能覚人

ミライ164

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〜第五章〜

失態

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 くっ、やらかした。

 本気を出しても、仕留めきれていない。『悪魔の呪い』か。

 『悪魔の呪い』それは、『森羅万象』を持つものと対峙している相手に与えられる呪いだ。そいつは、本来の能力をフルで使えなくなる。つまり、弱体化させられると、いうことだ。

 対して、『神王の加護』は俺に対峙している相手の能力の効果を弱めることができる。

 しかし、相手は3つの力を持っている。つまり、半減させても相手の方が上回るということだ。

 このままじゃ、ジリ貧だ。さて、どうしたもんか・・・。

 「どうした?さっきの威勢は、何処へ行ったんだ?そうそう、1つ忠告だ。お前は今、凌駕の加護を使っている。ただそれは、相手が強い時でしか効力を発揮しない。俺は、弱いさ。つまり、お前はもっと弱い。」

 てことは、加護を使うなってことかよ。たしかにそっちの方がいいが、さてどうしたもんか。

 逆転の一手が、思いつかない。

 この時点で、すでに15分が経過していた。

 あと、15分。この間の、仕留めきれないと俺は消える。

 この状態で出せる、フルパワーでなんとかやれるか?

 ただ、これは賭けだ。失敗したら、死に値する。

 考えろ、考えるんだ。どうする?どうすれば・・・。まてよ?こいつは今までに、沢山の能力を見てきた。それを駆使できれば、勝てる!

 どれを使う?

 まずは、こんな狭いスペースでの戦闘には限りがある。場所を移動させよう。『世界創造』

 次に、これがどれくらい通用するか試しておかないと。『時一停止』

 1・・・2・・・3・・・、なるほど3秒か。これだけあれば、十分だ。

 1つ、試してみたいことがある。もし、この説が正しければ俺は絶対に勝てる。ただ、それを悟られてはいけない。また、これには時間がかかる。誰か、時間を稼いでくれる人は・・・

 この時、携帯がなっていた。

 何故か知らないが、勝手に応答ボタンが押された。

 「昴、いや神王の子。今、そっちに増援を向かわせるが多分世界が違うだろう。だから、そいつを移転してやってほしい。場所は伝える。頼んだぞ。」
 
 増援。一体、どんな奴なんだ?

 だが、時間を稼いでくれるならありがたい。

 そして、俺は扉を繋いだ。

 そいつには、見覚えがあった。正確には、昴がだ。

 道風 颯。

 「君との、決着をつけにきた。後は任せて。」

 「ちっ、お前かよ。お前じゃ、無理だ。能力も加護もないやつに。」

 「それはどうかな?俺はもう、前とは違う。」

  そう言って、呪文を唱え始めた。そして、ぶつける。俺の全力を、だ。

 どうだ?

 「真似っこしやがってよ。うぜ~んだよ、お前。仕方ない。本物というやつを、見せてやるとするか。」
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