姉妹チート:RE

和希

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4thSEASON

傷つかないように流されないように

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(1)

見失ってしまった。
大勢の新社会人がいる中で光太を探すのは困難だ。
「ここで待ってて」って言ったのに。
どこに言ったんだ?
まだ会場の中に入っていないことを祈りながらメッセージを送っている。
当然会場の中ではスマホは厳禁。
書かれていなくてもそのくらいの事は理解している。
今日は入社式。
慣れないスーツを着て慣れない化粧をしていれば緊張もする。
ちょっとお手洗いに行った隙にすぐに消えてしまう。
まったく……。
スマホを操作していると誰かが背中にぶつかった。
振り返ると同じようにスーツを着た女性がいた。
私を不思議そうに見ていた。

「……ごめん」
「気にしないで。あなたも迷子?」
「うん、あなたも?」
「ええ」

お互い一緒に来た連れとはぐれたらしい。

「道香!どこ行ってたんだ!?」

光太と一緒に知らない男性がやって来た。

「どこって、お手洗い」
「それならそうって言ってくれればいいのに」
「言おうと思ったらいなかった」
「道香の悪いくせだぞ!突然どこかに行くの。で、一緒に居るそっちの美人さんは誰?」

多分私の事だろう。

「ああ、俺の連れ。紹介するよ。栗林麗華。麗華こいつ俺と同じ部署に配属されるらしい岡沢克樹」

光太がそう言うと「よろしく」と会釈をしたので私も返した。

「で、光太はどこに行ってたわけ?」
「ああ、克樹が連れを見失ったから一緒に探してたんだ」
「どうして連絡してくれなかったの?」
「スマホ家に置いてきた」

どうせ、会場では電源切るんだし必要ないだろうと持ってこなかったらしい。

「ごめんね、栗林さん。あ、麗華ちゃんって呼んでもいいかな?」
「……別にいいけど」
「悪いね、どうせこれから年配相手にしないといけないから同期くらいはタメ口で話したいからさ。あ、こいつ俺の連れて筑井道香」
「……よろしく」

筑井さんはぼそりと呟いて会釈をする。
そんな筑井さんを見て岡沢さんは謝る。

「悪いね、こいつどうも人見知りするっていうか愛想が悪くてさ」
「大丈夫」

私も似たようなもんだし。

「そろそろ会場入らないと不味いんじゃね?」

光太が時計を見て言う。

「あ、本当だ。じゃあ、道香また後でな」

岡沢さんはそう言って会場に入ろうとする。
それについていこうとする光太を捕まえた。

「式が終わったらどうやって待ち合わせするつもり」
「あ、そうだ。どうしよう?トイレの前で待ち合わせでいいか?」
「……栗林さんはどこの部署ですか?」

筑井さん聞いたので答えた。
どうやら同じ部署らしい。

「じゃあ、私が克樹に連絡するから」
「わかった。じゃあ、また後でな!」

そう言って岡沢さんと光太は会場に入る。
私達も一緒に会場に入る。
配属先ごとに席が違うようだ。
席に座ると筑井さんが聞いてきた。

「……二人は付き合ってから長いの?」
「まあね、小学生からかな」
「すごいね」
「筑井さんはどれくらいになるの?」
「道香でいいよ、私も麗華って呼ばせてもらうから」
「わかった。で、道香はどれくらい彼と付き合ってるの?」

高校の入学式の日に告白されたらしい。
たまたま隣の席だったから。
一目惚れ?というわけでもなさそうだ。

「せっかくだからお互い楽しく高校生活送らない?」

そう言って口説かれたらしい。
そして式が始まった。
社長のありがたい言葉があって、そして多分大卒の人だろう、新入社員の代表の人が挨拶して終わった。
それから、各部署ごとに説明を受ける。
私達は制服の採寸があった。
車という交通手段が使えない私にとって内勤はありがたい事だった。
制服も作業着ではなく、受付用のきちんとしたスーツ。
私達は受付に回された。
新人に任せていいのか?
仕事に慣れたら事務仕事に回ってもらうと聞いた。
受付は会社の顔だから若い方がいい。
暫くは応対の仕方について訓練をするそうだ。
テーブルマナーの講座にも参加する。
それから各部署のお偉いさんの所に挨拶に行く。

