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shine
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(1)
週末の夜、私達は集まった。
下は中学校から上は社会人まで。
さすがに小学生は無理だ。
公園のステージの上に神谷十郎さんが立つ。
私と有紀は十郎さんを見ていた。
「今日は皆わざわざありがとう。感謝してるよ」
十郎さんが挨拶を始める。
私達の目的は打倒SH。
その為だけに集められた人間。
みんな少なからずSHに恨みを持つものだけを集めた。
資金や武器は十郎さんが集めてくれる。
十郎さんは人生の半分を上海で地獄のような生活を過ごして来た。
渡辺班に、片桐冬夜に復讐を……。
それだけを心の支えにして暮らして来た。
彼の裏社会への影響力はかなりの物だ。
志水グループですら手が出せない程の巨大な組織。
しかし日本には全くつてがない。
それはこれから作っていけばいい。
その為に成実たちがいるのだから。
十郎が挨拶をしていると、黒い服装の集団が近づいてきた。
「お前ら何してるんだ?」
ここはFGのテリトリーだぞ?
そう言って十郎さんに文句を言っている。
十郎さんは無視して挨拶を続ける。
「おっさん舐めてんじゃねーぞ!」
十郎さんの胸ぐらをつかんだ時、有紀が動いた。
FGの連中は皆立っていられなくなり、その場に倒れこむ。
苦痛な表情で、声を出す事すら出来なくなる。
「有紀止めておけ」
十郎さんが言うと有紀が彼等を開放する。
「お前ら何者だ」
FGの一人が十郎さんに聞いていた。
「そういえば決めてなかったね」
十郎さんはそう言って考える。
「そうだね……リベリオンとでも名乗るとしようか」
世界への反抗組織。
ちょうどいい名前だ。
誰も異を唱える者がいなかった。
たった今作ったのだからFGが知るわけがない。
「FGに逆らってただで済むと思うなよ」
倒れこんだFGの連中がそう言うと十郎さんは彼等の顔を見る。
「そうだね、こっちの意思も示しておく必要があるかもしれないね」
そう言って一人を持ち上げる。
「君達もFGの人間というなら覚悟くらいはしてるんだろ?」
そう言って十郎さんはにやりと笑う。
「僕達の狼煙になってもらうとしようか?」
こうして私達の復讐劇が幕をあげる。
(2)
その日、ホテルのホールを借りていた。
渡辺班とSHが集まっていた。
今回だけは妻を残して出歩くなんて出来ない。
みんな妻子を連れて来ていた。
召集の理由は昨日起きた事件。
FGの人間が若草公園のステージで無残な姿になっていた。
犯人はもちろんSHではない。
そして相手はちゃんと名乗っていた。
「次はSHの番だ。リベリオン」
聞いたこともないグループだ。
早速茜と水奈の父さんが調べる。
するととんでもない素性が明らかになった。
もうSHだけでは対処できない規模の物だったので招集がかかった。
彼等が本気なのはその無残な物を見て分かっている。
「リベリオンだかスペアリブだか知らねーがぶっ殺してやる」
天音や遊達はそう言って怒っている。
「天音、落ち着いて。彼等が天音じゃなく結莉達を狙ったらどうするの?」
「返り討ちにして殺してやればいいじゃねーか!?」
「天音はそれが出来る。でもなずなや花には絶対無理だ」
遊や粋だって太刀打ちできるかどうかわからない。
「じゃあ、どうすればいいんだよ!?こっちが仕掛けなくても相手が仕掛けてくる気でいるんだろ?」
天音の言う通りだ。
「パパや空がいつも言ってるでしょ。まずは相手を知ることが大事」
翼が天音を説得している。
「だから茜が調べたんだろ?」
「うん、調べた。そしたらとんでもない相手だった」
茜は言う。
もうSH単体で手に負える相手じゃない。
SHが相手にするとしても親の協力なしでは勝ち目がない。
相手は今まで見たいな素人じゃない。
本物の武装組織だ。
何を持って襲撃してくるか分からない。
もちろんなずなや花のような戦えないメンバーには精鋭部隊を護衛に着ける。
でもそれでも絶対安全とは言えない組織だった。
「一体なんでそんなのがいきなり現れたんだよ?」
