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2ndSEASON
シャレてるビートに乗って
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(1)
「空!もう一回乗ろう!」
水奈がはしゃいでる。
僕達は遊園地に来ていた。
いつもの遊びだ。
遊園地に行って、湖でキャンプしてそして明日またテーマパークに行く。
来年は違うかもしれない。
善明の父さんがレジャー部門を創設したらしい。
遊園地と映画館を一体化した会社を設立した。
今はそれを建設中だそうだ。
遊園地の場所は久住高原にある。
それだけじゃない。
街の中にビルを建設中だという。
ビルの中は商業施設。
上層部にアミューズメント施設。
屋上には観覧車、ビル街にジェットコースターをはじめとするアトラクションを設けるつもりそうだ。
地元の人間は皆買い物や遊びは郊外で済ませようとする。
駅ビルが出来て少しは改善されたけどそれでもやはり郊外のショッピングモールで済ませる人が多い。
そこに酒井コーポレーションが着目した。
「どうせ誰もいないビルなんて不要でしょ」
そうして街の中に大掛かりなレジャー施設を着工した。
どこにそんな土地があったかって?
これはフィクション。
細かい事は気にすることは無い。
酒井コーポレーションはレジャー部門・酒井オペレーションズの他にアミューズメント部門を新設した。
酒井アミューズメントプラザ。通称SAP
今は酒井君の父さんと母さんが経営してるらしいけど将来は酒井君が引き継ぐらしい。
酒井君は酒井化学という会社も引き継ぐ。
約束された未来。
もう覆すことのできない将来。
酒井グループの遊園地「酒井リゾート・フォレスト」の近隣にはホテルも建設される。
酒井グループはホテル事業にも手を付けたけど如月ホテルグループとも提携した。
来年はそこに遊びに行こうか?
そんな話を両親はしている。
天音と純也と茜は海外旅行中。
天音はフランスに、純也と茜はハリウッドに。
羨ましい生活だ。
僕達は普通に遊園地で遊んでいる。
来てる子供組は僕と水奈と学と美希と善明と中島君と木元さん、渡辺さんの姉弟、冬吾と冬莉と誠司。
冬吾達はさすがに親同伴だった。
皆バラバラに行動していた。
昼食を挟んで、さらに遊ぶ。
そして時間になったらゲートに集まる。
湖に移動する。
大人がテントを設置している間。僕達は湖で遊んでいた。
と、いってもボートに乗るくらいだけど。
適当に漕いでそしてゆっくり過ごす。
時間がくると桟橋に戻る。
テントに戻るとBBQの準備をしていた。
飲み物を取って渡辺さんが「乾杯」というと宴がはじまる。
僕達はひたすら食う。
渡辺正俊君も負けじと食う。
肉が尽きると、片づけに入る。
女子たちは手伝った。
僕達は大人と話をしていた。
「明日はがんばれ」
そんなねぎらいを受けていた。
僕はそんなに苦痛じゃなかったけどね。
まあ、疲れはするけど。
女性陣が片づけを終わるとラーメンを食べる。
そして大人たちは話を始めると僕達も子供だけで話をする。
中島君と木元さんは散歩に出かけた。
中島君達が戻って来る頃僕達は眠りについた。
(2)
いつもの癖で朝早く目が覚めた。
大人たちは眠っていた。、
焚火に火をつけて隅を放り込む。
お湯を沸かすとコーヒーを淹れる。
すると美希が起きて来た。
「まだ眠っていてもいいんだよ」
「目が覚めたら隣に学がいなかったから」
そう、僕達は同じテントだった。
美希は俺が残るならと日本に残った。
「夏休みもあとわずかですね」
「そうだね」
「思い出残せましたか?」
「今こうして思い出を作ってるよ」
「それもそうですね」
美希は少し微笑んだ。
「それに2学期には修学旅行がある。楽しみはこれからだよ」
「それが終ったら受験勉強ですね」
「それは心配しなくていいよ」
「え?」
美希は不思議そうな顔をしている。
「美希も行く高校決めてるんだろ?」
「ええ、防府に行こうかと」
俺と一緒の道を選ぶらしい。
一緒の高校に行って一緒の大学に行ってそして結婚する。
歴史は擬える。
誰かがそう言ってた。
きっとそれは保証されているんだろう。
俺たちの世代にどれだけ同じ高校に行って同じ大学に行く人がいるんだろう。
俺達の絆は途切れることがない。
まるで鎖につながれているように。
ずっと一緒だよ。
「おはよう、2人とも早いね」
空のお父さんが起きて来た。
「火の番は僕がするから2人とも散歩でもしてくるといいよ。天気もいいみたいだし結構綺麗なんだよ」
空のお父さんがそう言うので俺達は散歩に出た。
まだ朝靄が残る散策コースを歩いていく。
夏休みの宿題は済んだ?とか、修学旅行楽しみだね?とかそんな話をしていた。
お互いの進路についてはあまり話さなかった。
僕達の未来は決まっていたから。
不安?
