能覚人

ミライ164

文字の大きさ
上 下
63 / 101
〜第五章〜

呪い

しおりを挟む
 俺が行きたかった場所は、呪縛地だ。

 「ここか。」

 誰もいないこの場所に、俺の足音が響く。不気味だったが、依頼のために仕方ないと歩き続けた。

 呪縛地の、中心についた。

 「おい、いるんだろ?不老不死の魔女フェード。」

 「もちろん。ここは、私の家だからのう。して、何のようじゃ小童。」

 「簡単な話さ、俺に呪いをかけて欲しい。不老不死っていうだけあるから、体力が減らなくなる呪いもあるんだろう?」

 そうだ。体力さえ減らなければ、ずっと加護を使い続けられる。

 「ふむ・・・、いいじゃろう。お主は気に入った。減無の呪いをかけてやる。」

 減無の呪い・・・、名のとうり減らなくなるなるというわけか。

 「頑張るんじゃぞ。」

 何か、試練のようなものがあるかと思ったが、結局何もなかった。なぜだ?何か企んでいるのだろうか・・・、まぁ良しとしよう。今は、それどころじゃないからな。

 そして翌日。

 「見つけたわよ。研究所。莉愛、教えてあげて。」

 「はい。まず研究区に絞って探したのですが見当たらず、次に組織区を調べましたがこちらもダメ。結果的に、学校区にあると思われます。それも、声律次市に。」

 声律次市か・・・。一度、行ったことはあるのだがそこにあるのか?確かに、山の中央に位置するから隠れてやりやすいが・・・。まぁ、行ってみればわかることだ。

 「いついくんだ?」

 「もちろん、今からよ。」

 マジか・・・。流石は、組織を爆破しようとしただけはあるな。

 「それじゃあ行くわよ!」

 いつも通り、徒歩で向かった。隣の市といっても、1時間はかかる。なんせ、山を越えなきゃいけないからな。これは、長い旅になりそうだ。

 「ついた、ここよ。」

 この廃ビルがそうか?いかにもって感じだけど。

 「入るわよ。」

 どうやら、地下室があるらしい。でも、よくこんなスペースで研究できたよな。

 1番奥の扉を開けたその時、俺たちの視界は光に包まれた。どこかで見たことあるような・・・。

 「転移能力!?」

 「そのとうり、ようこそエデンへ。ですが、君たちは僕たちに取って邪魔な存在。ここで、潰させてもらいますよ。」

 くっ、早々見つかるのは少し厄介だ。て、あれ?早苗がいない。まさか、早苗だけ転移されなかった?一体何で・・・。

 「敵は、3人。対してこちらは2人。どう見ても不利だ。」

 「しかも、遺伝子研究ってことは能力を複数持ち合わせてる。さて、どうしたものかな。」

 勝てるのか?いや、勝ってみせるさ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界にクラス転移したら全員ハズレスキルを持たされた

アタラクシア
ファンタジー
 人生で数度もない貴重なイベントである修学旅行。この風鈴高校に通う二年二組の生徒たちも、長い間待ち望んでいた修学旅行に胸を躍らせていた。  はしゃぐバスの中――突然周りが黒く染まり、生徒たちは下へ下へと落下してしまう。  目が覚め、見えた景色は――現実の法則が意味をなさない、まさに『異世界』であった。  クラス全員ハズレスキル!?前代未聞の異世界転移に少年少女らは立ち向かう。 ――根源に至る『四騎士』 ――世界征服を企む『ナイトメア』 ――新世界を作ろうとする『ネビュラ教』  異世界の様々な情勢に振り回されながらも奔走する。目指すは「クラスメイト全員の合流」と「元世界への帰還」。  はたして彼らは全員合流し、元の世界へと帰れるのか。  長くも奇妙な修学旅行が今始まる――。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ
ファンタジー
髪の色がとてもカラフルな世界。 そんな世界に唯一現れた白髪の少年。 その少年とは神様に転生させられた日本人だった。 その少年が“髪の色=愛の証”とされる世界で愛を知らぬ者として、可愛がられ愛される話。 ⚠第1章の主人公は、2歳なのでめっちゃ拙い発音です。滑舌死んでます。 ⚠愛されるだけではなく、ちょっと可哀想なお話もあります。

私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜

月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。 だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。 「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。 私は心を捨てたのに。 あなたはいきなり許しを乞うてきた。 そして優しくしてくるようになった。 ーー私が想いを捨てた後で。 どうして今更なのですかーー。 *この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

とある元令嬢の選択

こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

処理中です...