能覚人

ミライ164

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〜第六章〜

真相

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 俺は、唾を飲んだ。

 「それは、人工的に作り出された能力だ。」

 「何!?人工的に、作り出された能力だと・・・。」

 「そうだ。神王は、俺たちは人間に能力を与えた。人工的に作られた能力も、その一部だと俺は考えた。」

 そうなのか・・・ん?いや待てよ?

 「その能力は、どうやって作ったんだ?」

 「君たちは、知っている。遺伝子研究だ。」

 !?

 「遺伝子研究だと!?」

 「そう。遺伝子を組み合わせることで、能力を融合させた。それを、薬のようなものに改良し、飲むことで一時的に莫大な力を得られるようになった。ただ、体との適合率が悪く、大抵の人は1時間程度で死んでしまう。」

 「そういえば、早苗が言ってたわね。研究者は、私の能力は今必要ないって。これって、このことなんじゃない?」

 「真偽は分からないが、多分そうだろう。この薬は、もともと炎爛火が研究していたものだ。それが、他の組織に流れ、一般の社会には言霊として流れた。」

 なるほど、それなら辻褄があ・・・

 「ちょっと待て、なら何で俺は言霊を使えたんだ?」

 「・・・それは、俺の口からは言えない。いるんだろう?帝。」

 「あら、気づいていたのか。」

 !?

 いつからだ?気配が全く感じ取れなかった。

 「まぁ、いいか。前に、お前たちが実験対象者だって、言っただろう?その時、昴に薬のサンプルが投与された。」

 「一体誰が・・・」

 「お前の親だ。」

 !?

 「お前の親は、遺伝子研究者だった。実験台に、お前を使ったんだ。」

 「そんな・・・」

 「どうした?失望したか?」

 正直、ショックはあった。でも、記憶がないせいか。人物像が描けずにいた。

 「まぁいい、続けるぞ。だが、そのすぐ後に前に話した事件が起きた。そのせいで、薬は効果を現さなかった。そして、長い年月をかけてお前の体に馴染んだおかげで、言霊を使っても死ななかった。」

 「と、言うことは、今は使えないのか?」

 「そうだ。っと、こんなのに時間をかけている場合じゃないな。彼女を助けないと。」

 「一体、どうするの?」

 「薬を打ち消すほどの、病をかければいい。」
  
 何をするんだ?薬を打ち消す方法なんて・・・

 「彼女を、暴走させる。」

 「どうして!」
 
 「暴走すれば、一時的に能力者になる。あとは、暴走を止めるだけだ。この薬は、体に馴染んでいない。それに、たくさん使うことで効力は弱まっている。消すなら、今だ!」

 そうか。そうすれば、薬も消える。一か八かの賭け。乗らない手は、ない!

 「さぁ、これが真のラストバトルだ!」
 
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