能覚人

ミライ164

文字の大きさ
上 下
41 / 101
〜第三章〜

しおりを挟む
 魔獣とは、その名のとうり魔女を喰べる獣だ。

 ただし、魔女は精神体。つまり、魔獣は精神を喰らう獣だと言うことだ。

 それはえ、俺に関係ないことでもない。今の俺は、精神体だ。俺も、喰われれば本体が抜け殻となり、植物状態になってしまう。

 でも、呪縛地と呪塔には魔獣は入ってこれない。だから、魔女はそれぞれの呪縛地に篭っている。そして、この件で魔女はあまり人と関わらなくなってしまった。

 唯一友好的なのが、不老不死の魔女フェード。カルテナは、女性の欲がない者にしか話をしていなかったらしい。でも、最近みんなが欲を持ってしまっているために、出てこなくなったらしい。

 そういえば、魔獣は人間が作った獣だ。だから、人間には危害がない。

 「おっと、出ましたね。魔獣。」

 話術は、唯一術の中で武器を必要としない。でも、その代わりに呪いがあるということだ。能素を使い、呪文を言い魔法を行使する。

 でも、それだと能素が溜めれる人全員が魔法を行使できる事になる。話術だと、普通の人には発音できない音が話せるようになる。それが呪文だ。

 「▲□✖︎○Σ」

 炎が出た。魔獣を倒したんだ。

 魔獣は、倒すと能素を排出する。

 俺は、倒しまくった。100体ほど・・・。

 どうして、それほど倒したのかと言うと・・・。遠いのだ。

 100km以上だった。まぁ、飛べれならもう少し早くいけるのだが俺は飛べない。魔法では、飛べないのだ。

 あと、1時間以上かかるのか・・・。大変だ。

 2時間以上、歩き続けた。

 中心部に近づくにつれて、魔獣が強くなっていった。能素の供給律が、釣り合わなくなってきた。

 「あと、使えて5回ってところか・・・。」

 あっ、やっとみえてきた。これで帰れる!

 そう思ったのも束の間。今まで以上に、でかい魔獣だ。

 5・4・3・2・・・、まずい。あと1回しか使えない。

 うわっ、終わった。ごめん、カルテナ。約束守れそうにないわ。

 「だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 バッコーーーーーン!!!

 土が舞い上がった。

 魔獣は、消えた。

 「颯ぇぇぇぇぇ、うえぇぇぇぇぇん~。」

 「カルテナ、助けに来てくれたのか?」

 「もちろんだよぉぉぉ~。うえぇぇぇぇぇ~。」

 優しいし、可愛いな。

 「ありがとう。敬語は、外すね。もう泣かなくてもいいよ。ほらっ、元気。」

 カルテナは、心配になって後を追ってきたらしい。間一髪だった。俺が喰われていたら、カルテナは生きる目的を失ったも同然。魔獣を倒す気力も出ていなかっただろう。

 「今度は、もう少し上手く扱えるようになってからくるね。それじゃあ。」

 しゅっ、と音が鳴った。

 「わたしも・・・、行くから。もう1人にしないでよ~。」

 「分かったよ。呪塔まで行こうか。」
 
 呪塔の中は、呪縛地と似たような感じだった。

 カルテナが、どうにも手を離してくれそうになかった。まっ、いいか・・・。こっちで、魔獣を倒して練習するのも。

 「カルテナ、君の勝ちだ。いいよ。1週間だけ、こっちにいてあげる。それで我慢ね。」

 「うん。分かった。大好き~。」

 抱きついてきた。俺は、押し倒されて身動きが取れなくなってしまった。

 「くっ、くるし~。」

 「あっ!ごめんなさい。つい・・・。」

 「いいよ、気にすることじゃない。」

 これから頑張るか。1週間で、どれだけ強くなれるか。楽しみだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界にクラス転移したら全員ハズレスキルを持たされた

アタラクシア
ファンタジー
 人生で数度もない貴重なイベントである修学旅行。この風鈴高校に通う二年二組の生徒たちも、長い間待ち望んでいた修学旅行に胸を躍らせていた。  はしゃぐバスの中――突然周りが黒く染まり、生徒たちは下へ下へと落下してしまう。  目が覚め、見えた景色は――現実の法則が意味をなさない、まさに『異世界』であった。  クラス全員ハズレスキル!?前代未聞の異世界転移に少年少女らは立ち向かう。 ――根源に至る『四騎士』 ――世界征服を企む『ナイトメア』 ――新世界を作ろうとする『ネビュラ教』  異世界の様々な情勢に振り回されながらも奔走する。目指すは「クラスメイト全員の合流」と「元世界への帰還」。  はたして彼らは全員合流し、元の世界へと帰れるのか。  長くも奇妙な修学旅行が今始まる――。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ
ファンタジー
髪の色がとてもカラフルな世界。 そんな世界に唯一現れた白髪の少年。 その少年とは神様に転生させられた日本人だった。 その少年が“髪の色=愛の証”とされる世界で愛を知らぬ者として、可愛がられ愛される話。 ⚠第1章の主人公は、2歳なのでめっちゃ拙い発音です。滑舌死んでます。 ⚠愛されるだけではなく、ちょっと可哀想なお話もあります。

私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜

月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。 だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。 「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。 私は心を捨てたのに。 あなたはいきなり許しを乞うてきた。 そして優しくしてくるようになった。 ーー私が想いを捨てた後で。 どうして今更なのですかーー。 *この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

とある元令嬢の選択

こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。

とあるおっさんのVRMMO活動記

椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。 念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。 戦闘は生々しい表現も含みます。 のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。 また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり 一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。 また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や 無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという 事もございません。 また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。

処理中です...