姉妹チート

和希

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What 'bout my star

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(1)

 修学旅行最終日。
 朝食を食べると千葉のテーマパークに来ていた。
 喜んでいたのは瞳子だけ。
 冬莉は食べ物の値段の高さに激怒していた。
 飲み物の自販機すら高い。
 志希や冬吾は上手い具合に彼女に付き合っていた。
 当然俺と育人は暇になる。
 2組のカップルを見ながら育人と話していた。

「最近はちゃんとデートに誘ってるか?」
「うん、月1くらいは誘ってる」

 たまに泉の家に夕食を招待されるらしい。
 そうでもしないとだらけた泉は酷い事になるから。

「母さんが用意しなくてもいっくんだって最近は考えてくれてるから……」
「そうじゃなくてあなたのだらけ具合を矯正するために呼んでるだけ!」
「そう言う話いっくんの前でしないでって言ったでしょ」
「言われて困るならやめなさい!」

 そんな攻防を繰り広げているらしい。
 泉の父親はもう笑うしかないよな?と思ってるそうだ。
 泉の父親とも色々話すらしい。

「あの子は晶ちゃんをも困らせる最強キャラだから……」
「は、はあ」
「いいかい?この世界では彼女の機嫌程大切な物はない」
 
 それを損ねたら世界だって崩壊させかねないのが彼女という存在だ。
 大切にしておやり。
 そんな話をしていた。
 たしかに泉の母親は絶対に怒らせるなって俺の父さんも言ってたな。
 父さんは母さんに絶対に頭が上がらないみたいだけど。

「お前もいつか結婚したらこの苦労が分かるよ」
「私は結婚する前からお前に困らせられているぞ!」

 母さんはただでさえ子供の教育で苦労してるのにこれ以上問題増やすなと、いつも父さんと喧嘩している。
 そんな母さんでもたまに「少しは妻を労わってくれ」と甘えるようになっていた。
 もちろん父さんもちゃんと母さんの相手をしているらしい。
 女子は父親や兄の姿に理想の彼氏像を作ると言っていたけど男子も同じなのだろうか?
 母さんのような口うるさくてもしっかりと父さんを愛している母さんのような女性を俺は求めていた。
 難しいだろうけど、きっとそんな人が将来待っているだろう。

「でも泉は高専だろ?お前2年間どうするんだ?」
「石原さんが言ってた。生活費くらいは負担するからUSEの歌手の衣装でも作ってくれないかって」

 頼子の母さんの姉の英恵さんはすでに育人に可能性を見出してみた。
 あとは経験を重ねるだけ。
 その証拠に英恵さんの名前で出展した育人の衣装は既に高評価を得ているらしい。
 頼子の母さんがいなかったらうちの主戦力にしたいくらいだと言われたそうだ。
 しかしただ腕があっただけじゃ成功するのは難しい。
 それなりの後ろ盾がいないと話にならないのはどの業界でも一緒らしい。
 英恵さんの後継として育人を紹介するのもありだが、末は杏采の為に用意したブランドのデザイナーに雇いたいらしい。
 話し合った結果それだけの実力があるのならまずはUSEで使ってみたい。
 いくつか系列会社に出版社がある。
 そこのファッション雑誌にでも載せて反応を見たら良いという決断に出たそうだ。

「じゃあ、もう将来決まってるんだな」
「それを言ったら誠司も一緒だろ?」
「俺はまだ嫁さん見つけてないぜ」

 そう言って笑った。

「やっぱり向こうで探すつもり?」
「探して見つかるものでもないしどうだろうな」

 それは父さんも心配していた。
 サッカーとは違う冬吾の父さんの友達の話。
 高校バスケに打ち込んで引退した時、何も残らなかったらしい。
 その人にも彼女がいたらしけど、バスケに専念して彼女をないがしろにした罰があたった。
 孤立したその人は大学でまたひたすらバスケに熱中した。
 しかしそこに冬吾の父さんが現れた。
 冬吾の父さんじゃ相手が悪すぎる。
 それでも生き残ろうと必死だった。
 そして挫折しかけた時に現れたのが嫁さんの桜子だった。
 今度は大事にしてやろう。
 大事にして結婚までいたったそうだ。
 だから父さんが言う。
 探しても見つからないからひたすら待つしかない。
 ただしこの人だと思ったら今度は絶対に手放すな。
 大事にしてやれ。
 それはサッカーと同じだ。
 絶対に譲れない物。
 そうすればきっと今度は女神も微笑んでくれる。

「ちょっと誠司君達ノリ悪いよ」
「そうそう、せっかく女子が一緒に遊んでるんだから楽しもうって努力しなよ」

 珍しくハイテンションの瞳子と冬莉が言っている。

「そりゃ2人が俺達の相手してくれるなら別だけど、2人とも相手いるだろ?」
「皆で思い出作ろうって言ったでしょ!」

 そんなやりとりをしながら自由時間を楽しんでいた。
 時間前にはお土産も買って集合場所に向かう。
 冬吾が何か買っていた。

「お前そんな趣味あったっけ?」
「いつか瞳子と2人で暮らす時が来たらお揃いのマグカップでモーニングコーヒー飲もうって思ったから」

 冬吾が嬉しそうに話す。
 瞳子も少し照れていた。
 育人も泉に何か買っておいたみたいだ。
 バスに乗ると空港に向かう。
 さすがにテーマパークで遊びづかれたのか飛行機の中ではほとんどの生徒が眠っていた。

「あっという間だったね」
「そうだな」

 俺達の高校生活もあと1年半くらいか。
 皆それぞれの夢に向かって羽ばたく時が近づいていた。
 学校に着くと父さん達が迎えに来ていた。
 
「じゃあ、またな」

 そう言って俺は父さんの車に乗る。

「誠司は日本で免許とっておくのか?」
「いや、どうせ海外に行くつもりだし」

 海外で運転するには国際免許がいる。
 しかも俺達は取れても若葉マーク入りだ。
 無事故無違反は間違いないだろうけど更新の為に日本に戻ってくるのも面倒だ。
 なら日本に戻ってきてから取ろうと冬吾達と相談していた。

「向こうに行ったらかっこいい車あるのにもったいないな」

 しかも日本よりもスピードを出せる。
 まあ、父さんの言う事ももっともだけど。

「誠はトーヤには体が資本だとか偉そうに言っておきながら、自分の息子に何吹き込んでるんだ!?」

 母さんが怒っていた。
 崇博達にどんな感じか聞いてみた。
 
「集中してるから何も感じない」

 目や耳や体感した情報を常に把握して運転してるから楽しいとかそういう感動は後で味わうらしい。
 それでも相手を抜き去った時の高揚感を抑える事が出来ないらしいけど。
 まあ、母さんの言う通り体が資本だ。
 事故って足を負傷したとかシャレにならない。
 代表戦にしたって相手の足を折りにくる国だってあるんだ。
 危険からは離れておきたい。
 夕食は外で食べて家に帰るとお土産を渡して置いた。
 流石に蟹を一匹とかはしなかったけど。
 配送するにしたって冷凍させるなら地元のデパートの物産展のそんなに大差ないんじゃないのか?
 冬吾の父さんなら味の違いが分かるかもしれないけど、うちの父さんはどうせ酒と一緒にだから分かるわけがない。
 有名なお菓子とかは送っておいた。
 歩美は気に入ったみたいだ。
 
「私が行くとき必ず買うからお店教えてよ」

 歩美が聞いてきた。

「北海道で行ったのは札幌少し散歩してホテルとスキー場だけだよ」

 だから歩美が探すまでもないだろ、と説明した。

「そっかぁ」
「ホテルの売店で買えるくらいだからネットでも売ってるんじゃないのか?」
「さんきゅー。探してみる」

 そう言って歩美は自分の部屋に行った。
 さすがに歩美と崇博は姉弟とは言えもう中学3年生。
 歩美はあまり意識してなかったけど、崇博が目のやり場に困るし善久に悪いと思ったのか部屋を分けてくれと母さんに言っていた。

「いいのか?女子中学生の生着替えなんてそうみれないぞ……」
「お前と一緒にするな馬鹿!」
「パパと一緒だけは絶対にいや!」
「あ、歩美。そう言われるとパパは悲しいぞ」
「自業自得だ馬鹿!」

 この部屋にいるのももうそんなにないだろう。
 冬吾も同じだ。
 残りの時間を大切に使おうと思っていた。

(2)

 東京の高層マンションの最上階から夜景を見ている。
 薄汚い世界を覆い隠すような派手な夜景はどこの国でも一緒だ。
 薄汚い世界で苦渋をなめていた時期を思い出す。
 俺の親はもういない。
 奴らによって地元どころか日本に居場所がなくなった俺の両親は上海に逃げた。
 そこで俺は生まれた。
 生まれて間もない頃チンピラの抗争に巻き込まれて両親は死亡。
 俺も生後そんなに経ってないのに人生を終えようとしていたところを友恵の親に救われた。
 その頃はまだ友恵の両親はいた。
 しかし流行病で友恵の母親が病死すると父親が変った。
 中学生くらいの時に友恵は父親に襲われていた。
 何度も同じ事を繰り返していたらしい。
 俺が気づいたのは友恵がこの地獄から抜ける策を思いついた時だった。
 天使とダンスしよう。
 天国ならきっと幸せになれる。
 そう思った友恵がリストカットするのをたまたま見つけた俺が止めた。

「どんな地獄を見ても諦めるな。友恵がそんな死に方したところで誰も悲しまないぞ」
「だったらいいじゃん!放っておいて!」
「よくねーよ!これからは俺が泣いてやる!」

 そう言うと友恵は俺に縋って泣いていた。

「俺達は境遇は違うけど同じ地獄を見てきた仲だ」

 これから二人で始めよう。
 ここから二人で始めよう。
 世界に対する復讐劇を。
 その後また自分の娘を性欲のはけ口にしようとしてる男……もう父親と呼ぶ気になれなかった。
 男の持っていた刀を男の胸に突き刺した。
 その後始末は友恵が手配した。
 突然何者かに狙われた。
 友恵がそう言うと「分かりました」と部下が片付ける。
 男を狙うやつなんていくらでもいる。
 友恵の親は上海を牛耳るマフィアの首領だったから。
 それからは友恵が支配することになった。
 中学生とは思えない戦闘センスで歯向かう奴を片っ端から片付けていく。
 指揮能力もカリスマもすでに持ち合わせていた。
 一方で俺も男がもっていた武芸の本を読んで刀の扱いを覚えていた。
 いつか俺の手で俺を不幸に陥れた元凶・片桐冬夜に復讐するために。

「どうしたの十郎。故郷を懐かしんでた?」

 今は俺の妻の友恵がそう言って酒の入ったグラスを持って来る。
 この程度の度数じゃ酔う気がしない。
 それにあんな腐った都会なんざどうでも言い。
 この綺麗な夜景の中でドブネズミ共が今もはいつくばって友恵の指示通りに動いているはずだ。

「でもどうしてこんな回りくどいことを?」

 友恵が疑問に思ったらしい。

「あいつらは空の上の存在でいるのさ」

 綺麗な面して化粧で醜い性格を誤魔化してのうのうと暮らしている。
 その裏でどれだけの人間が人生の最底辺に叩き落され苦痛を味わっているかなんて知らない。
 あいつらは自分にか関係のない裏の社会だと思っているのだろう。
 そんな正義面している奴らを八つ裂きにしても面白くもない。
 だからまずはあいつ等に自分の立場を教えてやる。
 数知れぬ人間を不幸に叩き落してその屍の上に立っているだけ。
 そう、あいつらも俺と同じ汚い世界の人間なんだと思い知らせてやる。
 実際計画通りに言っていた。
 片桐の息子が作った組織SHの名前は面白い程に広まっていく。
 ここを拠点に展開していけばきっとSHに恨みを持つ人間が増えるだろう。
 まずはその下準備だ。
 ただ殺したところで俺の人生の清算が終るわけがない。
 俺の恨みが晴れるわけがない。

「なるほどね。でも気をつけて、あいつらは感づいたみたい」
「ああ、息子が東京に現れたらしいな」

 修学旅行とは暢気なものだ。
 俺達は学校に通う幸せさえ奪われたというのに。
 地元でも息子たちが察して動き始めたらしい。
 空の王という二つ名も伊達じゃないようだ。
 判断も指示も戦闘能力も一流。
 なめてかかるわけにいかない。
 だからまずは基盤を作る事からにした。
 地元で作るのは無理だろう。
 あいつらの領域内で作ろうとすればすぐに網にかかる。
 月を名乗る馬鹿はまともに相手をしてしくじってる様だ。
 もちろん俺達が月に加担するつもりはない。

「まあ、出だしは順調なんじゃないのか?」
「十郎が言うなら間違いないんでしょうね」
「親愛なる母の王からそこまで信頼されるとはな」
「体は汚れてるけど心まで穢したつもりはない」
「……俺の心は汚れているよ」

 まるでどぶ水の様に。

「構わない。私だけの物なのでしょ?」

 そう言って友恵は笑った。

「まあ、もうしばらく様子を見よう」
「そうね。先手はすでに打った。後はどう対応してくるか高みの見物でもしましょうか」

 神聖な心か。
 まずはその化けの皮を剥がしてやるとしよう。
 醜いその心を引きずり出してやる。

(3)

「だあっ!」
「どうしたの茜?」

 修学旅行から帰って来た冬莉がスマホを見ながら聞いていた。
 こんな状況は初めてだ。
 誠さんも「迂闊に手出しするな。足跡残したら終わりだ!」と忠告している。
 それほどまでに強固なセキュリティだった。
 セキュリティだけならまだいい。
 あいつらも凄腕の奴らが沢山いるらしい。
 それも海外の猛者たちがその情報をひたすら隠そうとしている。
 迂闊にログを残したらこっちの立場がヤバくなる。
 真香達も苦戦しているようだった。

「そんなに重要な情報なの?」

 冬莉が聞いてきたから話した。
 パパと接触した神谷十郎。
 この男の情報が入らない理由が分かった。
 神谷……というか十郎は上海に逃げた「太陽の騎士団」の残党の息子。
 上海に逃亡してから生まれてるから当然日本の戸籍に乗るわけがない。
 もとはと言えばパパ達渡辺班と敵対していた月の追跡から逃れる為らしいけど。
 で、気になる事は一つ。
 じゃあ、神谷って誰?
 それを辿っていると強固なガードがあった。
 その情報に触れようとするだけでありとあらゆる国のハッカーが私達を追跡してくる。
 それから逃げるだけで精一杯。
 迂闊に手が出せない状況になった。
 もちろん神谷という名前は恵美さん達に報せた。
 しかし恵美さんも晶さんも調べているうちにすでに何人かの手下が犠牲になっている。
 今までとは段違いに規模がやばい。
 しかしただ手を拱いているわけにはいかない。
 冬莉達が接触したSHの裏に何かいる。
 空はそう判断した。
 まるでSHに恨みを持つものを量産しているようだ。
 空もその意図を分からないでいる。
 それが分かるまで動けない。
 でも明らかに増産スピードが増している。
 ただのチンピラの仕業じゃないと空は判断した。
 SHが敵対しているのはFGかリベリオンか。
 そのやり口からしてリベリオンだと空は断定した。
 しかしそんな事をしてどうするのかは空にも分からない。
 まずはリベリオンの素性を露にしたい。
 どこから援助を受けている?
 天音や美希が動けば根元さえわかれば押さえつけられる。
 だけどその肝心のパトロンが分からない。
 それを調べようとすると徹底的にマークされる。
 私でさえいくつか幾つかの身代わりを潰された。

「そんなに手強い奴なんだね」
「それは間違いない」

 誠さんも特製ウィルス「まこりん21」を送りつけようとしたがすぐにばれた。
 そんなやりとりをしていると愛莉が降りてくるように言った。
 服を着ないと部屋から出る事が許されない。
 
「茜もいい加減嫁にいくのですからちゃんとしなさい」

 そうしないと愛莉が不安なんだそうだ。
 冬莉と一緒にリビングに行くと空や翼、大地に天音まで来ていた。
 誠さんと嫁さんもいる。

「何があったの?」
「まず座って」

 パパが言うから私達も座る。

「時間も遅いから簡潔に言うね」

 SHはリベリオンに手を出すな。
 
 流石に空達も驚いたようだ。
 天音が事情を聞いている。

「もちろん、向こうから手を出したら反撃するくらいは許すよ。でもそれ以上はダメだ」
「でもあいつらSHに喧嘩売ってきたんだぞ?」
「分かってる。それ以前に渡辺班に挑戦してきたんだ」

 だからパパ達が始末する。
 それがパパの判断だった。

「大丈夫、絶対にあいつらの首捕まえてやるから」
「茜、あいつらの組織は多分茜の想像以上だ」

 誠さんが真面目な表情で言う。
 スイス銀行を狙ったら世界中のハッカーの標的になるって話を聞いたことがある。
 神谷という人間の情報もそれに近いらしい。
 だけど晶さんが何人も犠牲を払って手掛かりを突き止めた。
 中華系マフィアが絡んでいるらしい。
 それも晶さんでさえも手に負えない程の。
 それが分かった時点でパパは決断した。
 これは大人の喧嘩だ。
 反論できなかった。
 SHのリーダーの空も従うしかないんだから。
 私達の実力を舐めてるわけじゃない。
 だけど向こうがその気なら渡辺班が喧嘩を買ってやる。
 SHも協力と言えば聞こえがいいけど、渡辺班の報復に巻き込まれる恐れもある。
 簡単に言うと足手まといだ。
 だからこの件からは手を引け。
 天音は当然反発する。
 だけど空は従う事にしたみたいだ。
 その隣で翼がニヤリと笑っているのを見逃さなかったけど。
 話が終ると部屋に戻る。
 SHのグルチャは大荒れだった。
 しかし学達は空の意図に気づいたみたいだ。

「つまりこっちから手を出すなって事だな」
「まあ、そういうことだろうね」
「何でお前らで納得してんだよ!」

 天音は気づいてないらしい。

「向こうが手を出して来たら何しても良いって事じゃないか」

 空が言うと天音は納得したらしい。

「セメントじゃ生温い。骨を砕いて海岸にばらまいてやる」

 パパは次の手を考えているのだろうか?
 冬莉は答えを用意していた。

「余程有利な状況じゃないと先に手を出した方が負ける」

 後出しじゃんけんの法則だ。
 今の状態は向こうが挑発してるだけ。
 その意図は分からないけど。
 分からないなら放っておけばいい。
 パパはそう判断したはずだと冬莉が言う。

「茜もおめおめと引き下がる気ないんでしょ?」

 冬莉が言う。

「当たり前よ!相手が難しい物ほど力づくで覗いてやりたくなった」

 絶対に暴いてやる。
 しかしその正体を知った時私達は立ち尽くすことになろうとはこの時誰も予感しなかった。
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