そりゃ、俺達だって思春期だ。
不安の一つや二つあるさ。
将来に失望することだってある。
でも、愛、自由、希望、夢。
足下にはいくらでも転がっている。
少なくとも俺の隣には形として存在している。
散歩から戻ると朝食の準備が始まっていた。
朝からボリュームのある食事を食べる。
食事が終ると、女性陣が片付けてる間にテントを片付ける。
空の車に積み込むと女性陣も洗って来た食器などを積み込む。
「じゃあ、この後は例年通り風呂にいってテーマパークに行こうと思う」
最大の試練が待っていた。
美希は楽しみらしい。
そんな彼女の前で苦痛の表情は見せられない。
俺達は空のお父さんの車に乗って山を降りていた。
そして銭湯に着く。
「空は平気なのか?」
学が空に聞いていた。
それは僕も興味がある。
空と水奈は初めてだろうし。
「水奈と一緒なら多分平気だよ」
そういうセリフが言える男子になりたい。
朝だしそんなに長風呂をしててもしょうがない。
テーマパークの開園時間もある。
俺たちは早々に風呂を出て女子を待っていた。
(3)
テーマパークに着いた。
15時にここに集合。
それだけ言って自由行動になった。
輝夜と一緒にアトラクションに乗ったり施設を見て回る。
輝夜は毎年て見るのに飽きないみたいだ。
同じような写真を繰り返して撮ってる。
どうして毎年撮ってるのか聞いてみた。
「勝利は飽きた?」
輝夜はそう言った。
言ったらまずかったか?
「そんなことはないけど」
「大丈夫、男子にとってはつまんない場所だよね」
輝夜はそう言って笑った。
「毎年同じ場所だけど少しずつ変わっているんだよ」
謎かけだろうか?
「分かりやすく言うと、私の気持ちの変化かな、微妙に変わってくるの撮る物が」
「なるほどね……」
背も高くなるから目線も変わってくる。
去年は気づかなかったものに気付いてしまう。
そういう思い出を形にすんだと輝夜は言う。
「あ、そろそろパレードの時間だよ」
輝夜が言う。
パレードの行われている場所に向かった。
そしてパレードを見る。
それが終るとまた園内を見て回る。
輝夜の気分は上々だった。
集合時刻になると皆集まる。
父さんの車に乗って帰る。
軽快なJ-POPが流れていた。
気分は上々。
針を落として音を鳴らせ、今宵はパーティ。
気分がいいならみんなで踊ろう。
こんな時代に分かち合う音楽を探したくて回す地球儀。
ぐらつく不安定生活だからバランス重視。
良い事ばかりじゃないから頑張っる。最悪な日なんてキック。
再起動のボタンをクリック。
色んな音楽があるけどオリジナル探すキーポイント。
それぞれの色重ね合わせば虹色。
君に聴かせたいから苦しむ挙句の果て十字固め。
今を楽しみたいんだね。じゃあ行くよ!このリズムに乗ろう。
はしゃぐ車の中、頭の中を揺さぶって行こう。
気分上々の波に乗って弾け飛べ。
皆で踊ろう、朝まで踊ろう。
溶けるようなハーモニーを身にまとってがむしゃらに踊りあかそう。
帰りにファミレスに寄った。
「楽しかったね」
最後にそう言えたキャンプだった。
(4)
そのひ天音姉さん達フランス組と純也兄さん達ハリウッド組が帰国した。
純也兄さんたちは楽しかったようだ。
今だ興奮冷めやらぬといった感じだった。
一方天音姉さんは憮然としている。
家に帰って聞いてみた。
「コースの種類は多い!だが一品ごとの量が少なすぎる!しかも堅苦しくて食べて気分にならないし!ルイスの家で食った料理の方がまだ満足できたぞ!」
