能覚人

ミライ164

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〜第五章〜

驚愕

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 「何で・・・、小春がここにいるの?」

 俺の目の前には、小春が立っていた。小春は、別件で動いていたし空から降ってきた点も気になる。一体どういうことだ?

 「まさか、封印しちゃうとは・・・。これじゃぁ、勝負にもならないよ~。うぅ~。」

 ?

 一体何を言っているんだ?勝負?小春とか?一体なぜ・・・。

 「やめておけ、今は約束を果たす時じゃない。それに、昴は被害者だ。戦うにしても、能力が戻ってからだ。分かったな。」

 「は~い。」

 何だ、このやり取りは・・・。意味がわからない。

 「ん?ああ、すまない。こちらで話を進めてしまった。君にはいつか、真実を話す時が来ると思っていた。今、話すとしよう。君の覚醒と、小春についてだ。」

 俺と小春の話・・・。繋がりが、あるのか?

 「まず初めに、君たちはだった。正確には、君たちの他にもう1人いた。研究者たちは、遺伝子改造の研究をしていた。能力は、遺伝的に受け継がれるもの。3人は、親や先祖の人たちが優秀な能力を使えたと言われていた。そこで、研究者たちは3人の遺伝子を1人に集約することにした。3歳という年で、能力が使えた1人に昴と小春の遺伝子が注入された。それが、間違いだった。昔に、神王ディオ悪魔ディアボロの戦いがあった。ここでは、神王ディオが戦いに勝利し悪魔ディアボロが消滅した。だが、神王ディオも力尽きてしまった。ただ、最後の力を使い自分の劣化版を後世に託して眠りについた。それが、昴の持っている力だ。しかし、悪魔ディアボロも戦いの前に自分の力を全て後世に託すための儀式を施していた。そのため、戦いは一方的だった。悪魔の生まれ変わりが、小春だ。つまり、昴の先祖が神王ディオ。小春の先祖が悪魔ディアボロというわけだ。」

 なるほど・・・。

 「案外信じるんだな。昴は。」

 「まぁ、実際にあんな力を見た後じゃどうしようもないからな。それに、一般人が加護を一つしか持てないのに対して、俺が複数個持てるのにも合点がいく。ん?でも、何で俺は身体強化なんて能力を持っているんだ?」

「それは簡単な話さ。神王の子の能力は、相手の能力を使うことができる。つまり、肉体も適応させなっければいけない。それが、身体強化だ。本来なら、神王の子の能力をそのまま引き継ぐはずが、ある不具合が起きた。それが、遺伝子実験だ。そのせいで、本来なら手にするはずだった力を、君たちではないもう1人が2つとも手に入れてしまった。もちろん、1日で研究所は潰されて、研究者たちも殺された。君たちは、遺伝子をくれた恩で見逃されたけど。ただ、神王の子は正義を、悪魔の子は悪事を働かせようとした。2つのついになる意思が、彼の感情をねじ曲げた。そして、彼は自殺してしまった。そして、行き場を失った魂が、君たちに憑依したというわけだ。」

 「なるほど・・・、でも何で俺は口調が変わるんだ?小春は、変わってないように見えるけど。」
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