4 / 4
Side: Answer
しおりを挟む
★
「やっぱりここにいたんか」
見透かしたように笑う佳紀。けれどその笑顔は何故か、ここ最近の何かを隠したような貼り付けた笑顔ではなく、あたしが大好きないつもの優しい笑顔に見えた。
「でも、なんで?待ち合わせは部室のはずじゃ……」
「さっきの顔見たら、大人しく部室になんか向かわんのすぐ分かるわ。別に今年は、振り返りへの参加は強制ちゃうしな」
「バレバレだったのね」
「どうせ心配してたんやろ、あの新入生女子のこと。まあしゃあないか」
佳紀は手を伸ばすと、あたしの頭をそっと撫でた。
「一年前の自分と重なって見えたんやろ、エリー」
その一言で、あたしは居てもたっても居られなくなった。ぼろぼろと両目から涙が溢れる。その顔を隠すように、思い切り佳紀に抱きついた。
「だってだって!去年の今とか佳紀のこと好きすぎて、どうやって自分のこと振り向いてもらおうって思って。でも一年経って、今度は彼女って立場になったら、佳紀を取られちゃったらどうしようとか、そんなことばっかり考えちゃって。新入生たくさんくるサークルだし、あたしより可愛い女の子とかいくらでもいるし、あと佳紀は基本的に女の子に優しいし!勘違いする女子だって絶対いるもん」
自分でも脈絡がないことをまくし立てているだけだと分かっているのに、佳紀は優しくあたしの頭を撫でてくれていた。その温かさが心にしみてきた。
「最近ちょっと冷たくしてたから、そういうこと気にしてるんやろうとは分かってたよ。ごめんな、心配かけて」
「そうだよ。どうして……」
勢い込んで質問しようとするあたしに、佳紀は手のひらを見せた。まるで待てのジェスチャーだ。
「あたしは犬じゃないもん」
しかしその抗議の意見は華麗にスルーされた。
「その話の前に、まずはペンダント返せよな」
「え?ペンダント?」
あたしはきょとんとする。
「先週末に僕が泊まりに行ったとき、朝バイトだーって慌てて出かけたやろ。あの時着けていったん、自分のペンダントじゃなくて僕のやで」
「そんな!うそうそ!」
慌てて胸元からペンダントを引っ張り出す。そこには青いガラスが嵌っていた。
「ほんとだ!これ佳紀のじゃない!」
「一週間も気づいてなかったんかい。ちなみにエリーのペンダントは、化粧箱の引き出しにちゃんとしまっといたしな」
「そんなとこに。引き出しの方はほとんど使ってないから気づかなかったって」
「そこまでは責任もてんぞ」
それでだ、と佳紀はあたしの肩を掴んで、しがみついていたあたしをそっと離す。それから斜めにかけたバッグの中から何かを取り出しながら言った。
「ここ最近バイト増やしてたのは、これを渡そうと思って」
出てきたのは指輪のケースのような、手のひらに乗る大きさの上品な箱だった。
「指輪ちゃうで」
先回りして佳紀が釘を差した。
「去年、これ欲しいって言ってたからな。いつかあげようと思ってた」
佳紀は恭しくその箱を開けてみせる。中に入っていたのは花をあしらった可愛らしいイヤリングだった。
「これって五条坂のお店の!」
「正解。去年の新歓のときは買ってあげられへんかったからな」
おねだりしたら?と言っていた、さや姉のことを思い出す。
「1年記念日にはサプライズで渡そうとずっと狙ってた。それとこれな」
左手に箱を持ったまま、後ろ手に隠していた右手の封筒をあたしに渡してきた。戸惑いながら中身をみると、中に入っていたのはあたしが大好きなテーマパークのチケットだった。
「付き合って1年たつし、そろそろ泊まりで旅行とかもええかなって」
「え、そんな。でも、だけど、へ?」
およそ言葉にならないうめきのような声ばかりが出てくる。
「でもでも、これをこっそり準備してくれてたのは分かったけど、じゃあどうして最近家に行かせてくれなかったの?」
「ああ、それは」
簡単なことだと言わんばかりに佳紀が答える。
「エリーに部屋の片付けされると、隠してたこれが見つかるかもしれへんかったから」
そんなこと。思いつめていた自分が馬鹿みたいじゃない。
いや、丸め込まれてはいけない。それなら今日三条での待ち合わせを渋る理由はない。佳紀はまだあたしに言っていないことがあるはずだ。
「さっきどうして三条で会うの嫌がったの?」
あたしが聞くと、それまで余裕さえ見せていた佳紀が初めて言葉に詰まった。やっぱり、まだ隠し事があるのね。
「それ、言わなあかん?」
「ダメ」
