能覚人

ミライ164

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〜第六章〜

延長戦

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 「終わったぞ。」

 見た感じ、時間は稼げているようだ。この作戦は、一見してただの時間稼ぎかも知れない。でも、それは違う。強い力には、代償がつきものだ。心眼の加護で覗いた限り、彼女にはタイムリミットがある。

 「さぁ、第二ラウンドだ!」

 さっきと同じことを、繰り返す。取り込み、生み出し、取り込む。

 そして、小春と交代し、その間に俺は能素を放出する。

 後、30分。

 この作業は、一周に5分かかる。後6回やれば、俺たちは勝つことができる。

 4回目のことだ。

 「どうした?さっき目でと違って、焦ってるようじゃないか?」

 「ここまでか・・・。」

 !?

 俺は、膝から崩れ落ちた。体が動かない。

 「昴!!何したの!魅崋!」

 「仕方がない、どうせこの島は消えるのだ。早いか遅いかの違いだ。」

 「私、早苗から聞いたわよ。貴方のお兄さんが、こう言ってたって。他力本願は駄目だと。だから、自分から率先してやるように頑張っていると。それがどう?今の貴方は、他力本願。」

 「どういうことだ?この手で、やったのだぞ?」

 「いいや、違う。貴方は、言霊に頼った。」

 「だったら、貴様らは能力に頼っているじゃないか。」

 「いや、全然違う。言霊の仕組みは分からないけど、能力は人の努力で天才をも超えれる。それは、自力であって他力ではない。」

 「くっ、」

 動揺している。言い返せなくなっているんだ。このまま行けば・・・、

 「死ね。」

 「人とは、あっけないものだ。どれだけ努力しようと、この一言、この一瞬で全て無に帰すのだから。さて、私にはもう時間がない。儀式に取り掛かるとしy。」

 「おいおい、誰が死んだって?」

 「そうよ、勝手に殺さないでくれる?」

 「何!?なぜ生きている!?」

 「簡単な話さ。言霊の正体は、能素を変化させたもの。つまり、俺の体内にある能素を毒にでも変えようとしたようだが、残念だったな。俺は、言霊が届く瞬間に、能素を全て排出した。」

 「私もよ。」

 「馬・・・馬鹿な。ありえない。あり得るはずg・・・。」

 気絶させた。これで、危機はさった・・・訳ではない。目を覚ました後、暴走し出したら元も子もない。

 「彼女を、助けたいのか?」

 !?

 俺は、咄嗟に身構えた。

 「誰だ!!」

 「俺は、土山地先代ボス、久良岐 忠親くらき ただちかだ。」

 先代ボス・・・

 「目標は、何だったんだ?」

 「言霊の真相を探ることだ。」

 言霊の、真相?

 「俺たちは、神王教だ。一説によれば、言霊は神王が与えたものになっている。だから、それを解明するのを目標にした。そして、魅崋が解明してみせた。だから、ボスの座を譲ったのだ。」

 「一体なんなんだ?」

 「それは・・・」
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