遊が聞くと父さんが説明した。
「リベリオンのリーダーは2人いる。一人は神谷十郎。もう一人は高橋成実」
神谷はともかく高橋の名前には父さん達は心当たりがあった。
僕達も無関係では無い。
前に潰したイーリスの本物の所持者。
アルテミスに奪われ地元に残っていたのも僕達が潰した。
そのせいで高橋グループの権威は失墜した。
だからその復讐を企てたらしい。
しかし神谷という人物は心当たりがない。
そして水奈の父さん達も調べたけど日本国籍がないから個人情報が手に入れられなかった。
ただ一つ言えるのはFGよりも厄介な第3勢力。
しかもSHと渡辺班に反抗する意思をむき出しにしている危険な存在。
それは放っていても衰退するだけの高橋グループだけが裏にいるんじゃない。
そう考えた父さん達はリベリオンについて徹底的に調べた。
するとある程度分かったらしい。
「彼等の殆どが渡辺班によって人生が台無しになった連中だよ」
父さんが言った。
渡辺班というか4大企業が気紛れで潰して来た企業の関係者が大半を占めている。
FGに入れなくなってSHに入ろうとしたけど勝次が拒んだ連中もいる。
つまり全員が僕達に恨みを持つ人間だという事。
多分神谷という男もそうだろう。
「馬鹿は死なないと分からないというけど、本当みたいね」
「そんなに物足りないならもっと地獄に突き落としてやる」
恵美さんと善明の母さんが言っている。
「僕達はまず、神谷という人間を調べる。どうもそれが気になる」
裏組織の正体も父さん達が調べるという。
「で、俺達はどうする?空の王」
光太が聞いてきた。
「どうもこうも相手してやるしかないだろうね」
「で、対策は考えてるのかい?」
善明が聞くと、僕は首を振った。
公園で狙われたのは社会人だった。
つまり誰がリベリオンでいつ狙われるか分からない。
と、なるとやっぱり欲しいのは情報だ。
それも早急に集めないと取り返しのつかないことになる。
FGなんかとは格が違う。
FGに対しては何かしらこっちも手札があった。
だけどリベリオンに対してはこっちは持ち札がない。
しかし気になることがある。
片桐家だけを狙っているのか全員敵視しているのかも判断がつかない。
向こうが手を見せないとこっちも対処しようがない。
だから何も出来ない。
今は茜や水奈の父さんが情報を集めてくれるのを待つしかない。
「僕達も当たってみるよ。高橋グループの関係者だとしたらいくつかツテがあるから」
真香の父さんが話していた。
「とにかく今度の敵は結構しんどい相手見たいだ。皆慎重にいこう。常に警戒してくれ」
渡辺さんがそう言った。
会食が終ると僕達は家に帰る。
「またとんでもない敵が現れましたね」
「だね」
相手がリーダー同士でタイマンしましょうっていう馬鹿だったらいいけどそうでもないらしい。
陽葵達にも注意するように言っておいた。
一番恐ろしい相手。
それは相手の意図が全く分からない相手。
何か手掛かりがつかめたら。
向こうから仕掛けてきたら。
とにかくもっと情報が欲しい。
初めて脅威だと思った相手。
僕や翼は良い。
しかし今皆子供を抱えている。
なずな達に警備をつけているとはいえ油断はできない。
どうすればいい?
しかし結論を出す前に彼等は動き出す。
週末の夜、私達は集まった。
下は中学校から上は社会人まで。
さすがに小学生は無理だ。
公園のステージの上に神谷十郎さんが立つ。
私と有紀は十郎さんを見ていた。
「今日は皆わざわざありがとう。感謝してるよ」
十郎さんが挨拶を始める。
私達の目的は打倒SH。
その為だけに集められた人間。
みんな少なからずSHに恨みを持つものだけを集めた。
資金や武器は十郎さんが集めてくれる。
十郎さんは人生の半分を上海で地獄のような生活を過ごして来た。
渡辺班に、片桐冬夜に復讐を……。
それだけを心の支えにして暮らして来た。
彼の裏社会への影響力はかなりの物だ。
志水グループですら手が出せない程の巨大な組織。
しかし日本には全くつてがない。
それはこれから作っていけばいい。
その為に成実たちがいるのだから。
十郎が挨拶をしていると、黒い服装の集団が近づいてきた。
「お前ら何してるんだ?」
ここはFGのテリトリーだぞ?
