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序章

武器より先にケーキが売れた

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ロビンさんが去ってすぐ、女の子が来店した。早速、宣伝してくれたのだろうか?でも、見たところ女の子は冒険者というわけではないな。ロビンさんのファンかな?結構、可愛い・・おっと接客しなければ!!
「いらっしゃいませ」

「こっこんにちは!!今日は良い天気ですね!!こんな日は公園でお散歩でもっっ」

「今日は雨だから嫌だ」
あっ反射的に断ってしまった・・せっかくロビンさんが連れてきてくれたお客さんなのに・・・女の子も泣きそうな顔してこっちを見てるし・・・こんな時は、必殺!甘いもので機嫌を直して貰おう作戦を使おう!

「これは失礼しました。お詫びに当店自慢のケーキと紅茶を半額でサービスさせて頂きます。」

「あっありがとうございます。」

よし!!当店自慢のケーキって何だろう?そもそも、うち武器屋だけどぉ!!とりあえず初めて商品が売れたぞ。

僕は早速、ケーキをつくる。といってもお父さんが転生する時に女神様から貰ったスキルである異世界通販(SS)が付いた冷蔵庫にお金を入れるだけなんだけどね。どれどれ今日買える商品は

・○ーソンのロールケーキ・・・150円
・有名店のケーキ(看板娘)・・5000円
・有名店のケーキ(オッサン)・・・500円

解せぬ。売り手によって値段が変わるのか?そりゃー、誰から買ってもいいなら僕も看板娘から買うけども・・・うん、通販なら関係ないよね。有名店のケーキ(オッサン)を一つ買おう。

紅茶も異世界から?流石に種類が多すぎるし面倒なので、近所のスーパーで買った紅茶にスキルを付与して、肌補修(SS)、髪補修(SS)、状態異常回復(SS)ぐらい付けとけば大丈夫でしょ。

「お待たせしました。」
僕はケーキと紅茶を女の子のテーブルに運ぶ。
女の子は僕をじっと見たままだ・・どうしたんだろう?そっか!紅茶が熱すぎたのか!女の子は猫舌だったのか!僕は、そっと女の子の横に行き紅茶に息を吹きかける
「ふぅーふぅー」
何故か女の子の顔は真っ赤だ。怒ってしまったのだろうか?僕が息を吹きかけるのを止めると、すぐに女の子は紅茶を飲み始めた。どうやら怒ってはいなかったらしい。
そのまま、ケーキを勢いよく食べ5分も経たないうちに食べ終わってしまった。

「美味です。とっ特に紅茶が・・いくらでしょうか?」
ケーキじゃなくて、紅茶?値段かーそういえば決めてなかった。よし、ここは最初に高めの値段を言ってから安くしていく作戦だ!!
「5000円のところ半額にしまして2500円になります。」

「はい、それでは、こちらで」女の子は5000円札を差し出す。おっお金持ちのお嬢様だったのか・・相手が2500円で良いと言ってるのだ、そのまま売ってしまおう。僕は楽して働くのだ!薄利多売はしないのだ!
「こちらがお釣の2500円とポイントカードになります。」
ロビンさんの時は、初めてで焦って渡せなかったポイントカードを渡す。
「1回のお買い物で1ポイントとなっております、10ポイントで特典として」
あっ特典考えてなかった・・・ここは割引券でいこうか?いや、お金持ちのお嬢様に割引の効果は薄いだろうし、うーん、そうだ!お父さんがいた世界では、商品を売るためには握手券を付けると売れると言っていたな、握手券を付けよう。
「握手券を差し上げます。さらに20ポイントでチェキ券を差し上げます。握手券は使うことで握手できる券になります。チェキ券は写真を一緒に撮ることができる券です。」

「握手!!いっ一緒に写真を撮る!!」
女の子は真っ赤になって猛ダッシュで去っていった。きっとロビンさんと握手したり、一緒に写真を撮ることができると思ったんだろう。ところが残念、ロビンさんが居なければ相手が僕になるので必然的にその券は紙切れ同然だ。まあ、女の子が武器屋しかも、いつ開いてるか分からないお店に10回も来ることはないだろう。

こうして僕は初めて儲けを出すことができた。流石、僕だと思う。けどさー初めての売れたのがケーキと紅茶で良いんだろうか?きっと大丈夫だよね・・・・







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