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Deathscythe
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(1)
2学期が始まった。
修学旅行が控えている。
学園祭とか面倒臭い行事は無視。
崇博と歩美も父親が事件に巻き込まれたけど、落ち着いてレースに挑んでる。
イライラを発散させているそうだ。
父さんたちが何を企んでいるのかは知らない。
だけど普段は温厚な父さんがものすごく怒ってた。
母さんはそれを鎮めるので精いっぱい。
だから俺達は不要な事件を起こすわけにはいかない。
今回の報復は父さんたちに任せる。
俺たちは手を出すな。
それが空の指示だった。
「あれからどうなの?歩美」
莉子が聞いていた。
「本当に瀕死だったの?ってくらい元気みたい」
歩美はため息をついていた。
「誠君いい加減にしないと神奈に言いつけるよ!」
「ちょっと同じ病院の女の子の話し相手になってただけだぞ」
「神奈って誰?」
その話相手の子が聞くと「言っとくけどこいつ妻子持ちだよ。もう孫もいるの」と亜依さんが説明する。
「ごめん。私不倫とか興味ないから」
そう言って相手は去っていく。
当然歩美が知ってるって事は神奈さんも知っている。
「お前は死ぬ寸前までいってもその馬鹿は治らないのか!?」
神奈さんが怒っていたらしい。
「だってやることないんだよ」
「だからって不倫する馬鹿がどこにいるんだ!?」
奥さんが重傷の時に看護師と不倫した音楽家ならいたけど。
父さんも神奈さんを庇って刺された時があるらしい。
意識を取り戻すと病院の飯がまずいと不満をこぼしていた。
それで親や愛莉がいない時にこっそり売店でお菓子を大量に買っていたらしい。
「冬夜君は私が見てないとダメだね」
そう言って毎日病院に通っていたらしい。
多分似たようなもんなんだろう。
学校に着くと教室に入って話をしていると沖田浩二がやってきた。
リベリオンの人間だ。
大体何を言いに来たのか想像ついたので放っておいた。
相手にするだけ無駄だ。
しかしこの馬鹿はどうも鈍いらしい。
歩美ですら睨みつけているのに気づいてないらしい。
「夏休みは楽しめたかい?」
立ち上がろうとする崇博の肩を善斗が宥める。
「ああ、楽しかったよ。お前らは相変わらずしょうもない事企んでたのか?」
復讐なんてもんがそんなに楽しい根暗なのか?お前らは。
「そうかい。じゃあ、2学期も楽しませてあげるよ」
「あ、そう。まあ思うようにするといいよ」
「……さすが人の家を地獄に突き落として平然としていられる奴らは違うね」
「お前さ、勘違いしてないか?」
「なんだと?」
沖田が反応した。
俺は構わず続ける。
「一つ忠告しておいてやるよ。今の俺たちがいるのは少なからず何かの犠牲の上に立っているんだ」
高校に入学した時からそんなもん分かり切ってる。
合格する奴と不合格な奴。
この先大学に行っても就職する時も、他人よりも優れているところをアピールして生きていくんだ。
兄の冬吾だってライバルからポジションを奪い取ってる。
お前のせいだ。
そうじゃない。
自分が実力不足なのを他人のせいにしているだけだ。
甘えるのも大概にしろ。
失くしたままでいたくないのなら這い上がる努力をしろ。
うずくまってただ勝者を恨んでいるなんて惨めなだけだぞ。
知っているか?
お前日本で育っていないから知らないのかもしれないな。
なら教えてやるよ。
「今のお前の姿を日本では負け犬って言うんだ」
「冬眞、ちょっと言いすぎ」
莉子がそう言う。
「……俺をあまり舐めるなよ?この場で八つ裂きにしてやってもいいんだぞ?」
「出来るもんならしてみろ?ただし条件がある」
俺たちは空の制御でお前らに手を下すことはできない。
だがうっとうしい真似をしたら潰してやれと言われてる。
マヌケが勝手に自殺したいならそうしろ。
「冬眞!危ない」
こいつの能力は皆知ってる。
どうせ頭上に刃物でも生成したんだろ。
先に動いた方が不利だっていい加減猿でも理解するぞ?
