能覚人

ミライ164

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〜第一章〜

加護

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 痛くは無かった。

 「大丈夫?」

 「貴様ら!なぜ邪魔を。」

 しりあいか?いや、対立しているということは敵同士なのか?

 「おっと、名乗り忘れてたね。でも僕たちに名前はないから、五代神と読んでくれていいよ。」

 五代神?まさか、狛犬が神にしたという人たちなのか?でもさすが神だ。こんな世界でも能力がつかえている。

 「なぜだ!貴様らを神にしたのはこのわたしだぞ!」

 「そういわれてもね~。神になっても用済みになったら別次元に飛ばしたじゃない。」

 「そうそう、五代目の僕がきた時点でもう犠牲を出したくないとみんなで協力してここへきたのさ。」

 神をもみすてるのか、この狛犬。自分で作り自分で切り捨てる。まさに外道だ。

 「貴様らを神にしたのは、この街を守るためだ。いい素質の持ち主がいたら、旧神を切り捨て新神に乗り移るのは当たり前だろう?」

 「確かにそうかもしれない。だが君が今ままでにしてきたことは決していいことではない。」

 「君に力を授けよう。加護というものだ。」

 加護

 神が認めたものに、自分の力を分け与える。しかし、人間の体は貧弱なため1つしか持てない。さらに、1度使うと体力の10分の1を持っていかれる。

 加護?確かこれも伝承と一緒に記載されていた。

 「いいんですか?」

 「もちろん。今の君には彼を倒して、ここから出るという目的がある。そのための協力だよ。」

 「まず僕から。僕は、神になる前『予言予知』という能力を持っていた。予知の加護を授けよう。」

 予知の加護

 相手が次に取る行動がわかる

 「僕からは、俊足の加護。」

 俊足の加護

 速力が上がる

 「僕からは、天眼の加護。」

 天眼の加護

 相手の心情など肉眼で見れないものを見ることができる。

 「僕からは、回避の加護。」

 回避の加護

 不意打ちは当たらない

 「そして最後に、再生の加護。」

 再生の加護

 傷を負ってもすぐに治る

 「さあ、これらを使いかれを倒すんだ。」

 そういうと、彼らは消えていった。ありがとう。最後の力を振り絞ってここまできて、自分の力を託してくれた。絶対に倒してやる。

 「遅い!」

 後ろは取られていたが、回避の加護で不意打ちは当たらない。さらに、予知の加護で次に飛ぶ場所もわかる。俊足の加護で飛ぶ場所に思いっきり走り天眼の加護で急所を探りそこを叩く。完璧だ。気づいた時には狛犬が消えていてもとぬ世界に戻ってきた。

 「やっと終わったか。でもお前、1人になっちまったな。傷ついて可愛そうに・・・」

 待てよ?再生の加護ってものにも使えるのかな。俺は狛犬に触り再生の加護を使った。思ったとうり傷はなくなった。心なしか笑っているようにも見えた。やっぱり笑顔は一番だな。そう思いながら神社を後にするのだった。

 
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