「今日付けで総務部に配属されることになった栗林麗華です」
「き、君が!?いや、大変お世話になっとります」

初対面の人なのになんでだろう?
私の名前を出すと皆緊張していた。
どっちが上なのかわからない。
昼食は社長たちの話を聞きながらみんなで弁当を食べていた。
そして細かい説明を受けて終業時間になると会社の照明が落ちていく。
この会社では残業は厳禁。
それが徹底されていた。
そして仕事が終ると光太達と待ち合わせする。
光太は岡沢さんや他の同期の人間と一緒に居た。

「麗華も来るか?」

入社して早々歓迎会をやるらしい。

「私は止めとく」

多分女性の私が行ってもろくな目に合わないだろうから。

「家の鍵は持ってるよね?」
「ああ、そんなに遅くならないうちに帰るから」
「道香。お前はどうする?」

岡沢さんが聞いていた。

「私も止めとく、あまり好きじゃないし」
「そう言うの良くないっていつも言ってるだろ?たまには愛想ふりまいとけって」
「まあ、いいじゃん?克樹。無理矢理は良くないぜ」
「それもそうだな。じゃあ、気を付けて帰れよ」

そう言って二人は歩いて行った。
光太はここから私達の家まで歩いて5分もない所に住んでいるから。
初日から現場に飛ばされることもないだろうと徒歩で来た。
岡沢さんは道香の車で来たらしい。
私達も帰ろうと道香に挨拶する。

「せっかくだから一緒に夕食でもどう?」

道香が言うのでせっかくの同期だしいっかと了解した。
そんなに離れていないファミレスに行った。
そんなに離れてないけど道香の車で行った。
道香の車はそれはもう見事に派手な赤色のスポーツカーだった。
こんな趣味があったのか。
運転も上手だった。
見た目の割には飛ばさないスムーズな運転。
ハンドルを握ると人格が変わるという事もない。
ファミレスに着くと車が好きなの?と聞いていた。
学生時代は自動二輪も乗っていたらしい。
女性ながらに凄い。

「克樹に合わせてただけ」

無表情で道香は答えた。
彼女の私服も化粧も皆岡沢さんに合わせているらしい。
車種もいわゆる姉妹車と言うものを選んだそうだ。

「そんな生活してて疲れない?」
「克樹だけだから……」

道香が初めて表情を見せた。
照れというやつだ。
小学校中学校と自分といてもつまらないと離れていく友達。
そして自分1人だけで高校に入学して同じように過ごすのだろうと思っていたら岡沢さんが話しかけて来てくれた。
それがきっかけだった。
夕食が終ると家に送ってもらう。

「じゃあ、また明日」
「あの……」

道香が何か言いたそうだ。
連絡先を交換しないか?という。
断る理由は無かった。
でも、それならと道香をSHに招待する。
不思議そうにしている道香に説明する。
道香はSHに入った。
軽くエンジンをふかして道香は家に帰る。
私も部屋に行くとシャワーを浴びる。
23時を過ぎても帰ってこない光太。
まあ、そうだろうと思っていたけど。
1時を過ぎて先に寝ようかと思った時に鍵を開ける音が聞こえた。
玄関に行くとふらふらの光太がいた。

「ただ今帰りました~」
「明日仕事なんだよ?大丈夫なの?」
「このくらい大したこと無いって!」

そう言って光太は靴を脱ぐと私に抱き着く。

「愛してるぜ、麗華」
「ちょっと匂うから……そんな状態じゃお風呂で溺れるから朝シャワー浴びなよ」
「溺れないように一緒に入るってのはどうだ?」
「私はもう入りました」