そう言って十郎さんに文句を言っている。
十郎さんは無視して挨拶を続ける。
「おっさん舐めてんじゃねーぞ!」
十郎さんの胸ぐらをつかんだ時、有紀が動いた。
FGの連中は皆立っていられなくなり、その場に倒れこむ。
苦痛な表情で、声を出す事すら出来なくなる。
「有紀止めておけ」
十郎さんが言うと有紀が彼等を開放する。
「お前ら何者だ」
FGの一人が十郎さんに聞いていた。
「そういえば決めてなかったね」
十郎さんはそう言って考える。
「そうだね……リベリオンとでも名乗るとしようか」
世界への反抗組織。
ちょうどいい名前だ。
誰も異を唱える者がいなかった。
たった今作ったのだからFGが知るわけがない。
「FGに逆らってただで済むと思うなよ」
倒れこんだFGの連中がそう言うと十郎さんは彼等の顔を見る。
「そうだね、こっちの意思も示しておく必要があるかもしれないね」
そう言って一人を持ち上げる。
「君達もFGの人間というなら覚悟くらいはしてるんだろ?」
そう言って十郎さんはにやりと笑う。
「僕達の狼煙になってもらうとしようか?」
こうして私達の復讐劇が幕をあげる。
(2)
その日、ホテルのホールを借りていた。
渡辺班とSHが集まっていた。
今回だけは妻を残して出歩くなんて出来ない。
みんな妻子を連れて来ていた。
召集の理由は昨日起きた事件。
FGの人間が若草公園のステージで無残な姿になっていた。
犯人はもちろんSHではない。
そして相手はちゃんと名乗っていた。
「次はSHの番だ。リベリオン」
聞いたこともないグループだ。
早速茜と水奈の父さんが調べる。
するととんでもない素性が明らかになった。
もうSHだけでは対処できない規模の物だったので招集がかかった。
彼等が本気なのはその無残な物を見て分かっている。
「リベリオンだかスペアリブだか知らねーがぶっ殺してやる」
天音や遊達はそう言って怒っている。
「天音、落ち着いて。彼等が天音じゃなく結莉達を狙ったらどうするの?」
「返り討ちにして殺してやればいいじゃねーか!?」
「天音はそれが出来る。でもなずなや花には絶対無理だ」
遊や粋だって太刀打ちできるかどうかわからない。
「じゃあ、どうすればいいんだよ!?こっちが仕掛けなくても相手が仕掛けてくる気でいるんだろ?」
天音の言う通りだ。
「パパや空がいつも言ってるでしょ。まずは相手を知ることが大事」
翼が天音を説得している。
「だから茜が調べたんだろ?」
「うん、調べた。そしたらとんでもない相手だった」
茜は言う。
もうSH単体で手に負える相手じゃない。
SHが相手にするとしても親の協力なしでは勝ち目がない。
相手は今まで見たいな素人じゃない。
本物の武装組織だ。
何を持って襲撃してくるか分からない。
もちろんなずなや花のような戦えないメンバーには精鋭部隊を護衛に着ける。
でもそれでも絶対安全とは言えない組織だった。
「一体なんでそんなのがいきなり現れたんだよ?」
遊が聞くと父さんが説明した。
「リベリオンのリーダーは2人いる。一人は神谷十郎。もう一人は高橋成実」
神谷はともかく高橋の名前には父さん達は心当たりがあった。
僕達も無関係では無い。
前に潰したイーリスの本物の所持者。
アルテミスに奪われ地元に残っていたのも僕達が潰した。
そのせいで高橋グループの権威は失墜した。
だからその復讐を企てたらしい。
しかし神谷という人物は心当たりがない。
そして水奈の父さん達も調べたけど日本国籍がないから個人情報が手に入れられなかった。
ただ一つ言えるのはFGよりも厄介な第3勢力。
しかもSHと渡辺班に反抗する意思をむき出しにしている危険な存在。
それは放っていても衰退するだけの高橋グループだけが裏にいるんじゃない。
そう考えた父さん達はリベリオンについて徹底的に調べた。
するとある程度分かったらしい。
「彼等の殆どが渡辺班によって人生が台無しになった連中だよ」
父さんが言った。
渡辺班というか4大企業が気紛れで潰して来た企業の関係者が大半を占めている。
FGに入れなくなってSHに入ろうとしたけど勝次が拒んだ連中もいる。
つまり全員が僕達に恨みを持つ人間だという事。
多分神谷という男もそうだろう。
「馬鹿は死なないと分からないというけど、本当みたいね」
「そんなに物足りないならもっと地獄に突き落としてやる」
恵美さんと善明の母さんが言っている。
「僕達はまず、神谷という人間を調べる。どうもそれが気になる」
裏組織の正体も父さん達が調べるという。
「で、俺達はどうする?空の王」
光太が聞いてきた。
「どうもこうも相手してやるしかないだろうね」
「で、対策は考えてるのかい?」
善明が聞くと、僕は首を振った。
公園で狙われたのは社会人だった。
つまり誰がリベリオンでいつ狙われるか分からない。
と、なるとやっぱり欲しいのは情報だ。
それも早急に集めないと取り返しのつかないことになる。
FGなんかとは格が違う。
FGに対しては何かしらこっちも手札があった。
だけどリベリオンに対してはこっちは持ち札がない。
しかし気になることがある。
片桐家だけを狙っているのか全員敵視しているのかも判断がつかない。
向こうが手を見せないとこっちも対処しようがない。
だから何も出来ない。
今は茜や水奈の父さんが情報を集めてくれるのを待つしかない。
「僕達も当たってみるよ。高橋グループの関係者だとしたらいくつかツテがあるから」
真香の父さんが話していた。
「とにかく今度の敵は結構しんどい相手見たいだ。皆慎重にいこう。常に警戒してくれ」
渡辺さんがそう言った。
会食が終ると僕達は家に帰る。
「またとんでもない敵が現れましたね」
「だね」
相手がリーダー同士でタイマンしましょうっていう馬鹿だったらいいけどそうでもないらしい。
陽葵達にも注意するように言っておいた。
一番恐ろしい相手。
それは相手の意図が全く分からない相手。
何か手掛かりがつかめたら。
向こうから仕掛けてきたら。
とにかくもっと情報が欲しい。
初めて脅威だと思った相手。
僕や翼は良い。
しかし今皆子供を抱えている。
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