俺は表情を変えずに冷静に一言言った。
「ありえない」
すると皆が驚いた。
ひとつ残らず全部消え去ったのだから。
だから俺の前ではどんな能力も関係ない。
通常ありえない事はすべて消し去る力。
もちろん日常生活でそんな能力に気づくはずがない。
気づいたのは結が俺を見てから言った。
「冬眞にも能力あるんだな」
結は正確に俺の力を見抜いて教えてくれた。
で、起きたことが理解できない沖田に言う。
「どうした?喧嘩売ってるんだろ?」
もうすぐ先生が来る。
さっさと地獄に返送してやるから来いよ。
沖田は憎々しげに俺を睨みながら席に戻って行った。
「能力が使えないと戦えない情けない奴がいちいち粉まいてくるんじゃねーよ」
少なくとも菫たちより上の連中はそんな力使わずに己の体一つで勝負してるんだ。
そんな臆病者の相手なんかしてられるか。
あ、一つ忘れてた。
「おい!沖田!」
俺は沖田に向かって言った。
「お前が遊んで欲しいなら遊んでやる。その代わりお前の親に言っとけ」
お前らは相手にしたらいけないグループを刺激した。
それは父さんの怒りを買った。
お前ら国外逃亡の準備くらいしとけ。
渡辺班の報復は俺達なんかよりよっぽど過激だぞ。
地元に居ることが出来ると思うな。
お前は卒業する前に机の上に花瓶が置かれても不思議じゃないぞ。
沖田は聞いていたのかどうか知らないけど、何も返さなかった。
「冬眞、サンキュー」
「いいよ。空が家燃やされた時はモスクワが倒壊した」
父さんたちの報復はそれ以上の何かを仕掛けてくるだろう。
だけど空が不思議な事を言っていた。
「父さんのやり方は多分SHとは違うと思う」
もっと残酷な結末を考えているはずだと言っていた。
だけどそのやり方は誰にも分からなかった。
(2)
「それじゃ、乾杯」
渡辺君が言うとパーティが始まる。
今日は如月グループがついに手を明かした。
志水グループと江口グループに白鳥グループ。
4大企業がジハードとかいう愚かな連中に反抗の意思を露わにした。
如月グループは衛星の打ち上げを成功させた。
打ち上げする場所がどこにあったのかはちゃんと説明できる。
それは地元空港。
もちろん空港で打ち上げをしたわけじゃない。
シャトルである程度の高度まで衛星を運んで空中からロケットを打つやり方。
水平型打ち上げと呼ばれるやり方。
報道関係者には「気象衛星」と伝えてあるが、この最悪の企業群がそんな生易しい物打ち上げるわけがない。
その警告をすでにリベリオンの主導者神谷十郎宛てに送りつけていた。
衛星から撮影したジハードの関係者の航空写真。
「その気になったらいつでもやるからな」
そんなメッセージ。
衛星を打ち上げて常に見張っているぞ。
そして衛星を打ち上げるほどの精度で攻撃できる。
ロケットの代わりにミサイルぶっ放してもいいよ。
そんな警告を彼らに送っていた。
いつもなら仕掛けてくるところを抑えるやり方をとる片桐君だけど、今回は彼らが愚かなことをしてくれた。
多田君を襲った。
ご丁寧に背中に青龍刀を突き立てていたらしい。
「そんなに死にたいならさっさと殺してやる」
晶ちゃんと恵美さんの怒りを買った。
しかし地元に核兵器なんて撃ったら僕達だって無事じゃないことくらいは晶ちゃんでもわかっている。
だから多田君を襲った黄帝竜に的を絞った。
世界中に「あきらっきー46」を撃ちまくることもできるけど片桐君が止めた。
「核はだめだ」
そんな優しい言葉じゃない。
「まずはリーダーを捕まえる。どこに居ようと必ず捕まえる」
組織を壊滅くらいでは気が済まない。
自分たちの手で直接手を下す。
片桐君はそう言っていた。
「つ、捕まえてどうするんですか?」
石原君が聞くと片桐君はにこりと笑った。
「そんなの聞くまでもないだろ?」
片桐君が殺すと言った以上、相手の死は絶対だ。
あとはどうやって殺すか?