間髪入れずあたしはピシャリと言った。すると照れたように佳紀は頭をかいた。
「珍しく、こんなときばっか鋭いなあ」
「言い訳は良いから早く」
「大したことではないねんけど」
ふうと佳紀が息をついた。
「僕の家に連れてく口実がなくなると思って」
「口実って。佳紀の家くらい普通に行くけど」
「それはそうなんやけど。その、せっかくの1年記念日だから、イチャイチャしたいな、とか……」
あたしを盗み見るように途切れながら答える佳紀。そこであたしはようやく気が付いた。三条で待ち合せたらあたしが電車で帰れてしまうから、わざと駅から離れた部室に誘導しようとしたってことか。
思わずあたしは吹き出してしまう。そんなことを気にして、でもあくまでスマートにというか、あけっぴろげに言わずに、雰囲気を大事にしようとするのは本当に佳紀らしいと思った。それは、あたしが好きになった、そして今日まで信じてきた佳紀と1mmの違いもなかった。
「そゆとこも大好き!」
あたしはもう一度佳紀に抱きつくと、背伸びして思い切り彼にキスした。
●
彼女は橋の陰から僕のところに駆け寄ってきた。
「居なくなったかと思って心配したよ、エリー……じゃなくて智恵里ちゃん」
しかし彼女は僕が呼び直したことに眉根を寄せて、むっと頬を膨らめてみせた。
「智恵里ちゃん、なんてやめてくださいよ。エリーのままでいいです」
「そやけど」
僕は彼女の勢いに押され、少し困って頭をかきながら言った。
「それは、僕が前に『明 智恵里』を『明智 恵里』って読み間違えたせいで出来たあだ名やし」
「でもエリーがいいんです。そう呼ぶの、佳紀さんだけだから。地味にお気に入りなんですよ」
鴨川の遊歩道には灯りもないから、僕らを照らすのは上で並走している車道の街灯くらいだった。それなのに仄暗い夜闇の中でも、僕に笑いかける彼女の笑顔は小悪魔的なほどコケティッシュだった。
「それで、どうしたんですか。いきなり呼び出したりして」
「ああ、それは」
かっこいいセリフやドラマのようなシチュエーションが頭にいくつも浮かんでくる。でも僕はそんなに上手く出来る気がしない。そういうのはもっと彼女のことを分かって、たくさん準備をしたときにとっておこう。
「好きだよ、エリー。付き合ってほしい」
直球勝負。それが今の僕の一番良い選択肢だと思った。
「はい、喜んで」
その答えを聞いた瞬間、体中が熱くなって、幸せな気持ちが駆け巡るのを感じた。
「待ってましたよ、佳紀さんが言ってくれるの」
「分かってたんや、僕の気持ち」
「そうだといいなって思ってました。だからどうしたら告白してくれるかなって、結構色々考えてましたよ」
自分と比べて余裕があるらしいエリーの様子に、僕は少しだけ悔しくなった。これじゃあ2つも年下の女の子に手の上で転がされたようなものだ。
「少しはエリーのことを翻弄したかったんやけど」
「じゃあこれからたくさん私のこと翻弄して下さいね」
「まったく、思ったよりもしたたかやな」
僕は苦笑しながらエリーの手をそっと掴んで自分の方へ引き寄せる。橋のたもとの暗がりから抜けて、街灯に照らされたエリーの表情がさっきよりもはっきり見えた。
「あたし、欲しいものは絶対にあきらめない主義なので」
やれやれ、これはとんでもない女の子に手を出してしまったかもしれないぞ。そんなこと考えた瞬間、僕の目には、耳まで真っ赤にして必死に"ツン"を演じて見せている、等身大の女の子が映っていた。
(了)
「やっぱりここにいたんか」
見透かしたように笑う佳紀。けれどその笑顔は何故か、ここ最近の何かを隠したような貼り付けた笑顔ではなく、あたしが大好きないつもの優しい笑顔に見えた。
「でも、なんで?待ち合わせは部室のはずじゃ……」
「さっきの顔見たら、大人しく部室になんか向かわんのすぐ分かるわ。別に今年は、振り返りへの参加は強制ちゃうしな」
「バレバレだったのね」
「どうせ心配してたんやろ、あの新入生女子のこと。まあしゃあないか」
佳紀は手を伸ばすと、あたしの頭をそっと撫でた。
「一年前の自分と重なって見えたんやろ、エリー」
その一言で、あたしは居てもたっても居られなくなった。ぼろぼろと両目から涙が溢れる。その顔を隠すように、思い切り佳紀に抱きついた。
「だってだって!去年の今とか佳紀のこと好きすぎて、どうやって自分のこと振り向いてもらおうって思って。でも一年経って、今度は彼女って立場になったら、佳紀を取られちゃったらどうしようとか、そんなことばっかり考えちゃって。新入生たくさんくるサークルだし、あたしより可愛い女の子とかいくらでもいるし、あと佳紀は基本的に女の子に優しいし!勘違いする女子だって絶対いるもん」
