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feel like dance
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(1)
「あ、俺が手伝うよ」
そう言って福士君が私の分のテントを作ってくれてた。
「ありがとう」
「いいって、こういうのは男の役割っしょ」
礼なら一緒に寝てくれたらいいよ。
相変わらずの性格みたいだけど、心配はしてなかった。
「そんなこと言って園崎さんに叱られても知らないよ」
「瞳子の言うとおりだよ。あんた付き合って一月も経ってないのに浮気企むの?」
そう言って注意するのが福士君の彼女の園崎亜希子さん。
「違うって、大体瞳子ちゃんには彼氏いるから」
「だったらなおさらダメでしょ!」
この二人を見てると誠司君が冴と付き合っていた頃を思い出す。
その冴はやっぱりさとりを誘っていなかった。
「さとりはバイトあるし」
そしてさとりには「サークルの活動だから問題ない」と伝えていた。
散々悩んだけど私の口からはさとりに伝えなかった。
SHの中では秘密にしておいたけど、冬吾君には相談していた。
「うん、瞳子が口出しすることじゃないと思うよ」
冴とさとりの問題だ。
他人が口出ししてもややこしくするだけ。
隠してる私が辛いかもしれないけど、たぶん時間が経てば経つほど苦しいのは冴だと思う。
そんな時に相談できるのは私だけだからしっかり相談に乗ってあげたらいい。
「それにしても瞳子もやっぱりモテるんだね」
いつもそばに僕がいたから気づかなかったけど。
「冬吾君も心配?」
「瞳子って結構意地悪な質問するんだね」
してないといったら、少しは心配してよと返ってくるだろうし、してると言えばきっと信頼してくれてもいいじゃないと反応する。
それもそっか。
ってことは……
「そうだね、僕は瞳子を信じてるよ」
「ありがとう、私も信じてる……だけど」
福士君が言った言葉で気になったことがある。
冬吾君だって男性だ。
当然女性を抱きたいと思う時もあるだろう。
そんな時どうするのか気になったので聞いてみた。
「それって皆そうなのかな?」
「冬吾君は違うの?」
「だって赤ちゃんじゃあるまいし、女性に抱っこってせがむ物なの?」
冬吾君らしいけど。
「その返事ってどうなの?」
「何が?」
「それが冬吾君の回答なら、冬吾君は私の事も抱きたいって思わないってことじゃない」
私に魅力ない?
「そうじゃないよ瞳子」
「どういう意味?」
「親が子供を抱きかかえるのは親の愛情なんだろ?」
僕が瞳子を抱くのは瞳子への愛情だよ。
愛情が無い人を抱く意味が分からないと冬吾君は言う。
相変わらず上手く私を喜ばせてくれる。
冬吾君のお父さんもそうだって言ってたな。
それに冬莉達も言ってた。
「片桐家の男子は皆一途だから心配しなくていい」
それに対して神奈さんは不満だったみたいだけど。
「じゃあ、どうして私に一途にならなかったんだ!トーヤが愛莉を選んだから私はこんな糞亭主掴む羽目になったんだぞ!」
「神奈の言うことよくわかる。愛莉には絶対分からない。馬鹿旦那をつかまされた私たちの不満はどこにむけたらいいの!?」
「そ、そんなこと言うなよ。俺だって亜依の事ちゃんと愛してるんだぜ」
「俺だって今でも神奈を抱きたいと思ってるんだ」
「誠が言ってもいやらしいとしか思えないのはどうしてなんだ!?」
多田夫妻と桐谷夫妻がそんな事を言ってた。
それに水奈さんとか天音さんが反応する。
「そう言うことなら私にも言わせてくれ!学は糞真面目だけど嫁の事を少しも考えてくれない!」
「水奈はその前に子供の事を少しは考えろ!」
「大地!お前も他人事だと思うなよ!海翔を産んでから全然かまってくれないじゃないか!」
「あ、天音も子供3人も世話してたら疲れてると思って」
なんせ3人が幼稚園で問題を起こして毎日のように幼稚園に通っているのだから。
これ以上子供増やすのは無理だと大地さんが言う。
「ふざけんな!あと一人は産まないと水奈に勝てないだろうが!!」
「天音、まだ勝負する気でいたんだな!?面白い受けてやるよ!」
「水奈達は子供を何だと思ってるんだ!?水奈は現状でも育児がうまくて来てないのにこれ以上はダメだ!」
学さんが水奈さんを叱っている。
しかし天音さんは納得してなかった。
「子供作らなくても、抱いてくれるくらいしてくれていいだろ!?お疲れさまと思ってるんだったら少しは労われ!それとも私に飽きたとかふざけた事言うんじゃないだろうな!?」
「そ、それはないよ」