「学たちは言ってるんだ。空の王の手を煩わせるまでもない」
だから始末するのは江口家と志水家の実行部隊。
そう思っていた。
だけど片桐君は言う。
「ただ殺すだけじゃ面白くないだろ?」
ただそれだけ言っていた。
その方法を聞いて僕は背筋が凍ったね。
普段は温厚な片桐君をここまで怒らせたんだ。
晶ちゃん達の怒りよりも怖い物があるよ。
絶対にやっちゃいけない事をやってしまった。
同情はするけど庇うつもりはないよ。
的が僕達に変わってしまう。
「でも大丈夫なの?」
「しくじるつもりはない」
恵美さんが聞くと片桐君が答えた。
「トーヤ、絶対に忘れるな。お前には愛莉たちがいるんだ」
神奈さんが念を押す。
「だからだよ。こんな馬鹿に一々付き合うのも面倒だから一回だけ相手してやる」
「気をつけろよ。相手はプロなんだろ?」
「それって遠慮はしなくていいって事だろ?」
ただし今回は男性だけでやる。
女性に見せていい物じゃないから。
「うぅ……」
愛莉さんが悩んでいる。
多分、そんなことを私以外の女性にするの?って意味でだろう。
だから片桐君も笑った。
「やるのは僕達じゃない。心配しないで」
そんな話をしていると歩美の声が聞こえてくる。
「パパダメ!まだ退院して間もないんだよ!」
「入院してる間飲んでないんだから少しくらいいいだろ?」
娘に注意されている多田君。
君もある意味タフだね。
「誠の言うとおりだぜ!今日は誠の退院祝いだ、俺達を止める物はない!」
「お前もいい加減にしろ!瑛大!」
「多田君、大人しくしてないと次何かあったら実習生の解体の練習に使わせてもらうわよ?」
さりげなく恐ろしいことを口にする深雪さん。
さすがに多田君も恐れたらしい。
大人しくジュースを飲んでいた。
「で、冬夜。どんなリベンジするんだ?」
「こんなあいさつがあるらしいよ」
片桐君は表情を変えずに言った。
こんばんは、そしてさようなら。
(3)
「意外と遅かったですね、それに堂々としすぎだ。ここは日本だよ」
そんなもの持っていて警察が大人しくしてるわけないよ?
目の前に現れた標的にそう言っていた。
片桐君は黄帝竜の頭が地元に乗り込んでいることも、頭が女性だということもしっかり把握していた。
その上で頭に向かってメッセージを送った。
「今度の週末一緒にお話でもしませんか?」
そんなラブレター。
当然のように愛莉さんに怒られたらしい。
もちろん場所もしっかり考えていた。
府内町の公園なら狙撃する場所はいくつかに限られる。
そこに僕達が張っていたら案の定のこのこマヌケが来た。
「お子様は帰ってご飯を食べる時間じゃないか?」
そう言って拳銃をこっちに向ける。
すぐに発砲しないのが舐めてる証拠だ。
どうして僕が片腕を背中に隠していたか理解していなかったようだ。
素早く僕は銃を撃つ。
脅しじゃない。
先に手を出したからには一切容赦する必要がないと片桐君が言っていた。
だから容赦なく相手の肩を狙った。
ゴム弾なんて生易しいもので済ませるわけがない。
突然撃たれて訳も分からず肩を押さえて膝を崩す相手。
銃を構えながら、近づくと相手の銃を蹴とばす。
「最後に言い残す事あるなら聞くけど?」
誰に伝えればいいのかは知らない。
「こんなことをしてただで済むと思ってるのか?」
こいつは馬鹿か?
恵美は「せっかくだからじっくりいたぶってあげなさい。今日は遅くなっても許してあげる」って言ってた。
「その程度の考えで僕達に手を出すから命を落とすんだ」
片桐君がこの場所を選んだ。
だからどういうリスクが発生するかくらい当たり前のように考えている。
今回はそれを全部つぶしてじっくりいたぶる。
それが今回の作戦の趣旨。
君たちは罠を張ったつもりなんだろうけど全部片桐君の予測通りに動いてるに過ぎない。
片桐君は何枚も手札を用意して自分が優位に立った状態でしか絶対に仕掛けない。
そんな事も知らずに君たちが誰を相手に喧嘩を売ったのかすら知らずにいる。
「だから、あまりうちのリーダーを馬鹿にしないで欲しいんだけど」
「ふん、どうせ殺すのにビビッて止めをさせないんだろ……!?」
僕は反対側の手首を目掛けて撃った。
当たり前だけどサプレッサーくらいはつけてある。
今は夜だしこんな場所誰も見ていない。
「さっき言ったはずだけど?あんまり舐めないでください」
すぐに殺したら面白くない。
「ところで質問だけど君たちの国には自分が銃を持っていて相手が持っていないと思うのが常識なの?」
「この国の人間が銃を所持しているのは普通なのか?」
「まあ、普通は持ってないね?でも君たちはそうじゃないんだろ?」
それは油断って言うんじゃないのか?
