優等生と劣等生

和希

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3rdSEASON

心乱れて

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(1)

「冬夜君、そろそろ起きよ?」
「今何時?」
「8時だよ」
「もうちょっといいだろ?」
「うぅ……そんな事言うとお掃除しちゃうんだから」

そう言って愛莉はベッドを抜けると掃除機の用意を始める。

「ああ!!分かった。分かったよ!起きるから!」

うちの掃除機は静音だ。掃除機の音がうるさくて眠れないなんてことはない。
ただ、朝から愛莉に掃除させて僕は寝てるって親に知られたら何を言われるかわかったもんじゃない。ってのが一つの理由。
もう一つ理由がある。愛莉は無駄に家事を張り切る。「まだ学生なんだから休む時は休め」と言われても張り切る。疲れさせるのは可哀そうだ。

「わ~い。でも偶には冬夜君が私を起こして欲しいな。キスで起こしてくれるとか……」
「それ前にやったろ?」
「何度でもして欲しいの!」

二人で着替えながらそんなやりとりをする。

今日から連休だ。
12時にコンビニに集合する予定だ。
目的は合宿。合宿と言ってもとりわけなんかするわけではない、渡辺班の面々が揃って親睦を深めようって言うのが目的と言えば目的か。
去年はそれなりに目的があったけど。
酒井君と一ノ瀬さんのカップリングが目的だったっけ?
今はそれぞれ別々のパートナーと一緒にいる。
今年は特にないと思っていた。
強いて言うなら西松君と花山さんをぎゃふんと言わせるくらいか?
でも実際に「ぎゃふん」と言う人を見たことが無い。

「冬夜君、着替え終わったよ~」

愛莉がそう言うと荷物を持って部屋を出た。
朝食をとって仕度を終えると僕たちは出発する。
集合場所である山のふもとのコンビニまではそんなに時間がかからない。
コンビニに辿り着くと誠の車が見える。

「早いな誠」

車を降りると誠に話しかけた。

「いつも寝坊するだろ?だから昨夜神奈の家に泊って準備してたんだ」
「なるほどね」

ちらりと誠の車の助手席を見る。助手席にはすやすやと寝てる神奈がいた。その目線に気づいた誠が腕を伸ばし、僕の視線を遮る。

「おっと、タダで他人の彼女の寝顔を見れるとは思ってないだろうな」
「見てしまったものはしょうがないだろ」
「代わりに遠坂さんの寝顔でも見せてもらおうか?」
「愛莉は助手席で寝ないぞ……滅多に」
「寝顔の写真くらい彼氏ならいくらでも撮るチャンスはあるだろ?」
「……まあ、あるけど」
「それならそれ見せてくれよ!」

僕がスマホを取り出し操作すると、そのスマホはいつのまにか背後にいた愛莉にとりあげられた、

ぽかっ

「そんな写真わざわざ撮らなくても見たいならいくらでも見せてあげるから!誠君も趣味が悪いよ!」

愛莉はそう言うと僕のスマホを操作し始める。

「あ、こんな写真まで!!冬夜君のえっち!」
「いや、なんとなくとっただけで別に……」

一人の夜に使おうとは思ってないよ。……そんな夜があるなら試してみたいかも。

ぽかっ

「ブーッです!全部削除しちゃえ」

良いよ、いくらでも消して。どうせ撮るチャンスはいくらでも。

「この際だから誠君もスマホ出しなさい!神奈の代わりに私が検閲してあげるんだから!」
「あ、いや……さすがに遠坂さんには見せられない。ちょっと刺激が強すぎる」
「……ほぉ。そんなにすごい写真撮ってるのか?」

誠の背後にカンナが立っていた。誠も僕と同じくカンナにスマホを没収される。

「この馬鹿が……うわっこんな写真まで……このド変態が!」

次々と写真を見つけては消していくカンナ。

「この際だからメッセージの履歴も見とくか。愛莉も見ておいた方が良いぞ」
「もう見てる。冬夜君そこは信用していいのよね。特に変なのは「男子会」ばっかり」
「誠も浮気とかはしてないようだな……」
「当たり前だろ……信用してくれよ」