自分でも脈絡がないことをまくし立てているだけだと分かっているのに、佳紀は優しくあたしの頭を撫でてくれていた。その温かさが心にしみてきた。
「最近ちょっと冷たくしてたから、そういうこと気にしてるんやろうとは分かってたよ。ごめんな、心配かけて」
「そうだよ。どうして……」
勢い込んで質問しようとするあたしに、佳紀は手のひらを見せた。まるで待てのジェスチャーだ。
「あたしは犬じゃないもん」
しかしその抗議の意見は華麗にスルーされた。
「その話の前に、まずはペンダント返せよな」
「え?ペンダント?」
あたしはきょとんとする。
「先週末に僕が泊まりに行ったとき、朝バイトだーって慌てて出かけたやろ。あの時着けていったん、自分のペンダントじゃなくて僕のやで」
「そんな!うそうそ!」
慌てて胸元からペンダントを引っ張り出す。そこには青いガラスが嵌っていた。
「ほんとだ!これ佳紀のじゃない!」
「一週間も気づいてなかったんかい。ちなみにエリーのペンダントは、化粧箱の引き出しにちゃんとしまっといたしな」
「そんなとこに。引き出しの方はほとんど使ってないから気づかなかったって」
「そこまでは責任もてんぞ」
それでだ、と佳紀はあたしの肩を掴んで、しがみついていたあたしをそっと離す。それから斜めにかけたバッグの中から何かを取り出しながら言った。
「ここ最近バイト増やしてたのは、これを渡そうと思って」
出てきたのは指輪のケースのような、手のひらに乗る大きさの上品な箱だった。
「指輪ちゃうで」
先回りして佳紀が釘を差した。
「去年、これ欲しいって言ってたからな。いつかあげようと思ってた」
佳紀は恭しくその箱を開けてみせる。中に入っていたのは花をあしらった可愛らしいイヤリングだった。
「これって五条坂のお店の!」
「正解。去年の新歓のときは買ってあげられへんかったからな」
おねだりしたら?と言っていた、さや姉のことを思い出す。
「1年記念日にはサプライズで渡そうとずっと狙ってた。それとこれな」
左手に箱を持ったまま、後ろ手に隠していた右手の封筒をあたしに渡してきた。戸惑いながら中身をみると、中に入っていたのはあたしが大好きなテーマパークのチケットだった。
「付き合って1年たつし、そろそろ泊まりで旅行とかもええかなって」
「え、そんな。でも、だけど、へ?」
およそ言葉にならないうめきのような声ばかりが出てくる。
「でもでも、これをこっそり準備してくれてたのは分かったけど、じゃあどうして最近家に行かせてくれなかったの?」
「ああ、それは」
簡単なことだと言わんばかりに佳紀が答える。
「エリーに部屋の片付けされると、隠してたこれが見つかるかもしれへんかったから」
そんなこと。思いつめていた自分が馬鹿みたいじゃない。
いや、丸め込まれてはいけない。それなら今日三条での待ち合わせを渋る理由はない。佳紀はまだあたしに言っていないことがあるはずだ。
「さっきどうして三条で会うの嫌がったの?」
あたしが聞くと、それまで余裕さえ見せていた佳紀が初めて言葉に詰まった。やっぱり、まだ隠し事があるのね。
「それ、言わなあかん?」
「ダメ」
間髪入れずあたしはピシャリと言った。すると照れたように佳紀は頭をかいた。
「珍しく、こんなときばっか鋭いなあ」
「言い訳は良いから早く」
「大したことではないねんけど」
ふうと佳紀が息をついた。
「僕の家に連れてく口実がなくなると思って」
「口実って。佳紀の家くらい普通に行くけど」
「それはそうなんやけど。その、せっかくの1年記念日だから、イチャイチャしたいな、とか……」
あたしを盗み見るように途切れながら答える佳紀。そこであたしはようやく気が付いた。三条で待ち合せたらあたしが電車で帰れてしまうから、わざと駅から離れた部室に誘導しようとしたってことか。
思わずあたしは吹き出してしまう。そんなことを気にして、でもあくまでスマートにというか、あけっぴろげに言わずに、雰囲気を大事にしようとするのは本当に佳紀らしいと思った。それは、あたしが好きになった、そして今日まで信じてきた佳紀と1mmの違いもなかった。
「そゆとこも大好き!」
あたしはもう一度佳紀に抱きつくと、背伸びして思い切り彼にキスした。
●
彼女は橋の陰から僕のところに駆け寄ってきた。