僕達を舐めてる証拠だよ。
まあ、今更そんな話をしたところでもう遅い。
大人しくそこで命運尽きるのを待つといいよ。
しばらくたって彼は何も言わなくなった。
僕は待機していた護衛に合図すると、何も言わずに彼を運んで行った。
僕も舞台に急がないと。
(4)
「準備に時間がかかったの?随分遅刻じゃないか?」
遅刻しておいてその表情はひどすぎないか?
目の前にいる黄帝竜の頭の林美帆はこちらを睨みつけていた。
「平和ボケした国の住民にしては随分な挨拶ね?」
「そうかい?こう見えて我慢してるんだけどね」
女性は遅刻してもいい。
そんな文化がこの国にはあるんだ。
「随分な態度だな。お前が片桐冬夜か?」
「そうだよ、初めまして。林美帆だったかな?」
「その油断がお前の命取りだ。噂ほど大した奴じゃなかったみたいだね」
そう言って彼女が何かをしようとする前に僕は行動した。
言ったろ?
先手必勝っていうくらいの準備はしてるんだ。
「油断?何のこと?これは余裕っていうんだ」
僕の事を何も調べてないのか?
そんな事を考えているうちに美帆は地面に倒れた。
支える物がないから当たり前だ。
「お前ら一体何者だ?」
美帆が僕を憎々しげに僕を見上げる。
「そんな事も知らないで喧嘩売ってきたの?お前の国はそんなマヌケばかりなのか?」
忠告を受け取らなかったのか?
一人でのこのこ来た結果そのザマだ。
いい気味だな。
「私を潰してもお前らを付け狙う奴なんてごまんといるぞ」
「だろうね。だからお前に来てもらったんだ」
「なんだと?」
すると男の集団がやってきた。
「片桐さんですか?」
「ってことは君が勝次か?」
「はい……で、この女が話てた奴ですか?」
「ああ、女と言っていいかわからないけど大丈夫かな?」
「俺も屑でしたからね。同じような屑とつながらいくらいあるんです」
とりあえず穴があればどうでもいいというどうしようもない変態ともつながりがある。
勝次はそう言って笑う。
SHはこういう闇の部分とつながりがない。
なくてもいい。
それは江口家や志水家が請け負ってくれる。
僕は美帆を見て告げる。
「お前、まさかただ死ねると思ってないよな?」
「どういう意味だ」
「そのまんまの意味だよ」
ただ殺すんじゃ俺の気が済まない。
生き地獄を味合わせてじっくり嬲って殺してやる。
「先輩、場所はここでやっていいんですか?」
勝次の仲間が勝次に聞くと、勝次は俺の顔を見た。
「心配するな根回ししてる。他の火災現場で手一杯だから警官が駆けつけたりはしないよ」
「了解っす」
そう言うと男たちは美帆に近づく。
「片桐君や、そっちはどうだい?」
「遅くなってすいません……ってあれ片桐君がしたの?」
「まあね、さすがに刀を持ちだしたらやばいと思ったから」
「それを言ったら僕達もっとやばい物持ってるんですけど」
「それは結莉達でも持ってるんだろ?」
「……それもそうですね」
酒井君や石原君と話している間美帆の悲鳴が聞こえる。
「助けて!!」
そんな言葉が聞こえたので美帆を睨みつけて言った。
「そうやって命乞いをしたたくさんの人にお前は何をした?」
「まだしゃべる余裕があるんだな?その余裕を消してやるよ」
そう言って容赦なく襲い掛かる勝次の仲間に告げた。
「急がないとどのみちそのままだとそんなに長く生きてないから」
「了解っす!」
あんなもの相手に欲情できる人間もいるんだな。
「すごいですね」
石原君が言ってた。
「僕があんな女性と夜を過ごしたなんて晶ちゃんに知れたら、僕があの女のようになりますよ」
酒井君が笑って言う。
「じゃ、さよなら。先に帰るね。楽しい最後の夜を過ごせ」
そう言って家に帰ることにした。
家に帰ると愛莉がやってきて僕の匂いを嗅いでる。
そして……。
ぽかっ
なんで?