そんなやりとりをしていると、次々と車がやってくる。
最後に黒いワンボックスカーがやってきた。

竹本君と……知らない男性と女性二人。一人はやたらと小さい。前に竹本君が言ってた人か。もう一人の女性はカンナと同じくらいの体形だ……胸が出てるくらいか違いと言えば・

「紹介するね、僕の学部の友達の真鍋拓海君と芸短大の……前に話した木下海未さんと新名未来さん」

竹本君が紹介すると3人はそれぞれ自己紹介して礼をした。

「えっ!でも、芸短大の二人は連絡先を知らなかったんじゃ……」

僕が言うと竹本君が説明を始めた……。
話は連休前にさかのぼる。

(2)

「おーい竹本!」

授業の終わりに真鍋君から声をかけられた。
僕よりも身長が高く体格もいい。人当たりもいいし、その外見からそれなりに女性に告られたりしてるんだけど、本人にやる気が無くあまり特定の人を付き合っているという噂は聞かない。
僕に渡辺班を勧めてくれたのも真鍋君だ。自分は入ろうとしなかったけど。

「渡辺班に俺も入ったから明日一緒に合宿行こうぜ」

え?
僕は、スマホを確認する。

「まさしが真鍋を招待しました」

「どういう事?」

僕は真鍋君に聞いていた。

木元先輩を通じて渡辺君が真鍋君に接触したらしい。そして勧誘され仲間に加わったという事。

「聞いたぜ、お前海未ちゃんに興味あるんだって?」

そんな話までしていたんだね。僕は顔が熱くなった。

「恥ずかしがるなって、ていうか最初にあった時にバレバレだから」

僕の顔はますます紅潮する。

しかし、それと真鍋君が何の関係があるんだろう?

「そこまでは聞いてない。竹本何か聞いてないか?」

僕は首を振った。

「そうか、とりあえず海未ちゃんと新名さん連れてお前の家に行くから」

そう言うと真鍋君は去って行った。

翌日。真鍋君の車が僕の住んでるアパートに到着した。
後部座席には新名さんと海未ちゃんが座っている。僕は助手席に座った。
真鍋君と新名さんは既に打ち解け合って盛り上がっていた。
一人外の景色に夢中になる海未ちゃんに見とれていた。

「でもよく海未ちゃんの許可下りたね」

真鍋君が、新名さんに聞いていた。

「一緒に真鍋君がいるって言ったら、あっさり許可下りましたよ。あ、竹本君も一緒だって言ったけど特に問題なかったし」

新名さんが答える。
真鍋君は信用されてるんだな。

そして今に至る。

そこまで説明すると片桐君はまだ頭を悩ませているようだ。

「そこからは私が車の中で説明してあげるから。冬夜君は心配しなくていいんだよ」
「わかった」
「じゃあ、ここから江口さんの別荘まではイッシーの車が先導するから。皆はぐれたら連絡くれ」

渡辺君がそういうと皆は出発した。

「ところで渡辺班って何をするサークルなんですか?」
「それだそれ、竹本がこの中で最初に入ったんだし説明してくれよ。噂も気になるし」
「噂?それって……あれですか?『必ず縁を結んでくれる不思議なサークル』ってやつ」
「新名さんも知っていたんだ」
「ええ、友達から聞いたしそれで……」
「?」

新名さんは顔を赤くして下を向いていた。

「で、何をするサークルなんですか?竹本君」

海未ちゃんが聞いてくるので、答えた。

「特に何も……喫茶店で話してるくらい。この前新歓で焼肉食べたくらい。そもそもただのグループだし」
「そっかぁ、でも噂は本当なの?」
「そういう強引な手段はつかってるみたいだね」
「そうなんだ」