「大地!あんたまさか天音ちゃんの相手をしてないって言うんじゃないでしょうね!?望もそうだった!」
恵美さんが介入してくる。
「天音も子供の前で話す内容かどうかくらい判断しなさい!」
愛莉さんは天音さんを注意していた。
「まあ、片桐家の男子にも欠点くらいあるってことだろうな」
渡辺さんがそうまとめていた。
今日は5月の連休を使ってキャンプに来ていた。
SHの方は育児で大変な親が多いから大学生が遊ぶにはちょっと難しい。
大体のカップルがデートに行ってる。
だから私が暇を持て余してるだろうと、冴が声をかけてきた。
「福士君が来るなら行かない」
「それなら問題ないから」
冴は福士君に彼女が出来たという。
結局誰でもよかったのだろう。
「私も瞳子に謝りたいからさ。お願い!」
冴に言われて私はやってきた。
そして男性陣がテントなどを準備している間にBBQの準備をする。
「今日は本当ありがとうね」
「いいよ。もう蒸し返すのも嫌だし」
「いやさ、実は他の男からも頼まれれてたんだよね」
「あのね、冴。私は……」
「彼女が欲しいとかじゃなくて綺麗な瞳子に参加して欲しいって言われたのよ」
女性だってイケメンを見たら舞い上がる。
私はあまり興味なかったけど。
同じように男性も私を見るだけで心が洗われるようだと言っていたらしい。
「ったく……そんな話を聞かされる彼女の事も少しは考えろってね」
そんな話を女性陣で話しながら準備していた。
準備が出来ると時間があるので、準備しておいたボールで遊んでいた。
時間になると火を起こしてご飯が炊けるの待ちながら飲み物を飲む。
「じゃ、今夜は思いっきり盛り上がろう」
サークルの代表の人が言うと乾杯してご飯や肉などをつつきながら話をしている。
BBQの後も冴は比嘉君と2人で楽しんでる。
他の男性陣は打ち上げ花火を相手に向けて楽しんでいた。
当然彼女たちに怒られる。
他の集まりでも男ってみんな同じような行動をとるんだな。
私は冬吾君と違うから花火の後にラーメンなんて無理。
だから先に寝ようかなと思ったけど、園崎さんが「ちょっと散歩しない?」って私を誘ってきた。
断る理由もなかったから一緒に夜の散歩をしていた。
「実は瞳子と話したいことがあってさ」
多分そんな事だろうと思った。
「福士君の事なら本当にもう気にしてないから」
あるとすればどうして付き合うことになったのか?
すると園崎さんが笑って答えた。
「まず一点はその事なの」
「え?」
「瞳子は一つ勘違いをしてる」
「……どういうことですか?」
「大学が遠方になったから振られた……そこまでは聞いてるんだよね?」
「はい」
その言い方だとその先があるのだろうか?
あったみたいだ。
福士君の知り合いが駅で見たらしい。
福士君の元カノが知らない男性と腕を組んで福岡に旅立とうとしていたのを。
それでその知り合いが誰?と聞いたそうだ。
この世界にもまじめに予備校なんかに通う人種がいたんだな。
彼とはそこで知り合ったらしい。
意気投合して交際を始めていたらしい。
秋頃にはそういう関係になっていたそうだ。
当然、福士君は知らなかった。
デートに誘おうにも「ごめん、予備校あるから」と断られていたみたいだ。
クリスマスにも会えなかったらしい。
それでも自分と違って難しい大学を狙っているのだからしょうがないと我慢していた。
そしてバレンタインの時には言われたらしい。
「どうせ離れ離れになるから終わりにしよう?」
散々我慢した結果がこれだ。
かなりもめたらしい。
最後にはその元カノが白状した。
「好きな人いるから。近くの大学だし」
福士君がまじめに勉強していたら。
福岡県内の大学に通っていたら避けれたかもしれないと思ったそうだ。
だけど現実はそうじゃなかった。
かなり落ち込んでいたらしい。
それで私が呼ばれた。
私の話を聞いて「そんなの無理だ」って言うのも納得した。
共感はしないけど。
「そんな事あったんですね」
「そそ、んでその後に私が紹介されてね」
福士君は私があった時と違って落ち込んでいたらしい。
「俺って女運無いのかな?」
そんな風に笑ったそうだ。
だから園崎さんも言った。
「じゃあ、私も性悪な女だって言いたいの?」
「あ、そう言うわけじゃないんだ」
「もっと前向きな人だと聞いてたんだけど、その瞳子に振られたから私に出会えたとは考えないの?」
全部運命で片づけてしまえ。
将暉は私に出会うために旅をしてきたんだ。
心配しないでも私がこれからは一緒に居てあげる。
そう言って付き合い始めたそうだ。
「ああいう男を放っておけなくてさ」
どうしてなのか?
