能覚人

ミライ164

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〜第三章〜

希望

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 「これは・・・。」

 「おはよう、お早いですね。」

 紅梅・・・、覚えているのか?

 「ん?どうしました?そんな顔をして。」

 この感じは、覚えて・・・いる?

 どうしてだろう?この世界の住民は、記憶を無くすはずなのに・・・。まぁ、正確には多少覚えているのだろうが・・・。いわゆる、デジャブってやつだ。

 漫画とかではよく見るが、実際に体験するのは初めてだ。いや、体験なんてしてないか。体験しているのは、この世界の住民だし。

 さて・・・、どうしたものか。

 「今日も稽古ですよ?早く、来てくださいね。」

 おいおい、まだ0:24だぞ?まっ、いいか。

 稽古は、5時間も続いた。

 疲れた・・・。こいつら、どんな体力してんだ?

 「今日は、ここまで。さぁ、休んで休んで。」

 「なぁ、お前は違和感を覚えないか?」

 聞いてみたけど・・・、どんな回答が返ってくるのか楽しみだ。

 「そうですね・・・、確かに変だとは感じますよ。でも、私たちは中々外に出ませんし。毎日、稽古しかしていないので。」

 「ははははは・・・。」

 毎日、稽古してたのか!!それなら、確かにこんな無尽蔵の体力もつくわな。納得したぜ。

 でも、何でこいつらは覚えていられるんだ?

 そうなると、こいつらと俺らが覚えていられるということになる。

 これが、脱出の鍵となる。

 今日は、どうやって敵を倒すかを考えた。

 この世界の最北に、赤色の扉殿せきしょくのひでんがある。そこに、赤色の異界を繋ぐ扉があると言う噂があった。

 俺は、そこに奴がいるのだと睨んでいる。

 「ふふ、築き始めたね。それじゃぁ、まっているよ。」

 結構は、1週間後。それまでに、体を鍛えないと。

 そういえば、最近黒霧を見ていないな?

 また、前みたいに別件で動いているのか・・・。

 まぁ、いいか。どちらにせよ、俺は目の前に集中するだけだ。

 それにしても、強いな。本当に、こいつら女なのか?

 この世界は、一体どうなっているんだ?能力が俺以外に使える奴がいる時点でおかしいのに。

 こいつら、一体何者だ?

 分からないことだらけだ。

 まぁ、あいつに会って、直接聞けばいいか。

 ふっ、楽しみだな。あいつに、上から語る姿を考えると。

 この作戦は、失敗できない。絶対に、成功させる。

 ここから、出て早苗に自慢するために。

 
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