新名さんの表情が明るくなる。

「新名さんは気になる人がいるの?」
「え……それは……」

新名さんの言葉が詰まる。
真鍋君自分の事には疎いんだね。

「でも、羨ましいね。どんな恋も叶えてみせるなんて。私も叶えて欲しいかも」
「海未ちゃんは気になる人がいるの?」

真鍋君が突っ込みをいれると海未ちゃんもまた俯いて黙ってしまった。顔も仄かに赤い。
そんな彼女を見ていると僕の心が悲鳴を上げる。
僕にはどうすることも出来ない彼女の気持ち。
それは自分自身を投影しているようだった。

(3)

むかつく。
誰にも振り向かれずたった一人孤独な空間を作り出す。
こんな思いは初めてかもしれない。
いつも周りには男に固められ優越感に浸っていた日常を否定するこのグループ。
「ゲーム」を持ちかけられた時は楽勝と思っていた。
だが、このグループには私の通常が通用しない。
何をムキになってるんだろう?
こんなグループさっさと抜けていつもの私に戻ればいい。
でもそれを許さない私のプライド。
私がこれだけ愛想を振りまいても全く靡く事のない男。

「二人の絆は最強だよ」

そんなもの偽りに過ぎない。真実の愛なんて醜いものだ。
そう思っていた私の常識を根底から覆す非常事態。
焦る私はいつもは隠していた醜い部分を曝け出す失態の日々。
それどころか私に惚れさせると宣言した男は私を批判した挙句、他の女に恋をしたという。

「失敗しても私がいる」

もうプライドはボロボロだった。
これが「渡辺班」の実力だと言わんばかりのたちはだかる壁。孤立無援。

「どうせ無理だから」

決めつけないで!

価値観を根底から否定されている気分。

負けてたまるか!

私と同じ価値観を持つ男が一人いる。
その男は共闘しようという。
確かに一人じゃどうしようもないかもしれない。
然し2人対その他という構図は数的不利を露にする。
そんな数的不利関係なかった。
皆私に惑わされ私の味方に回っていく。
彼も同じ予想だったはず。
誰を信用して、何に奮闘して、この先歩けばいい?
出来レースだと思っていた勝負は全く反対へ向かって行く。
冬夜君以外なら落とせる。
そう思って一番ちょろそうな奴にも保険をかけたが、それも駄目。

「ごめん、僕には亜依がいるから。他当ってよ」

そんな断られ方生まれて初めてだ。
男女の絆なんて脆いもので、ちょこっと可愛い声で一言かければ簡単に靡いてくる。
そう思っていたのに、生まれて初めて男女の絆の深さというものを思い知らされた。
最初から勝ち目のない戦いだった?

負けてたまるか!

お前に勝ち目なんかない……。
そんな彼女たちの余裕を奪い取ってやりたい。
いつも通りにやっていれば必ず勝てる。
そう確信していた。

車は江口さんの別荘に着く。
元々新入社員の研修用につかっていたらしいその建物はとても大きな物で20人という人数を悠々と収容できるものだった。
男性11人女性12人は4つの部屋に割り当てられ、それぞれの部屋に荷物を置いて寛ぐ。
私と一緒なのは遠坂さん、音無さん、指原さん、木下さん、新名さん、の5人。

「大きな部屋だね~」

遠坂さんがそう言って部屋を見回している。

遠坂愛莉。
私の最初のターゲット。彼女の彼氏・片桐冬夜を奪い取れば私の勝ち。
片桐先輩を選んだ理由は特にない。冴えない男だったから簡単に落とせるだろうと判断した。
後で聞いたけど渡辺班で一番長く付き合ってきた関係だという、長いから強い絆とかそんな風に考えたこと無かったけどこの二人はまさにそれだった。
でも、難敵を攻略するほどやりがいのあることは無い。
硬い絆ほど一点をつつけば簡単に崩れるものだと思っていた。
しかしこの二人は弱点らしい弱点が無い。


