能覚人 〜能力が覚醒した時人類は進化をとげる〜

ミライ164

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エピソード1

教高編

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 ~昴が全能祭に出場する1年前~

 「先生になれ!?一体どういうことですか?急に。」

 「しかし、彼らを放ってはいけないでしょう。貴方も。」

 「だけどな~。あそこを抜けてから、すぐにってわけには・・・。仕方ない。あいつらのためだ。いいぜ。その要件。乗ってやるよ。」

 とか言ったけど。どうしよ。あいつらとは、まだ正式な面識がないし。しょうがないか。明日は、頑張るか。

 ~学校初日~

 「え~と。今日から、君たちの担任になる帝光輝だ。よろしく頼む。」

 「よろしくお願いします・よろしく!・よろしくな!・よろしくね」

 初めてにしては、みんな怯えてもいないな。友好的だな。

 「それじゃあ、授業を始めるぞ。まずは、能力者について。」

 「能力者は、空気中から能素を取り込んで能力を使用する。能素はため込んでおける。ただし、ランクによって制限がある。そこ注意な。そして、能力者は誰でもなれる。生まれた時に、能素を取り込む器官の性能次第で決まる。そういう人のために、あるのが道具tool。道具には、2種類ある。能素を空気中から吸収し、ため込む道具Blue。そして、ため込んだ能素を人に供給する道具Red。これを使えば、一時的に能力者になることができる。ただし、使いすぎると暴走するがな。おっ、それじゃあ次の時間は暴走について勉強するぞ。ちゃんと、復習しとけよ。」

 は~。やべ~。めっちゃ疲れる。どうしよう。このまま続けれるかな?いや、弱音を吐くんじゃない。あの子たちがどうなっては良くないからな。あの時みたいにはさせないかさ。絶対に。

 「楽しそうじゃない、君。」

 「そうか?そうなのかもな。これからは、頑張らせてもらうよ。」

 今日は、初日だったが結構疲れたな。初日、だからな。今日はもう、仕事もないし帰るか。ん?どうしたんだ。あいつらは。

 「お前ら、もう下校時間はとっくにすぎてるぞ。早く帰れよ。」

 「でも先生、かくれんぼしてたのに2人見つからないの。」

 かくれんぼ。俺は、そういうのとは無縁だったからな。何処行ったんだ?見つけるのに手間取りそうなところには、行ってないといいんだが。

 「で?誰がいないんだ?」

 「早苗ちゃんと・・・・・・・・・・飯田君。」


 あいつら、何処行ったんだ?

