能覚人

ミライ164

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〜第六章〜

潜入?

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 俺は、土山地の近くに来ていた。

 今の時間は、人の出入りはなさそうだ。だが、ここで下手に動くとピンチになるかもしれない。だから、もう少し様子見をするとしよう。

 30分後・・・

 ん?誰かが、出てきた。

 どうする?拘束でもして、情報を聞き出すか?

 いや、ダメだ。それこそ、目立ってしまう。だから、少し覗かせてもらうとしよう。

 『明日は、ボスがお戻りになられる日。我々の悲願の、叶える時が来たんだ。待ち侘びた、半年以上。これで、私は次のボスになれる。』

 明日、ボスが帰ってくるのか。狙うとしたら、その時だろう。

 目的、言霊を使って何をするきだ?人を殺す目的・・・この島を征服でもするのか?いや、違うな。組織抗争は、3年前に収束している。だとしたら・・・、かんがえ絵も仕方がない。明日に備えて、準備をするとしよう。

 そして翌日。

 俺は、早朝昨日と同じ場所にはっていた。

 来た!!

 見た感じは、女性という印象だ。

 そして、俺と同じ歳の気もした。どこかで会ったことが、あるのか?

 いや、そんなことはない。なんせ、この島には俺と同じ歳の人なんて何百人もいるんだから。

 俺は、見つからないように願いつつ組織内へ乗り込んだ。

 言霊の力で、どうにかなってくれないものかな。

 さすが、神王の叡智。

 俺は、部屋の隅で話を聞いた。

 「ついに、我々の悲願が叶う。ついに、神王様の復活だ!私こそが、その贄になる。そして、ここに呼び起こすのだ!」

 「おー!!」

 神王を、復活!?流石、神王教だな。だが、そんなことをして、一体何がしたいんだ?しかも、現代にいる神王って・・・まずい!

 早くここから逃げないと。神王の子が復活したら、何をしてやらかすかわからない。

 うっ!!

 胸が苦しい、まさか俺の体が拒否をしている?

 このまま、拒否し続けたら何とかなるんじゃないのか?だったら、やってやるさ。この身朽ちてもな!

 「さぁ、皆のものよ。我に力を集めるのだ!言霊は、神王様の叡智。その力を、存分に使おうぞ。」

 「おー!」

 うっ!!

 さっきよりも、キツくなってきた。そろそろ、まずっ!!

 その瞬間、この部屋全体が、瞬く間に閃光に包まれた。

 俺は、大丈夫d!?

 能力が使える!?

 まさか、引っ張られていたギリギリで留めたことにより、そこで止まってしまったのか?

 能力が使えたら、言霊が使えないって、皆んな倒れている。いや、1人だけ立っている人がいる。

 「土山地のボス。まさか、アンタだったなんてな。御上也 魅崋。」

 「そう、私こそが土山地のボスであり、現神王教の教祖でもある。そして、私はこの力を得るためには犠牲も惜しまない。私こそが神王であり、この星の創造主だ。」

 この星の創造主?神王は、そういう存在なのか?何にせよ、犠牲を惜しまないのは聞き捨てならない。ここで、止めるしかないか。

 「だったら、俺が止める。クラスメイトの意地でな!」

 「かかってこい。お前を初めの、糧とする。」

 久しぶりの能力だ、体が思うようについてくるかはわからないが、やってやる。ここで止めないと、流石にまずいことになるからな。

 能力を使うと、体が圧倒的に軽くなった気がした。これなら、いける!!

 多分、あいつは能力者じゃない。その証拠に、言霊を使っていた。多分、この世界で一番扱い方が上手いのだろう。

 俺に死んで欲しいと思えば、俺は死ぬかもしれない。だが、そんなことはしないだろう。そんなことをしなくても、俺に勝てるのだから。

 だったら、使う前に倒すだけだ!!

 「はああああぁぁぁぁぁぁ!!!」

 俺は、拳に力を込めて叩き込んだ。のだが・・・当たらない!?

 「これが、言霊の力か。」

 「そう、無の壁。そこに何もないと思い込めば、そこには何もなくなる。そこは、何も通ることができない。」

 なるほど、何もないということは、何も入れない。俺の拳は、それに弾かれたのか。

 だったら、絶対に無くせないところを叩くだけだ。

 俺はもう一度、拳に力を集中させ地面を叩いた。

 やはりそうか。地面が消えていないからして、そこだけは消えていないと思っていた。

 彼女は体勢を崩した。

 今だ!!

 すかさず、その隙を突く。

 どうだ?

 これは、しんどい。まさかの、ノーダメージとは・・・。

 「なかなかやるな。だが、これだけしてかすり傷一つつけられていない。所詮、人とはこんなものか。」

 俺は、少し苛立っている。神王でもないのに関わらず、こんだけ上から目線とは・・・俺からしたら嫌な気分になってくる。

 さて、どうしたもんか。俺の考えが正しければ、言霊にもランクがある。つまり、能力と同じということだ。似た仕組みなら、俺が能力のランクを上げればダメージが通るはず。

 でも、能力のランクを上げることは暴走することを意味している。

 今は、そんなことは出来ない。対面の時に、自我を失うのはまずいことだ。なんとか、時間を稼がないと。俺の計算が正しければ、あと少しで援軍が来る。

 その時が好機だ。ただ、神王の子に協力の意思があればの話だ。もし、あっち側に着いたらそれこそ、この街の終わりだ。

 だが、今援軍に来れそうなのは誰だ?この状況を知っているのは、早苗と莉愛だけ。早苗は、その場を離れられない筈だし、莉愛は戦闘に向いていない。今、休みなのは・・・あいつか。

 時間的に、あと少しだ。あいつになら、任せられる。

 さて、それまでやられないようにしないと。相手は偽りでも、神王並みの力を持っている。

 本気を出せば、俺も瞬殺かもしれない。でも、それは本気を出した時の話だ。本気を出させなければいい話。いい具合に、弱いキャラを演じる。それが、勝利への鍵だ。

 「あなた、もっと私を楽しませて。そろそろ、退屈になってきたから。」

 「これからだって、今は体を温めてただけ。それじゃぁ、これを食らってみるか?」

 俺は、右手に力を集中した。右手全体ではなく、相手に当たる一点に。全てを注ぎ込んで・・・

 「破滅破壊デストロイクラッシュ!!!!!」

 俺の一撃は、無の空間をぶち破った。

 少しだけ、越すことが出来たのだろうか・・・。

 「やるね。でも、たったそれだけでヘトヘトじゃない。これは、万策尽きたかしら?」

 「いいや、これからだって言っただろ?なぁ、小春。」

 
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