天音達はドレスを着てパリの三ツ星レストランに行ったらしい。
そして三ツ星レストランの料理を一言で評した。
父さん達は知っていたようだ。
「父さんは知ってたの?」
僕は父さんに聞いていた。
「まあね、職業柄そういう店に招待されることもあったから」
友人の結婚式とかも基本フランス料理が振舞われるという。
「だけど天音。高級な店はどの料理もそうなのよ。温かいうちに食べて欲しいから敢えて少量にしてあるの。その代わり料理は多いでしょ」
母さんが言う。
だけどそんな理屈うどん屋で3玉食べてステーキ丼も食べる天音姉さんには関係ない。
「あの堅苦しいスタイルも万国共通だと愛莉は言いたいのか!?」
天音姉さんが言う。
「そうよ、それなりの格式の所にはちゃんとマナーがある。それは西洋料理に限った話じゃないのよ」
大地兄さんに恥をかかせたくないというのなら慣れておかなくちゃ。母さんはそう言った。
「うぬぬ……パパ!焼肉食いたい!」
「明日行こうか」
天音姉さんの希望を父さんが聞き入れた。
近所にある焼肉のお店。
食べ放題、飲み放題のコースがある。
もちろん僕達が損することは絶対にありえない。
夕食が終ると片づけをして母さんと風呂に入る。
「母さんもフランス料理たべたことあるの?」
「ええ、冬夜さんにも連れて行ってもらえたわよ」
冬夜さんとは父さんの事だった。
「冬吾も将来行くことになるかもね、あなたが本気でサッカーをするなら日本で収まる器じゃないと冬夜さんが言ってたから」
母さんが言った。
ふとを出ると僕は寝る。
次の日純也兄さんたちにも話を聞いてみた。
楽しかったらしい。
飛行機の中では退屈だったけど。
盆休みが開けてもうじき2学期が始まる。
また友達に会える。
その日を楽しみにしてた。
皆といつもように遊べる日々に心躍らせていた。
シャレてるビートに乗って感じる体揺らすように。
「空!もう一回乗ろう!」
水奈がはしゃいでる。
僕達は遊園地に来ていた。
いつもの遊びだ。
遊園地に行って、湖でキャンプしてそして明日またテーマパークに行く。
来年は違うかもしれない。
善明の父さんがレジャー部門を創設したらしい。
遊園地と映画館を一体化した会社を設立した。
今はそれを建設中だそうだ。
遊園地の場所は久住高原にある。
それだけじゃない。
街の中にビルを建設中だという。
ビルの中は商業施設。
上層部にアミューズメント施設。
屋上には観覧車、ビル街にジェットコースターをはじめとするアトラクションを設けるつもりそうだ。
地元の人間は皆買い物や遊びは郊外で済ませようとする。
駅ビルが出来て少しは改善されたけどそれでもやはり郊外のショッピングモールで済ませる人が多い。
そこに酒井コーポレーションが着目した。
「どうせ誰もいないビルなんて不要でしょ」
そうして街の中に大掛かりなレジャー施設を着工した。
どこにそんな土地があったかって?
これはフィクション。
細かい事は気にすることは無い。
酒井コーポレーションはレジャー部門・酒井オペレーションズの他にアミューズメント部門を新設した。
酒井アミューズメントプラザ。通称SAP
今は酒井君の父さんと母さんが経営してるらしいけど将来は酒井君が引き継ぐらしい。
酒井君は酒井化学という会社も引き継ぐ。
約束された未来。
もう覆すことのできない将来。
酒井グループの遊園地「酒井リゾート・フォレスト」の近隣にはホテルも建設される。
酒井グループはホテル事業にも手を付けたけど如月ホテルグループとも提携した。
来年はそこに遊びに行こうか?