 「はぁ、まあいい。」

 俺は地面に手を触れて・・・

 「見つけた。」

 あいつらが、いる場合へと向かった。

 「いた。何やってんだ?お前・・らって寝てんのかよ。お~い、おきろ~。もうとっくに下校時間過ぎてんぞ~。」

 起きない。しょうがないか。少し弄らせてもらうぞ。

 「ふわ~。ん~?あ~、せんせ~。おはよ~ございます~。」

 「いいか、もう下校時間はとっくにすぎてるぞ。飯田を連れて、さっさと帰れよ。」

 「えっ!?もうそんな時間なんですか!?寝ちゃってたのか~。飯田君帰るよ。」

 帰ったか。俺ももう帰るか。今日は、疲れたな。ふっ、あの時よりは楽しいか。

 ~2日目~

 「起立、気をつけ、礼。お願いします。」

 「さぁ、今日の授業だ。前にも言ったとうり、今日は暴走について説明する。まず、前回の復習だ。能力者は、能素がなくても能力は使えるか?水無月。」

 「はい!ため込んでいた分なら使えます。」

 「そう、正解。能力者は、ため込んである分は能素がない場所でも能力を使うことができる。言い換えれば、能素を取り込めない人も溜まっていた能素があれば能力を使うことができるという訳だ。それを可能にするのが、道具と道具BlueandRed。ただし、ため込める能素には限界がある。それを超えると、体は勝手に体内にある能素を全て排出しようとする。それが暴走だ。能力には通常、10ほどの能素が使われる。それを下回れば、能力が弱くなり、上回れば強くなる。暴走時では20ほどの能素を使う。つまり、通常時より恐ろしくなるということだ。それを『能暴人』と言う。ここ、覚えておけよ。それを止める手段は3つ。1つ、暴走者を殺す。2つ、道具Blueを使って能素を全て吸い取る。3つ、眠らせる。昏睡状態では、能素を使えず取り込めない。その状態で道具Blueを使う。これぐらいだ。実用性があるのは、2。いいか、覚えておけよ。今日はここまでだ。復習だけじゃなく、予習もしておけよ。それじゃあ。」

 あいつ、どうなったかな。暴走してなければいいんだが。まぁ、そんなニュースは入ってきてないし。大丈夫か。


 ~3日目~

 やっと、3日目か~。マジで、疲れる。まぁ、あの時よりは楽しいのだが。仕方ない。

 「今日も授業を始めるぞ。今日は、五能覚についてだ。五能覚は、能力を極めた5人の大人?だ。大人?と言っても彼らは全員、『不老の呪い』をかけられている。だから、見た目と戸籍実年齢は異なると言うわけだ。五能覚になるには、最低ランクA下以上必要だ。ランクA下を簡単に言えば、ランクB上の暴走をコントロールできた奴のことを言う。だから、五能覚が揃ってる時点で奇跡なんだよ。そして、彼らには特有の術がある。特定の武器に、空中の能素を取り込ませることで技を放つ。例えば、剣術とかだ。そういえば、五能覚の5人を言ってなかったな。1人目が、新田 門天にった もんてん。2人目が、邂逅 摩耶かいこう まや。3人目が、魔千 凛ません りん。4人目が、御笠 滴みかさ しずく。そして、5人目が南 翔みなみ しょう。この5人が、五能覚と呼ばれている者たちだ。覚えておけよ。そこを、目標とするように。今日はここまで。」

 五能覚・・・か。懐かしいな。今頃、どうしてるかな?今度会いに行ってみるか。あいつらも、連れて行ってやるか。

 携帯が鳴った。

 ん?誰からだろう?

 「もしも~し。帝っち。いま暇~?」

 「暇だが、どうした?」

 今度こい・・・か。ちょうどいい。あいつら全員、連れてってやるか。

 ~4日目~

 「今日は、野外見学だ。五能覚の1人、御笠滴に会いに行くぞ。」

 「は~い!」

 みんな、元気いいな。そんなに興味持っていてくれてたのか。ははは、あいつ俺との関係口滑らせなきゃいいな。

 ~研究所 滴~

 「みんな~。こんちには~。」

 「こんにちは~。」

 「今日は、よろしく頼むよ~。ダ~リン。」

 おっ、おい・・・。

 「ダ~リン?」

 「その呼び方は、やめろ。」

 やめてくれ。絶対に。子供達の前で。これは、消しておくとしよう。絶対に。絶対にだ。

 御笠滴は、生徒に能力の基礎を教えた。俺よりも分かりやすい・・・。生徒の心を、盗まなければいいのだが。まぁ、大丈夫か。

 「ねぇねぇ、あの子たちって本当に中学生?」

 「中学生だよ。来年高校生になるけど。」

 「ふ~ん、分かったよ。ありがとう。それだけわかれば十分。」

 一体何の確認なんだ?まぁいいか。今日の見学で、みんな能力についてより詳しく理解できたから良しとしよう。

 「それじゃ~、今日はここまで~。みんな今日はありがと~。バイバ~イ。」

 「バイバ~イ。」

 「終わったか、それじゃあ・・・。」

 研究所の屋根が落ちてきた。

 「帝!みんなを避難させて。」

 「おい!待て、お前の能力じゃ・・・。」

 「早く!」

 俺は、生徒のみんなを研究所の外に出した。クッソ、あいつ!カッコつけやがって。

 研究所に向かって走る。

 「いいか!お前らはそこで大人しくしとれ!絶対だぞ!」
 
 「は~ぁ!鎌術 漆式 鎌鼬・乱れ削ぎ」

 滴は、鎌術で瓦礫を砕いていた。おかしい、瓦礫がずっと落ちてくる。どう言うことだ?一体何が起こっているってんだ?全くわかんねぇ。しゃあねぇ、いっちょ本気出しますか。