「だって女の人と一緒にいたのなら香水の匂いくらいすると思ったんです」
なのに匂いがしないということは体を洗ったという事だと愛莉は主張する。
「美帆には触ってすらいないから安心して」
「そうですか。じゃあご飯にしましょ?みんなお腹空かせて待ってますよ」
そう言って日常の家庭に帰ってくる。
これで終わったなんて思っていない。
これはただの挨拶だ。
俺たちに手を出すなという警告。
それでもまだ仕掛けてくるなら容赦しない。
待っているのは惨たらしい死だけだ。
2学期が始まった。
修学旅行が控えている。
学園祭とか面倒臭い行事は無視。
崇博と歩美も父親が事件に巻き込まれたけど、落ち着いてレースに挑んでる。
イライラを発散させているそうだ。
父さんたちが何を企んでいるのかは知らない。
だけど普段は温厚な父さんがものすごく怒ってた。
母さんはそれを鎮めるので精いっぱい。
だから俺達は不要な事件を起こすわけにはいかない。
今回の報復は父さんたちに任せる。
俺たちは手を出すな。
それが空の指示だった。
「あれからどうなの?歩美」
莉子が聞いていた。
「本当に瀕死だったの?ってくらい元気みたい」
歩美はため息をついていた。
「誠君いい加減にしないと神奈に言いつけるよ!」
「ちょっと同じ病院の女の子の話し相手になってただけだぞ」
「神奈って誰?」
その話相手の子が聞くと「言っとくけどこいつ妻子持ちだよ。もう孫もいるの」と亜依さんが説明する。
「ごめん。私不倫とか興味ないから」
そう言って相手は去っていく。
当然歩美が知ってるって事は神奈さんも知っている。
「お前は死ぬ寸前までいってもその馬鹿は治らないのか!?」
神奈さんが怒っていたらしい。
「だってやることないんだよ」
「だからって不倫する馬鹿がどこにいるんだ!?」
奥さんが重傷の時に看護師と不倫した音楽家ならいたけど。
父さんも神奈さんを庇って刺された時があるらしい。
意識を取り戻すと病院の飯がまずいと不満をこぼしていた。
それで親や愛莉がいない時にこっそり売店でお菓子を大量に買っていたらしい。
「冬夜君は私が見てないとダメだね」
そう言って毎日病院に通っていたらしい。
多分似たようなもんなんだろう。
学校に着くと教室に入って話をしていると沖田浩二がやってきた。
リベリオンの人間だ。
大体何を言いに来たのか想像ついたので放っておいた。
相手にするだけ無駄だ。
しかしこの馬鹿はどうも鈍いらしい。
歩美ですら睨みつけているのに気づいてないらしい。
「夏休みは楽しめたかい?」
立ち上がろうとする崇博の肩を善斗が宥める。
「ああ、楽しかったよ。お前らは相変わらずしょうもない事企んでたのか?」
復讐なんてもんがそんなに楽しい根暗なのか?お前らは。
「そうかい。じゃあ、2学期も楽しませてあげるよ」
「あ、そう。まあ思うようにするといいよ」
「……さすが人の家を地獄に突き落として平然としていられる奴らは違うね」
「お前さ、勘違いしてないか?」
「なんだと?」
沖田が反応した。
俺は構わず続ける。
「一つ忠告しておいてやるよ。今の俺たちがいるのは少なからず何かの犠牲の上に立っているんだ」
高校に入学した時からそんなもん分かり切ってる。
合格する奴と不合格な奴。
この先大学に行っても就職する時も、他人よりも優れているところをアピールして生きていくんだ。
兄の冬吾だってライバルからポジションを奪い取ってる。
お前のせいだ。
そうじゃない。
自分が実力不足なのを他人のせいにしているだけだ。
甘えるのも大概にしろ。
失くしたままでいたくないのなら這い上がる努力をしろ。
うずくまってただ勝者を恨んでいるなんて惨めなだけだぞ。
知っているか?
お前日本で育っていないから知らないのかもしれないな。
なら教えてやるよ。
「今のお前の姿を日本では負け犬って言うんだ」
「冬眞、ちょっと言いすぎ」
莉子がそう言う。
「……俺をあまり舐めるなよ?この場で八つ裂きにしてやってもいいんだぞ?」
「出来るもんならしてみろ?ただし条件がある」
俺たちは空の制御でお前らに手を下すことはできない。
だがうっとうしい真似をしたら潰してやれと言われてる。
マヌケが勝手に自殺したいならそうしろ。
「冬眞!危ない」
こいつの能力は皆知ってる。
どうせ頭上に刃物でも生成したんだろ。
先に動いた方が不利だっていい加減猿でも理解するぞ?