「恋愛ってさ、きれいごとばかりじゃないんだよね」
それは、園崎さんの体験談だった。
園崎さんも高校時代に恋人がいた。
もちろん好きだから付き合っていた。
だけど園崎さんも社交的な性格。
だから他の男友達とも遊んだりする。
ただのヤキモチ妬きなら喧嘩になる。
だけど園崎さんの恋人はそうではなかった。
「やっぱり自分ではつり合いが取れないんだ」
そう言って一方的に連絡を絶ったらしい。
園崎さんは理解できなかった。
女性は彼氏以外の男子と遊んだらいけないのか?
そんな度量の狭い男ならこっちからごめんだ。
しかしそんな度量の狭い男ばっかりだったらしい。
その男友達が言い出した。
「だったら俺と付き合ってよ」
しかし園崎さんにその気はない。
唯の友達でいたい。
そう思ったのに勝手に振られたと解釈して友達も失った。
当然園崎さんも真意を見抜いていた。
「恋人なら寝ても問題ないだろ?」
そんな下心が見え見えだったそうだ。
男女の友情なんてありえない。
そんな心の持ち主が男だと思い込んでいた。
しかし福士君は違ったらしい。
「くだらない」
そう一言言ったそうだ。
初めての恋人と結婚しなきゃいけない。
その考えがくだらないと切り捨てた。
それは浮気を肯定するものではない。
高校生でそこまで束縛するなんてどうかしてる。
まだ人生の半分も生きていない。
そんな考えの持ち主じゃ仮に続いたとして社会人になったらどうするつもりだ。
「異性と2人で食事をしたら浮気」
そんな思考の持ち主もいるそうだ。
だから福士君は決して彼女の交友関係に口出ししなかった。
それでも彼女を大事にしてるつもりだった。
だけどふられた。
自分に彼女はまだ早いのか?
「俺ってこんな性格だからやっぱり無理なのかな?」
園崎さんと会った時にそんな事を言ったらしい。
「私はそうは思わない。みんなと仲良くしていただけなんでしょ?」
「俺はそのつもりだった。だけどそうは見てくれなかった」
「私を馬鹿にしてるの?私もそんな器の小さな女だと思った?」
「あ、ごめん」
「気にしなくていいよ。……分かった。将暉の不安を解消してあげる」
そう言って連絡先を交換した。
そして今は恋人として付き合っている。
永遠に続くかはわからない。
これから先どんな人と出会ってどんな恋をするのかなんて誰も決めることは出来ないから。
「……だからあまり冴の事も責めないで上げて」
「どういう意味ですか?」
「冴が瞳子には黙っていてと言われたけど、冴が今一番頼りにしてるのは瞳子だと思うから」
比嘉君と会うまでは、大学に入ってから一人だった。
SHの噂くらい冴が説明しなくても地元の人間だから知ってる。
だから冴と瞳子は共通点がある。
「それって何ですか?」
「……瞳子に聞くけど、SH以外の知り合いはいるの?」
園崎さんから言われて気づいた。
最近はバイトの仲間とかいるけど基本的にSHで行動していた。
だけど私と冴には決定的な差がある。
それは地元大にはSHの仲間がいる。
だけど冴の通う別府大学にはいない。
でもそれはさとりと一緒だから問題ないと思っていた。
しかし通う大学はさとりは違う。
そしてバイトですれ違いの生活。
そんな孤独に耐えられなかったのだろうと園崎さんは説明した。
恋愛は運命で決まることもある。
しかしそうでないときもある。
自分はどっちなのだろうかなんて誰にも分からない。
皆が強いわけじゃない。
そして冴は心が折れた。
私の相手はさとりじゃない。
そう気づいたんだろう。
だけど比嘉君とも限らない。
もっとたくさん失って、手に入れてを繰り返すことになるかもしれない。
まだ学生。
社会人になってまた変わるかもしれない。
それが人生なんだから。
保障なんてされていない。
「でも、それだとさとりはどうなるんですか?」
「残酷に聞こえるかもしれないけど冴が決意するまで仕方ないと思う」
少なくとも私達があれこれ口を出していい話ではない。
「でもどうしてそんな話を?」
「瞳子が冴の親友だって聞いたから」
たいていの事は恋人や親に相談するだろう。
だけどその恋人や親に相談できないとなったらあとは親友を頼るしかない。
実際冴だって瞳子と喧嘩して後悔していたと話してくれた。