「愛莉、今夜は楽しみだな。怖い話も用意してきたぜ」
「それはいや!」
「嘘嘘、みんなで女子会やろうな」

遠坂さんに話しかけているのが音無神奈。

彼女もルックスが良くどうしてミスコンに登場しなかったのか?と疑問に思っていると。「バイトがあるから」と一言。
でも実は極度のあがり症で人前に立つことなどとてもじゃないけど無理だということを多田先輩から聞いている。

多田誠。
物凄いイケメンで、私立大サッカー部のエースらしい。彼のお蔭で去年1部に昇格したのだとか。
そんな彼の欠点は致命的な変態的趣味を持っている事らしい。
どんな完璧なカップルでも弱点はあるものだ。
そんな彼を誘惑してみても「ああ、神奈いるから。ごめん」と言われた。
この4人は中学からの知り合いらしい。
音無さんと多田先輩も類に漏れず長い間に培った絆でつながっている。

「女子会!いいね!ニューフェイスもいることだしね」

そう言って私達を見る女性。

指原亜依。
「渡辺班・女子会」のリーダー格。
彼女の彼氏・桐谷瑛大もちょろそうなので誘惑してみたけど「亜依がいるから無理。他当って」と言われた。
どこまでも一途なグループだ。
狙いを一点に絞っていくしかないのか?

「凄いね、海未ちゃん、こんな別荘初めてだよ」
「そうだね、未来ちゃん」

この二人は昨日入ってきた木下海未と新名未来。
芸短大の学生らしい。
木下海未に、私への切り札として用意した・竹本悠馬が惚れているらしい。
屈辱だ。私へ誘惑を仕掛けるはずが他の女にのりかえたですって?
この上ない屈辱だ。

この二人の仲を切り裂いてやるのもありだけど、その場合竹本君に惚れたとみなされるのだろうか?
渡辺先輩に聞いてみた。

「まだそんな事を言ってる余裕があるとはな。好きにするがいいさ」

その余裕かき消してやる。
合宿は2泊3日。
時間は沢山ある。

最後に勝つのは私なのだから。

(4)

「う~ん……なるほどね」
「4人に言ったらだめだよ?」
「それは分かってるよ」

最後尾から皆を追いかけながら冬夜君は運転しながら私の話を聞いていた。


亜依が芸短大のツテを、頼りに探りを入れていたところ、芸短大側の方から、新名さんを紹介されたという事。
新名さんは真鍋君という人が気になっているという事。
新名さんは木下さんの知り合いだという事。
亜依はすぐに行動に移した。新名さんを入れ真鍋君を渡辺君にさそってもらい、合宿で一緒にさせることを条件に、木下さんを誘って欲しいとお願いした。
新名さんは快く受け入れてくれた。
そして今に至る。


冬夜君に今の説明をすると、上の台詞につながる。

「けどさ、真鍋君の気持ちはどうなわけ?」
「今フリーだって聞いたし。それに新名さんなら何の問題もないんじゃない?」
「うーん……なんかありそうな気がするんだよね?真鍋君」
「冬夜君真鍋君にも入ったの?」
「まあね、気になる人がいるみたいだった」

こういう時の冬夜君はよく当たる。実際「でも木下さん気になる人がいるんじゃない?」とか「ひょっとして新名さん真鍋君の事気にしてる?」とかうまい具合に聞いてきた。
木下さんに気になる人がいることは、亜依から聞いていた。それは女同志の秘密だと言われていたのに冬夜君は見事に当ててみせた。

「真鍋君の気になる人って?」

私は冬夜君に聞いてみた。

「会ったことないから分からない。でも大学生じゃないみたい。なんかもっと大人の人っていうか本人もただ憧れているだけというか……木下さんが持ってる感情と一緒だと思う」
「木下さんについて、どこまで分かったの?」