翌朝光太はシャワーを浴びていた。
そして急いで朝食を食べる。
同棲するって聞いた時から一応料理の練習はしておいた。
案の定光太は昨夜の事なんて覚えてない。
光太も当分は内勤で講習をうけるらしい。
会社のなかに食堂はあったけど、少しでも節約しよう。
そう思ってお弁当を光太に渡す。

「これが愛妻弁当ってやつか!」
「まだ妻になった覚えはないよ」

その昼道香と二人で弁当を食べた。
道香も弁当を用意している。
もちろん岡沢さんの分も用意してるらしい。
2人もまた同棲しているのだという。
岡沢さんも昨夜は光太と同じような状態だったらしい。
いや、もっと酷かったそうだ。
でも家の中だからいい。
外で他人に絡んだりしたら大事だ。

「お互い困った彼氏だね」

そう言って笑っていた。

(2)

慣れないスーツに奮闘していた。
襟がきつい。
一番上のボタン外してもいいんじゃないか?
そんなの関係ない。
どうせネクタイでしめるんだから。
ネクタイで奮闘してさらに革靴でまた難航する。
こんな事なら練習しておくんだったな。
よし、準備出来た。
家を出ると車に乗る。
時間は7時半。
会場のホテルまでは十分間に合う。
車を出すと国道を通らず裏道を通る。
僕たちが済んでる場所から街に向かうには大まかに3つの道に別れる。
二つのバイパスを通るか旧道を通るか。
場所的に考えてトンネルをくぐるバイパスを選ぶしかない。
だけどそれでは狭間インターから下郡に抜けるバイパスとぶつかる交差点。
それと大道を通る国道10号の交差点を越えなければならない。
両方とも混雑の発生点だ。
だから僕はバイパスを使わず。トンネルの上を越えていく道を選んだ。
離合の相手が余程下手じゃない限りスムーズに進める。
そして、そのまま狭間インターからの道を渡って裏ルートを使う。
もちろん制限速度はオーバーしてる。
しかし30キロなんて制限速度守ってたらどんなに道が空いていても間に合わない。
信号もない見通しの悪い交差点。
一時停止だけはしっかり守って行く。
たまに一時停止すら無視する無謀な車もいるけど。
そして30分前にはついていた。
タワーホテルのホールを借りて医学部の新入生も交えての入学式。

「お~い」

海璃の声がする。
海璃も善明も僕達のよりはるかに高そうなスーツを着ている。

「どうせ、成人式やリクルートスーツは買いなおすからと言ったんですけどね」

善明がそう言っても酒井家も石原家も女性の権限が強い。

「ちゃちなスーツ着てみっともない姿で入学式に行くつもりなのあなたは!」

善明の母さんに怒られたそうだ。
ほかのSH組も揃ったようだし受付をして会場に入る。
入学式が終ると皆でSAPでも行かないか?と話をしていた。
皆でSAPに行く。
僕達は車を移動させる。
そして軽食を食べてボウリングから遊んでいく。
そしてカラオケで騒いでいた。
夕方くらいになると皆で食べに行こうという。
学は断っていた。
善明と美希も断っていた。
焼き鳥屋さんにいくそうだ。
なんか大人っぽくていいな。

「空は車で来たんだろ?やめとけ」

学に言われて止めておいた。
駅前でラーメンを食べ終わると家に帰る。
家に帰ったらスーツを脱いで部屋着に着替えてそして風呂に入る。
スーツは後日クリーニングに出して置こう
今頃は皆盛り上がっているんだろうな。
週末は花見がある。
花見は皆で公園にあつまるそうだ。
今が見頃らしい。
水奈も行くかな?
一応メッセージを送ってみた。

「行く!!」

即答だった。
花見が終れば週が明けて本格的に大学生活が始まる。
光太は入社初日からやらかしたらしい。
そして新たにメンバーを増やしたと聞いている。
世界が広くなって新しい仲間と巡り会って。
だけどどんな時でも輝きは誰にも止められない。
思い出は壊されない。
愛になって空を包むように抱きしめている。

