49 / 262
第2章
18.道は見えない
しおりを挟む
ローゼはフェリシアと共にジェラルドの部屋を後にした。
今はひとりでいたい気分だった。考えをまとめたいからという理由で彼女と別れようとすると、フェリシアはローゼの手を取る。
「でも、何かご用ができたときは、いつでもわたくしの部屋を訪ねてくださいませ。留守だったときは部屋の中で待っていてくださって構いませんわ。鍵は開けておきますから」
彼女の気遣いは嬉しかったので、ローゼは黙ってうなずいた。
しかし部屋へ戻っても、何かをしたくなるわけでもない。そもそも何も考えたくはなかった。結局レオンとの会話も上の空のままでぼんやりしていると、昼過ぎにダスティ・ハイドルフ大神官が呼んでいると言って神官が訪ねて来た。
ローゼはため息をついて聖剣と共に部屋を出る。もちろん、何の話だか見当はついていた。
ハイドルフ大神官の部屋へ入ると、老齢の大神官はローゼへ一礼する。
「急に来ていただいて申し訳ない。どうぞ、そちらへ」
部屋の端にある長椅子を示されたので、ローゼが聖剣を腰から外して座ると、正面の椅子にハイドルフ大神官も腰かけた。
間にある机には既に茶の準備がされており、カップからはゆらゆらと湯気が立ち上っている。来る時間を見越して準備していたのかもしれない。
しばらくの沈黙があった後に、大神官は口を開いた。
「レスター神官の行方をご存じありませんかな」
やはりこの話か、とローゼは思った。
しかし大神官は、ローゼがアーヴィンに会ったことを知って呼んだわけではないだろう。単に姿が見えなくなったので尋ねているに違いない。
「何かあったのですか」
とりあえず大神殿側の情報を聞いてみようと、否定も肯定もせずに問いかけてみる。ローゼが驚いていないことに何かを感じたようではあるが、ハイドルフ大神官は話しだした。
「レスター神官の行方が分からないのです。会合があったのですが姿を見せなかったので、滞在している部屋に神官が呼びに行きました」
しかしアーヴィンの姿は無かった。荷物もあり、馬屋を確認すればグラス村から乗って来た馬もいる。しかし探しても大神殿内で姿を見たものはおらず、門からの退出記録もない。
そこで、事情を知る者がいないかどうかを確認するために、まずは彼の知り合いから話を聞いているところなのだ、とハイドルフ大神官は語った。
どこまで話して良いものか悩み、いたずらに聖剣の柄を撫でる。その様子を察知したレオンが言った。
【全部話してやれ】
そこでローゼは、昨日の夜に様子がおかしかったこと、その後ジェラルドと一緒に城下へ行き、貴族の屋敷前で彼を見かけた話をしておいた。
聞き終わった大神官は、そうでしたか、と言って黙る。
沈黙の中、風が窓を揺らす音だけが響いた。しばらくして大神官が口を開こうとしたその時、扉が叩かれ、1人の神官が布でくるまれた荷物を持って入ってきた。
神官が退出した後、ハイドルフ大神官は荷を確認する。少し悩んで、ローゼのところへ持ってきた。机の上に置いて、再度荷をひらく。
中には鮮やかな青の神官服があった。
さらに一枚の紙が添えられており、そこには
『残してきたものについては、お取り計らいのほどよろしくお願いいたします。申し訳ありません』
と書かれている。
やや乱れた様子の筆跡だが、それでもアーヴィンの字であることは間違いなかった。
「これは」
とローゼは呟く。
「一時的にいなくなるわけではなく、もう戻るつもりがない、ということでしょうか」
「おそらく」
と、ハイドルフ大神官も沈痛な面持ちでうなずいた。
* * *
ハイドルフ大神官の部屋を退出したローゼは客間へ戻ろうとして思い返し、そのまま神殿騎士見習いの寮を訪ねた。
フェリシアは自室にいて、扉を叩くとすぐに開けてくれる。その様子は、まるで来るのを待っていたかのように見えた。
ローゼの表情を見て何か良くないことがあったと察したらしく、何も言わずにただ中へと促す。言われるまま椅子に座ると、黙ってお茶を淹れてくれたので、カップに入った温かいお茶を見ながら、ローゼは呟くように言った。
「ジェラルドさんの言ってたことは正しかったみたい」
「どういうことですの?」
そこで先ほど、ハイドルフ大神官の元へ荷と手紙が届いた話をする。フェリシアは静かに聞いていた。