「瞳子の価値観を否定するつもりはない。それが実現できれば素敵だと思う。むしろ応援したいくらい」
でもそんな過酷な状況に耐えられるような人間ばかりじゃないということを知ってほしい。
理解できなくても構わない。
だけどそういう意見があることを認めてあげて欲しい。
それだけで冴は安心できるから。
「分かりました」
「それじゃ、そろそろ戻ろうか?」
そう言ってテントに戻ると皆眠っていた。
私もテントに入って寝る。
人は誰もがそんなに強くないからか……。
まだ一月くらいしかたってないのにどうしようもないくらいに不安が込み上げてきた。
それでも私達は大丈夫。
そう願うしかなかった。
(2)
気づいたら瞳子と亜希子は散歩に出かけていた。
私達は花火を終えて皆で飲んでいた。
いつまでたっても戻ってこないので先に寝ることにした。
朝になって隣で寝ていた研斗が起きるのに気づいて私も起きる。
「どうしたの?」
「ちょっと朝の散歩でもしようと思って」
「ああ、私も行くからちょっと待って」
そう言って私も着替えてテントから出る。
まだ靄の濃い時間だった。
「中山さんとはどう?」
「あんまりその話に触れないようにしてる」
「まあ、それがいいだろうね」
あの事件の後研斗に言われたこと。
今の私と同じくらい苦しんでる。
それでも2人で乗り越えようとしているんだ。
だから瞳子がくじけそうになったら、それを邪魔すんじゃなくて支えてやらないといけない。
瞳子を励ましてやらないとダメだ。
だから瞳子に謝った。
「過ぎた事を考える必要ないよ」
そう瞳子に言われた。
「研斗はどう思っているの?」
「え?」
「事情はどうであれ、私がやってる事って二股でしょ?」
研斗はやっぱり不満なのだろうか?
「そう思うなら早く決めてくれって思うけどな」
研斗はそう言って笑った。
「ごめん……」
心の中ではすでに気持ちが移っている。
だけどさとりに悪いとか、さとりが可哀そうだとか屁理屈をつけて言い出せずにいる。
だけど研斗は指摘した。
「それは自己防衛でしか過ぎない」
人間誰だって悪者になりたくない。
だからそうやって悲劇のヒロインでいようとする。
そっか……。
「でも、冴のやってることが悪いとは思わない」
「どうして?」
「冴は今悩んでるから」
本当に悪い人なら悪びれもせずにどっちつかずの生活を過ごす。
それが悪いと認識してるから苦しんでるんだろ?
「それで私がさとりを選んだらどうするの?」
「あきらめるさ」
あっさりと答えて研斗は笑った。
自分の役割は冴を支える事。
冴が寂しさで震えないようにそばにいる事。
その代役をさとりが出来るなら自分の役目は終わり。
「研斗は私のこと好きなの?」
「好きだから力になってる」
でも好きだから付き合えるというわけじゃない。
私にも私の事情がある。
だから今は見守っているだけ。
そんな話をしながら湖畔を一周すると皆が朝ご飯を作っていた。
朝ごはんを食べ終わると片づける。
その時に瞳子に言われた。
「ごめん、冴の気持ち気づいてやれなかった」
昨夜亜希子に何か言われたのだろうか?
「亜希子と何話していたの?」
「冴の事色々聞いた」
SHにも秘密にしていた私の事情。
「心配しないで。SHに知らせるつもりはないから」
「ありがとう」
「でも一つだけ言わせて」
寂しいと思う気持ちも分かる。
そばにいる人にすがる気持ちも理解した。
でもそれでも……。
「いつまでも今の状態を続けるのはやっぱりよくないと思う」
そんな事をしていたら両方とも失ってしまうかもしれない。
人がどれだけ不安を感じて安定を求めるのかは冴がよくわかってるんじゃないの。
「うん……」
「おーい、あとは食器とか積むだけなんだけど」
「はーい」
そんなやりとりをして早く洗って車に積む。
「じゃ、またね」
「……いいの?」
私が聞くと瞳子は笑った。
「ナンパされるのは勘弁してほしい」
家に帰るとさとりはSHの皆と合宿に行っていた。
心を満たしてくれる恋愛感情。
それだけじゃ満たされない愛情。
私はどっちにそれを求めたらいいのだろう?
そう悩んでいたけど、本当は決まっていたのだろう。
研斗に体を許したその日から。
だったら早く伝えた方がいいんじゃないか?