(3)

「それじゃ、新しいメンバーもよろしくな!乾杯!!」

光太がそう言って宴は始まった。
皆弁当を持ちよって食べている。
光太と光太の仲間の岡沢克樹はさっそく盛り上がっていた。
そして代行を頼むしかない。
そんな立地条件の悪さが皆を自粛させているかのように見えたがそんな事は無かった。
それなりにバイトしたリ中には働いている子もいる。
歯止めにならない。
そして光太と克樹を筆頭に騒いでいる。
麗華と克樹の彼女の道香は飽きれていた。
2人はジュースを飲みながらお話をしている。
受付嬢も大変らしい。
基本立ちっぱなしの仕事らしい。
そしてまだ受付には立たせてもらえない。
ひたすら頭を下げる練習。
そして笑顔を絶やさない練習。
髪形や色。化粧まで細かなチェックが入る。
2人ともそう言うのに疎いので苦労しているらしい。
光太達はそろそろ現場に就くらしい。
花見は夜まであった。
食べ物もつきかけた頃小さなコンロで焼肉を焼いていた。
中には七輪を持ってきてる人ももいた。
ここBBQ禁止じゃなかったっけ?

「この時間ならまだ大丈夫だ」

学が言う。
じゃあ、遠慮なく肉を頂く。
善明の様子が変だ。
異様なテンションになっている。
「どうしたの?」と海璃に聞いていた。
原因は光太だった。
帰りは海璃が運転するらしい。
幸い海璃の車で来ていたから平気らしい。

「こうなるのが分かってたから」

光太を叱る学と陽気な善明。

「そろそろお開きにしようか?」

美希が言う。

「じゃあ、皆二次会だ。繁華街行こうぜ」
「どうやって行くの?」
「女子に運転任せてさ、大丈夫だろ?」
「そう言ってまた午前様になるつもりでしょ」

麗華と光太が言い争っている中僕達は片づけに入る。

「じゃ、お疲れ様」

学が言うとみんな解散する。
麗華は運転が出来ないので道香に送ってもらっていた。
家に帰ると荷物を片付ける。
そして風呂に入って寝室に行く。
テレビを点けっぱなしにしたまま眠っていた。

「GWに合宿しようよ」

そんな事を美希が言っていた。

「もちろん参加希望者だけでいいから」
「合宿って何するの?」
「別荘で何泊かするんだって」
「誰から聞いたの?」
「うちのお母さん」

美希の両親、てことは家の両親もか。
断る理由は無かったので了解した。
新年度が始まってきっとまだまだ出来事があるんだろうな。
そんななかで自分らしく生きる事。
忘れそうな向かい風。
正しい答えはこの胸だけ。出会えた心が導いてくれる。
流されずに、傷つかずに。
愛になって瞬間を掴むように抱きしめている。

(4)

今日から僕達は新しい練習場で練習する。
指導するのは誠司の父さん。
誠司の父さんは僕達の実力を知ってる。
しかし他の大人は知らない。
まずはその自信をへし折る。
そんな意味もあったのだろう。
現時点のレギュラーメンバーとの試合形式の練習をする事になった。
僕は外でベンチに座っていた。
誠司達は芝生のフィールドに感動している。
ちょっとうらやましかった。
そして練習が始まる。
上級生との練習は那奈瀬のクラブの練習で慣れている。
多少の当たりで誠司はふらついたりしない。
足して隼人達にパスを出す。
しかしやはりセレクションに通ってきた事もある。
ゴールに中々結びつかない。
だけどこちらのディフェンスはしっかり機能してた。
暖人の指示が的確だ。
ゲームは膠着していた。

