ行った。
紗綾はそう確信していた。
それにオレリアは、自身を追ってくるのが紗綾だけだろうとも予測していたはずだ。何しろ紫禳の上流階級にとって紗綾は『扱いに困る存在』であり、西方へ放逐できるのならそれはそれで安堵する人々が多いはずなのだから。
事実、この船に乗せられたのは紗綾だけ。
護衛のひとりすら共に来ることは無かった。
正直なところ、見たこともない地へ単独で行くのに不安がないといえば嘘になる。だがそれ以上に、紗綾の中には母への信頼があった。母が大丈夫だと判断したのだから、きっと紗綾はひとりで西方へ行ってもやっていける。
(……これから私は母様を追うよ。でも“鈴鳴 紗綾”は五尾上の大社で天の神にお仕えする巫女姫だから、紫禳に置いて行く。西へ行くのは――)
身に着けているものは白地に花の描かれた着物、下は赤色の袴。遠く離れても故郷を忘れないように“鈴鳴 紗綾”が着ていた巫女装束と似たものを選んだ。
「今日から私はリディだよ。リディ・グランジュ。母様がくれた、もうひとつの私の名前」
明るい光が降る船の上で紗綾――リディは、遠くなる陸に背を向ける。
こうしてリディの旅は始まった。
同行者はいない。
母の手がかりも。まだ、ない。
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