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天を包む愛
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(1)
「すまん」
「遅いぞ学」
いつも遅刻してる光太が、遅れてきた学を叱るという不思議な光景。
麗華は母になってしっかりしてきたらしい。
だから前日夜遅くまで飲むなんて真似は絶対に許さなかった。
少々夜更かしして朝眠いと光太が言っても「自業自得でしょ!」と一言言って準備させたらしい。
一方学は父親が原因だった。
学と水奈の父親が来て「いい加減孫の顔見せろ」と絡んでいたそうだ。
母親に連絡して強制連行させたらしい。
それで遅くなって、珍しく学が寝坊するという事態になった。
「まあ、電車まで時間あるんだろ?いいじゃん」
水奈は全く気にしてないらしい。
こんなところで揉めていても時間の無駄だ。
「本当に電車乗り遅れるから急ごう?」
翼が言うから僕は先に切符を配る。
時間になると電車に乗って、電車が動き出すと僕は景色に見とれていた。
「空には何が見えてるの?」
美希が聞いてくる。
「空と海」
「それだけ?」
「そうだよ」
宇宙から来た人は波が変化するのも楽しんでいたらしい。
その女性は凄く嫌われているけど。
でもその意見は男性目線で見るとそうなるだけで、女性目線で見るとそうでもないらしい。
「でも、空は地球で生まれてるんだから見慣れてるでしょ」
美希はそう言って笑う。
この気持ちをうまう伝える術が僕には分からない。
父さんだったら上手く伝えられるのかな?
「でも空の悪い癖だよ」
「僕何かまずい事やった?」
「何もしてくれないから問題なの」
要するに話し相手くらいしてくれてもいいじゃないかって事らしい。
と、言われても話すことが無くて困った。
すると翼からメッセージが届いた。
「あ、美希達にも伝えておくけど今日の夕ご飯私に任せてくれない?」
「ちゃんぽんとかじゃないの?」
「それはお昼でいいじゃない」
「他に何かあるの?」
「うん」
父さんから聞いたらしい。
「冬夜さんの旅行は食べる事しかないんですか!」
と、母さんに叱られていたらしいけど。
「何があるの?」
「それはお楽しみに」
翼はそう言ってスマホで美希達と相談している。
博多で降りると新幹線に乗り換える。
長崎駅に着くとまずはホテルにチェックインする。
駅弁は食べなかった。
ホテルの部屋に荷物を置くとロビーで集合する。
そして真っ先に向かったのは中華街。
翼も僕もこれを楽しみにしていた。
チャンポンとラーメンと皿うどんを食べる。
皆呆気に取られてた。
とりあえず僕達は満足すると美希達が希望していた観光地に向かう。
バスも走ってるけど路面電車で移動する方が早いし安い。
初めて乗るから楽しみだった。
ちなみに冬莉は修学旅行時に単独行動で乗ったらしい。
散々先生に叱られたんだそうだ。
皆が観光スポットを回っているのを佐世保バーガーを食べながらついていく。
「麗華、これ着てみないか!」
光太なら絶対に言うと思った。
光太は麗華にチャイナドレスを要求していた。
「ちゃんと採寸してから作ってもらわないと引き立てられないの」
「なら注文するよ!」
「あまり馬鹿な事言ってると子供連れて実家に帰るよ!」
光太は大人しくなる。
父さんが言っていた。
そういう彼女の体型は自分だけが知っていればいいって。
ぽかっ
「空はそういう事を考えたらダメって言ってるでしょ」
「ごめん、でもやっぱり美希が着たらどうなんだろうって気になってさ」
「そんな事言ってもだめだよ。私はあまり体型を強調する服が苦手で」
「でも腰の括れは美希は綺麗だよ」
ぽかっ
「そういう話は2人っきりの時にして」
とりあえずウェディングドレス姿で我慢してと美希が言う。
そういえばそれがあったな。
「で、夜はどうするんだ?」
光太が聞いてきたので翼が答えた。
「あれ?麗華には言っておいたはずだけど?」
「ああ、夕食は聞いてる。その後どうするんだ?」
この流れはヤバい。
僕と善明と学は察した。
「ホテルにバーがあった。あそこで飲めばいいよ」
この人数なら問題ないでしょ?と美希が言う。
「せっかく長崎に来たんだぜ。もっといい店あるだろ」
光太にとってはそうかもしれないが、女性陣がいるのに無茶だろ?