「どうだ?出てみたいか?」

誠司の父さんが聞いてきた。

「はい、出てみたいです」

僕が答えると誠司の父さんが「体少し温めておきなさい」という。
僕はベンチから立ち上がると少し身体をほぐしていた。
誠司の視野は広い。
そんな僕の様子を見ながら試合をコントロールしていた。
準備が整うと誠司に合図を送る。
それを見た誠司がすぐにボールを外に出して試合を止める。
劉也と交代してフィールドに入る。
プレイが再開される。
皆の邪魔にならないようにボールから離れた場所でその感触を確かめる。
やっぱり結構足を取られるみたいだ。
キックの力も微調整が必要かな?
そんな僕を見て外にいる皆は笑っていた。
他のコーチ陣も誠司の父さんに何か言ってる。
無視して今はフィールドになれていた。
大体把握出来た頃誠司が来る。

「そろそろいいか?」
「うん、いいよ」

それが僕と誠司のサイン。
攻守が切り替わり伽夜がボールを誠司に送ると僕は飛び出す。
誠司がパスを出すのが分かった。
誠司はいつもいい所にいいタイミングで出してくる。
僕が一々ボールを確認しなくていいタイミングでボールが来る。
僕はそれに合わせて抜け道を探る。
ゴール左はじ中段くらいの高さ。
ボール2個分くらいの空きを見つける。
一度見つけたら視線をそらさない。
ボール2個分もあれば回転をかける必要はない。
ボールは見なくても僕の左足がボールに接触する瞬間を狙ってくる。
ちゃんと利き足まで把握してくれてる誠司ならではの芸当だった。
力強くボールを押し出す。
ボールは僕のマークについた選手の脇を通ってまっすぐ飛んでいく。
他の選手も反応できない速度で飛ぶ。
そしてキーパーからはDFが壁になって見えない。
僅かな隙間を縫って現れたボールに慌ててパンチングをするキーパー。
だけど無回転シュートはブレるから片手では捕えきれない。
長い間膠着していた試合が傾いた瞬間だった。
僕の存在を無視できなくなった相手はマークを増やす。
だけどその分生じる隙を誠司は見逃さない。
僕へボールを渡す手段は誠司からじゃなくてもいい。
隼人や研也からでも大した誤差は無い。
そういう風に誠司が何手も先を読んでパスを送るから。
スペースに飛び込んだりノーマークを作ってパスを受け取る。
ボールを受け取ったらあとは関係ない。
マークをフェイントで振り切ったりフェイントで作り出した空間を使ってシュートを打ったり隼人たちにボールを送る。
踵でパスしたリ相手の股を抜いてパスを送るのは隼人たちなら感づいて受け取ってくれると信じているから。
もちろん隼人達だって人間だからミスをする。
僕と違って最初からプレイをしているのだから、ない方がおかしい。
謝る隼人達に「まだチャンスはあるよ」と励ます。
やっぱり試合は楽しい。
サッカーは楽しい。
そして30分を過ぎた頃誠司の父さんが練習を止めた。
僕一人にかき回されたレギュラーは息を切らしている。
指導陣達は相談していた。
僕は誠司達と初めて芝生のフィールドを駆け回った感想を話していた。
そして長い相談の末誠司の父さんが告げた。
現行のレギュラーで今シーズンは戦うと決断したらしい。
ただし僕達にもチャンスはあった。
僕や誠司、隼人と伽夜は控えに入れてもらえた。
誠司達3人はフル出場もあり得るそうだ。
だけど僕はスタメンでは出さない。
誠司の父さんとコーチ陣の長い相談の末の結論だった。
後日僕達に新しい青いユニフォームが渡された。
3年生がユニフォームをもらえるなんてすごい事だ。
僕のユニフォームには10番がつけられていた。
誰もその事に異議を唱える者はいなかった。

「お前のプレイに皆期待してるからな」

誠司の父さんが言う。
異議があるならプレイで示せ。
僕は自分のプレイで主張してみせた。
実力だけが評価される世界がここにはあった。
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