俺は表情を変えずに冷静に一言言った。
「ありえない」
すると皆が驚いた。
ひとつ残らず全部消え去ったのだから。
だから俺の前ではどんな能力も関係ない。
通常ありえない事はすべて消し去る力。
もちろん日常生活でそんな能力に気づくはずがない。
気づいたのは結が俺を見てから言った。
「冬眞にも能力あるんだな」
結は正確に俺の力を見抜いて教えてくれた。
で、起きたことが理解できない沖田に言う。
「どうした?喧嘩売ってるんだろ?」
もうすぐ先生が来る。
さっさと地獄に返送してやるから来いよ。
沖田は憎々しげに俺を睨みながら席に戻って行った。
「能力が使えないと戦えない情けない奴がいちいち粉まいてくるんじゃねーよ」
少なくとも菫たちより上の連中はそんな力使わずに己の体一つで勝負してるんだ。
そんな臆病者の相手なんかしてられるか。
あ、一つ忘れてた。
「おい!沖田!」
俺は沖田に向かって言った。
「お前が遊んで欲しいなら遊んでやる。その代わりお前の親に言っとけ」
お前らは相手にしたらいけないグループを刺激した。
それは父さんの怒りを買った。
お前ら国外逃亡の準備くらいしとけ。
渡辺班の報復は俺達なんかよりよっぽど過激だぞ。
地元に居ることが出来ると思うな。
お前は卒業する前に机の上に花瓶が置かれても不思議じゃないぞ。
沖田は聞いていたのかどうか知らないけど、何も返さなかった。
「冬眞、サンキュー」
「いいよ。空が家燃やされた時はモスクワが倒壊した」
父さんたちの報復はそれ以上の何かを仕掛けてくるだろう。
だけど空が不思議な事を言っていた。
「父さんのやり方は多分SHとは違うと思う」
もっと残酷な結末を考えているはずだと言っていた。
だけどそのやり方は誰にも分からなかった。
(2)
「それじゃ、乾杯」
渡辺君が言うとパーティが始まる。
今日は如月グループがついに手を明かした。
志水グループと江口グループに白鳥グループ。
4大企業がジハードとかいう愚かな連中に反抗の意思を露わにした。
如月グループは衛星の打ち上げを成功させた。
打ち上げする場所がどこにあったのかはちゃんと説明できる。
それは地元空港。
もちろん空港で打ち上げをしたわけじゃない。
シャトルである程度の高度まで衛星を運んで空中からロケットを打つやり方。
水平型打ち上げと呼ばれるやり方。
報道関係者には「気象衛星」と伝えてあるが、この最悪の企業群がそんな生易しい物打ち上げるわけがない。
その警告をすでにリベリオンの主導者神谷十郎宛てに送りつけていた。
衛星から撮影したジハードの関係者の航空写真。
「その気になったらいつでもやるからな」
そんなメッセージ。
衛星を打ち上げて常に見張っているぞ。
そして衛星を打ち上げるほどの精度で攻撃できる。
ロケットの代わりにミサイルぶっ放してもいいよ。
そんな警告を彼らに送っていた。
いつもなら仕掛けてくるところを抑えるやり方をとる片桐君だけど、今回は彼らが愚かなことをしてくれた。
多田君を襲った。
ご丁寧に背中に青龍刀を突き立てていたらしい。
「そんなに死にたいならさっさと殺してやる」
晶ちゃんと恵美さんの怒りを買った。
しかし地元に核兵器なんて撃ったら僕達だって無事じゃないことくらいは晶ちゃんでもわかっている。
だから多田君を襲った黄帝竜に的を絞った。
世界中に「あきらっきー46」を撃ちまくることもできるけど片桐君が止めた。
「核はだめだ」
そんな優しい言葉じゃない。
「まずはリーダーを捕まえる。どこに居ようと必ず捕まえる」
組織を壊滅くらいでは気が済まない。
自分たちの手で直接手を下す。
片桐君はそう言っていた。
「つ、捕まえてどうするんですか?」
石原君が聞くと片桐君はにこりと笑った。
「そんなの聞くまでもないだろ?」
片桐君が殺すと言った以上、相手の死は絶対だ。
あとはどうやって殺すか?