「あ、空は私が居なかったら行くつもりだったの?」
「いつも美希とバーで楽しんでるじゃないか。それは無いよ」
「じゃあ、問題ないよね」
やっと結婚を目前にしているのにそんな無茶をやるわけがない。
むしろ問題を作らないで欲しい。
「光太はどういうつもりだったの?」
麗華が睨みつける。
「い、いや男同士で色々あるだろ?」
「そこに私達が居たらいけない理由があるの?」
「こ、光太言っとくけど僕は遠慮しとくからね」
長崎まで来て海に沈められる事態は避けたいと善明は言う。
「私はいいぜ。光太、行こうぜ!」
「ダメだ!どうせまた落ち込むだけだろうが!」
学は水奈の説得に苦戦してるようだ。
「そうだな、俺も一度善明達の好む店に興味あったんだ」
いつもは水奈や天音の面倒を見ていたからな。
「じゃ、決まりね」
翼は反論は許さなかった。
麗華も同様だ。
観光を終えると、翼が夕食の店に案内する。
どんな店だろう?
ついた先は普通の洋食屋さんだった。
席に着くと翼は注文をした。
「トルコライス大盛り二つ」
トルコライス?
なんだそれ?
他の皆も注文していた。
普通にカツカレーとかを注文していたけど。
そして僕達に出された料理を見て驚いていた。
スパゲティとピラフとデミグラスソースのかかったとんかつ。
しかも翼は大盛りだと言った。
「これSNSに載せるといいかもね」
翼はスマホで写真を撮ってる。
「翼、それ食べきれるの?」
二人共昼食も凄い量食べていたでしょ?
美希が驚いている。
「このくらい余裕だよ。空、食べよ?」
「んじゃ、お先に頂きます」
父さんお勧めの店だけの事はある。
とても美味しかった。
美希は少し残していたのでその分も僕が食べた。
食べ終わるとホテルに戻ってバーで飲む。
「明日はどうするの?」
2泊3日だ。
他に行くところあるのか?と麗華が聞く。
「テーマパーク行くつもり」
小学校の時は時間も無かったし、大人になったら一度行ってみたかったからと美希が説明する。
善明と学と光太は苦笑していた。
何となく気持ちは分かる。
確かに大人になって行って見ると変わる物もあると父さんが言ってた。
例えば地元の調和の国とか。
父さんは母さんと行くところならどこでも楽しいんだと話していた。
「子供に言う事じゃないですよ。困った父親ですね」
そう言う母さんは嬉しそうだった。
「心配しなくても食べる物は目星つけておいたから」
翼が選ぶのなら問題ないだろう。
「あんななんも無い所行ってもつまんないだろ!」
予想通りに水奈が抗議する。
「俺は水奈とあそこに行ってない。思い出を作らせてくれないか?」
「学がそういうなら……しょうがないなぁ」
なんだかんだ言って学は水奈の扱いを覚えているみたいだな。
「トルコライスがあるんならトルコ風呂もあるだろ!?行こうぜ!」
僕達は関係ないとカクテルをお替りしていた。
「旅行終わったら離婚届書いてやるから行きたければ勝手に行けば?」
麗華が言うと、光太はただ笑っていた。
麗華は本当に性格変わったな。
母親になるってそういう事なんだろうか?
しかしトルコアイスなら聞いたことあるけどトルコ風呂ってなんだ?
ただの風呂じゃなさそうだけど……。
ぽかっ
「空は興味持ったらダメ!」
そういうサービスをして欲しいなら私がしてあげるから。
ああ、そういう店なのか。
「明日も早いんだろ?そろそろ寝ないかい?」
善明が言うと部屋に戻ってシャワーを浴びる。
風呂から出ると美希が髪を乾かして、そしてスマホで何かを調べてる。
「はい、これ」
美希にスマホを見せてもらった。
さっきの答えがあった。
……これ金払ってまでしてもらう理由が分からないんだけど。
そんな不思議そうに見ている僕を見て美希は笑った。
「まあ、空ならそうなるよね」
他の人は違うんだろうか?