「だから本当に、戻ってくることはないんだと思う」
そう言ってローゼはため息をついた。
「……何があったのかは知らないけどさ。どうしてこんなに急いで連れて行くのかな。貴族ってここまで神殿のことをないがしろにするもの?」
アーヴィンはグラス村の神官だ。今はミシェラが代理でいるとはいえ、彼女はあくまで一時的に行っただけ、まさか長期にわたってアーヴィンがいなくなるなど想定もしていないだろう。つまり彼は、役目を放りっぱなしでいなくなったも同然だ。
尋ねられたフェリシアは首をかしげて答える。
「本来でしたら、どんな理由があれ、すべてを放って行くことはありえません」
「急かしたりはしないんだ?」
「ええ。その辺りは暗黙の了解がございますわ。神殿と国は密接な関係にありますもの。きちんと手順を踏んで、その後、家に戻られますわ」
ただ、とフェリシアは続ける。
「シャルトス家ですから、例外もありえるかもしれませんわね」
「そっか……」
結局はそこに行きつく。
神殿にも、王家にも、どうにもできない公爵家。
フェリシアが呟いていた言葉をローゼは思い出す。
「よりによって」
本当にどうして。
よりによって、そんな面倒な家に。
シャルトス公爵家は何のために彼を戻したのだろう。
そして彼自身も、一体何を考えているのだ。
荷物も馬も残したままなのに。
王宮から立ち去るときだって、誰にも、ローゼにも、何も言わず……。
そこまで考えてローゼは首を振る。
――理由を探る必要はない。彼が戻らないことだけは確定なのだ。
いつの間にかうつむいていたらしい。ローゼは顔を上げると、わざと明るい調子で言った。
「まあ、しょうがないか。今までの話からすると、ジェラルドさんの言う通り忘れるしかないよね」
言いながら窓の外を見る。先ほどは湿った風が吹いていた。夜には雨になるかもしれない。
「……さて、あたしも準備しなくちゃ」
「何かございますの?」
「儀式も終わったし、いつまでも大神殿にいるわけにはいかないなって。明日にでも出発するよ」
ローゼはそう言って、フェリシアへと視線を移す。
「フェリシアにはここまで、本当にお世話になっちゃった。何かと頼ってごめんね」
「どちらへ行かれますの」
ローゼの言葉には答えず、フェリシアは質問を投げかける。ローゼは少し下を見て考えた。
「そうねえ、まずは――」
「北ですわね」
怪訝そうに顔を上げたローゼに、フェリシアは繰り返す。
「ローゼは北へ行きますわね?」
「行かないよ」
ローゼはきっぱりと否定した。
「なんか怖そうじゃない。初心者のあたしはもっと簡単な場所から――」
「いいえ、ローゼはまず、北へ行くんです。そしてあの方にお会いしますの」
「何言ってるの、フェリシア。無理よ」
「それでもローゼは北へ行かなくてはいけませんわ」
ひたすら北と言い続けるフェリシアの目を見て、ローゼはゆっくりと言う。
「ねえ、冷静に考えてよ。今度の相手は公爵家よ? グラス村の時みたいに、アレン大神官相手じゃないんだから」
それを聞いたフェリシアは椅子から立ち上がり、ローゼが座っている横に来て膝をつく。
「そうですわね……以前、アレン大神官様にお会いするのを邪魔されたときは、わたくしやお兄様がお手伝いできました。でも今度は無理ですわ。あの公爵家には、神殿も王家も関与出来ません」
ローゼは苦笑する。
「だから無理だって結論になったじゃない。……あたしも、忘れるつもり」
「いいえ、いいえ、それはいけません、ローゼ」
フェリシアはローゼの手を取った。
「どうやって会えば良いのかわたくしにも分かりませんわ。でもローゼは会わなくてはいけません。どんな形であれ、もう一度会わなければ一生後悔します。それだけは分かりますわ」
「そんなむちゃくちゃなこと言われても困る――」
「ローゼ。このままですとあの方は北へお住まいになります。おそらくご本人が領内……いいえ、もしかしたら城からもお出ましにならない可能性があります」
フェリシアが覗き込む。紫の瞳は真剣な色を帯びていた。
「神殿も、王家も。神官1人のために、シャルトス公爵家に対して働きかけたりはいたしません」
何も言わないローゼを見て、フェリシアは続けた。
「それともローゼが、もう絶対にお会いしたくないんですの?」
――会いたくない?
