能覚人

ミライ164

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〜第一章〜

限界

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 幻影が5体・・・。こうなったら、全部けすしかないか。

 「ほう、やるね。でもそんなのじゃ、僕には届かないよ?」

 声の方向。上か!

 「破滅破壊デストロイクラッシュ

 「無駄だよ。槍術 伍式 混沌の渦」

 槍先から渦が出現し、スバルの右腕を飲み込んだ。

 「なに!?」

 「おっと、左手は突っ込まない方がいいよ?抜けなくなるからね。」

 どうする?どうすれば。加護を使ってこの渦の解除方法を調べるか?でもいまは・・・。

 「何?なぜ渦が消えた?何をした?」

 「『無能の加護』触れた能力を無効化する加護だ。」

 無能の加護。それは、人々から恐れられていた加護だ。その加護を受けたものは、無能のになってしまうと思われていたからだ。だが本来は、違う。触れた能力を無効化する。だが、もちろんデメリットもある。体力をほとんど持っていかれる。だから、使うときは右腕などの一部を指定して使う。

 「無能の加護ね。まさか、加護を6つも持っているとは・・・。君は、何者だ?」

 「ただの人間だよ。」

 もしかすると、俺の忘れている部分に何か謎があるかもしれないが。

 「こうなったら。槍術 壱式 晦冥の霧」

 目の前が真っ暗になってしまった。しかも霧で・・・。これでは、消したところで意味がない。

 「さあ、終わりの時だ!槍術 漆式 常闇の棺」

 !?

 くっまずい。この棺、俺を宙に浮かしているのか。宙に浮いていれば触れることは、できない。

 「あれ?痛てえ~。」

 俺は、地面に落ちた。なぜなのかは、分からなかったが答えはすぐに分かった。

 「大丈夫?」

 早苗だ。確か、あいつは無能力者。早苗の能力は、完璧に効く。

 「でもこいつ、なんで能力が効いてるんだろう?」

 「無能力者だからだよ。」

 「無能力者!?じゃあなんであなたは、そんなに苦戦したの?」

 「槍で能力を・・・。」

 槍がなくなっている。てことは、

 「早苗!能力を解け」

 「え?なんで。」

 「いいから、早く!」

 やっぱり。死んでる。あいつは、配下の命を代償にしてここへ来たんだ。

 「なんで死んでるの?」

 俺は、こいつの経緯を説明した。やはり、組織のボス。一筋縄では、いかないな。

 !?

 急に寒気がした。みんなどうしたんだ?

 「ねぇ、昴。なんで私たちここに来たんだっけ?」

 !?
 
 記憶が書き換えられている。てことは、やはり黒闇闇のボスの仕業だろう。まあ、いまは小春が無事だったことを喜んでおくか。でもこれは、天敵だ。

 この戦いは、GWの終わりと共に幕を閉じた。
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