 俺は、地を蹴り上へ向かった。そこには、能力者がいた。岩石を作り出せる能力者だろう。

 「ちっ、気づかれたか。まぁいい、お前はここで死ぬからな。」

 そう言って、奴は岩石を投擲してきた。

 案の定俺には、当たらなかった。

 「なに!?」
 
 「そんなんじゃ、俺に当たりもしねえぞ。」

 俺は、あいつの腹を叩いた。失神。当たり前か。一応、能力警察に引き渡しといてっと。

 「大丈夫か?滴。」

 「ダ~リ~~~ン。」

 「うわっ。」

 滴が抱きついてきた。いつものことだ。戦闘が終わると、いつもこうなる。

 「そうそう、あいつら一体何なの?」

 「あぁ、それなら。奴らは、違法裏取引組織に雇われたただのゴロツキだったよ。多分、中学生から能力に詳しい人材が欲しかったんじゃないか?売り飛ばしやすいし。」

 まぁ、今回は一件落着と言うことで・・・。

 「大変です!!生徒の1人が、先生の後を追って行って消えてしまいました。」

 「何!?早苗か。仕方ない。ここは俺に、任せて生徒を逃してくれ。」

 「分かりました。」

 「私も、同行するわ。」

 「いや、お前はここに残れ。まだ残党がいるかも知れないから。」

 ・・・・・。いた。ここか。今なら間に合う・・・。いや、間に合わせる。

 俺は、フルスピードで走った。

 「今回の作戦では、一気に全員確保するはずだったのに。邪魔が入ったな。」

 「事前に確認しておかなかった、お前が悪いんだろ。」

 「でも、まぁ1人は捕まえれたし。いいじゃねえか。」

 いた・・・。見つけた。覚悟しておけよ。

 「こんにちは。いい天気ですね。」

 「誰だ、てm・・・。ぐふぉ。」

 1人目。残り、1人。

 「てめぇ、何やってんd・・・。ぐふぁ。」

 2人目。

 「早苗。大丈夫か?」

 「うっ、うっ、うえ~ん。」

 本当に、心細かったんだな。

 「よしよし。よく頑張ったな。さぁ帰ろう。」

 「うん。」

 ~4日目~

 「みんな、昨日はすまんかった。俺の落ち度が原因だ。」

 「違うよ先生。私が悪いの。先生の言いつけを守らなかったから。」

 「いいや、その気持ちはありがたい。みんな無事だったし、この話はここまでだ。さぁ、授業始めるぞ。今日は、組織についてだ。この街には6大組織という、巨大な勢力がある。今から、教えるぞ~。1・風颯嵐フウソウラン2・江流水エルス3・炎爛火エンランカ4・土山地ドセンジ5・閃光輝センコウキ6・黒闇闇コクアンアンこの6つだ。」

 「閃光輝と先生の名前帝 光輝って、似てるよね~。」

 「たまたまだよ。たまたま。え~と、それぞれの組織には1つの目標がある。その目標は、ボスに就任した時に決める。その目標を達成した時に、ボスは入れ替わる。だから、簡単なものを掲げる人も入れば、一生ものを掲げる人もいる。そして、組織には穏健派と過激派が存在する。ただし、それは目標に到達する過程が穏健か過激だけであって気をつける必要はない。また、組織にはルールが存在する。大きいものを、挙げるとするならば、『他組織の目標を邪魔してはならない。また、目標を決める際は、被っていないかを確認してから申請する』主に、この2つだ。今日はここまでだ。そろそろ、テストがあるから復習はちゃんとしとけよ。」