「……そんなわけないでしょ」
フェリシアの言葉を聞いて、ローゼの目に涙があふれてくる。
「でも、こんな、どうしようもない……」
会いたいと言って会いに行ける相手でなさそうなことは、ローゼにも良く分かった。
「神殿で手出しできなくて、王家で手出しできなくて、なのに、あたしだけで何ができるの」
事情があって二度と会えないなら、せめて最後に何か言えたのにという思いはある。しかしもう、どうにもならない。ローゼにできるのは、諦めることだけだ。
「こんなことになるなら……」
その先は言葉にならない。
フェリシアが立ち上がり、ローゼを抱きしめてくれた。
今はひとりでいたい気分だった。考えをまとめたいからという理由で彼女と別れようとすると、フェリシアはローゼの手を取る。
「でも、何かご用ができたときは、いつでもわたくしの部屋を訪ねてくださいませ。留守だったときは部屋の中で待っていてくださって構いませんわ。鍵は開けておきますから」
彼女の気遣いは嬉しかったので、ローゼは黙ってうなずいた。
しかし部屋へ戻っても、何かをしたくなるわけでもない。そもそも何も考えたくはなかった。結局レオンとの会話も上の空のままでぼんやりしていると、昼過ぎにダスティ・ハイドルフ大神官が呼んでいると言って神官が訪ねて来た。
ローゼはため息をついて聖剣と共に部屋を出る。もちろん、何の話だか見当はついていた。
ハイドルフ大神官の部屋へ入ると、老齢の大神官はローゼへ一礼する。
「急に来ていただいて申し訳ない。どうぞ、そちらへ」
部屋の端にある長椅子を示されたので、ローゼが聖剣を腰から外して座ると、正面の椅子にハイドルフ大神官も腰かけた。
間にある机には既に茶の準備がされており、カップからはゆらゆらと湯気が立ち上っている。来る時間を見越して準備していたのかもしれない。
しばらくの沈黙があった後に、大神官は口を開いた。
「レスター神官の行方をご存じありませんかな」
やはりこの話か、とローゼは思った。
しかし大神官は、ローゼがアーヴィンに会ったことを知って呼んだわけではないだろう。単に姿が見えなくなったので尋ねているに違いない。
「何かあったのですか」
とりあえず大神殿側の情報を聞いてみようと、否定も肯定もせずに問いかけてみる。ローゼが驚いていないことに何かを感じたようではあるが、ハイドルフ大神官は話しだした。
「レスター神官の行方が分からないのです。会合があったのですが姿を見せなかったので、滞在している部屋に神官が呼びに行きました」
しかしアーヴィンの姿は無かった。荷物もあり、馬屋を確認すればグラス村から乗って来た馬もいる。しかし探しても大神殿内で姿を見たものはおらず、門からの退出記録もない。
そこで、事情を知る者がいないかどうかを確認するために、まずは彼の知り合いから話を聞いているところなのだ、とハイドルフ大神官は語った。
どこまで話して良いものか悩み、いたずらに聖剣の柄を撫でる。その様子を察知したレオンが言った。
【全部話してやれ】
そこでローゼは、昨日の夜に様子がおかしかったこと、その後ジェラルドと一緒に城下へ行き、貴族の屋敷前で彼を見かけた話をしておいた。
聞き終わった大神官は、そうでしたか、と言って黙る。
沈黙の中、風が窓を揺らす音だけが響いた。しばらくして大神官が口を開こうとしたその時、扉が叩かれ、1人の神官が布でくるまれた荷物を持って入ってきた。
神官が退出した後、ハイドルフ大神官は荷を確認する。少し悩んで、ローゼのところへ持ってきた。机の上に置いて、再度荷をひらく。
中には鮮やかな青の神官服があった。
さらに一枚の紙が添えられており、そこには
『残してきたものについては、お取り計らいのほどよろしくお願いいたします。申し訳ありません』
と書かれている。
やや乱れた様子の筆跡だが、それでもアーヴィンの字であることは間違いなかった。
「これは」
とローゼは呟く。
「一時的にいなくなるわけではなく、もう戻るつもりがない、ということでしょうか」
「おそらく」
