能覚人

ミライ164

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〜第六章〜

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 様子を伺っているが、今のところ怪しい動きはない。

 全能祭の時は、黒霧の幻影が襲いに・・・来ていなかった。あれは、襲撃なのか?考えても、仕方ないか。

 目標がわからないと、殴りに行けない。しかも、法に触れていないと戦う理由にはならない。

 まぁ、悪いことをしないのならいいんだが。

 2日目も、特に何も起きなかった。俺の、思い込みだったか?

 そんなことは、なかった。

 次の日の朝、無能力者が能力者を、無差別に殺害しているというニュースが流れ込んできた。

 言霊の力か。どうしてそう断言できるのかというと、逮捕された無能力者は、能力者に触れていなかった。目撃者の証言では、銃も持っていなかった。

 共犯の線もあるが、銃声がしなかったらしいし、殺された能力者を恨んでいるものもいなかった。

 だが、不可解な点がある。何故、離れたところから言霊を、使わなかった?

 使えなかったのか。多分、自分から半径数メートルまでしか使えないのだろう。

 でも待てよ、言霊の存在は何処で知った?知ったとして、何故使えた?

 言霊の弱点は、能力と似ていること。つまり、能力を使う感覚と同じということ。俺は、自然と使えたが、無能力者は難しいだろう。

 つまり、誰かが教えたということ。

 これは、完璧な犯罪だ。

 さて、誰が手引きしたのか・・・土山地だろうな。

 あとは証拠を、揃えるだけ。

 今日の見回りは、オフにしてもらって犯罪者に会いに行ってみるか。

 まぁ、早苗が許すわけないので黙って行くんだけど。

 俺は、無能力者同士なら何か聞き出せるかもと交渉し、面会に来ていた。

 「何故、能力者を殺したんだ?」

 「・・・。」

 やはり答えないか。口封じでも、されているのか。

 じゃあ、覗かせてもらうよ。俺は、天眼の加護で相手の心情を探った。

 『どうして、こうなった。あいつらは、事を起こせば妹を解放すると言っていたはず。』

 「妹さんが、関係しているんですか?」

 「!?」

 やはり、驚いている。

 『何故だ?奴らは、情報を警察にゆうなと言っていた。まさか、奴らがしくじったのか?土山地の奴らが。』

 「やはりそうでしたか。土山地が、関係しているんですよね。」

 「なんで、それを・・・。」

 「見させていただきました。あなたの心を。安心してください。妹さんは、必ず助けますよ。警察に言ってはいけないなら、俺たち風制委員を頼ってください。必ず、助けてみせます。」

 「お願いできるんですか?本当に。」

 「いいですよ。」

 これで、証拠が見つかった。

 さて、どうやって乗り込もうかな。
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