「学たちは言ってるんだ。空の王の手を煩わせるまでもない」
だから始末するのは江口家と志水家の実行部隊。
そう思っていた。
だけど片桐君は言う。
「ただ殺すだけじゃ面白くないだろ?」
ただそれだけ言っていた。
その方法を聞いて僕は背筋が凍ったね。
普段は温厚な片桐君をここまで怒らせたんだ。
晶ちゃん達の怒りよりも怖い物があるよ。
絶対にやっちゃいけない事をやってしまった。
同情はするけど庇うつもりはないよ。
的が僕達に変わってしまう。
「でも大丈夫なの?」
「しくじるつもりはない」
恵美さんが聞くと片桐君が答えた。
「トーヤ、絶対に忘れるな。お前には愛莉たちがいるんだ」
神奈さんが念を押す。
「だからだよ。こんな馬鹿に一々付き合うのも面倒だから一回だけ相手してやる」
「気をつけろよ。相手はプロなんだろ?」
「それって遠慮はしなくていいって事だろ?」
ただし今回は男性だけでやる。
女性に見せていい物じゃないから。
「うぅ……」
愛莉さんが悩んでいる。
多分、そんなことを私以外の女性にするの?って意味でだろう。
だから片桐君も笑った。
「やるのは僕達じゃない。心配しないで」
そんな話をしていると歩美の声が聞こえてくる。
「パパダメ!まだ退院して間もないんだよ!」
「入院してる間飲んでないんだから少しくらいいいだろ?」
娘に注意されている多田君。
君もある意味タフだね。
「誠の言うとおりだぜ!今日は誠の退院祝いだ、俺達を止める物はない!」
「お前もいい加減にしろ!瑛大!」
「多田君、大人しくしてないと次何かあったら実習生の解体の練習に使わせてもらうわよ?」
さりげなく恐ろしいことを口にする深雪さん。
さすがに多田君も恐れたらしい。
大人しくジュースを飲んでいた。
「で、冬夜。どんなリベンジするんだ?」
「こんなあいさつがあるらしいよ」
片桐君は表情を変えずに言った。
こんばんは、そしてさようなら。
(3)
「意外と遅かったですね、それに堂々としすぎだ。ここは日本だよ」
そんなもの持っていて警察が大人しくしてるわけないよ?
目の前に現れた標的にそう言っていた。
片桐君は黄帝竜の頭が地元に乗り込んでいることも、頭が女性だということもしっかり把握していた。
その上で頭に向かってメッセージを送った。
「今度の週末一緒にお話でもしませんか?」
そんなラブレター。
当然のように愛莉さんに怒られたらしい。
もちろん場所もしっかり考えていた。
府内町の公園なら狙撃する場所はいくつかに限られる。
そこに僕達が張っていたら案の定のこのこマヌケが来た。
「お子様は帰ってご飯を食べる時間じゃないか?」
そう言って拳銃をこっちに向ける。
すぐに発砲しないのが舐めてる証拠だ。
どうして僕が片腕を背中に隠していたか理解していなかったようだ。
素早く僕は銃を撃つ。
脅しじゃない。
先に手を出したからには一切容赦する必要がないと片桐君が言っていた。
だから容赦なく相手の肩を狙った。
ゴム弾なんて生易しいもので済ませるわけがない。
突然撃たれて訳も分からず肩を押さえて膝を崩す相手。
銃を構えながら、近づくと相手の銃を蹴とばす。
「最後に言い残す事あるなら聞くけど?」
誰に伝えればいいのかは知らない。
「こんなことをしてただで済むと思ってるのか?」
こいつは馬鹿か?
恵美は「せっかくだからじっくりいたぶってあげなさい。今日は遅くなっても許してあげる」って言ってた。
「その程度の考えで僕達に手を出すから命を落とすんだ」
片桐君がこの場所を選んだ。
だからどういうリスクが発生するかくらい当たり前のように考えている。
今回はそれを全部つぶしてじっくりいたぶる。
それが今回の作戦の趣旨。
君たちは罠を張ったつもりなんだろうけど全部片桐君の予測通りに動いてるに過ぎない。
片桐君は何枚も手札を用意して自分が優位に立った状態でしか絶対に仕掛けない。
そんな事も知らずに君たちが誰を相手に喧嘩を売ったのかすら知らずにいる。
「だから、あまりうちのリーダーを馬鹿にしないで欲しいんだけど」
「ふん、どうせ殺すのにビビッて止めをさせないんだろ……!?」
僕は反対側の手首を目掛けて撃った。
当たり前だけどサプレッサーくらいはつけてある。
今は夜だしこんな場所誰も見ていない。
「さっき言ったはずだけど?あんまり舐めないでください」
すぐに殺したら面白くない。
「ところで質問だけど君たちの国には自分が銃を持っていて相手が持っていないと思うのが常識なの?」
「この国の人間が銃を所持しているのは普通なのか?」
「まあ、普通は持ってないね?でも君たちはそうじゃないんだろ?」
それは油断って言うんじゃないのか?