 これからは、注意していかないとな。子供たちには、いつも以上に気を使っておくか。また、前のような惨劇は控えなければいけない。

 暗闇に潜んだひとつの影。それが追うものは、一体何なのか・・・。

 あいつに少し、話をとうしておくか。

 「新田。今暇か?」

 「おぁ?帝~。どした?急に、電話なんかかけてきて?」

 「今度、会えないかと思って。」

 「大丈夫だぜ!じゃあまた。」

 「あと、来客がいるから。そこを頼むな。」

 「分かった。楽しみにしてんぜ。」

 これで、大丈夫か。今回は、課外授業ではなく個人授業だ。連れて行くのは、2人といったところか。あいつらには、自分で自分を守るくらい強くなってもらわないからな。もう少しで、高校生にもなるし。能力が目覚めた時の成長が楽しみだな。

 ~5日目~

 今日は、土曜日。

 「よく来てくれたな。飯田、早苗。」

 ~研究所 新~

 「よう、帝。そいつらが、今回の生徒か?よろしくな。」

 新田の研究所は、御笠のとこと雰囲気が全く違うな。なんていうか、色が少ないな。白と黒。単色だな。まぁ、こんなところに無駄かけないタイプだし。あいつは。

 「そうだ!今日は、魔女について教えよう。」

 「魔女?」

 「帝から、俺の呪いについては聞いてるだろ?」

 そういえば、言ったな。不老の呪い、だったかな。

 「この世界には昔、十呪じゅじゅと呼ばれている10人の魔女がいた。魔女は、人に呪いをかけることができる。気まぐれでかけられる事もあれば、自ら志願してかけてもらえる事もある。呪いには、実用性があるものやないものがある。不老の呪いも、人によっていい時もあれば悪い時もある。五能覚は皆、不老不死の魔女フェードに頼んで不老の呪いをかけてもらった。魔女は今、精神状態で呪縛地に滞在している。だから、話すことしかできない。札律次には、合計で10箇所に呪縛地がある。各箇所に、それぞれ魔女が滞在している。魔女は、呪いを与えれる代わりに自らもその呪いにかかっている。不老不死の魔女は、名のとうり死にもしないし歳もとらない。まぁ、こんなところだ。そうだな・・・。あとは、今話せるのは不老不死の魔女フェードだけってとこかな。昔は、もう1人と話せたんだが・・・。今は、口を閉ざしてる。誘惑の魔女ビューテン。美貌の呪いを持っていて、自分を見ている本人の好意を持っている人に見させることができる。呪いは、自発的に有無は出来ないから誘惑の魔女ビューテンは皆から好かれている。だから、誘惑の魔女フェードの姿を見たものはいない。俺から教えれるのは、ここまでだ。そうだ!帝、今日飲まないか?」

 急な誘いだな、おい。まぁいいか。久しぶり。あいつらも、帰れるだろうし。

 「分かった。お前ら、帰れるか?」

 「は~い。」

 大丈夫かな?まぁ、今真昼だし。土日だから、人通りも多いだろう。さて、いつのことを話そうかな。久しぶりに、はしゃげそうだ。


 今日は、新田と飲みに来ていた。

 「おい!新田。飲み過ぎだぞ!!」

 「大丈夫だって、帝~。もっと飲めよ~。」

 呂律がおかしいぞ。おい!何回飲んでんだ?もう、10回目だぞ。高校生の姿でこれとは・・・。警察に、通報されてもおかしくないな。そろそろ帰るか、ん?こんな時間に誰からだ?

 「もしもし、帝先生?早苗の、母です。」

 「早苗さんの・・・。どう言うご用件で?」

 「早苗が、まだ帰ってきてないの。」

 え!?