「じゃ、悩みも無くなっただろうから早めに寝よ?」
「本当に寝てもいいの?」
「そういう意地悪言うんだ。でも今日はいいよ。帰ったら一杯甘えるから」
そう言って美希と2人で眠りについた。
「すまん」
「遅いぞ学」
いつも遅刻してる光太が、遅れてきた学を叱るという不思議な光景。
麗華は母になってしっかりしてきたらしい。
だから前日夜遅くまで飲むなんて真似は絶対に許さなかった。
少々夜更かしして朝眠いと光太が言っても「自業自得でしょ!」と一言言って準備させたらしい。
一方学は父親が原因だった。
学と水奈の父親が来て「いい加減孫の顔見せろ」と絡んでいたそうだ。
母親に連絡して強制連行させたらしい。
それで遅くなって、珍しく学が寝坊するという事態になった。
「まあ、電車まで時間あるんだろ?いいじゃん」
水奈は全く気にしてないらしい。
こんなところで揉めていても時間の無駄だ。
「本当に電車乗り遅れるから急ごう?」
翼が言うから僕は先に切符を配る。
時間になると電車に乗って、電車が動き出すと僕は景色に見とれていた。
「空には何が見えてるの?」
美希が聞いてくる。
「空と海」
「それだけ?」
「そうだよ」
宇宙から来た人は波が変化するのも楽しんでいたらしい。
その女性は凄く嫌われているけど。
でもその意見は男性目線で見るとそうなるだけで、女性目線で見るとそうでもないらしい。
「でも、空は地球で生まれてるんだから見慣れてるでしょ」
美希はそう言って笑う。
この気持ちをうまう伝える術が僕には分からない。
父さんだったら上手く伝えられるのかな?
「でも空の悪い癖だよ」
「僕何かまずい事やった?」
「何もしてくれないから問題なの」
要するに話し相手くらいしてくれてもいいじゃないかって事らしい。
と、言われても話すことが無くて困った。
すると翼からメッセージが届いた。
「あ、美希達にも伝えておくけど今日の夕ご飯私に任せてくれない?」
「ちゃんぽんとかじゃないの?」
「それはお昼でいいじゃない」
「他に何かあるの?」
「うん」
父さんから聞いたらしい。
「冬夜さんの旅行は食べる事しかないんですか!」
と、母さんに叱られていたらしいけど。
「何があるの?」
「それはお楽しみに」
翼はそう言ってスマホで美希達と相談している。
博多で降りると新幹線に乗り換える。
長崎駅に着くとまずはホテルにチェックインする。
駅弁は食べなかった。
ホテルの部屋に荷物を置くとロビーで集合する。
そして真っ先に向かったのは中華街。
翼も僕もこれを楽しみにしていた。
チャンポンとラーメンと皿うどんを食べる。
皆呆気に取られてた。
とりあえず僕達は満足すると美希達が希望していた観光地に向かう。
バスも走ってるけど路面電車で移動する方が早いし安い。
初めて乗るから楽しみだった。
ちなみに冬莉は修学旅行時に単独行動で乗ったらしい。
散々先生に叱られたんだそうだ。
皆が観光スポットを回っているのを佐世保バーガーを食べながらついていく。
「麗華、これ着てみないか!」
光太なら絶対に言うと思った。
光太は麗華にチャイナドレスを要求していた。
「ちゃんと採寸してから作ってもらわないと引き立てられないの」
「なら注文するよ!」
「あまり馬鹿な事言ってると子供連れて実家に帰るよ!」
光太は大人しくなる。
父さんが言っていた。
そういう彼女の体型は自分だけが知っていればいいって。
ぽかっ
「空はそういう事を考えたらダメって言ってるでしょ」
「ごめん、でもやっぱり美希が着たらどうなんだろうって気になってさ」
「そんな事言ってもだめだよ。私はあまり体型を強調する服が苦手で」
「でも腰の括れは美希は綺麗だよ」
ぽかっ
「そういう話は2人っきりの時にして」
とりあえずウェディングドレス姿で我慢してと美希が言う。
そういえばそれがあったな。
「で、夜はどうするんだ?」
光太が聞いてきたので翼が答えた。
「あれ?麗華には言っておいたはずだけど?」
「ああ、夕食は聞いてる。その後どうするんだ?」
この流れはヤバい。
僕と善明と学は察した。
「ホテルにバーがあった。あそこで飲めばいいよ」
この人数なら問題ないでしょ?と美希が言う。
「せっかく長崎に来たんだぜ。もっといい店あるだろ」
光太にとってはそうかもしれないが、女性陣がいるのに無茶だろ?