僕達を舐めてる証拠だよ。
まあ、今更そんな話をしたところでもう遅い。
大人しくそこで命運尽きるのを待つといいよ。
しばらくたって彼は何も言わなくなった。
僕は待機していた護衛に合図すると、何も言わずに彼を運んで行った。
僕も舞台に急がないと。
(4)
「準備に時間がかかったの?随分遅刻じゃないか?」
遅刻しておいてその表情はひどすぎないか?
目の前にいる黄帝竜の頭の林美帆はこちらを睨みつけていた。
「平和ボケした国の住民にしては随分な挨拶ね?」
「そうかい?こう見えて我慢してるんだけどね」
女性は遅刻してもいい。
そんな文化がこの国にはあるんだ。
「随分な態度だな。お前が片桐冬夜か?」
「そうだよ、初めまして。林美帆だったかな?」
「その油断がお前の命取りだ。噂ほど大した奴じゃなかったみたいだね」
そう言って彼女が何かをしようとする前に僕は行動した。
言ったろ?
先手必勝っていうくらいの準備はしてるんだ。
「油断?何のこと?これは余裕っていうんだ」
僕の事を何も調べてないのか?
そんな事を考えているうちに美帆は地面に倒れた。
支える物がないから当たり前だ。
「お前ら一体何者だ?」
美帆が僕を憎々しげに僕を見上げる。
「そんな事も知らないで喧嘩売ってきたの?お前の国はそんなマヌケばかりなのか?」
忠告を受け取らなかったのか?
一人でのこのこ来た結果そのザマだ。
いい気味だな。
「私を潰してもお前らを付け狙う奴なんてごまんといるぞ」
「だろうね。だからお前に来てもらったんだ」
「なんだと?」
すると男の集団がやってきた。
「片桐さんですか?」
「ってことは君が勝次か?」
「はい……で、この女が話てた奴ですか?」
「ああ、女と言っていいかわからないけど大丈夫かな?」
「俺も屑でしたからね。同じような屑とつながらいくらいあるんです」
とりあえず穴があればどうでもいいというどうしようもない変態ともつながりがある。
勝次はそう言って笑う。
SHはこういう闇の部分とつながりがない。
なくてもいい。
それは江口家や志水家が請け負ってくれる。
僕は美帆を見て告げる。
「お前、まさかただ死ねると思ってないよな?」
「どういう意味だ」
「そのまんまの意味だよ」
ただ殺すんじゃ俺の気が済まない。
生き地獄を味合わせてじっくり嬲って殺してやる。
「先輩、場所はここでやっていいんですか?」
勝次の仲間が勝次に聞くと、勝次は俺の顔を見た。
「心配するな根回ししてる。他の火災現場で手一杯だから警官が駆けつけたりはしないよ」
「了解っす」
そう言うと男たちは美帆に近づく。
「片桐君や、そっちはどうだい?」
「遅くなってすいません……ってあれ片桐君がしたの?」
「まあね、さすがに刀を持ちだしたらやばいと思ったから」
「それを言ったら僕達もっとやばい物持ってるんですけど」
「それは結莉達でも持ってるんだろ?」
「……それもそうですね」
酒井君や石原君と話している間美帆の悲鳴が聞こえる。
「助けて!!」
そんな言葉が聞こえたので美帆を睨みつけて言った。
「そうやって命乞いをしたたくさんの人にお前は何をした?」
「まだしゃべる余裕があるんだな?その余裕を消してやるよ」
そう言って容赦なく襲い掛かる勝次の仲間に告げた。
「急がないとどのみちそのままだとそんなに長く生きてないから」
「了解っす!」
あんなもの相手に欲情できる人間もいるんだな。
「すごいですね」
石原君が言ってた。
「僕があんな女性と夜を過ごしたなんて晶ちゃんに知れたら、僕があの女のようになりますよ」
酒井君が笑って言う。
「じゃ、さよなら。先に帰るね。楽しい最後の夜を過ごせ」
そう言って家に帰ることにした。
家に帰ると愛莉がやってきて僕の匂いを嗅いでる。
そして……。
ぽかっ
なんで?
「だって女の人と一緒にいたのなら香水の匂いくらいすると思ったんです」
なのに匂いがしないということは体を洗ったという事だと愛莉は主張する。
「美帆には触ってすらいないから安心して」
「そうですか。じゃあご飯にしましょ?みんなお腹空かせて待ってますよ」
そう言って日常の家庭に帰ってくる。
これで終わったなんて思っていない。
これはただの挨拶だ。
俺たちに手を出すなという警告。
それでもまだ仕掛けてくるなら容赦しない。
待っているのは惨たらしい死だけだ。
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