そんな話を両親はしている。
天音と純也と茜は海外旅行中。
天音はフランスに、純也と茜はハリウッドに。
羨ましい生活だ。
僕達は普通に遊園地で遊んでいる。
来てる子供組は僕と水奈と学と美希と善明と中島君と木元さん、渡辺さんの姉弟、冬吾と冬莉と誠司。
冬吾達はさすがに親同伴だった。
皆バラバラに行動していた。
昼食を挟んで、さらに遊ぶ。
そして時間になったらゲートに集まる。
湖に移動する。
大人がテントを設置している間。僕達は湖で遊んでいた。
と、いってもボートに乗るくらいだけど。
適当に漕いでそしてゆっくり過ごす。
時間がくると桟橋に戻る。
テントに戻るとBBQの準備をしていた。
飲み物を取って渡辺さんが「乾杯」というと宴がはじまる。
僕達はひたすら食う。
渡辺正俊君も負けじと食う。
肉が尽きると、片づけに入る。
女子たちは手伝った。
僕達は大人と話をしていた。
「明日はがんばれ」
そんなねぎらいを受けていた。
僕はそんなに苦痛じゃなかったけどね。
まあ、疲れはするけど。
女性陣が片づけを終わるとラーメンを食べる。
そして大人たちは話を始めると僕達も子供だけで話をする。
中島君と木元さんは散歩に出かけた。
中島君達が戻って来る頃僕達は眠りについた。
(2)
いつもの癖で朝早く目が覚めた。
大人たちは眠っていた。、
焚火に火をつけて隅を放り込む。
お湯を沸かすとコーヒーを淹れる。
すると美希が起きて来た。
「まだ眠っていてもいいんだよ」
「目が覚めたら隣に学がいなかったから」
そう、僕達は同じテントだった。
美希は俺が残るならと日本に残った。
「夏休みもあとわずかですね」
「そうだね」
「思い出残せましたか?」
「今こうして思い出を作ってるよ」
「それもそうですね」
美希は少し微笑んだ。
「それに2学期には修学旅行がある。楽しみはこれからだよ」
「それが終ったら受験勉強ですね」
「それは心配しなくていいよ」
「え?」
美希は不思議そうな顔をしている。
「美希も行く高校決めてるんだろ?」
「ええ、防府に行こうかと」
俺と一緒の道を選ぶらしい。
一緒の高校に行って一緒の大学に行ってそして結婚する。
歴史は擬える。
誰かがそう言ってた。
きっとそれは保証されているんだろう。
俺たちの世代にどれだけ同じ高校に行って同じ大学に行く人がいるんだろう。
俺達の絆は途切れることがない。
まるで鎖につながれているように。
ずっと一緒だよ。
「おはよう、2人とも早いね」
空のお父さんが起きて来た。
「火の番は僕がするから2人とも散歩でもしてくるといいよ。天気もいいみたいだし結構綺麗なんだよ」
空のお父さんがそう言うので俺達は散歩に出た。
まだ朝靄が残る散策コースを歩いていく。
夏休みの宿題は済んだ?とか、修学旅行楽しみだね?とかそんな話をしていた。
お互いの進路についてはあまり話さなかった。
僕達の未来は決まっていたから。
不安?
そりゃ、俺達だって思春期だ。
不安の一つや二つあるさ。
将来に失望することだってある。
でも、愛、自由、希望、夢。
足下にはいくらでも転がっている。
少なくとも俺の隣には形として存在している。
散歩から戻ると朝食の準備が始まっていた。
朝からボリュームのある食事を食べる。
食事が終ると、女性陣が片付けてる間にテントを片付ける。
空の車に積み込むと女性陣も洗って来た食器などを積み込む。
「じゃあ、この後は例年通り風呂にいってテーマパークに行こうと思う」
最大の試練が待っていた。
美希は楽しみらしい。
そんな彼女の前で苦痛の表情は見せられない。
俺達は空のお父さんの車に乗って山を降りていた。
そして銭湯に着く。
「空は平気なのか?」
学が空に聞いていた。
それは僕も興味がある。
空と水奈は初めてだろうし。
「水奈と一緒なら多分平気だよ」
そういうセリフが言える男子になりたい。
朝だしそんなに長風呂をしててもしょうがない。
テーマパークの開園時間もある。
俺たちは早々に風呂を出て女子を待っていた。
(3)
テーマパークに着いた。
15時にここに集合。
それだけ言って自由行動になった。
輝夜と一緒にアトラクションに乗ったり施設を見て回る。
輝夜は毎年て見るのに飽きないみたいだ。
同じような写真を繰り返して撮ってる。
どうして毎年撮ってるのか聞いてみた。
「勝利は飽きた?」
輝夜はそう言った。
言ったらまずかったか?
