能覚人

ミライ164

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〜第五章〜

不覚

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 無傷・・・、だと?

 「ふっ、ははははははは。その顔はいいな。どうして無傷かって?簡単な話さ、本物か、偽物かの違いだ。お前のエセ魔法には、魔力がこもってない。」

 魔力。この世界には、2つの異様な元素が存在する。能素と魔素だ。今に人間は、能素しか扱えないが、近いうちには、みんな魔素が使えるようになる。厳密に言えば、使が、だ。

 ただ、俺がどう足掻いたところで使えなかった。

 俺は、魔光に憧れた。あいつだけだった。魔法が使えたのは。ただ、どんなに聞いても教えてはくれなかった。

 「そうだったな。お手本を、見せてほしいんだったな。いいぜ、見せてやるよ。そして、地獄に落ちな。」

 あぁ、やっぱり無理なことに手を出すんじゃなかった。ごめん、カルテナ・・・。

 「しけっとしてないで、早く立て!お前のおかげで、時間ができた。さぁ、反撃だ。」

 「反撃?一体何をって、なんだ?これは・・・。」

 魔光の体から、1つの塊が今にも出るという、感じだった。

 そして・・・、

 「ふう~、やっと取り返したぜ。おっ、なんだその顔?種が、気になるか?簡単さ。お前は、3人の遺伝子を持っている。ただ、遺伝子も他の遺伝子とは結合しにくい場合もある。だから、お前は本気を出せない。結合が弱ければ弱いほど、離しやすい。そして、行き場を失った遺伝子は元の持ち主の元へ戻っていく。だから、お前は俺たちに勝てない。」

 残り、5分弱。ここで、一気に叩く!

 加護を駆使して、能力を使え。1発1発を大切にしろ。弱点を定めてって、無理だなこりゃ。

 「お前の能力がなくなったところで、俺は負けない。忘れたか?魔素も元素だ。そして俺は今、元素操作を持っている。すなわち、魔素を増やせるということだ。魔法には、防御魔法も勿論ある。お前は、勝てない。もうじき、タイムリミットだ。」

 くっ、残り1分もない。だが、諦めるな。最後までやり切れ!俺が消えれば、この世界も消える。そしたら、元に戻るだろう。それまで、削れ!1秒も無駄にするな。俺は消えてもいい。だが、ここで昴を殺すわけにはいかない。

 「うおおおおぁぁぁぁぁぁぁ!」

 その気迫は凄まじかった。もしかしたら、行けるんじゃないか?淡い期待を僕は、抱いていた。

 場所が変わった。知らない場所だった。多分ここが、エデン。

 砂埃が舞う中で、決着はついていた。

 

 
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