と、ハイドルフ大神官も沈痛な面持ちでうなずいた。
* * *
ハイドルフ大神官の部屋を退出したローゼは客間へ戻ろうとして思い返し、そのまま神殿騎士見習いの寮を訪ねた。
フェリシアは自室にいて、扉を叩くとすぐに開けてくれる。その様子は、まるで来るのを待っていたかのように見えた。
ローゼの表情を見て何か良くないことがあったと察したらしく、何も言わずにただ中へと促す。言われるまま椅子に座ると、黙ってお茶を淹れてくれたので、カップに入った温かいお茶を見ながら、ローゼは呟くように言った。
「ジェラルドさんの言ってたことは正しかったみたい」
「どういうことですの?」
そこで先ほど、ハイドルフ大神官の元へ荷と手紙が届いた話をする。フェリシアは静かに聞いていた。
「だから本当に、戻ってくることはないんだと思う」
そう言ってローゼはため息をついた。
「……何があったのかは知らないけどさ。どうしてこんなに急いで連れて行くのかな。貴族ってここまで神殿のことをないがしろにするもの?」
アーヴィンはグラス村の神官だ。今はミシェラが代理でいるとはいえ、彼女はあくまで一時的に行っただけ、まさか長期にわたってアーヴィンがいなくなるなど想定もしていないだろう。つまり彼は、役目を放りっぱなしでいなくなったも同然だ。
尋ねられたフェリシアは首をかしげて答える。
「本来でしたら、どんな理由があれ、すべてを放って行くことはありえません」
「急かしたりはしないんだ?」
「ええ。その辺りは暗黙の了解がございますわ。神殿と国は密接な関係にありますもの。きちんと手順を踏んで、その後、家に戻られますわ」
ただ、とフェリシアは続ける。
「シャルトス家ですから、例外もありえるかもしれませんわね」
「そっか……」
結局はそこに行きつく。
神殿にも、王家にも、どうにもできない公爵家。
フェリシアが呟いていた言葉をローゼは思い出す。
「よりによって」
本当にどうして。
よりによって、そんな面倒な家に。
シャルトス公爵家は何のために彼を戻したのだろう。
そして彼自身も、一体何を考えているのだ。
荷物も馬も残したままなのに。
王宮から立ち去るときだって、誰にも、ローゼにも、何も言わず……。
そこまで考えてローゼは首を振る。
――理由を探る必要はない。彼が戻らないことだけは確定なのだ。
いつの間にかうつむいていたらしい。ローゼは顔を上げると、わざと明るい調子で言った。
「まあ、しょうがないか。今までの話からすると、ジェラルドさんの言う通り忘れるしかないよね」
言いながら窓の外を見る。先ほどは湿った風が吹いていた。夜には雨になるかもしれない。
「……さて、あたしも準備しなくちゃ」
「何かございますの?」
「儀式も終わったし、いつまでも大神殿にいるわけにはいかないなって。明日にでも出発するよ」
ローゼはそう言って、フェリシアへと視線を移す。
「フェリシアにはここまで、本当にお世話になっちゃった。何かと頼ってごめんね」
「どちらへ行かれますの」
ローゼの言葉には答えず、フェリシアは質問を投げかける。ローゼは少し下を見て考えた。
「そうねえ、まずは――」
「北ですわね」
怪訝そうに顔を上げたローゼに、フェリシアは繰り返す。
「ローゼは北へ行きますわね?」
「行かないよ」
ローゼはきっぱりと否定した。
「なんか怖そうじゃない。初心者のあたしはもっと簡単な場所から――」
「いいえ、ローゼはまず、北へ行くんです。そしてあの方にお会いしますの」
「何言ってるの、フェリシア。無理よ」
「それでもローゼは北へ行かなくてはいけませんわ」
ひたすら北と言い続けるフェリシアの目を見て、ローゼはゆっくりと言う。
「ねえ、冷静に考えてよ。今度の相手は公爵家よ? グラス村の時みたいに、アレン大神官相手じゃないんだから」
それを聞いたフェリシアは椅子から立ち上がり、ローゼが座っている横に来て膝をつく。
「そうですわね……以前、アレン大神官様にお会いするのを邪魔されたときは、わたくしやお兄様がお手伝いできました。でも今度は無理ですわ。あの公爵家には、神殿も王家も関与出来ません」
