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〜第一章〜

急転

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 あの事件から、約3ヶ月。

 「みんな、卒業おめでとう。皆んなは、同じ高校に行くのに俺はいけないなんて悲しいな。」

 「先生。また会えることを皆んなで期待しています。」

 偉いな、この子たちは。

 「高校でも、頑張れよ。」

 「は~い。」

 ・・・

 「はい!?高校生になれ!?しかもあいつらの!?」

 「そうだ。上からの命令でね。記憶は、全て消しておくようだ。転入手続きは済ませておく。頼んだよ、帝君。」

 「りょ、了解しました。」

 ~研律高校~

 「入学生の諸君。ここでは、能力のレベルアップに勤しんで欲しい。」

 「ねぇねぇ、飯田君。能力調査、楽しみだね。」

 「そうだね、早苗。」

 「そういえば、1週間後に転入してくる新入生気になるね~。」

 「そうだね、どんな人だろう。中学生から、皆んな一緒だし。新しい友達ができるのは、とても楽しみだな。」

 ~1週間後~

 ついに、この日が来てしまった。記憶削除や改竄で1週間もかかってしまった。上手くおかしいところは繋ぎ合わせといたが、支障が起きるかもしれん。最善の注意を払わなければ。名前は・・・

 「え~と、皆さん初めまして。僕の名前は、隼 零二はやぶさ れいじです。よろしくお願いします。」

 隼 零二で、大丈夫だったかな。帝 光輝よりは、バレにくいと思うし。大丈夫か。そうだ!早苗の件。能力の封印はどう解放して行こうか。まぁ、封印と言っても能力の10分の1程度の力は使えるだろう。早苗の能力の場合、1人の時間を止めるとかかな。工夫すれば、強くなれそうだな。でも、研律高校は全能祭には参加できないし競う場があんまないからな。

 「あっ、いた~。零二く~ん。」

 !?早苗・・・。

 「はっ、初めまして。早苗さん。」

 ぎこちない。

 「ははは~。緊張しなくていいよ~。あと、早苗でいいよ~。」

 「お、おう。早苗。」

 だめだ。この調子で3年間、続けれるかな?心配だ。

 「早苗、ちょっといいかな~?」

 「分かった。じゃあね~、零二君。」

 「おっ、おう。」

 俺の、記憶も消した方が良いんじゃないか?でも、それじゃあ命令が遂行できないし。仕方ないな。

 まさか、ここまで授業を受けるのが大変だったとは・・・。あいつらの気持ちがよく分かった。高校になってから、能力実技があったとは・・・。誤魔化しているとはいえ、俺の能力ランクじゃあ手加減しても危なかったな。この調子じゃあ、バレかねない。もうちょっとだけ、調整してみるか。一応、ランクC中ぐらいが良いか。

 ~2日目~

 朝が早い。しかも、1人登校か。皆んなとも、この状況じゃまだあってから日が経ってないし。不要に詮索するのも禁じられている。教師・生徒の関係から生徒・生徒・・・か。漫画でもこんな展開見たことないな。上の命令で、仕方なくやってるだけなのに。

 本当に記憶って消せるのかな?

 「ここはこうで・・・。はい、零二君。能素はランクC中だと、何回分溜め込める?」

 「はい、大体3回分くらいです。」

 「正解。」

 こんなもん、中学で習わせたしこいつらはもう十分にできている・・・はず。大丈夫か?そこまで、記憶は決してないと思うが改竄する途中でおかしなものでも混じったか?どっちにしろ、もう一度教えてやれば良いか。

 終わった~、やっと。めっちゃ疲れた~。毎日これなら、生徒って大変だな。

 「零二く~ん。」

 「うっ、さっさ早苗。どうしたんだ?」

 「ここわからないんだけど。」

 「ああ、ここか。」

 ここは、中学でも教えなかったところだな。久しぶりに、教師するか。

 「零二君って、教えるの上手いんね。」
 
 「ま、まぁそれほどでもないと思うんだが。」

 「今日は、ありがとね~。それじゃあ、ばいば~い。」

 教えるのが上手いっか。もと、教師だしな。だが、その記録ももう俺以外だれも覚えていない。悲しいな、あんなに頑張ったのに。全てが海の藻屑だ。

 そういえば、早苗の封印の件はどうなるのか。あいつもばかじゃない。そのうち気づくだろう。自分が他者より劣っていると。その時は、帝にでも押し付けるか。それが、あいつのためになるからな。

 さて、どうしたもんかね?監視が目的だけど、もう高校生だ。能力も使えるし、俺が出る幕はもうないな。

 「零二。」

 「どうした?飯田。」

 飯田が早苗意外と話すなんて、珍しいな。

 「私の能力、どう思う?」

 「どうって、そうだな・・・。体力回復か。ん~、そうだな。確かに、戦闘向きではないが・・・。加護、だな。」

 「加護?」

 「そうだ。加護は、能力に似たようで違うものだ。大きく違うのが、能素を使わないのと、使うと体力が減る点だ。ここが、主に違うところだな。」

 加護は、神様に頼んで認められれば貰えれる。貰えるといっても、与えられると言った方がいいかな。

 「そうだ!今度、俺と一緒に伊律次神社に行かないか?」

 「一緒に、いいんですか?」

 「いいよ。それじゃあ決定な。次の土曜にでも。」

 飯田には、自分を守るくらいの力がないとな。加護は、手に入ればとても心強い。飯田のためにも、いっちょ本気出しますか。
 
 
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