「そんなことはないけど」
「大丈夫、男子にとってはつまんない場所だよね」
輝夜はそう言って笑った。
「毎年同じ場所だけど少しずつ変わっているんだよ」
謎かけだろうか?
「分かりやすく言うと、私の気持ちの変化かな、微妙に変わってくるの撮る物が」
「なるほどね……」
背も高くなるから目線も変わってくる。
去年は気づかなかったものに気付いてしまう。
そういう思い出を形にすんだと輝夜は言う。
「あ、そろそろパレードの時間だよ」
輝夜が言う。
パレードの行われている場所に向かった。
そしてパレードを見る。
それが終るとまた園内を見て回る。
輝夜の気分は上々だった。
集合時刻になると皆集まる。
父さんの車に乗って帰る。
軽快なJ-POPが流れていた。
気分は上々。
針を落として音を鳴らせ、今宵はパーティ。
気分がいいならみんなで踊ろう。
こんな時代に分かち合う音楽を探したくて回す地球儀。
ぐらつく不安定生活だからバランス重視。
良い事ばかりじゃないから頑張っる。最悪な日なんてキック。
再起動のボタンをクリック。
色んな音楽があるけどオリジナル探すキーポイント。
それぞれの色重ね合わせば虹色。
君に聴かせたいから苦しむ挙句の果て十字固め。
今を楽しみたいんだね。じゃあ行くよ!このリズムに乗ろう。
はしゃぐ車の中、頭の中を揺さぶって行こう。
気分上々の波に乗って弾け飛べ。
皆で踊ろう、朝まで踊ろう。
溶けるようなハーモニーを身にまとってがむしゃらに踊りあかそう。
帰りにファミレスに寄った。
「楽しかったね」
最後にそう言えたキャンプだった。
(4)
そのひ天音姉さん達フランス組と純也兄さん達ハリウッド組が帰国した。
純也兄さんたちは楽しかったようだ。
今だ興奮冷めやらぬといった感じだった。
一方天音姉さんは憮然としている。
家に帰って聞いてみた。
「コースの種類は多い!だが一品ごとの量が少なすぎる!しかも堅苦しくて食べて気分にならないし!ルイスの家で食った料理の方がまだ満足できたぞ!」
天音達はドレスを着てパリの三ツ星レストランに行ったらしい。
そして三ツ星レストランの料理を一言で評した。
父さん達は知っていたようだ。
「父さんは知ってたの?」
僕は父さんに聞いていた。
「まあね、職業柄そういう店に招待されることもあったから」
友人の結婚式とかも基本フランス料理が振舞われるという。
「だけど天音。高級な店はどの料理もそうなのよ。温かいうちに食べて欲しいから敢えて少量にしてあるの。その代わり料理は多いでしょ」
母さんが言う。
だけどそんな理屈うどん屋で3玉食べてステーキ丼も食べる天音姉さんには関係ない。
「あの堅苦しいスタイルも万国共通だと愛莉は言いたいのか!?」
天音姉さんが言う。
「そうよ、それなりの格式の所にはちゃんとマナーがある。それは西洋料理に限った話じゃないのよ」
大地兄さんに恥をかかせたくないというのなら慣れておかなくちゃ。母さんはそう言った。
「うぬぬ……パパ!焼肉食いたい!」
「明日行こうか」
天音姉さんの希望を父さんが聞き入れた。
近所にある焼肉のお店。
食べ放題、飲み放題のコースがある。
もちろん僕達が損することは絶対にありえない。
夕食が終ると片づけをして母さんと風呂に入る。
「母さんもフランス料理たべたことあるの?」
「ええ、冬夜さんにも連れて行ってもらえたわよ」
冬夜さんとは父さんの事だった。
「冬吾も将来行くことになるかもね、あなたが本気でサッカーをするなら日本で収まる器じゃないと冬夜さんが言ってたから」
母さんが言った。
ふとを出ると僕は寝る。
次の日純也兄さんたちにも話を聞いてみた。
楽しかったらしい。
飛行機の中では退屈だったけど。
盆休みが開けてもうじき2学期が始まる。
また友達に会える。
その日を楽しみにしてた。
皆といつもように遊べる日々に心躍らせていた。
シャレてるビートに乗って感じる体揺らすように。
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