だけどそんな事を伝えられずにただ毎日が続いてた。
「あ、俺が手伝うよ」
そう言って福士君が私の分のテントを作ってくれてた。
「ありがとう」
「いいって、こういうのは男の役割っしょ」
礼なら一緒に寝てくれたらいいよ。
相変わらずの性格みたいだけど、心配はしてなかった。
「そんなこと言って園崎さんに叱られても知らないよ」
「瞳子の言うとおりだよ。あんた付き合って一月も経ってないのに浮気企むの?」
そう言って注意するのが福士君の彼女の園崎亜希子さん。
「違うって、大体瞳子ちゃんには彼氏いるから」
「だったらなおさらダメでしょ!」
この二人を見てると誠司君が冴と付き合っていた頃を思い出す。
その冴はやっぱりさとりを誘っていなかった。
「さとりはバイトあるし」
そしてさとりには「サークルの活動だから問題ない」と伝えていた。
散々悩んだけど私の口からはさとりに伝えなかった。
SHの中では秘密にしておいたけど、冬吾君には相談していた。
「うん、瞳子が口出しすることじゃないと思うよ」
冴とさとりの問題だ。
他人が口出ししてもややこしくするだけ。
隠してる私が辛いかもしれないけど、たぶん時間が経てば経つほど苦しいのは冴だと思う。
そんな時に相談できるのは私だけだからしっかり相談に乗ってあげたらいい。
「それにしても瞳子もやっぱりモテるんだね」
いつもそばに僕がいたから気づかなかったけど。
「冬吾君も心配?」
「瞳子って結構意地悪な質問するんだね」
してないといったら、少しは心配してよと返ってくるだろうし、してると言えばきっと信頼してくれてもいいじゃないと反応する。
それもそっか。
ってことは……
「そうだね、僕は瞳子を信じてるよ」
「ありがとう、私も信じてる……だけど」
福士君が言った言葉で気になったことがある。
冬吾君だって男性だ。
当然女性を抱きたいと思う時もあるだろう。
そんな時どうするのか気になったので聞いてみた。
「それって皆そうなのかな?」
「冬吾君は違うの?」
「だって赤ちゃんじゃあるまいし、女性に抱っこってせがむ物なの?」
冬吾君らしいけど。
「その返事ってどうなの?」
「何が?」
「それが冬吾君の回答なら、冬吾君は私の事も抱きたいって思わないってことじゃない」
私に魅力ない?
「そうじゃないよ瞳子」
「どういう意味?」
「親が子供を抱きかかえるのは親の愛情なんだろ?」
僕が瞳子を抱くのは瞳子への愛情だよ。
愛情が無い人を抱く意味が分からないと冬吾君は言う。
相変わらず上手く私を喜ばせてくれる。
冬吾君のお父さんもそうだって言ってたな。
それに冬莉達も言ってた。
「片桐家の男子は皆一途だから心配しなくていい」
それに対して神奈さんは不満だったみたいだけど。
「じゃあ、どうして私に一途にならなかったんだ!トーヤが愛莉を選んだから私はこんな糞亭主掴む羽目になったんだぞ!」
「神奈の言うことよくわかる。愛莉には絶対分からない。馬鹿旦那をつかまされた私たちの不満はどこにむけたらいいの!?」
「そ、そんなこと言うなよ。俺だって亜依の事ちゃんと愛してるんだぜ」
「俺だって今でも神奈を抱きたいと思ってるんだ」
「誠が言ってもいやらしいとしか思えないのはどうしてなんだ!?」
多田夫妻と桐谷夫妻がそんな事を言ってた。
それに水奈さんとか天音さんが反応する。
「そう言うことなら私にも言わせてくれ!学は糞真面目だけど嫁の事を少しも考えてくれない!」
「水奈はその前に子供の事を少しは考えろ!」
「大地!お前も他人事だと思うなよ!海翔を産んでから全然かまってくれないじゃないか!」
「あ、天音も子供3人も世話してたら疲れてると思って」
なんせ3人が幼稚園で問題を起こして毎日のように幼稚園に通っているのだから。
これ以上子供増やすのは無理だと大地さんが言う。
「ふざけんな!あと一人は産まないと水奈に勝てないだろうが!!」
「天音、まだ勝負する気でいたんだな!?面白い受けてやるよ!」
「水奈達は子供を何だと思ってるんだ!?水奈は現状でも育児がうまくて来てないのにこれ以上はダメだ!」
学さんが水奈さんを叱っている。
しかし天音さんは納得してなかった。
「子供作らなくても、抱いてくれるくらいしてくれていいだろ!?お疲れさまと思ってるんだったら少しは労われ!それとも私に飽きたとかふざけた事言うんじゃないだろうな!?」
「そ、それはないよ」
「大地!あんたまさか天音ちゃんの相手をしてないって言うんじゃないでしょうね!?望もそうだった!」
恵美さんが介入してくる。
「天音も子供の前で話す内容かどうかくらい判断しなさい!」
愛莉さんは天音さんを注意していた。
「まあ、片桐家の男子にも欠点くらいあるってことだろうな」
渡辺さんがそうまとめていた。
今日は5月の連休を使ってキャンプに来ていた。
SHの方は育児で大変な親が多いから大学生が遊ぶにはちょっと難しい。
大体のカップルがデートに行ってる。
だから私が暇を持て余してるだろうと、冴が声をかけてきた。
「福士君が来るなら行かない」
「それなら問題ないから」
冴は福士君に彼女が出来たという。
結局誰でもよかったのだろう。
「私も瞳子に謝りたいからさ。お願い!」
冴に言われて私はやってきた。
そして男性陣がテントなどを準備している間にBBQの準備をする。
「今日は本当ありがとうね」
「いいよ。もう蒸し返すのも嫌だし」
「いやさ、実は他の男からも頼まれれてたんだよね」
「あのね、冴。私は……」
「彼女が欲しいとかじゃなくて綺麗な瞳子に参加して欲しいって言われたのよ」
女性だってイケメンを見たら舞い上がる。
私はあまり興味なかったけど。
同じように男性も私を見るだけで心が洗われるようだと言っていたらしい。
「ったく……そんな話を聞かされる彼女の事も少しは考えろってね」
そんな話を女性陣で話しながら準備していた。
準備が出来ると時間があるので、準備しておいたボールで遊んでいた。
時間になると火を起こしてご飯が炊けるの待ちながら飲み物を飲む。
「じゃ、今夜は思いっきり盛り上がろう」
サークルの代表の人が言うと乾杯してご飯や肉などをつつきながら話をしている。
BBQの後も冴は比嘉君と2人で楽しんでる。
他の男性陣は打ち上げ花火を相手に向けて楽しんでいた。
当然彼女たちに怒られる。
他の集まりでも男ってみんな同じような行動をとるんだな。
私は冬吾君と違うから花火の後にラーメンなんて無理。
だから先に寝ようかなと思ったけど、園崎さんが「ちょっと散歩しない?」って私を誘ってきた。
断る理由もなかったから一緒に夜の散歩をしていた。
「実は瞳子と話したいことがあってさ」
多分そんな事だろうと思った。
「福士君の事なら本当にもう気にしてないから」
あるとすればどうして付き合うことになったのか?
すると園崎さんが笑って答えた。
「まず一点はその事なの」
「え?」
「瞳子は一つ勘違いをしてる」
「……どういうことですか?」
「大学が遠方になったから振られた……そこまでは聞いてるんだよね?」
「はい」
その言い方だとその先があるのだろうか?
あったみたいだ。
福士君の知り合いが駅で見たらしい。
福士君の元カノが知らない男性と腕を組んで福岡に旅立とうとしていたのを。
それでその知り合いが誰?と聞いたそうだ。
この世界にもまじめに予備校なんかに通う人種がいたんだな。
彼とはそこで知り合ったらしい。
意気投合して交際を始めていたらしい。
秋頃にはそういう関係になっていたそうだ。
当然、福士君は知らなかった。
デートに誘おうにも「ごめん、予備校あるから」と断られていたみたいだ。
クリスマスにも会えなかったらしい。
それでも自分と違って難しい大学を狙っているのだからしょうがないと我慢していた。
そしてバレンタインの時には言われたらしい。
「どうせ離れ離れになるから終わりにしよう?」
散々我慢した結果がこれだ。
かなりもめたらしい。
最後にはその元カノが白状した。
「好きな人いるから。近くの大学だし」
福士君がまじめに勉強していたら。
福岡県内の大学に通っていたら避けれたかもしれないと思ったそうだ。
だけど現実はそうじゃなかった。
かなり落ち込んでいたらしい。
それで私が呼ばれた。
私の話を聞いて「そんなの無理だ」って言うのも納得した。
共感はしないけど。
「そんな事あったんですね」
「そそ、んでその後に私が紹介されてね」
福士君は私があった時と違って落ち込んでいたらしい。
「俺って女運無いのかな?」
そんな風に笑ったそうだ。
だから園崎さんも言った。
「じゃあ、私も性悪な女だって言いたいの?」
「あ、そう言うわけじゃないんだ」
「もっと前向きな人だと聞いてたんだけど、その瞳子に振られたから私に出会えたとは考えないの?」
全部運命で片づけてしまえ。
将暉は私に出会うために旅をしてきたんだ。
心配しないでも私がこれからは一緒に居てあげる。
そう言って付き合い始めたそうだ。
「ああいう男を放っておけなくてさ」
どうしてなのか?
「恋愛ってさ、きれいごとばかりじゃないんだよね」
それは、園崎さんの体験談だった。
園崎さんも高校時代に恋人がいた。
もちろん好きだから付き合っていた。
だけど園崎さんも社交的な性格。
だから他の男友達とも遊んだりする。
ただのヤキモチ妬きなら喧嘩になる。
だけど園崎さんの恋人はそうではなかった。
「やっぱり自分ではつり合いが取れないんだ」
そう言って一方的に連絡を絶ったらしい。
園崎さんは理解できなかった。
女性は彼氏以外の男子と遊んだらいけないのか?
そんな度量の狭い男ならこっちからごめんだ。
しかしそんな度量の狭い男ばっかりだったらしい。
その男友達が言い出した。
「だったら俺と付き合ってよ」
しかし園崎さんにその気はない。
唯の友達でいたい。
そう思ったのに勝手に振られたと解釈して友達も失った。
当然園崎さんも真意を見抜いていた。
「恋人なら寝ても問題ないだろ?」
そんな下心が見え見えだったそうだ。
男女の友情なんてありえない。
そんな心の持ち主が男だと思い込んでいた。
しかし福士君は違ったらしい。
「くだらない」
そう一言言ったそうだ。
初めての恋人と結婚しなきゃいけない。
その考えがくだらないと切り捨てた。
それは浮気を肯定するものではない。
高校生でそこまで束縛するなんてどうかしてる。
まだ人生の半分も生きていない。
そんな考えの持ち主じゃ仮に続いたとして社会人になったらどうするつもりだ。
「異性と2人で食事をしたら浮気」
そんな思考の持ち主もいるそうだ。
だから福士君は決して彼女の交友関係に口出ししなかった。
それでも彼女を大事にしてるつもりだった。
だけどふられた。
自分に彼女はまだ早いのか?
「俺ってこんな性格だからやっぱり無理なのかな?」
園崎さんと会った時にそんな事を言ったらしい。
「私はそうは思わない。みんなと仲良くしていただけなんでしょ?」
「俺はそのつもりだった。だけどそうは見てくれなかった」
「私を馬鹿にしてるの?私もそんな器の小さな女だと思った?」
「あ、ごめん」
「気にしなくていいよ。……分かった。将暉の不安を解消してあげる」
そう言って連絡先を交換した。
そして今は恋人として付き合っている。
永遠に続くかはわからない。
これから先どんな人と出会ってどんな恋をするのかなんて誰も決めることは出来ないから。
「……だからあまり冴の事も責めないで上げて」
「どういう意味ですか?」
「冴が瞳子には黙っていてと言われたけど、冴が今一番頼りにしてるのは瞳子だと思うから」
比嘉君と会うまでは、大学に入ってから一人だった。
SHの噂くらい冴が説明しなくても地元の人間だから知ってる。
だから冴と瞳子は共通点がある。
「それって何ですか?」
「……瞳子に聞くけど、SH以外の知り合いはいるの?」
園崎さんから言われて気づいた。
最近はバイトの仲間とかいるけど基本的にSHで行動していた。
だけど私と冴には決定的な差がある。
それは地元大にはSHの仲間がいる。
だけど冴の通う別府大学にはいない。
でもそれはさとりと一緒だから問題ないと思っていた。
しかし通う大学はさとりは違う。
そしてバイトですれ違いの生活。
そんな孤独に耐えられなかったのだろうと園崎さんは説明した。
恋愛は運命で決まることもある。
しかしそうでないときもある。
自分はどっちなのだろうかなんて誰にも分からない。
皆が強いわけじゃない。
そして冴は心が折れた。
私の相手はさとりじゃない。
そう気づいたんだろう。
だけど比嘉君とも限らない。
もっとたくさん失って、手に入れてを繰り返すことになるかもしれない。
まだ学生。
社会人になってまた変わるかもしれない。
それが人生なんだから。
保障なんてされていない。
「でも、それだとさとりはどうなるんですか?」
「残酷に聞こえるかもしれないけど冴が決意するまで仕方ないと思う」
少なくとも私達があれこれ口を出していい話ではない。
「でもどうしてそんな話を?」
「瞳子が冴の親友だって聞いたから」
たいていの事は恋人や親に相談するだろう。
だけどその恋人や親に相談できないとなったらあとは親友を頼るしかない。
実際冴だって瞳子と喧嘩して後悔していたと話してくれた。
「瞳子の価値観を否定するつもりはない。それが実現できれば素敵だと思う。むしろ応援したいくらい」
でもそんな過酷な状況に耐えられるような人間ばかりじゃないということを知ってほしい。
理解できなくても構わない。
だけどそういう意見があることを認めてあげて欲しい。
それだけで冴は安心できるから。
「分かりました」
「それじゃ、そろそろ戻ろうか?」
そう言ってテントに戻ると皆眠っていた。
私もテントに入って寝る。
人は誰もがそんなに強くないからか……。
まだ一月くらいしかたってないのにどうしようもないくらいに不安が込み上げてきた。
それでも私達は大丈夫。
そう願うしかなかった。
(2)
気づいたら瞳子と亜希子は散歩に出かけていた。
私達は花火を終えて皆で飲んでいた。
いつまでたっても戻ってこないので先に寝ることにした。
朝になって隣で寝ていた研斗が起きるのに気づいて私も起きる。
「どうしたの?」
「ちょっと朝の散歩でもしようと思って」
「ああ、私も行くからちょっと待って」
そう言って私も着替えてテントから出る。
まだ靄の濃い時間だった。
「中山さんとはどう?」
「あんまりその話に触れないようにしてる」
「まあ、それがいいだろうね」
あの事件の後研斗に言われたこと。
今の私と同じくらい苦しんでる。
それでも2人で乗り越えようとしているんだ。
だから瞳子がくじけそうになったら、それを邪魔すんじゃなくて支えてやらないといけない。
瞳子を励ましてやらないとダメだ。
だから瞳子に謝った。
「過ぎた事を考える必要ないよ」
そう瞳子に言われた。
「研斗はどう思っているの?」
「え?」
「事情はどうであれ、私がやってる事って二股でしょ?」
研斗はやっぱり不満なのだろうか?
「そう思うなら早く決めてくれって思うけどな」
研斗はそう言って笑った。
「ごめん……」
心の中ではすでに気持ちが移っている。
だけどさとりに悪いとか、さとりが可哀そうだとか屁理屈をつけて言い出せずにいる。
だけど研斗は指摘した。
「それは自己防衛でしか過ぎない」
人間誰だって悪者になりたくない。
だからそうやって悲劇のヒロインでいようとする。
そっか……。
「でも、冴のやってることが悪いとは思わない」
「どうして?」
「冴は今悩んでるから」
本当に悪い人なら悪びれもせずにどっちつかずの生活を過ごす。
それが悪いと認識してるから苦しんでるんだろ?
「それで私がさとりを選んだらどうするの?」
「あきらめるさ」
あっさりと答えて研斗は笑った。
自分の役割は冴を支える事。
冴が寂しさで震えないようにそばにいる事。
その代役をさとりが出来るなら自分の役目は終わり。
「研斗は私のこと好きなの?」
「好きだから力になってる」
でも好きだから付き合えるというわけじゃない。
私にも私の事情がある。
だから今は見守っているだけ。
そんな話をしながら湖畔を一周すると皆が朝ご飯を作っていた。
朝ごはんを食べ終わると片づける。
その時に瞳子に言われた。
「ごめん、冴の気持ち気づいてやれなかった」
昨夜亜希子に何か言われたのだろうか?
「亜希子と何話していたの?」
「冴の事色々聞いた」
SHにも秘密にしていた私の事情。
「心配しないで。SHに知らせるつもりはないから」
「ありがとう」
「でも一つだけ言わせて」
寂しいと思う気持ちも分かる。
そばにいる人にすがる気持ちも理解した。
でもそれでも……。
「いつまでも今の状態を続けるのはやっぱりよくないと思う」
そんな事をしていたら両方とも失ってしまうかもしれない。
人がどれだけ不安を感じて安定を求めるのかは冴がよくわかってるんじゃないの。
「うん……」
「おーい、あとは食器とか積むだけなんだけど」
「はーい」
そんなやりとりをして早く洗って車に積む。
「じゃ、またね」
「……いいの?」
私が聞くと瞳子は笑った。
「ナンパされるのは勘弁してほしい」
家に帰るとさとりはSHの皆と合宿に行っていた。
心を満たしてくれる恋愛感情。
それだけじゃ満たされない愛情。
私はどっちにそれを求めたらいいのだろう?
そう悩んでいたけど、本当は決まっていたのだろう。
研斗に体を許したその日から。
だったら早く伝えた方がいいんじゃないか?
だけどそんな事を伝えられずにただ毎日が続いてた。
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