「あ、空は私が居なかったら行くつもりだったの?」
「いつも美希とバーで楽しんでるじゃないか。それは無いよ」
「じゃあ、問題ないよね」
やっと結婚を目前にしているのにそんな無茶をやるわけがない。
むしろ問題を作らないで欲しい。
「光太はどういうつもりだったの?」
麗華が睨みつける。
「い、いや男同士で色々あるだろ?」
「そこに私達が居たらいけない理由があるの?」
「こ、光太言っとくけど僕は遠慮しとくからね」
長崎まで来て海に沈められる事態は避けたいと善明は言う。
「私はいいぜ。光太、行こうぜ!」
「ダメだ!どうせまた落ち込むだけだろうが!」
学は水奈の説得に苦戦してるようだ。
「そうだな、俺も一度善明達の好む店に興味あったんだ」
いつもは水奈や天音の面倒を見ていたからな。
「じゃ、決まりね」
翼は反論は許さなかった。
麗華も同様だ。
観光を終えると、翼が夕食の店に案内する。
どんな店だろう?
ついた先は普通の洋食屋さんだった。
席に着くと翼は注文をした。
「トルコライス大盛り二つ」
トルコライス?
なんだそれ?
他の皆も注文していた。
普通にカツカレーとかを注文していたけど。
そして僕達に出された料理を見て驚いていた。
スパゲティとピラフとデミグラスソースのかかったとんかつ。
しかも翼は大盛りだと言った。
「これSNSに載せるといいかもね」
翼はスマホで写真を撮ってる。
「翼、それ食べきれるの?」
二人共昼食も凄い量食べていたでしょ?
美希が驚いている。
「このくらい余裕だよ。空、食べよ?」
「んじゃ、お先に頂きます」
父さんお勧めの店だけの事はある。
とても美味しかった。
美希は少し残していたのでその分も僕が食べた。
食べ終わるとホテルに戻ってバーで飲む。
「明日はどうするの?」
2泊3日だ。
他に行くところあるのか?と麗華が聞く。
「テーマパーク行くつもり」
小学校の時は時間も無かったし、大人になったら一度行ってみたかったからと美希が説明する。
善明と学と光太は苦笑していた。
何となく気持ちは分かる。
確かに大人になって行って見ると変わる物もあると父さんが言ってた。
例えば地元の調和の国とか。
父さんは母さんと行くところならどこでも楽しいんだと話していた。
「子供に言う事じゃないですよ。困った父親ですね」
そう言う母さんは嬉しそうだった。
「心配しなくても食べる物は目星つけておいたから」
翼が選ぶのなら問題ないだろう。
「あんななんも無い所行ってもつまんないだろ!」
予想通りに水奈が抗議する。
「俺は水奈とあそこに行ってない。思い出を作らせてくれないか?」
「学がそういうなら……しょうがないなぁ」
なんだかんだ言って学は水奈の扱いを覚えているみたいだな。
「トルコライスがあるんならトルコ風呂もあるだろ!?行こうぜ!」
僕達は関係ないとカクテルをお替りしていた。
「旅行終わったら離婚届書いてやるから行きたければ勝手に行けば?」
麗華が言うと、光太はただ笑っていた。
麗華は本当に性格変わったな。
母親になるってそういう事なんだろうか?
しかしトルコアイスなら聞いたことあるけどトルコ風呂ってなんだ?
ただの風呂じゃなさそうだけど……。
ぽかっ
「空は興味持ったらダメ!」
そういうサービスをして欲しいなら私がしてあげるから。
ああ、そういう店なのか。
「明日も早いんだろ?そろそろ寝ないかい?」
善明が言うと部屋に戻ってシャワーを浴びる。
風呂から出ると美希が髪を乾かして、そしてスマホで何かを調べてる。
「はい、これ」
美希にスマホを見せてもらった。
さっきの答えがあった。
……これ金払ってまでしてもらう理由が分からないんだけど。
そんな不思議そうに見ている僕を見て美希は笑った。
「まあ、空ならそうなるよね」
他の人は違うんだろうか?
「じゃ、悩みも無くなっただろうから早めに寝よ?」
「本当に寝てもいいの?」
「そういう意地悪言うんだ。でも今日はいいよ。帰ったら一杯甘えるから」
そう言って美希と2人で眠りについた。
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