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「翔斗くん、起きて。」
「ん~…。
ふぁぁ~。」
声が聞こえ、目を開けると裸の女(美久)が隣にいた。
「…………」
寝起きで頭がボーッとして目を開けたまま横になっていた。
「相変わらず、朝には弱いね。」
「……るっせぇ。チュッ」
オレは覗き込んできたセフレの美久の後頭部を押さえ深いキスをした。
「んッ、チュッ、チュッ。」
「チュッ、チュッ。」
唇を離すとオレたちの間に銀の糸が繋ぎ切れた。
「………する?」
「うん。」
体を反転して美久を押し倒した。
「んッ、チュッ、ペロッ」
美久の左胸を舐め、左手で右胸を触った。
「あっ、あんっ!」
「ハムッ、チュッ、チュッ」
「あっ、あっ、んッ、」
胸から陰部に触ろうとした時、
プルプルと規則正しいスマホの着信音が鳴った。
「チッ、誰だよ!
こんな時に…。」
オレは美久から離れ、電話に出た。
《……もしもし?》
《翔斗!
今、なにしてる!?》
電話の相手は双子の兄の翔真からだった。
《……寝てた。》
《まさか、朝からしてたんじゃないだろうな?》
《……で、要件はなに?》
《話、流しやがって。
まぁ、いいや。
仕事。
朝、8時からだって言ったよな?》
《……あぁ、そういや言ってたな。
分かったよ、今から向かう。》
《Aビルの3階の会議室だからな。》
《……了解。》
オレは電話を切り、スマホの画面で時間を確認した。
「ゲッ、7時半だ。」
ベッドから出て服を着た。
「ッテェー…。
さすがに夜通しでしてたら腰が痛てぇな。
美久、悪ぃな。
オレ、仕事行ってくるわ。」
「うん、行ってらっしゃい。」
オレは美久の部屋を出てタクシーに乗り込んだ。
「ふぁぁ~…。
眠てぇ。」
美久と昨日、夜中1時に会ってから6時までセックスをし、1時間程度しか寝ていないオレは凄い眠気に襲われている。
でも、この習慣をやめられない。
いくら寝不足でも仕事に支障が出ない限り、オレはセックスをする。
それじゃないとオレの存在価値が無くなるから。
幸い、美久の家からAビルまでは距離が近く数十分でついた。
オレは運転手にお金を渡し、ビルの中に入り3階の会議室に向かった。
「翔斗!」
「…翔真、おはよう。」
「おはよう。じゃなくて、早く来い!」
「はいはい。」
オレは駆け足で会議室の前に居る翔真の元に行った。
「7時50分、ギリギリだね。」
「……久野光樹さんっ!
すいません、遅れて。」
「まだ時間には間に合ってるから大丈夫だよ。」
「……ありがとうございます。」
「で、翔斗。
なにしてた?」
「……翔真なら予想ついてるんじゃない?」
「やっぱりか。」
「……オレ、邪魔されて今、機嫌悪ぃから。」
オレは会議室に入って椅子に座った時、翔真が話しかけてきた。
「お前いい加減辞めろよ。
女遊びを……。
仕事が出来なくなるぞ。」
「……バレないようにする。
翔真にも周りにも迷惑をかけないようにする。
だから、オレの存在価値を否定すんな。」
「なにが、存在価値なんだよ!
そんな事で価値を決められていいのかよ。」
「いいよ。
仕事に依存してるお前と一緒だ。
オレはそれでしか自分の存在価値を見いだせない。
ただ、それだけだ。」
「そんなんだと、本当に仕事が出来なくなるぞ。」
「………いいよ。
オレの存在が否定されるくらいなら、仕事なんか辞めてやるっ!」
「……!?
お前、」
仕事に依存している翔真は怒ってオレの胸ぐらを掴んだ。
「ちょっ、石橋くん達!」
久野さんはオレたちを止めに入ったけど、オレたちは頭に血が上っているから久野さんの言葉を聞こうとしなかった。
「お前だって一緒だろ!
仕事でしか自分の存在価値を見いだせず仕事を楽しめてないお前が言うのかよ!」
「違う…。
俺は仕事が好きだ…。
楽しくない訳じゃない…。」
翔真は俯いてぶつぶつと言った。
それは翔真が図星を突かれた時の癖だ。
「ほら、図星じゃねぇか。」
「……違うっ!
