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9.現代的不潔人

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彼について私は別に苦手ではないし、嫌いでもない。ただ、不潔だなとは思う。
頭は機転がきいていて悪くはないし、決して仕事ができないわけでもない。
ただ、不潔なのだ。彼は帰国子女だ。だが、オシャレで少し気取った欧米的メリケンボーイかというと全く違うのである。

それでも、メリケンボーイではある。それは彼が典型的な肥満体型だからだ。私の中では、肥満というだけで多くの人は不潔なイメージを持つと思う。それは、日本人(及び一般地球人の)価値観として完全に正常だと言える。だから、彼は全体としてしょうがないほどに不潔なのだ。背が低く、どうしようもないくらい腹部が突出(鋭くではなく、デロンと)しているその姿は見ているこっちが恥ずかしくなるほどの無様さである。(米国であの姿だったら納得できたのだが、日本でのあの姿は異様なのだから、仕方がない。)
髪はいつもキラキラとまばゆく輝いているのだが、果たしてそのテカリが油脂によるものなのか、整髪剤によるものなのか私には判断しかねた。ただ、匂いのキツさから油脂だと推測できるかもしれない。
また、彼の眼鏡はなぜだかわからないが、大抵いつも、得体の知れない白いモヤに覆われていて汚い。彼は回りがちゃんと見えているのだろうか?少し疑問だ。

彼には癖がある。あの突出しただらしのない腹を触ったり、机に乗っけたりするという癖だ。触る行為はいつも同じパターン化された触り方をしている。両手で腹の中心より少しずれた部分をそれぞれ円を描くように緩やかな速度で触るのだ。(二つの手は対象的である。)
これを何を考えてるかよくわからない 視線で行うのが、私の中ではツボなのである。

そして、彼はほとんどの事象に対して、上から、天の上から見下ろすような目線で物事を推察するというなんともうざったらしい特徴があるのだが、こんなことは彼の醜い容姿によって、我々の思考遥か彼方に葬られてしまっている。

さて、人を見かけで判断することは
備えておくべき最低限の能力の一つである。
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