 「それは、本当ですか?昼ごろに、飯田君と一緒に帰したんですが。分かりました。こちらで探してみます。」

 「お願いします。」

 まずいな・・・。あそこで、帰らせた俺が悪い。俺が責任取らないと。

 「すまん、新田。用事ができた。今日は、ここで。じゃあ。」

 「おっけ~。そんじゃ、また~。」

 まずいな。また、あれを使わなければならないのか。・・・、あそこ・・・か。間に合うか?いや、間に合わせる。絶対に、だ。

 「おい!大人しくしろ!!」

 「離してよ、離してってば。」

 それにしても、何かが引っかかる。一体何だ?あっ、そろそろ。無事ていてくれよ。

 俺の視線の先は、静けさが充満している空間だった。

 「早苗・・・。お前・・・。」

 「うっ、うっ、先生~。先生~!!」

 誘拐犯が固まってる。死んではいないようだが。これが、早苗の能力か?恐ろしい。まだ、制御できてないように見える。しかし、何故・・・。多分、一種の暴走だろう。無意識に、能力を使ってしまった。と言うことか。・・・。仕方ない。これをするのは、心が痛む。

 封印する。

 こんな恐ろしい能力は、野放しにはできない。早苗には、申し訳ないが今のお前には無理だ。

 俺は早苗の、額に触れ。

 「もう大丈夫。心配することはないと。声をかけた。」

 分かったことと言うと、飯田とは途中で別行動になったらしい。その時に、さらわれた。飯田が無事ならまだいいが・・・。これから、さらに忙しくなりそうだ。そして、警戒態勢も今まで以上にしなきゃ。絶対に、奪わせて溜まるものか。


 ~6日目~

 飯田は、無事だった。どうやら、敵のねらいは早苗らしい。・・・、どうしてだ?まさか・・・。

 今日は、日曜日。

 「どうするか・・・。少し、相談してみるか。」

 五能覚には1人、調査に優れた奴がいる。

 邂逅 摩耶かいこう まや

 電気の如く、素早く走ることができる。

 「摩耶、頼みがある。今回の騒動の犯人を突き止めるのと、飯田の保護だ。」

 頼んだぞ、摩耶。

 さて、どうするか・・・。

 「分かったわ。居場所を送るわ。」

 「ありがと。」

 一瞬で片付ける。

 1、2、3、4、5、6、7、8、と、後2つ。

 「大変!!飯田君が、飯田くんが。」

 「どうした?」

 「飯田くんが居なくなったの。」

 何!?まずい、早くしないと。

 いない。くそ、もう一方のほうか。間に合ってくれ。

 ここか、行くぞ。

 「飯田!!」

 「おっと待った、それ以上近づいたらこいつの命が危ないぞ。」

 まずい、この状況で飯田は取り返せても奴は倒せない。しかも、見たところ能素がこの部屋にはない。後使えて1回、てところか。一体どうすれば・・・。

 「さぁ、今回の一件にはもう首を突っ込まないでくれるか?あと、こいつは預からせてもらう。」

 「待て・・・。」

 どうする、どうすれば・・・。思い出せ、今までしてきたことを。

 は!!

