能覚人

ミライ164

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〜第四章〜

激戦

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 俺は、走っていた。黒鬼が、戦っていた相手目掛けて能力を使った。

 「昴!?」

 黒鬼は、驚いているようだった。

 「何でてきてるんだ!奴らの狙いは、お前だぞ!」

 「だからだよ。俺がこうして、ヘイトを稼ぐんだ。」

 そうだ、こうすれば黒紫の方も、少しはゆるくなるはずだ。

 「おっ、ターゲット発見。ねぇ颯佐さっさ、こっち任せてもいい?」

 「ダメです。せめて、倒してから来てください。こちらは僕が、対処します。」

 やはり、ボスの側近なだけはあるか・・・。だが、やってやる。俺だって、側近に鍛えてもらったんだ。

 まずは、相手の攻撃を見る。そして解析学習ラーニングをしろ。相手の、攻撃パターンを覚えるんだ。

 ・・・何!?

 見えない!早すぎる以前の問題だ。

 ギリギリ見える残像も、分身のように見えてさらに混乱を呼ぶ。

 焦るな、何か策があるはずだ。何か・・・。

 あった、これならいける。

 「どうした、もう終わりか?来ないのなら、こっちからいくぞ。」

 来た!!

 グハァッ

 痛い・・・。まるで、内臓が潰れた感じだ。半端ねぇ、あの早さで生身の俺にぶつかられたら、さすがにひとたまりもなかったぜ。

 「なるほど、能力で身体を固めて身を守りましたか。ですが、それでもかなりダメージが入っているようだ。僕は、これRedから能素を取り出しているが、君は違う。後何発、耐えられるかな?」

 まずいな・・・。早くしないと、俺がダメになりそうだ。

 「まだ耐えるか、だがこれで終わりだ!」

 ぐっ、

 重い一撃が入った。俺は、膝をついてしか立っていられなくなった。

 「もう終わりですねか・・・。それではあなたを回収します。」

 いまだ!!

 予知の加護で、移動場所を把握しろ。能力の分は、今まで受けた攻撃の速さから解析学習ラーニングした分で、補え!

 そして、当てるというイメージを持て!勝てる、俺なら勝てる!

 「うおおおおぉぉぉぉ!!!」

 「何度言ったらわかる?無駄です。」

 後ろだ!

 回避の加護でかわし、天眼の加護で急所をつく!

 「おらぁ!」

 「何!?」

 相手は、地面に倒れた。勝てた、特訓の成果は無駄じゃなかった。

 「おいおい、何やってんだよ颯佐!お前がやるって言ってたから、手を出さなかったんだぞ!」

 「よそ見している暇があったら、出直してくれんだな。」

 「グハァッ。」

 何とか、黒紫も勝ったらしい。さて、問題は・・・。

 「黒霧の方が心配だ。急ぐぞ!」

 時は少し遡り、昴が居なくなった後。

 「まぁいいや、まずはお前を倒す。知ってるか?この能力には、こんな使い方もあるんだよ!!」

 急に、強風が吹き荒れた。僕は、壁に衝突したが間一髪のところで受け身をとった。

 「へぇ、やるじゃん。じゃぁ、これはどうかな?」

 そう言って、地面を蹴り砂埃を浮上させた。

 まずい!!

 「槍術 伍式 混沌の渦」

 混沌の渦は、すべての砂埃を吸い込んだが、

 「第2陣!?」

 しゅっ、しゅっ、しゅっ、と僕の頬をかすめていく。

 「なかなかやるな、でもこっちも時間をかけてはいられないんだ。これで終わらせてもらうよ。」

 そう言うと、あたり一面に砂埃を浮上させ、一気に飛ばしてきた。

 「間に合わない!」

 ぐさっ!!

 僕の心臓を、貫いた。

 「流石にこれは疲れるが、こいつRedがあるから大丈夫だろ。」

 「何が大丈夫なんだい?」

 「何!?なぜお前が生きて・・・。」

 ふぅ、失神させた。正直危なかった。混沌の渦で、こちらが隠れている間に幻影と交代しといて良かったと思う。だが、さすがに疲れたが、もう向こうは終わっているようだった。

 「大丈夫か?」

 「ああ、今終わったところだ。さてと、どうしたものか。ボスが見当たらないと何も解決しない。探さないと・・・。」

 「その必要は、ないよ。いや、いいものを見せてもらった。さすがに、君たち相手では歯が立たなかったようだが。」

 後ろから、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 「でも、これで終わるわけじゃない。進化を見たいのだよ、私は。いいね?昴君。」

 そう言って、道具Redを背中に押し当ててきた。

 「うわあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 「まずい!強制暴走。何をしているんだ!風雷。」

 「何って、本来の力を解放しているだけさ。これを倒せたら、もう手を出さないと約束しよう。」

 覚醒。しかも、パワーアップした昴が。制御できるという、希望はないな。急に、大量の能素を入れられたら、能力の方が支配権を握ってしまう。

 「おいおい、今回は出ないようにしてたんだが?お呼び出しか?」

 「滅相もございません。あなたには、本来の姿で居てもらいたいだけなのです。」

 「そうか・・・。まぁいい、ではまず初めに、お前の部下の能力を教えろ。」

 こうして、風雷は語った。能力名と、効果を。

 「分かった、条件として協力はしてやろう。」

 まずい!

 「総員、道具Blueをもってこい。はやく!」

 「いくぜ!久しぶりに、はしゃげそうだ。」

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