私はそれが気になった。

「う~ん、予想なんだけど。多分その丹下先生じゃないかな~って……」

……冬夜君も随分敏感になったんだな。

「冬夜君、それ誰にも言ったらだめだよ」
「てことは当たってた?」
「真鍋君の気になる人は私も知らないけど、木下さんの好きな人は当たってる」
「そうなんだ、分かった。誰にも言わないよ」

車は飯田高原に抜ける。
春草が生えお牛さんがもぐもぐ食べてる。
暫くすると恵美の別荘についた。
去年よりはるかに大きい。
別荘に着くと部屋を割り当てられる。
恵美やカンナそれに新しく入った咲良さんを除く3人が一緒だった。
どうせこれだけ広い部屋だ。夜になったら皆で集まるんだろう。

コンコン

「お昼の仕度するから皆キッチンに来て。

恵美の声だ。
13人の女性が集まっても優に広いキッチンというよりは厨房という状態。

「で、何を作るの?」
「それを迷ってるんだけど」

調理台に並べられたの大量のカップラーメンとインスタントラーメン。
ごはんは既に炊いてある。

「私料理なんてしたことないからパス~」

そう言って厨房を出る花山さん。

「アレは放っておいてどっちにするかだよね?」
「初めての食事でしょ?女子が13人も集まってるんだしカップラーメンはどうかと思うのよね」

亜依と恵美が相談している。

「でもどれにするの?一杯あるけど」

インスタントラーメンも様々な種類が用意されてある。

「全部混ぜたらいいんじゃないかな?その方が美味しいって聞いたことあるし」

新名さんが言ったのでその案が通った。
その後も「魚介だしっていうくらいだしだしの素入れたらいいんじゃない?とか色々言ってきては材料を用意するけど……無難に行くことにした。
ラーメンの麺を投入する頃。男子を呼んできて欲しいと言われ、私と花山さんとで呼びに行く。
花山さんは冬夜君たちのいる部屋に入る。私はもう一方の部屋に入った。
ちなみに冬夜君の部屋には冬夜君、誠君、渡辺君、真鍋君、竹本君、桐谷君の6人。私が呼びに行った部屋には石原君、酒井君、木元先輩、中島君、西松君の5人。
11人は昼ごはんと聞くとすぐに部屋を出て食堂に向かって行った。
冬夜君が珍しく、足取りが重い。
何か考え込んでる
花山さんが冬夜君の腕を引っ張ってる。

「早くしないとラーメンのびちゃうよ?」

花山さんの言う通りだ。
冬夜君に話しかける。

「ちょっと花山さん先に行っててくれない?」
「えー私だけ仲間外れですか?」
「ちょっと聞かれたくない話だから……」
「私の陰口でしょ?」
「そんなんじゃないから」
「冬夜君はそんなに陰湿な人じゃないよ?」

私がそう言うと花山さんは何が言いたげだったが、渋々先を行った。
それを見届けると、冬夜君は私に耳打ちする。

「真鍋君やっぱり好きな人いるみたい。バイト先の人だって言ってた」
「話したの!?」
「……渡辺君がね。たださ……望みがないわけでもないっぽい」
「どういう事?」
「相手がさ、未亡人なんだって」
「!?」
「歯牙にもかけられてないっぽいよ。真鍋君がどうとかじゃなくて、亡くなった旦那さんの事を今でも想ってるらしい」

難しすぎて理解が追い付かなかった。私はまだ子供なんだ、大人の世界に入っている二人の気持ちが理解できなかった。

「でも、まだ分からないから。憧れと好きだって気持ち違うと思うし。それに……」
「それに?」
「付き合ってみて好きになるってことあるだろ?」
「……そうだね!」

私達はいつまでもそうやって来た。
食わず嫌いはダメだ。ラーメンはのびないうちに食え。
……でもそれは真鍋君にも言える事じゃないの?
そんな不安がぬぐえない春の昼の事だった。
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