「居なくなったかと思って心配したよ、エリー……じゃなくて智恵里ちゃん」
しかし彼女は僕が呼び直したことに眉根を寄せて、むっと頬を膨らめてみせた。
「智恵里ちゃん、なんてやめてくださいよ。エリーのままでいいです」
「そやけど」
僕は彼女の勢いに押され、少し困って頭をかきながら言った。
「それは、僕が前に『明 智恵里』を『明智 恵里』って読み間違えたせいで出来たあだ名やし」
「でもエリーがいいんです。そう呼ぶの、佳紀さんだけだから。地味にお気に入りなんですよ」
鴨川の遊歩道には灯りもないから、僕らを照らすのは上で並走している車道の街灯くらいだった。それなのに仄暗い夜闇の中でも、僕に笑いかける彼女の笑顔は小悪魔的なほどコケティッシュだった。
「それで、どうしたんですか。いきなり呼び出したりして」
「ああ、それは」
かっこいいセリフやドラマのようなシチュエーションが頭にいくつも浮かんでくる。でも僕はそんなに上手く出来る気がしない。そういうのはもっと彼女のことを分かって、たくさん準備をしたときにとっておこう。
「好きだよ、エリー。付き合ってほしい」
直球勝負。それが今の僕の一番良い選択肢だと思った。
「はい、喜んで」
その答えを聞いた瞬間、体中が熱くなって、幸せな気持ちが駆け巡るのを感じた。
「待ってましたよ、佳紀さんが言ってくれるの」
「分かってたんや、僕の気持ち」
「そうだといいなって思ってました。だからどうしたら告白してくれるかなって、結構色々考えてましたよ」
自分と比べて余裕があるらしいエリーの様子に、僕は少しだけ悔しくなった。これじゃあ2つも年下の女の子に手の上で転がされたようなものだ。
「少しはエリーのことを翻弄したかったんやけど」
「じゃあこれからたくさん私のこと翻弄して下さいね」
「まったく、思ったよりもしたたかやな」
僕は苦笑しながらエリーの手をそっと掴んで自分の方へ引き寄せる。橋のたもとの暗がりから抜けて、街灯に照らされたエリーの表情がさっきよりもはっきり見えた。
「あたし、欲しいものは絶対にあきらめない主義なので」
やれやれ、これはとんでもない女の子に手を出してしまったかもしれないぞ。そんなこと考えた瞬間、僕の目には、耳まで真っ赤にして必死に"ツン"を演じて見せている、等身大の女の子が映っていた。
(了)
0
お気に入りに追加
5
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

いつかまた、桜の木の下で
岡本梨紅
恋愛
私には、前世の記憶というものがある。それを思い出したのは、中学生の頃。
前世の時代はおそらく大正時代ごろ。その当時は体が弱かった私だけど、桜が大好きで、死期を悟った私は旦那様に連れて行ってもらって、『来世、でもまた、愛を誓いあってくれますか?』といって、そのまま亡くなるのだ。
前世を思い出してから桜の時期になると、この小さな神社にある樹齢何十年の桜の木のもとに通う。ただ、あの人が来るのを私は待ち続けているのだ。

【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない
ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。
既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。
未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。
後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。
欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。
* 作り話です
* そんなに長くしない予定です
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

好きな人がいるならちゃんと言ってよ
しがと
恋愛
高校1年生から好きだった彼に毎日のようにアピールして、2年の夏にようやく交際を始めることができた。それなのに、彼は私ではない女性が好きみたいで……。 彼目線と彼女目線の両方で話が進みます。*全4話

【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる