優等生と劣等生

和希

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5thSEASON

奪われた瞳

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(1)

「冬夜君おはよう~朝だよ~ご飯の時間ですよ~」
「おはよう愛莉」

朝の挨拶を交わすと僕はベッドからでて部屋を出る。
そのあとを歩いてついてくる愛莉。
仕度をして、朝食を食べるとコーヒーをマグカップに注いで部屋に持って戻る。
その後をやはりくっついてくる愛莉。
どうしたんだ?
部屋に戻ると僕はマグカップをテーブルに置いて座ろうとすると愛莉が服を引っ張る。
愛莉を見ると目を閉じて両手を広げている。
……そういうことね。
じっと立って待っている愛莉を抱きしめてやる。
愛莉も僕を抱きしめる。

「これでいいの?」
「うん♪」

本当に困ったお嫁さんだ。
コーヒーを飲みながら、テレビを見て時間を潰す。
約束は10時だったか?
頃合いを見て着替えると愛莉も着替えて化粧を始める。
愛莉の化粧が終ると、愛莉はバッグを持って家を出る。
目的地は大在のファミレス。
駅から一番近い所。

今日もラジオからはALICEの曲が流れている。

「本当に人気者になったね」
「そうだな」
「どんな人なんだろう?」
「すっごい美人さんだったね」
「うぅ……私とどっちが綺麗?」
「比べるのが可哀そうだよ」
「えへへ~」

愛莉のご機嫌取りもすっかり板についてきた。
偶にミスするけど。
ファミレスに着くと渡辺夫妻が待っていた。

「こっちだ冬夜」

観ると周りには他の人が陣取っている。

「本当に来るんだろうな?そのALICEってやつ」
「来るさ、来ないと商売にならない」
「それもそうだな」

美嘉さんに説明すると渡辺君が笑う。

「で、冬夜はどうやってそのALICEってのを説得するんだ?」
「手段は考えている。まずはALICEの正体を暴く。秋吉君の前で」
「本気か!?」

渡辺君は驚いてるようだ。

「そんなことしたら幻滅するだろ!」

美嘉さんが言う。
周りで聴いてる人も僕に注目してる。

「それは彼次第だよ」

僕はそう言ってコーンポタージュのおかわりに行った。
もどってくると愛莉と渡辺夫妻が何か相談している。

「どうしたの?」
「お前のやろうとすることがさっぱりわからんのでな」

渡辺君が言う。

「くっつけると言っておきながら破局させる気か?」
「それはそれでいいんじゃないかな?その程度の気持ちだったんだろ?」

にわかファンが同情して好意と勘違いしただけに過ぎない。

「彼女を救うって話はどうなるんだよ」
「それはまた別の話。秋吉君とくっつけることが救うことになるとは言ってない」

美嘉さんにそう答えた。

「美嘉さん、こういう時は冬夜君に任せた方がいいよ。きっと何か確証があるんだと思う」

愛莉が言う。

「確証?」
「私にも分からないけど双方が幸せになる算段を練っているのだと思う」
「そんな都合のいい話あるのか?」

美嘉さんが言うと愛莉が頷いた。

「私も自信は無いけど冬夜君にはあるんだと思う」
「愛莉がそう言うなら間違いないんだろうな」

美嘉さんはまだ納得してないようだ。

「渡辺君は美嘉さんのどこが好きになったの?」
「俺か?そうだな~……俺の前でだけはなぜか素直なんだ。いろんな面を見てきたからな」

渡辺君が答えた。

「美嘉さんは渡辺君のどこが好きになったの?」
「正志の前だと自然体でいられるんだ。それが居心地いい」
「そうだね、自然体でいられることが大事だよね」
「誠は少し隠せって感じだけどな」

隣のテーブルにいたカンナが言う。

「あ、わかった~」

愛莉が叫んだ。

「どうした愛莉?」

美嘉さんが聞いてる。

「あのね、つまり秋吉君の前ではALICEじゃだめなんだよ、下村有栖じゃないとだめなの。そうじゃなきゃ続かない」

愛莉が解説してくれた。
概ねあってる。

「なるほどな、でも上手くいくんだろうな?」

渡辺君が言う。

「大丈夫だよ」

サラダを食べながらメインディッシュが来るのを待っていた。

(2)

10:00

私は大在駅の前で待っているとシルバーの車が止まった。
助手席のウィンドウが開く。
彼女だ。

「こんにちは、後ろに乗って」

軽く礼をすると、言われたとおりに車に乗ると車は走り出す。

「どこへ行くんですか?」
「ファミレス」
「隣の運転手は?」
「私の旦那よ」
「初めまして」

彼女の小柄な主人はそう挨拶した。結婚してたんだ。

「恵美、自己紹介したの?」
「そう言えばまだだったわね。私は石原恵美、彼は石原望。望、彼女が下村有栖さん」
「ああ、なるほどね」
「どうしてそっちの名前を?」

私は聞いていた。

「あなたも地元じゃ時の人だからウィッグもカラコンもやめて帽子とサングラスしてるんでしょ?だったら下村さんと呼んだ方がいいわ」
「……ファミレスに行く目的は?」
「そうね、友達に自慢したいからじゃ不満?」
「いえ、別に……」

彼女たちの話を聞いていると私の家庭事情まで洗っているらしい。
私をどうするつもりだろう?
ファミレスに着くと奥に集団がいた。
あの日ライブでみた人も数人いる……彼もいる。そして私の目を貫いてきた不思議な彼も。
彼等のいる席に案内された。
順番に自己紹介をされる。私達のテーブルにいるのは8人。渡辺正志・美嘉、遠坂愛莉、不思議な彼の名前は片桐冬夜……どこかで聞き覚えのある名前。それにさっきの石原さん達と……彼の名前は秋吉圭太。
他のテーブルにも仲間は要るらしい、中にはライブハウスでよく見る人もいる……彼の名前を忘れないようにだけ注意していた。そして……。

「俺は多田誠。こっちは妻の神奈」
「あったのは二度目だよな?」

神奈さんは私を睨みつけてる。
多田先輩は私と目を合わせようとしない。無理もない。
すると不思議な男性・片桐冬夜は言い出した。

「誠、言いたい事があるなら言えよ。折角再会できたんだろ?」

ここで過去を暴くつもり?嵌められた。私は足が震える。

「い、いやいいよ。今日はそれが目的じゃないんだろ?」
「誠が言えないなら僕が言ってやるよ。秋吉君、彼女がALICE。本名下村有栖。誠に妊娠詐欺した人。グラサンと帽子で分からないかもしれないけど君の憧れの人だよ」

バラされた。しかもよりによって、秋吉君の前で……。これが報いなの?
私は泣きそうになった。

「どうしたの?下村さん言いたい事あるなら言えば?」

片桐君はそう言ってくる。
私の言いたい事。私が言わないといけない事。それは……

「多田先輩すいませんでした。他の皆様にもご迷惑をおかけしました」

精一杯謝罪した。
そして店を出ようとすっと立ち上がる。
しかし私の手を隣に座ってた恵美さんが掴んだ。

「勝手に帰ってもらっては困るわ。貴方の今日と言う時間は私が買ったのよ?」

恵美さんはそういってクスリと笑う。
私の公開処刑は始まったばかりだと言わんばかりに、片桐君は秋吉君に私の事情を話した。スティンガーの事も。
もうお終いだ。こんな事を続けていたって幸せになんてなれない。私はやはり道を間違えたんだ。私は足の上に拳を握り締めていた。
もう疲れた。自首しよう。この人生に終止符を打とう。そう覚悟した。このデートが最後の想い出。もっと楽しい思い出にしたかった。

「でさ、下村さん」
「……はい」

片桐君が私に話を振ってくる。今度は何をしてくるの?

「秋吉君って君の事大好きらしいんだよね!どうかな?付き合ったりしてもらえないのかな?」

何を言ってるの、妊娠詐欺の女と付き合いたい男なんているの?
私は秋吉君をみる。緊張しているようだ。表情が強張っている。彼は何も言わない……。
しかしやがて口を開いた。

「僕はあなたが好きです。出来れば交際してください」

そう言う魂胆?
私は馬鹿馬鹿しくなった。
そんな男を好きになった自分に嫌気がさした。
私は帽子とサングラスを取る。

「そういう交換材料ってわけ?……だったらお断りします。警察に行ったほうがまし。誰がこんな男と」

こんな人に私は釣り合わない。どこまでも純心なのに、私みたいな薄汚れた女は似合わない。
しかし片桐君は言う。

「取引する気なんてさらさらないよ?君にはちゃんと償いをしてもらわないと」
「償いが彼と交際ですか?」
「彼はとても純心でおっとりしている。そんな彼が僕達に君との縁を結んで欲しいと頼んできた。それは償いなんてものじゃない。希望だ」
「じゃあ、私はどう償えと!?警察に突き出したいなら突き出せばいいじゃない!」

何が言いたいのこの人は?さっさと警察に突き出してもらった方がせいせいする。

「どうして警察に突き出すの?」

え?

「だって自分で言ったじゃない。私は妊娠詐欺の女よ!」
「……誠。お前被害届出したか?」
「いや、出してないけど」
「カンナは?」
「……出してねーよ」
「そうか、恵美さん?」

恵美さんはタブレットを取り出すと操作をする。

「例の動画なら削除したわ」

そう言って私にタブレットを見せる。

「これで君を告訴する証拠は無くなった」

そう言って片桐君はにこりと笑う。

「それなら、もう取引する材料もないわね」
「だから取引する気が無いって言ったろ?」

じゃあ、何を考えているの?

「僕達は、幸せを運ぶグループとして有名なんだ。君をどうすれば幸せにできるか考えてる」
「……彼と付き合う事が幸せになるんですか?」
「幸せの基準は人それぞれだ。それは誰にもわからない。ただ君が彼を望んでいるように思えたから紹介したまでだ」

この人の言葉は正確に私の心を射抜いていく。
あのとき虹彩まで撃ち抜かれた日から目論んでたの?

「……私は幸せになる資格なんてない」
「そんなことは無いね。人は誰もが幸せになる権利を持っている」
「……私には罪を償わければならない。そう言ったのもあなたよ?」
「だからって君が不幸にならなければならないなんて一言も言ってない。君にはもっと相応しい罪の償い方があるよ」
「それはなんですか?」
「現に君がやっていることだ。人々に夢と希望を与えてる」
「?」
「君はALICEとして皆に夢と希望を与えてる。違うかい?」

そうかもしれない。けれど同時に詐欺商法まがいの事をやっている。

「私はまた新しい罪を重ねてしまった」
「もしも君が願うのなら眩しい明日を探してあげよう」

眩しい明日……?

「ぼ、僕も協力します。一緒に穢れのない美しい世界をみませんか?」

秋吉君が言う。
そんな資格私にはあるの?

「言ったろ?幸せになる資格は誰にでもある。そして君は幸せを振りまくアイドルになれる」

地下アイドルにそんな栄光は無いわ。

「君はどうしたい?このまま罪を背負いながら惨めな人生を行きたいか?それとも人並みの幸せを手に入れて人々に夢を与えたいか?」
「本当に私が希望になれるのですか?」

私は質問していた。

「……悔しいけどうちの馬鹿亭主は十分夢を見たみたいね」

亜依さんが言ってる。
神奈さんが私の胸ぐらを掴む。

「私はお前を一生許さない!……だけど喜べ。お前みたいなやつでも救える奴は沢山いるんだ!」

神奈さんが言う。私は涙してた。

「今一度問う。君は幸せになりたくないかい?」

片桐君の声はとても穏やかで優しいものだった。

「手に入れられるのなら手に入れたい!」

もう一度戻れるなら戻りたい!
そう叫んでいた。

「決まりだな……」

渡辺君が言う。

「ALICE……いや有栖さん。もう一度言います。僕と付き合ってください」

私は秋吉君に抱きついていた。

「よろしくお願いします」

皆の拍手に包まれていた。

(3)

「それで冬夜。これからどうするつもりなんだ?」

佐(たすく)が聞く。

「このまま地下アイドル続けていたって夢や希望は金に塗れた汚いものになるぜ」
「風俗営業なんてアウトだろ?」と佐は言う。
「言ったでしょ!芸能プロなんて作るの簡単よ。しかもお抱えのアイドルは一人だけなんだから」

恵美さんが言う。

「まさか本当に作るつもりなのか!?」
「握手券なんてものがあったとしても2ndシングル50万枚売れてるのよ。楽勝でしょう」

それは恵美さんが爆買いしたから。

「きっちりしたマネージャーとスタッフ付けてあげる。ダンスのコーチとかも」

恵美さんが言う。

「そうね、ちょっと大きな会場を使うのも手かもね」
「大学にいる間は地元中心の活動ね。忙しくなるわよ」
「石原君が代表取締役かい?」

酒井君が聞く。

「そんなわけないでしょ、望は就職先決まってるのよ。私が代表取締役やるわ」

そんな無茶な。

「無茶を無理やり通す。良いじゃないか。渡辺班流だ」

渡辺君は言ってる。

「でも皆さんにご迷惑を……」
「いい加減グラサンと帽子被れ。ALICEとしてふるまえ」

美嘉さんが言うとALICEさんは帽子とサングラスをつけた。

「一週間後にまた集まりましょう。場所はここでいいわね。」

恵美さんが仕切る。

「一週間の間に片づけるよ!皆準備は良い!?」
「おう!」

皆が雄たけびを上げる中チキンステーキを……。

ぽかっ

そうなる気がした。

ALICEさんと秋吉君は二人で話し合ってる。
これからの幸せをたしかめているのだろう。
2人とももじもじしていて初々しかったけど。

「しかし冬夜疑問があるんだが」

渡辺君が聞く。

「なんだい?」
「お前の事だから引き抜きを考えているんだろうけど。上手くいくのか?
「先行投資と思えば安いもんよ。彼女努力家みたいだし」

恵美さんが答える。
瑛大と中島君はサインを求めてる。
シャツに書いてもらってご満悦。

「俺今日この服洗わない!」
「止めてよね!」

桐谷夫妻はいつもそうだ。

「じゃ、この後はどうする?」

亜依さんが聞いてきた。

「下村さん?貴方を借りれる時間は何時まで?」

恵美さんが聞くとALICEさんは答えた。

「何時でも、事務所もきっと知らないおじさんと夜を過ごすことを想定してましたから」

酷い事務所だ。

「じゃあ、私達と朝まで過ごしてもらおうかしら」

恵美さんがそう言って微笑む。僕達は場所を居酒屋にうつした。

(4)

私と石原夫妻は地元駅に着くと。皆を待った。
皆飲むつもりで車を家に置いて来るらしい。
その間コーヒーショップで待った。

「今の気持ちはどう?」
「実感わきません、まだ震えています。私なんかが幸せになって良いのか?」
「僕達抗争していた時期がありました」

石原君が言う。抗争って何?

「紅会。スティンガーの母体だった暴力団です。そこで片桐君は一人の男とやり合いました」

そして一人の男を殺しかけたという。物騒な話だ。

「彼は他に目の前で3人の男を見殺しにしています。彼は自分を責めています。それでも彼は生き続けます。彼女・遠坂愛莉さんの為に」

彼にそんな壮絶な過去があったなんて。

「彼はいつも戦ってる。サッカーの勧誘から逃げてバスケットボールも金メダルを取ったら引退し、全力で遠坂さんの為に戦って生きてる」

思い出した。バスケットボールで有名になった人だ。

「大事なものを失って……身も心も疲れ果て……けれどそれでも決して捨てる事が出来ない想いがあるならば。誰が何と言おうとそれだけが君だけの真実」

石原君は言う。私の捨てきれない想い。それは……。

「私は幸せになって良いのでしょうか?」
「あなたは未だ過去と戦っている。その人生を完遂する事。それが答えなんじゃないですか?」

石原君が答えた。

「お待たせしました。しもむらさん」

トレーナーにチェスターコート、ジーンズの彼が来た。
彼とはすでに連絡先を交換済み。

「ちょっと恵美ここは任せるね。僕は仕事が出来た」
「ええ、任されたわ」

そう言って恵美さんが石原君を見送る。

「本当に、私が幸せになってもいいんでしょうか?」
「少なくともあなたの幸せを願う人物がいる。それが事実よ」

恵美さんが答える。

「ぼ、僕が幸せにします」

秋吉君が言う。
皆が集まってきた。
私の歓迎会が始まった。
これが神の下した審判だというのなら私は甘んじて受け入れよう。
そう心に決めた。それがどのような結末をもたらすのか私には分からないけど。

(5)

「それじゃ、下村さんの歓迎会だ。皆盛り上がろう」

渡辺君が言うと宴の始まり。
下村さんはあっちにこっちにと引っ張りだこだ。
一緒に写真を撮ったりサインを書いてもらったりしている。
そんな彼女を見てい満足する僕と愛莉と渡辺夫妻と多田夫妻と秋吉君。
彼女は終わり頃まで席に戻れなかった。

「先輩たち有難うございます。まさか本当に彼女と一緒になれるとは思わなかった」
「大変なのはこれからだ。揺らぐなよ!」

カンナが言う。
連れまわされる彼女の顔は終始笑顔だった。
それはALICEとしてではなく下村有栖として。

「本当に彼女は幸せにできるのか?」
「幸せに導くのが僕達の役目」

渡辺君が言うと答えた。

「って事は手段は練っているんだな?」
「恵美さんと今度事務所に乗り込むよ」
「冬夜君……」
「愛莉も一緒に行くって言うんだろ?わかってるよ」
「わ~い」
「俺に出来ることは無いか?」

誠が聞いてきた。

「心配なら誠も来るか?」
「ああ、一応当事者だしな」
「ああやって見てると彼女も一人の被害者なんだな」

カンナが言う。

「いや、罪を犯したことに変わりはない。立件はできないけど」

だからこそ彼女なりのやり方で償うんだ。それは僕達よりも大勢の人を夢と希望を与える。
二次会はカラオケに行った。
そして朝まで騒いだ。
彼女にリクエストが多かった。
彼女は応えた。
負けじとカンナも美声を披露する。
みんな負けじと曲を入れる。
僕は胃袋にから揚げを入れる。
みんなテンションは盛り上がったまま朝を迎えた。
彼女との約束の時間は大幅に過ぎていた。
ALICEさんは朝の電車で誠達と帰っていった。
僕達も帰る。
家に帰るとシャワーを浴びて愛莉を待つ。
愛莉が戻ってくると愛莉が髪を乾かすのを待つ。

「ねえ冬夜君?」
「どうした愛莉?」
「彼女の事最初から見抜いてた?」
「そうだね」

握手をしたときから分かってた。

「終わったよ~」
「それじゃあ、寝ようか」
「うん」

二人でベッドに入る。
朝のラジオを聴きながら眠りに入る。
今日も元気な彼女の歌声が聞こえていた。
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