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〜第二章〜

命中

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 俺はあの後、御笠と一緒に五能覚本拠点に来ていた。

 「おっ、凄いな。もう、4人目か。」

 「おやおや、今度は女性かい。」

 「帝・・・凄く、懐かれてるな。」
 
 「お前らな・・・。」

 まぁいいか。

 俺は、御笠を案内した後、次の任務に移ろうとした。その時、

 「あの、その、これを、つけてくれる?」

 そう言って、御笠は仮面を渡してきた。

 「素顔を見られて、困ることはあるでしょ?」

 「お前は、いいのか?」

 「うん、もう心は打ち明けたし。隠す必要は、もうないから・・・。」

 ふっ、

 「そうか。分かった、ありがとう。」

 そして俺は、仮面をつけた。

 「行ってくる。」

 魔千 凛ません りん

 巷で噂の、ガンマンだ。

 銃が、得意で所持能力が『百発百中』か。

 なんと、ベストなんだろう。さて、どこで会えるかな。

 そう思いつつ、新聞に目を通す。

 色々な、事件がある。こういう事件を解決するのが、五能覚の仕事だ。だが、この世界には警察と、能力警察しかない。

 学生は、何もできないんだ。

 そうだ!学生の組織を作ろう。

 名前・・・そうだな、風紀を制定するから、『風制委員会』とでも名付けるか。

 早速、上に連絡だ。

 その間に、俺は魔千凛を探した。

 彼女は、殺し屋だ。だが、この島では当たり前のこと。

 ただ、悪事を働いたものにしか殺しをしてはいけない。

 逆にいえば、この島の政府は殺し屋を使い悪事を働くものを、消している。

 さて、何処にいるか。っと、まさか向こうから来るなんてな。

 「なっ!?」

 俺は、魔千が撃った弾丸を掴んだ。

 「何故だ、百発百中の能力で確かに当てたはず・・・。」

 「簡単さ。当たったが、貫通はしなかった。」

 「貴方、化け物なの?」

 化け物か。確かに、そうかもしれないな。

 「それはそうと、何故俺を狙う?」
 
 「貴方には、魔獣を脱走させた疑いがかかっている。」

 「証拠は?」

 「うっ、」

 さては、上からの命令で、内容まではあまり知らないんだな。

 「おやおや、どうしたんだい。まさか、証拠がないとは言わせないぞ?」
 
 少し、からかってみるか。

 「うるさい!私は、もうクビ寸前なんだ。ここで貴方を殺さないと、生きていけなくなる。」

 確か、何個か前の依頼で能力を暴走させて、無関係な人まで巻き込んでしまった。ただ、こういうミスは全て、クライアントの判断不足と、いうことになる。

 クビか・・・、こんな子供に大人は酷い現実を、押し付ける。

 「だったら、いい提案をしよう。うちに来ないか?うちなら、お前みたいなやつでも、蔑んだりはしない。仕事も、ある。」

 「それは・・・、」

 迷っているな。だが、彼女にもうこの仕事の道を、歩んで欲しくない。見た感じ、まだ14歳。こんな年齢の子に、殺しには、関わって欲しくない。

 「それなら、クライアントを脅しに行こうかな。」

 そう言って、混乱する彼女を置き去り、クライアントがいると思われる、ある建物に来ていた。

 「どうも、こんにちは。」

 「だっ、誰だ!何処から、入ってきた!」

 「貴方の、不正事実を突き詰めましてね。証拠がないのに、俺を殺そうとしただろ?」

 さて、どう言い訳するのか見ものだ。

 「証拠なら、ある。私は、見たんだ。あの日、研究者が異世界へ行った後、貴様だけが帰ってきた。そして、その翌日に魔獣が脱走したんだ。」

 「アホか?何故見たのなら、そうはっきりと言わない。まぁ、仕方ない。うっかり、逃してしまったのは、お前なんだろ?」

 「なっ、何故それを・・・しまった!口が滑って。」

 やっぱりそうか。

 その後、そのクライアントは逮捕された。当たり前だ。罪のない人を、殺そうとしたのだから。

 「さて、答えはどうする?魔千。」

 「行く。行くわよ!」

 まぁ、そう来るとは分かっていたが。

 「じゃぁ、目を瞑って。」

 そう言って、俺は彼女の額に、人差し指を立て

 「頑張れ!」

 そう言って、魔千を暴走させた。

 「うわあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 「イメージだ。百発百中をものにするために、努力してきたんだろ!」

 そうだ。その調子だ。

 「え、なにこれ。奥から力が、湧いてくる感じ。」

 「覚醒だ。おめでとう、魔千。」

 俺は、五能覚本拠地へ帰り、神器を渡した。

 さて、俺の命令は全て終えた。あとは、ボスの目標を達成するだけだ。
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