能覚人

ミライ164

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〜第五章〜

タイムリミット

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 守りに徹して、ばっかりだ。

 こちらには、守るべき存在がいる。

 対してあいつは、ただ暴れているだけ。なんの感情も、入れていない。

 警察として、これは許せない。こいつを倒すには、昴がいる。

 頼む、早く起きてくれ。それまでは、持ち堪えてやる。

 後時間があるとしたら、3分だ。情報では、この島は能力で動いている。だが、それを動かしている者が消えれば、後は残りの分が消費されるまでだ。

 しかも、まずいことにこの3分では島に墜落する確率は100%だ。

 その前に、スバルの加護で全て消費させきらなければ。

 だが、今はこいつを止めるのが最優先。遺伝子を抜き取れば、まだ可能性はある。そのために、2人には早く起きてもらわないと。

 頼むぞ。

 残り、2分45秒。

 世間では、カップ麺を作る時間が暇とかいうが、今はそれが惜しい。たった3分に、札律次島の運命がかかっている。ここを落として、誰が警察だ。市民は、絶対に守る!
__________________________

 この戦いは、目で追えない。俺にできることは、2人を起こすこと。何か、何かいい方法は・・・ある。なんのために、話術の呪いなんて手に入れにいったんだ。言葉の綾で、2人を起こす。多分、昴は今「ノンレム睡眠」だ。この状態だと、脳が動いていないから起こすことは難しい。逆に、こっちの子は多分もっと前から気絶しているから今は「レム睡眠」だ。こっちは、起こせる。

 また、「レム睡眠」はストレスや環境の変化によっても長さが変わる。昴と、この子は遺伝子を取られている。環境の変化に、値するだろう。起こせるチャンスは、いくらでもある。

 あの人の見立てでは、残り3分。なんとかするんだ。今すぐに。
__________________________

 行けるか?能力をたくさん使わせて、少しでも暴走状態の力を発揮させないようにする。俺の能力じゃ、能素を遠ざけることに精一杯。周りから無くせば、供給はなくなる。でも、どれほど蓄えているかによって、この作戦は変わってくる。

 一か八かの、賭けになるが俺はその一を、掴み取る。

 残り、2分30秒。

 体が、悲鳴をあげている。少しずつ威力は下がってきているものの、能力の種類が多すぎる。これじゃぁ、対策のしようがない。しかも、ここで手を休めば、元素操作で能素を増やされる。そっちを、使わせないようにしろ!

 守りでも、勝てる。相手を誘い、こちらに有利な体制を作る。それが、俺の仕事だ。

 頼んだぞ、小春。

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