俺は、俺は、」
「言えねぇじゃねぇか。
嘘でも『仕事が楽しい。』って。」
「違うっ! 」
オレは翔真に殴られた。
「……てめぇ~…!」
オレが翔真に殴りかかろうとした時、
「やめろっ!」
「「!?」」
久野さんが大声を上げた。
「なにがあったのかよく分からないけど、翔真くん、手を出すのはダメだよ。」
「…………」
「それに、翔斗くん。
キミは本当に仕事をやめてもいいと思っているの?」
「…………チッ、」
オレは会議室を出てフロア奥の椅子の所に行った。
「ん~…。
ふぁぁ~。」
声が聞こえ、目を開けると裸の女(美久)が隣にいた。
「…………」
寝起きで頭がボーッとして目を開けたまま横になっていた。
「相変わらず、朝には弱いね。」
「……るっせぇ。チュッ」
オレは覗き込んできたセフレの美久の後頭部を押さえ深いキスをした。
「んッ、チュッ、チュッ。」
「チュッ、チュッ。」
唇を離すとオレたちの間に銀の糸が繋ぎ切れた。
「………する?」
「うん。」
体を反転して美久を押し倒した。
「んッ、チュッ、ペロッ」
美久の左胸を舐め、左手で右胸を触った。
「あっ、あんっ!」
「ハムッ、チュッ、チュッ」
「あっ、あっ、んッ、」
胸から陰部に触ろうとした時、
プルプルと規則正しいスマホの着信音が鳴った。
「チッ、誰だよ!
こんな時に…。」
オレは美久から離れ、電話に出た。
《……もしもし?》
《翔斗!
今、なにしてる!?》
電話の相手は双子の兄の翔真からだった。
《……寝てた。》
《まさか、朝からしてたんじゃないだろうな?》
《……で、要件はなに?》
《話、流しやがって。
まぁ、いいや。
仕事。
朝、8時からだって言ったよな?》
《……あぁ、そういや言ってたな。
分かったよ、今から向かう。》
《Aビルの3階の会議室だからな。》
《……了解。》
オレは電話を切り、スマホの画面で時間を確認した。
「ゲッ、7時半だ。」
ベッドから出て服を着た。
「ッテェー…。
さすがに夜通しでしてたら腰が痛てぇな。
美久、悪ぃな。
オレ、仕事行ってくるわ。」
「うん、行ってらっしゃい。」
オレは美久の部屋を出てタクシーに乗り込んだ。
「ふぁぁ~…。
眠てぇ。」
美久と昨日、夜中1時に会ってから6時までセックスをし、1時間程度しか寝ていないオレは凄い眠気に襲われている。
でも、この習慣をやめられない。
いくら寝不足でも仕事に支障が出ない限り、オレはセックスをする。
それじゃないとオレの存在価値が無くなるから。
幸い、美久の家からAビルまでは距離が近く数十分でついた。
オレは運転手にお金を渡し、ビルの中に入り3階の会議室に向かった。
「翔斗!」
「…翔真、おはよう。」
「おはよう。じゃなくて、早く来い!」
「はいはい。」
オレは駆け足で会議室の前に居る翔真の元に行った。
「7時50分、ギリギリだね。」
「……久野光樹さんっ!
すいません、遅れて。」
「まだ時間には間に合ってるから大丈夫だよ。」
「……ありがとうございます。」
「で、翔斗。
なにしてた?」
「……翔真なら予想ついてるんじゃない?」
「やっぱりか。」
「……オレ、邪魔されて今、機嫌悪ぃから。」
オレは会議室に入って椅子に座った時、翔真が話しかけてきた。
「お前いい加減辞めろよ。
女遊びを……。
仕事が出来なくなるぞ。」
「……バレないようにする。
翔真にも周りにも迷惑をかけないようにする。
だから、オレの存在価値を否定すんな。」
「なにが、存在価値なんだよ!
そんな事で価値を決められていいのかよ。」
「いいよ。
仕事に依存してるお前と一緒だ。
オレはそれでしか自分の存在価値を見いだせない。
ただ、それだけだ。」
「そんなんだと、本当に仕事が出来なくなるぞ。」
「………いいよ。
オレの存在が否定されるくらいなら、仕事なんか辞めてやるっ!」
「……!?
お前、」
仕事に依存している翔真は怒ってオレの胸ぐらを掴んだ。
「ちょっ、石橋くん達!」
久野さんはオレたちを止めに入ったけど、オレたちは頭に血が上っているから久野さんの言葉を聞こうとしなかった。
「お前だって一緒だろ!
仕事でしか自分の存在価値を見いだせず仕事を楽しめてないお前が言うのかよ!」
「違う…。
俺は仕事が好きだ…。
楽しくない訳じゃない…。」
翔真は俯いてぶつぶつと言った。
それは翔真が図星を突かれた時の癖だ。
「ほら、図星じゃねぇか。」
「……違うっ!
俺は、俺は、」
「言えねぇじゃねぇか。
嘘でも『仕事が楽しい。』って。」
「違うっ! 」
オレは翔真に殴られた。
「……てめぇ~…!」
オレが翔真に殴りかかろうとした時、
「やめろっ!」
「「!?」」
久野さんが大声を上げた。
「なにがあったのかよく分からないけど、翔真くん、手を出すのはダメだよ。」
「…………」
「それに、翔斗くん。
キミは本当に仕事をやめてもいいと思っているの?」
「…………チッ、」
オレは会議室を出てフロア奥の椅子の所に行った。
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