 「お前、何ぐずぐずしてる。早くされ!!」

 「ぐずぐず・・・か。確かにそのとうりだ。だが、ここで逃げたら先生失格だしな。」

 能力を使えるのは、あと1回。確実に決める。

 「でも、ナイフしか持ってないなら、能力でお前を倒した方が早いかもな。」

 「無駄だ。俺を殴れば、俺の能力が発動する。自爆だ。」

 自爆だと?それだとまずいな。飯田をもっと守れなくなる。

 「だから、さっさとうせろ!!」

 逃げるか、倒すか。後者は、厳しいな。前者の方が、まだ可能性がある。能力を使えるのはあと1回。試してみるか。

 「早くしろ!!」

 「分かった。お前の負けだ。」

 「なn、ぐふぉ。」

 「先生~。」

 作戦どうりだ。

 「何故・・・。能力が使えない。」

 「封印したからだ。俺はそう言う能力者なんでな。」

 「くっ、くっそーーーーーー!」

 この後、違法裏取引組織は逮捕された。一件落着っと。早苗狙っていたのはたまたまで、飯田は自分のせいで早苗が捕まったと思って助けに行く途中捕まったらしい。

 あいつらしいな。

 「先生~。」

 「おっ、みんな。どうしたんだ?」

 「ありがとうございました。」

 「先生~、すごいね~。」

 「もう、大丈夫だぞ。」

 みんな、元気だな。この笑顔を守らなければ。


 あの事件から、約3ヶ月。

 「みんな、卒業おめでとう。皆んなは、同じ高校に行くのに俺はいけないなんて悲しいな。」

 「先生。また会えることを皆んなで期待しています。」

 偉いな、この子たちは。

 「高校でも、頑張れよ。」

 「は~い。」

 「そうだ!先生から、最後の授業だ。昔は、人間。いわゆる、無能力者しかいなかったんだが、1人の人間がある時突然火を出した。それを境に、不思議な力を持つものが現れていった。これが能力者の誕生だ。まぁ、能素を取り込めるようになっただけの、話だが・・・。そして、能力は遺伝的に広まっていった。だから、能力者は増える一方だ。だが、そうなるとなぜ能素があったか。これが、問題に上がる。答えは、約46億年前の話。この世界には、まだ生命がいなかったが、ある2つの生命が誕生した。彼らは、権能を使い悪魔ディアボロスが生命とを神王ディオは、今の人間の種に知能を授けた。その際に、能素という元素が生まれたんだ。」

 終わったな~。

 さて、上からどんな命令が来るのやら。

 ・・・

 「はい!?高校生になれ!?しかもあいつらの!?」

 「そうだ。上からの命令でね。記憶は、全て消しておくそうだ。転入手続きは済ませておく。頼んだよ、帝君。」

 「りょ、了解しました。」

 ~研律高校~

 「入学生の諸君。ここでは、能力のレベルアップに勤しんで欲しい。」

 「ねぇねぇ、飯田君。能力調査、楽しみだね。」

 「そうだね、早苗。」

 「そういえば、1週間後に転入してくる新入生気になるね~。」

 「そうだね、どんな人だろう。中学生から、皆んな一緒だし。新しい友達ができるのは、とても楽しみだな。」

 ~1週間後~

 ついに、この日が来てしまった。記憶削除や改竄で1週間もかかってしまった。上手くおかしいところは繋ぎ合わせといたが、支障が起きるかもしれん。最善の注意を払わなければ。名前は・・・

 「え~と、皆さん初めまして。僕の名前は、隼 零二はやぶさ れいじです。よろしくお願いします。」

 隼 零二で、大丈夫だったかな。帝 光輝よりは、バレにくいと思うし。大丈夫か。そうだ!早苗の件。能力の封印はどう解放して行こうか。まぁ、封印と言っても能力の10分の1程度の力は使えるだろう。早苗の能力の場合、1人の時間を止めるとかかな。工夫すれば、強くなれそうだな。でも、研律高校は全能祭には参加できないし競う場があんまないからな。

 「あっ、いた~。零二く~ん。」

 !?早苗・・・。

 「はっ、初めまして。早苗さん。」

 ぎこちない。

 「ははは~。緊張しなくていいよ~。あと、早苗でいいよ~。」

 「お、おう。早苗。」

 だめだ。この調子で3年間、続けれるかな?心配だ。

 「早苗、ちょっといいかな~?」

 「分かった。じゃあね~、零二君。」

 「おっ、おう。」

 俺の、記憶も消した方が良いんじゃないか?でも、それじゃあ命令が遂行できないし。仕方ないな。

 まさか、ここまで授業を受けるのが大変だったとは・・・。あいつらの気持ちがよく分かった。高校になってから、能力実技があったとは・・・。誤魔化しているとはいえ、俺の能力ランクじゃあ手加減しても危なかったな。この調子じゃあ、バレかねない。もうちょっとだけ、調整してみるか。一応、ランクC中ぐらいが良いか。

 ~2日目~

 朝が早い。しかも、1人登校か。皆んなとも、この状況じゃまだあってから日が経ってないし。不要に詮索するのも禁じられている。教師・生徒の関係から生徒・生徒・・・か。漫画でもこんな展開見たことないな。上の命令で、仕方なくやってるだけなのに。

 本当に記憶って消せるのかな?

 「ここはこうで・・・。はい、零二君。能素はランクC中だと、何回分溜め込める?」

 「はい、大体3回分くらいです。」

 「正解。」

 こんなもん、中学で習わせたしこいつらはもう十分にできている・・・はず。大丈夫か?そこまで、記憶は決してないと思うが改竄する途中でおかしなものでも混じったか?どっちにしろ、もう一度教えてやれば良いか。

 終わった~、やっと。めっちゃ疲れた~。毎日これなら、生徒って大変だな。

 「零二く~ん。」

 「うっ、さっさ早苗。どうしたんだ?」

 「ここわからないんだけど。」

 「ああ、ここか。」

 ここは、中学でも教えなかったところだな。久しぶりに、教師するか。

 「零二君って、教えるの上手いんね。」
 
 「ま、まぁそれほどでもないと思うんだが。」

 「今日は、ありがとね~。それじゃあ、ばいば~い。」

 教えるのが上手いっか。もと、教師だしな。だが、その記録ももう俺以外だれも覚えていない。悲しいな、あんなに頑張ったのに。全てが海の藻屑だ。

 そういえば、早苗の封印の件はどうなるのか。あいつもばかじゃない。そのうち気づくだろう。自分が他者より劣っていると。その時は、帝にでも押し付けるか。それが、あいつのためになるからな。

 さて、どうしたもんかね?監視が目的だけど、もう高校生だ。能力も使えるし、俺が出る幕はもうないな。

 「零二。」

 「どうした?飯田。」

 飯田が早苗意外と話すなんて、珍しいな。

 「私の能力、どう思う?」

 「どうって、そうだな・・・。体力回復か。ん~、そうだな。確かに、戦闘向きではないが・・・。加護、だな。」

 「加護?」

 「そうだ。加護は、能力に似たようで違うものだ。大きく違うのが、能素を使わないのと、使うと体力が減る点だ。ここが、主に違うところだな。」

 加護は、神様に頼んで認められれば貰えれる。貰えるといっても、与えられると言った方がいいかな。

 「そうだ!今度、俺と一緒に伊律次神社に行かないか?」

 「一緒に、いいんですか?」

 「いいよ。それじゃあ決定な。次の土曜にでも。」

 飯田には、自分を守るくらいの力がないとな。加護は、手に入ればとても心強い。飯田のためにも、いっちょ本気出しますか。
 

 ~土曜日~

 伊律次神社に来ていた。

 「飯田遅いな?」

 ~10分後~

 「ごめん。遅れた。待たせたかな?」

 「いいや、さっきまで混んでたし。今は、ちょうど空いてるから結果オーライだな。」

 パン、パン、と、手を叩く。ガラガラと、鈴を鳴らす。願い事は・・・・・皆んなが元気に過ごせますように。

 その瞬間、目の前が真っ白になった。

 「か・・・神様。」

 「我が加護を求める者よ。その力を示してみよ。3体の狼を倒せ。それができなければ、加護には選ばれない。」

 難しいな。体力回復だけでは、倒し切れるのか。

 「やります。やってみせます。」

 ~1時間後~

 「大丈夫か?」

 「大丈夫です。コツはもうすでにつかんでいます。」

 ?まさか!?

 飯田は、道具と道具BlueandRedを取り出して・・・。

 「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ。」
 
 「はぁぁぁぁぁ。」

 暴走。暴走すれば、戦闘系能力でなくても身体能力は飛躍的に上昇する。

 1体目、2体目、3体目。早い、でもこのままだと・・・制御できなくなる。

 「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」

 やっぱりな。仕方ない。

 「もう終わったぞ。飯田。」

 飯田の肩に触れた。

 「合格だ。君には、『凌駕の加護』を授けよう。心して使うのだ。」

 「あっ、ありがとうございます。」

 疲れた。だが、凌駕の加護か。体力を代償として、使う加護と、飯田の能力は相性がいい。

 「それにしても飯田。まさか、暴走するなんてな。」

 「申し訳ない。今は、それしか方法がなかったから。」

 暴走して、クリアするなんて。俺でも思いつかなかったな。でも、俺がいなかったらどうしてたんだ?神頼みってやつか。

 「それじゃあ、今日はここで。」

 「じゃあな、飯田。」

 これで、飯田も十分活躍できるはずだ。よかったな、飯田。

 ~28日目~

 「ねぇ、零二君。私の能力って、なんか弱くない?見た1人だけの時間を止めるって。1:1だと強いけど。チーム戦とか、2:1だと負けちゃうから。」
 
 「ぶっ、ごほっ、ごほっ。」

 まずい。あの件、もう感づいたのか。でも、今の俺は名前も違うし顔も違う。言っても大丈夫か。噂程度に、写真を載せて。黒い仮面をつけた写真を添えて。

 「これ見なよ。帝光輝って、言うらしいんだけどどうやら能力者の力を制限しているらしい。暴走の危険性のある能力者を中心に制限してるらしいよ。噂だけど。」

 「そうか、ありがとう。もし会えたら聞いてみるね。」

 なんとかなった。本人に本当で会う時は大変だな。
 
 飯田が加護を手に入れてから、とても強くなっていった。最下位から、トップに。そして高校2年の最後。

 「え!?飯田が、伊律次高校へ転校!?」

 「うん、スカウトされまして。」

 スカウトで、普通はいけるもんか?絶対上が関与してる。

 「頑張ってこいよ。全能祭は見に行くから。」

 「はい。」

 そして、全能祭当日。

 「そろそろ、出番か。やっぱ、伊律次高校は強いよな。ん?あいつは・・・。」

 「そのとうりですよ。盲点でしたね。それでは、全能祭も終わりとしましょう。さようなら。」

 これで終わりだな。ん?何か様子がおかしいな。まさか・・・。

 「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」

 まずいな。暴走だ。能力を使いすぎちまったな。

 そういえば、早苗を風制委員長にしたんだったな。能力は、使いこなせていられるみたいだし、大丈夫だろう。

 俺は、飯田の肩に触れ眠らせた。そのあと、すぐその場から去り退散した。

 まずいな。だが、封印はしなくて良いな。あいつには、もっと学ばなせなきゃならんからな。

 「どうだった?全能祭は。」

 「札律次高校の、優勝だ。飯田のやつ。負けちまったよ。」

 これでいいんだ。これで。

 「帝。久しぶりだね。」

 「どうした黒霧?」

 「久しぶりに、手合わせ願いたいね。」

 こうして、あいつと戦うのも何年ぶりか?まぁ、いいだろう。久しぶりに本調子にいかせてもらおうか。

 「槍術 陸式 乱蒼空蘭らんそうくうらん

 「さすが、でもそれじゃあだめだ。」
 
 俺は、全て交わした。

 「そうくるよね。でも、それじゃあだめだ。槍術 伍式 混沌の渦」

 くっ、まずいな。俺の能力は、触れていないとだめだ。前は、触れられていたはずなのに・・・進化したな。でも、

 「なに!?まさか、加護でも持ったか?」

 「いや、空気を俺の手に変えただけだ。」

 「それはすごい。」

 こんな芸当、俺にしかできないな。

 「今日はここまでだ。俺は、帰るとするよ。」

 「そうか、俺も用事があるし帰るとするね。それじゃぁ。」

 終わったな。高校を出たらどうするか?上の命令は、監視だし。もう、あいつらは大丈夫だな。俺は自由にするか。それじゃぁ。

 飯田、早苗、自らの道を貫きしものよ。運命は変わらぬ。

 エピソード1   教高編 完

 
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