ローゼは苦笑する。
「だから無理だって結論になったじゃない。……あたしも、忘れるつもり」
「いいえ、いいえ、それはいけません、ローゼ」
フェリシアはローゼの手を取った。
「どうやって会えば良いのかわたくしにも分かりませんわ。でもローゼは会わなくてはいけません。どんな形であれ、もう一度会わなければ一生後悔します。それだけは分かりますわ」
「そんなむちゃくちゃなこと言われても困る――」
「ローゼ。このままですとあの方は北へお住まいになります。おそらくご本人が領内……いいえ、もしかしたら城からもお出ましにならない可能性があります」
フェリシアが覗き込む。紫の瞳は真剣な色を帯びていた。
「神殿も、王家も。神官1人のために、シャルトス公爵家に対して働きかけたりはいたしません」
何も言わないローゼを見て、フェリシアは続けた。
「それともローゼが、もう絶対にお会いしたくないんですの?」
――会いたくない?
「……そんなわけないでしょ」
フェリシアの言葉を聞いて、ローゼの目に涙があふれてくる。
「でも、こんな、どうしようもない……」
会いたいと言って会いに行ける相手でなさそうなことは、ローゼにも良く分かった。
「神殿で手出しできなくて、王家で手出しできなくて、なのに、あたしだけで何ができるの」
事情があって二度と会えないなら、せめて最後に何か言えたのにという思いはある。しかしもう、どうにもならない。ローゼにできるのは、諦めることだけだ。
「こんなことになるなら……」
その先は言葉にならない。
フェリシアが立ち上がり、ローゼを抱きしめてくれた。
0
お気に入りに追加
91
あなたにおすすめの小説
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。
了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。
テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。
それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。
やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには?
100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。
200話で完結しました。
今回はあとがきは無しです。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
魔導具士の落ちこぼれ〜前世を思い出したので、世界を救うことになりそうです〜
OSBP
ファンタジー
科学と魔導が織りなす世界。そんな世界で、アスカ・ニベリウムには一つだけ才能があった。それは、魔導具を作製できる魔導具士としての才だ。だが、『かつて魔導具士は恐怖で世界を支配した』という伝承により、現状、魔導具士は忌み嫌われる存在。肩身の狭い生活をしいられることになる‥‥‥。
そんなアスカの人生は、日本王国のお姫様との出会い、そして恋に落ちたことにより激動する。
——ある日、アスカと姫様はサニーの丘で今年最大の夕陽を見に行く。夕日の壮大さに魅入られ甘い雰囲気になり、見つめ合う2人。2人の手が触れ合った時……
その瞬間、アスカの脳内に火花が飛び散るような閃光が走り、一瞬気を失ってしまう。
再び目を覚ました時、アスカは前世の記憶を思い出していた‥‥‥
前世の記憶を思い出したアスカは、自分がなぜ転生したのかを思い出す。
そして、元の世界のような過ちをしないように、この世界を救うために立ち上がる。
この物語は、不遇な人生を送っていた少年が、前世を思い出し世界を救うまでの成り上がり英雄伝である。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる