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中休みの時間になった。
「焼きそばパンいる人誰~?」
僕が言うと冬莉と誠司が手をあげる。
全部で3つか。
購買部に買いに行こうとした時教室の入り口に誰かが立ちふさがっていた。
「悪いけどどいてくれないかな?」
しかし赤いツンツン頭の男はニヤリと笑って退く気配がない。
「何か僕に用?」
すると男は言った。
「お前らSHなんだろ?」
またFGの馬鹿か?
FGを名乗る馬鹿は殺して埋めろ。
天音達が言ってた。
何より僕が購買部に行けない。
殺す理由は十分だと思った。
「お前何者?」
すでにやる準備は出来ていた。
後はこいつが名乗るのを待つだけ。
その時違和感に気づいた。
腕が動かない。
右腕を見るといつの間にか鎖のような物が巻き付いてる。
そして目の前の男が僕を殴ろうとする
左腕は動く。
咄嗟にガードしようとしたけどその必要は無かった。
「何の真似?これでFGなんて名乗ったら殺すぞ」
誠司が僕を殴ろうとする腕を掴んでいた。
「随分仲間に恵まれてるみたいね」
振り返ると女子が立っていた。
もう一組の男女の姿も見えた。
直感した。
こいつらFGじゃない。
「お前ら何者だ!?」
誠司も同じ事を思ったのだろう。
すると女子がくすっと笑って言った。
「クラスメートなのに覚えてもらえてなかったのね。まあ、いいわ。初めましてとでも言っておこうかしら」
「随分物騒な挨拶の仕方をするのね」
冬莉達も集まって来た。
数の上では僕達の方が上だけどこいつらただ者じゃない。
「ごめんなさい。最近出来たグループだからまずはSHに挨拶しておきたくて」
「グループ?」
「放課後時間があれば教室に残っていて欲しいんだけど。逃げられると思わないでね」
彼女がそう言うと4人とも自分の席に戻っていった。
そうするとチャイムが鳴る。
焼きそばパン買い損ねた。
それだけで理由は十分だ。
天音ならこの場で処刑する行動だ。
「お前さっき何かあったのか?」
誠司が聞く。
「わからない。急に鎖のような物が巻き付いていて、右腕が動かせなくなった」
「鎖?何言ってんだ冬吾」
誠司達は見えなかったらしい。
冬莉は見えたらしいけど。
「冬吾……あいつらの事だけど」
「多分冬莉の予想通りだと思う」
父さんから注意されていた。
誠司も多分察したのだろう。
「瞳子や冴達は先に帰した方がいいんじゃないのか?」
昼休みに誠司がそう言っていた。
だけど僕は首を振った。
「逃げられると思うなと言ってた」
しかも相手は一人じゃない。
下校する途中を狙われる危険の方が高い。
冬莉をつけるという手もあったけど、それでも何か気になる。
さっき僕が受けた技を冬莉が受けたら護衛につける意味がない。
それなら頼子に送迎を頼んだ方がいいだろう。
そして午後の授業を終えて僕達は教室に残った。
冴や瞳子たちは下がっていてと指示した。
それが間違いだった。
「じゃ、始めましょうか」
女子はそう言って話を始める。
今話しているのが高橋成実。
もう一人の女子が谷村有紀。
中休みに仕掛けて来た赤い髪の男子が赤井雲雀。
もう一人の男子が黄島剣太。
僕達の名前は知ってるから大丈夫だと高橋さんが言った。
四宮って子はいないんだな。
「で、僕達に何の用?」
「お前らみたいな物騒なグループの勧誘なら遠慮しとくぞ」
誠司が言う。
「そんなことしないから大丈夫……だって」
だって?
なんか嫌な予感がする。
「私達……リベリオンの標的はあなた達なんだから」
その瞬間咄嗟に叫んでいた。
「瞳子達伏せろ!」
しかし瞳子は何が起きてるのか分かっていないようで、身動き取れないでいる。
僕が無理矢理押し倒そうとしたけど、例の鎖のような物が右足に巻き付いていて動けない。
誠司が代わりに押し倒そうとする。
しかし近くにいた冬莉が真っ先に瞳子達を押し倒す。
ぼん。
瞳子の顔があった位置くらいの場所が突然爆発した。
冬莉は多少爆風を食らったみたいだ。
「冬莉!!」
瞳子が泣き叫んでいる。
絶対に許さない。
そう思った瞬間右足の鎖が解除される。
高橋さんに殴りかかる。
2人の男子が間に割って入る。
金髪の男子、黄島がこっちをみる。
しかし何も起こらない。
さすがに驚いたようだ。
何も考えずに黄島に殴りかかる。
しかしその間に背後に回った赤井が僕の腕を掴み投げ飛ばす。
僕が空中で姿勢を整えて着地すると誠司達が前に出る。
「大丈夫か冬吾」
「助かった」
「へぇ、その連携はサッカーで会得したのかな?」
そう言って高橋が笑っている。
「お前には関係ない。そんなに死にたいなら今すぐ窓から投げ飛ばしてやる」
そう言って近づく。
鎖も来ない。
例の爆発も起きない。
谷村が何をしようとしてるのか分からないけど何も起きなかった。
「覚悟はいいか?じゃあ、死ね」
そう言って殴り飛ばそうとすると見周りの教師が来た。
「下校時間は過ぎてるぞ!部活生じゃないならさっさと帰りなさい!」
邪魔が入った。
「命拾いしたね」
「どっちがかしら?」
「一つだけ忠告させてもらうわ」
冬莉が割って入る。
「あなた達面白い手品使うみたいだけど怒らせた冬吾の前では無意味だから」
冬莉は何か気づいてた?
「そうね、それにあなた達を潰すにはまだ準備が足りないみたい」
その時が来るまで楽しい高校生活を送りましょう。
そう言って高橋達は帰って行った。
「冬莉あれはなんだったの?」
冴が冬莉に聞いている。
「よくわからないけど特殊能力者が3人はいるって事は分かった」
冬莉が説明する。
一人は鎖のような物で縛りつける能力。
もう一つは特定の位置を爆発させる能力。
3つ目は僕が封じたから分からなかったという。
高橋以外の3人が能力者だという事だ。
「そんなでたらめな能力ありなの!?」
「空の息子の結ですら持ってるんだから、当然ありなんでしょうね」
冴が聞くと冬莉が答える。
「でも、なんで冬吾がキレると使えなくなるんだ?」
誠司の言う通りだ。
どうしてなんだろう?
「わからない。でもさっき瞳子が狙われて冬吾が怒った時発動しなかった」
中休みの時はちゃんと発動してた。
さっきだって瞳子が叫んでキレた後は能力なんてなかった。
そこから導き出される答えは一つしかないと冬莉が言う。
「多分特定の領域内を冬吾が支配するんでしょうね。それが多分冬吾に与えらえた能力」
何かの本で読んだ事があるらしい。
その能力を「ステイシス」と名付けた。
「ちょっと待ってよ。それって冬吾の側にいないと危ないってことじゃない」
冴が言う。
「冴の言う通りだと思う。逆に言えば私か冬吾の側にいればまず問題ない」
もっともさっきのわずかな戦闘を見て冬莉は観測していたらしい。
4人とも戦闘能力は僕並みにはあるという。
詳細はもっとじっくり見ないと分からない。
特に3人目の能力が分からない。
だからといってそれを発動されたら私達には手に負えないと冬莉が言う。
「なんで冬莉の側でも平気なの?」
「そんなの簡単だよ」
冬莉は僕の双子だから。
きっと父さんの血を継いだ人間は誰もが持っているはずだと説明していた。
今後の事を相談しながら冬莉は父さん達に連絡していた。
今までなら力づくで叩きのめしたらいい。
だけど、今度の相手は全く別物だ。
さっきだって冬莉がいなかったら危なかった。
彼等は自分の能力を活かして優位に戦闘を進めるだろう。
家に帰ると父さん達が帰っていた。
そして僕達の説明を受ける。
「なるほどね」
そう言って少し考えていた。
すると母さんにお願いをしていた。
「空達に頼んで結を那奈瀬の公園に連れて来てもらえないか?」
「どうして結なんですか?」
「僕達の家族で能力を持ってるのは結だけだから」
「わかりました」
母さんがそう言って空達に電話すると公園に行く。
先に空達がいた。
「結に例の銃を冬吾に向けて撃ってもらえるように頼んでくれないか?」
父さんが凄い事をお願いしていた。
だが、冬夜が何度試しても撃てなかった。
不思議そうにしている冬夜。
すると父さんが用意していたサッカーボールを思いっきり僕に蹴りつける。
でも僕に触れる前に何かが弾いていた。
どういうことだ?
父さんは更に実験を続ける。
「冬吾が見た爆発ってやつあの辺に向かってやってみてくれない?」
「僕そんな事やったことないよ?」
「何となく見た感じでいいからやってごらん?」
そう言うと何となくイメージした。
すると空で爆発が起きた。
空も翼も驚いている。
「ありがとう。何となく分かった」
父さんは理由を知ってるみたいだ。
「パパだけ納得しないでよ」
翼が言う。
「翼と空も同じ事が出来るはずだよ」
父さんがそう言うと翼と空が試している。
出来た。
「どうして?」
不思議そうな翼と空を見て父さんが説明するから一度家においでと言う。
よく分からないまま僕達は家に帰った。
リビングに集まると父さんが説明する。
「まず冬吾は勘違いをしている」
僕の持っている能力は”ステイシス”なんかじゃない。
「どういうことですか?」
「今までなかったことだからね。気づかなかっただけだよ」
よく考えたら翼や空も同じだった。
不可解な現象を平気でしていた。
それでひょっとしてと思ったらしい。
「つまり私達の能力って何?」
翼が聞くと父さんはにこりと笑って言った。
支配
多分一定のエリアにいる者の特殊能力を無効化するだけじゃない。
一度見た能力を自在に扱えるエリアを発生させる。
冬吾は爆発と束縛をみたからそれは出来るはず。
あとは翼と空がやってのけたように自分がイメージしたことは大体できるはず。
「でも、どうして空と翼にもあるって分かったのですか?」
母さんが聞くと父さんは答えた。
「まず、今までにでたらめな技を発動させたことが一つ」
「それはさっき言ってましたね」
「もう一つは僕の血を継いでるから」
空や翼や冬莉、もちろん天音はおろか結莉も茉莉も持ってるかもしれない。
片桐家だからの一言で済ませてしまうつもりなんだろう。
ただし全員が使いだしたら大変な事になる。
だから父さんの血を持ってる者だけ限定にしたんだろう。
冬夜はもともと持っていたみたいだけど。
説明を聞いて納得すると僕達は風呂に入って部屋でグルチャをしていた。
「支配者じゃつまらないなあ」
茜が言っている。
「皇帝でいいんじゃない?」
冬莉が言うとみんな笑いだした。
「空の王はとうとう皇帝に出世か!?」
「空だけじゃないからどうなんだろうね」
「って事は私や結莉と茉莉にもあるんだな!」
一番知ってはいけない人間が知ってしまったような気がする。
「それでパパはなんて言ってたんだ?」
天音が聞いてきた。
父さんは一言だけ言っていた。
「試合中に使ったらいけないよ」
「焼きそばパンいる人誰~?」
僕が言うと冬莉と誠司が手をあげる。
全部で3つか。
購買部に買いに行こうとした時教室の入り口に誰かが立ちふさがっていた。
「悪いけどどいてくれないかな?」
しかし赤いツンツン頭の男はニヤリと笑って退く気配がない。
「何か僕に用?」
すると男は言った。
「お前らSHなんだろ?」
またFGの馬鹿か?
FGを名乗る馬鹿は殺して埋めろ。
天音達が言ってた。
何より僕が購買部に行けない。
殺す理由は十分だと思った。
「お前何者?」
すでにやる準備は出来ていた。
後はこいつが名乗るのを待つだけ。
その時違和感に気づいた。
腕が動かない。
右腕を見るといつの間にか鎖のような物が巻き付いてる。
そして目の前の男が僕を殴ろうとする
左腕は動く。
咄嗟にガードしようとしたけどその必要は無かった。
「何の真似?これでFGなんて名乗ったら殺すぞ」
誠司が僕を殴ろうとする腕を掴んでいた。
「随分仲間に恵まれてるみたいね」
振り返ると女子が立っていた。
もう一組の男女の姿も見えた。
直感した。
こいつらFGじゃない。
「お前ら何者だ!?」
誠司も同じ事を思ったのだろう。
すると女子がくすっと笑って言った。
「クラスメートなのに覚えてもらえてなかったのね。まあ、いいわ。初めましてとでも言っておこうかしら」
「随分物騒な挨拶の仕方をするのね」
冬莉達も集まって来た。
数の上では僕達の方が上だけどこいつらただ者じゃない。
「ごめんなさい。最近出来たグループだからまずはSHに挨拶しておきたくて」
「グループ?」
「放課後時間があれば教室に残っていて欲しいんだけど。逃げられると思わないでね」
彼女がそう言うと4人とも自分の席に戻っていった。
そうするとチャイムが鳴る。
焼きそばパン買い損ねた。
それだけで理由は十分だ。
天音ならこの場で処刑する行動だ。
「お前さっき何かあったのか?」
誠司が聞く。
「わからない。急に鎖のような物が巻き付いていて、右腕が動かせなくなった」
「鎖?何言ってんだ冬吾」
誠司達は見えなかったらしい。
冬莉は見えたらしいけど。
「冬吾……あいつらの事だけど」
「多分冬莉の予想通りだと思う」
父さんから注意されていた。
誠司も多分察したのだろう。
「瞳子や冴達は先に帰した方がいいんじゃないのか?」
昼休みに誠司がそう言っていた。
だけど僕は首を振った。
「逃げられると思うなと言ってた」
しかも相手は一人じゃない。
下校する途中を狙われる危険の方が高い。
冬莉をつけるという手もあったけど、それでも何か気になる。
さっき僕が受けた技を冬莉が受けたら護衛につける意味がない。
それなら頼子に送迎を頼んだ方がいいだろう。
そして午後の授業を終えて僕達は教室に残った。
冴や瞳子たちは下がっていてと指示した。
それが間違いだった。
「じゃ、始めましょうか」
女子はそう言って話を始める。
今話しているのが高橋成実。
もう一人の女子が谷村有紀。
中休みに仕掛けて来た赤い髪の男子が赤井雲雀。
もう一人の男子が黄島剣太。
僕達の名前は知ってるから大丈夫だと高橋さんが言った。
四宮って子はいないんだな。
「で、僕達に何の用?」
「お前らみたいな物騒なグループの勧誘なら遠慮しとくぞ」
誠司が言う。
「そんなことしないから大丈夫……だって」
だって?
なんか嫌な予感がする。
「私達……リベリオンの標的はあなた達なんだから」
その瞬間咄嗟に叫んでいた。
「瞳子達伏せろ!」
しかし瞳子は何が起きてるのか分かっていないようで、身動き取れないでいる。
僕が無理矢理押し倒そうとしたけど、例の鎖のような物が右足に巻き付いていて動けない。
誠司が代わりに押し倒そうとする。
しかし近くにいた冬莉が真っ先に瞳子達を押し倒す。
ぼん。
瞳子の顔があった位置くらいの場所が突然爆発した。
冬莉は多少爆風を食らったみたいだ。
「冬莉!!」
瞳子が泣き叫んでいる。
絶対に許さない。
そう思った瞬間右足の鎖が解除される。
高橋さんに殴りかかる。
2人の男子が間に割って入る。
金髪の男子、黄島がこっちをみる。
しかし何も起こらない。
さすがに驚いたようだ。
何も考えずに黄島に殴りかかる。
しかしその間に背後に回った赤井が僕の腕を掴み投げ飛ばす。
僕が空中で姿勢を整えて着地すると誠司達が前に出る。
「大丈夫か冬吾」
「助かった」
「へぇ、その連携はサッカーで会得したのかな?」
そう言って高橋が笑っている。
「お前には関係ない。そんなに死にたいなら今すぐ窓から投げ飛ばしてやる」
そう言って近づく。
鎖も来ない。
例の爆発も起きない。
谷村が何をしようとしてるのか分からないけど何も起きなかった。
「覚悟はいいか?じゃあ、死ね」
そう言って殴り飛ばそうとすると見周りの教師が来た。
「下校時間は過ぎてるぞ!部活生じゃないならさっさと帰りなさい!」
邪魔が入った。
「命拾いしたね」
「どっちがかしら?」
「一つだけ忠告させてもらうわ」
冬莉が割って入る。
「あなた達面白い手品使うみたいだけど怒らせた冬吾の前では無意味だから」
冬莉は何か気づいてた?
「そうね、それにあなた達を潰すにはまだ準備が足りないみたい」
その時が来るまで楽しい高校生活を送りましょう。
そう言って高橋達は帰って行った。
「冬莉あれはなんだったの?」
冴が冬莉に聞いている。
「よくわからないけど特殊能力者が3人はいるって事は分かった」
冬莉が説明する。
一人は鎖のような物で縛りつける能力。
もう一つは特定の位置を爆発させる能力。
3つ目は僕が封じたから分からなかったという。
高橋以外の3人が能力者だという事だ。
「そんなでたらめな能力ありなの!?」
「空の息子の結ですら持ってるんだから、当然ありなんでしょうね」
冴が聞くと冬莉が答える。
「でも、なんで冬吾がキレると使えなくなるんだ?」
誠司の言う通りだ。
どうしてなんだろう?
「わからない。でもさっき瞳子が狙われて冬吾が怒った時発動しなかった」
中休みの時はちゃんと発動してた。
さっきだって瞳子が叫んでキレた後は能力なんてなかった。
そこから導き出される答えは一つしかないと冬莉が言う。
「多分特定の領域内を冬吾が支配するんでしょうね。それが多分冬吾に与えらえた能力」
何かの本で読んだ事があるらしい。
その能力を「ステイシス」と名付けた。
「ちょっと待ってよ。それって冬吾の側にいないと危ないってことじゃない」
冴が言う。
「冴の言う通りだと思う。逆に言えば私か冬吾の側にいればまず問題ない」
もっともさっきのわずかな戦闘を見て冬莉は観測していたらしい。
4人とも戦闘能力は僕並みにはあるという。
詳細はもっとじっくり見ないと分からない。
特に3人目の能力が分からない。
だからといってそれを発動されたら私達には手に負えないと冬莉が言う。
「なんで冬莉の側でも平気なの?」
「そんなの簡単だよ」
冬莉は僕の双子だから。
きっと父さんの血を継いだ人間は誰もが持っているはずだと説明していた。
今後の事を相談しながら冬莉は父さん達に連絡していた。
今までなら力づくで叩きのめしたらいい。
だけど、今度の相手は全く別物だ。
さっきだって冬莉がいなかったら危なかった。
彼等は自分の能力を活かして優位に戦闘を進めるだろう。
家に帰ると父さん達が帰っていた。
そして僕達の説明を受ける。
「なるほどね」
そう言って少し考えていた。
すると母さんにお願いをしていた。
「空達に頼んで結を那奈瀬の公園に連れて来てもらえないか?」
「どうして結なんですか?」
「僕達の家族で能力を持ってるのは結だけだから」
「わかりました」
母さんがそう言って空達に電話すると公園に行く。
先に空達がいた。
「結に例の銃を冬吾に向けて撃ってもらえるように頼んでくれないか?」
父さんが凄い事をお願いしていた。
だが、冬夜が何度試しても撃てなかった。
不思議そうにしている冬夜。
すると父さんが用意していたサッカーボールを思いっきり僕に蹴りつける。
でも僕に触れる前に何かが弾いていた。
どういうことだ?
父さんは更に実験を続ける。
「冬吾が見た爆発ってやつあの辺に向かってやってみてくれない?」
「僕そんな事やったことないよ?」
「何となく見た感じでいいからやってごらん?」
そう言うと何となくイメージした。
すると空で爆発が起きた。
空も翼も驚いている。
「ありがとう。何となく分かった」
父さんは理由を知ってるみたいだ。
「パパだけ納得しないでよ」
翼が言う。
「翼と空も同じ事が出来るはずだよ」
父さんがそう言うと翼と空が試している。
出来た。
「どうして?」
不思議そうな翼と空を見て父さんが説明するから一度家においでと言う。
よく分からないまま僕達は家に帰った。
リビングに集まると父さんが説明する。
「まず冬吾は勘違いをしている」
僕の持っている能力は”ステイシス”なんかじゃない。
「どういうことですか?」
「今までなかったことだからね。気づかなかっただけだよ」
よく考えたら翼や空も同じだった。
不可解な現象を平気でしていた。
それでひょっとしてと思ったらしい。
「つまり私達の能力って何?」
翼が聞くと父さんはにこりと笑って言った。
支配
多分一定のエリアにいる者の特殊能力を無効化するだけじゃない。
一度見た能力を自在に扱えるエリアを発生させる。
冬吾は爆発と束縛をみたからそれは出来るはず。
あとは翼と空がやってのけたように自分がイメージしたことは大体できるはず。
「でも、どうして空と翼にもあるって分かったのですか?」
母さんが聞くと父さんは答えた。
「まず、今までにでたらめな技を発動させたことが一つ」
「それはさっき言ってましたね」
「もう一つは僕の血を継いでるから」
空や翼や冬莉、もちろん天音はおろか結莉も茉莉も持ってるかもしれない。
片桐家だからの一言で済ませてしまうつもりなんだろう。
ただし全員が使いだしたら大変な事になる。
だから父さんの血を持ってる者だけ限定にしたんだろう。
冬夜はもともと持っていたみたいだけど。
説明を聞いて納得すると僕達は風呂に入って部屋でグルチャをしていた。
「支配者じゃつまらないなあ」
茜が言っている。
「皇帝でいいんじゃない?」
冬莉が言うとみんな笑いだした。
「空の王はとうとう皇帝に出世か!?」
「空だけじゃないからどうなんだろうね」
「って事は私や結莉と茉莉にもあるんだな!」
一番知ってはいけない人間が知ってしまったような気がする。
「それでパパはなんて言ってたんだ?」
天音が聞いてきた。
父さんは一言だけ言っていた。
「試合中に使ったらいけないよ」
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