能覚人

ミライ164

文字の大きさ
上 下
90 / 101
〜第六章〜

ラストフェーズ

しおりを挟む
 今回は、俺の時とは違う。長年をかけて、体に馴染んだ俺と、1時間程度前に摂取した、魅崋。

 異物は、完全には結合していない。そこを、突くんだ。

 「うぅぅぅ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 くっ、体が持ちそうにない。強化しても、その分体は疲れていく。

 ならば、次の一発で決めるだけ!

 「一斉に行くぞ!」

 そう言って、俺は拳に力を込めて・・・

 「極・破滅破壊ネオ  デストロイクラッシュ!」

 頼む、行けてくれ!

 結果は・・・駄目だ。

 「どうやら、常人より能素の量が多いらしいな。」

 「どうだろうね?言霊の力を使って、能素を増やしているだけかもしれない。」

 「だったら、どうするんだ?」

 「眠らせるしか、ないようだ。」
 
 眠らせる方法はある。情報改竄で、相手の状態を眠りにするだけだ。ただ、俺1人では難しい。同じ能力が使える、帝光輝の協力が必要だ。

 「どうやら、考えは同じなようだ。」

 「お前こそ。」

 「道は、私が作ろう。チャンスは一回だけだ。」

 そう言って、土山地の先代ボスは『能素操作』を使って作り出された能素を、すぐさま切り離していった。

 「今だ!」

 俺と帝は、お互いに魅崋の肩に触れ、眠らせるように、情報を変えた。

 どうだ・・・

 「成功したようだね。もう、言霊の力は感じ取れない。」

 「よかった~、これで一件落着だ。」

 「そうだね!」

 そのあと、帝光輝は魅崋を抱えてこの場をさった。どうやら、最終確認があるとのこと。

 そして、土山地の先代ボスは、

 「この力は、言霊の一部なんだ。能素を操れるなんて、最強なのに攻撃は出来ないから。ただ、サポートならできる。それを逆手にとって、一人で二役こなせるかもしれないと、研究員は考えたんだ。」

 そう言って、この建物の外に出て行った。

 さて・・・と、俺と小春は風制委員会議ビルに戻るのだった。

 「ちょっと!どこ行ってたのよ!」

 「ごめんごめん・・・ね?」

 「ごめんじゃないわ!・・・まぁいいわ。残り6日。いつも以上に、頑張ってもらうわよ!」

 こりゃ、骨が折れそうだ。

 そう言えば、あの男の人はどうなったんだろう。

 妹、らしき人物も確認できなかったし、一体なんだったんだ?

 とりあえず、今は休むとしよう。もう体が、ほとんど動かない。

 明日からの労働に、耐えるために、今日は時間いっぱい寝るとしよう。

 この後の、学能祭の警備。危ないことは、何一つなかった。

 言霊の真相は、まだ隠しておいた方が良さそうだ。

 これで、5つ目。この調子だと、残り2つも解決することになるかもしれない。まぁ、そんなことはないかもしれないけどね。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界にクラス転移したら全員ハズレスキルを持たされた

アタラクシア
ファンタジー
 人生で数度もない貴重なイベントである修学旅行。この風鈴高校に通う二年二組の生徒たちも、長い間待ち望んでいた修学旅行に胸を躍らせていた。  はしゃぐバスの中――突然周りが黒く染まり、生徒たちは下へ下へと落下してしまう。  目が覚め、見えた景色は――現実の法則が意味をなさない、まさに『異世界』であった。  クラス全員ハズレスキル!?前代未聞の異世界転移に少年少女らは立ち向かう。 ――根源に至る『四騎士』 ――世界征服を企む『ナイトメア』 ――新世界を作ろうとする『ネビュラ教』  異世界の様々な情勢に振り回されながらも奔走する。目指すは「クラスメイト全員の合流」と「元世界への帰還」。  はたして彼らは全員合流し、元の世界へと帰れるのか。  長くも奇妙な修学旅行が今始まる――。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ
ファンタジー
髪の色がとてもカラフルな世界。 そんな世界に唯一現れた白髪の少年。 その少年とは神様に転生させられた日本人だった。 その少年が“髪の色=愛の証”とされる世界で愛を知らぬ者として、可愛がられ愛される話。 ⚠第1章の主人公は、2歳なのでめっちゃ拙い発音です。滑舌死んでます。 ⚠愛されるだけではなく、ちょっと可哀想なお話もあります。

私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜

月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。 だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。 「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。 私は心を捨てたのに。 あなたはいきなり許しを乞うてきた。 そして優しくしてくるようになった。 ーー私が想いを捨てた後で。 どうして今更なのですかーー。 *この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

とある元令嬢の選択

こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。

とあるおっさんのVRMMO活動記

椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。 念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。 戦闘は生々しい表現も含みます。 のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。 また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり 一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。 また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や 無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという 事もございません。 また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。

処理中です...