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白拍子、人斬りに遭遇する
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吉原大門を無事に出て職人町へ帰る道。
案の定足元がおぼつかないほど真っ暗になっている。
ことは呆けているまつりに「しっかりしなよ」と言って背中を叩いた。
「太夫に会ったから仕方ないと思うけど、用心棒をしっかりやってもらわないと。そんなふわふわされると困るわ」
「分かっている……つもりでした」
変な言い回しだったので「つもりって何がだい?」とことが訊ねる。
そこで呆けているのではなく、何故か落ち込んでいることが分かった。
まつりは言葉を選んでいるようだった。二人が黙っているとただでさえ薄気味悪い夜道が不気味になっていく。
ようやく口を開いたまつりはため息混じりに言う。
「芸事は時代が進めば洗練されていきます。分かっていたんです。白拍子舞が江戸の人どころか、日の本の誰にも通じないって」
「いやまあ、言っていることは無学で非才なあたしでも分かるけど、実際に舞っていないのにどうして落ち込むのさ。光帯太夫に見惚れてしまったのが悔しかったの?」
「そうではありません。白拍子以外で芸事に精を出していて、気概のある女の人、初めて会いました。はっきり言って――衝撃的でした。自分の舞に自信が持てなくなるほど」
「だから、芸事で競っていないのにどうして言えるの?」
「手に取らなくてもよく切れるはさみ、ことさんなら見て分かりますよね?」
ことはなんとなく分かる程度の目利きしかできない。それでも髪結いをしているので、なんとなく分からなくもない。
おそらく言葉を交わしただけで力量の差が分かったようだ。光帯太夫と話している最中に気づかなかったのは、太夫が言葉と雰囲気で誤魔化していたのだ。しかし離れてから冷静になったまつりはその事実に気づいてしまったのだ。
「私、実を言えば白拍子舞こそ、日の本一の芸事だと思っていました。でも井底の蛙だったようです。昨日までの自分が恥ずかしいですよ」
そんなに落ち込むことはないんじゃないかと、ことは思ったがそれこそ芸事に通じた者でなければ分からない話だと思い直し「だったら一層、芸を磨くしかないね」と励ました。
「よく分からないけど、あんたの舞はそれほど誇れるものなんだろう? 次に太夫と会うときに気圧されないように、頑張るしかないね」
曖昧で誰にでも言える慰め方だったが、まつりはほんの少し元気を取り戻したらしく「……そうですよね!」と明るく笑った。空元気でも繰り返せば元気になる。そう言わんばかりの振る舞いだった――
「……ことさん。止まってください」
緊張を帯びた声。ことは「どうしたのよ?」と問う。事態を飲み込めていなかった。
まつりは周囲の匂いを嗅ぎ始めた。
「錆びた鉄……血の臭いがします」
「えっ? よく分かるわね。あたしには――」
分からないと言いかけて気づく。辺りは店と家の間。正面には川が見える。川に沿って左に向かえば職人町が目前だ。
しかしこの辺りは人斬りが二人目を殺した現場近くだった。つまり――人を斬っても気づかれづらい場所であり、人を斬る者が好んでいる場でもある。
「まつり。もしかして……」
「しっ。声を落として。ゆっくり曲がり角を確認します」
二人は忍び足で曲がり角まで歩き、まずは右を確認する――誰もいない。
ということは左かと思って見る――こちらも誰もいない。
「な、なによ。誰もいないじゃない」
「……ことさん。あれを見てください」
ほっとため息をついたのも束の間、まつりが指さした先には『水たまり』があった。
雨も降っていないのに、水たまりがあるなんておかしいと、ことは思ったがまつりの言葉で戦慄する。
「血ですね。誰かが斬られた跡。下手人は相当な腕前です」
「ひぃい!? そんな――」
ことはあの量の血を見て助からないだろうと悟った。動けたとしてもろくに抵抗も逃走もできない。
まつりは「急ぎましょう」と震えていることに告げる。
「まだ近くにいるかも――」
「――鋭いな、お嬢ちゃん……そのとおりだよ」
後ろからおぞましい殺気――まつりは振り返ることなく、ことに近づいて抱きついて、押し倒すように斬撃を避けた。
そう。まつりではなく、ことを狙ったのだ――人斬り乃村征士郎は。
「なるほど。なかなかできるようだ。あいつが言っていたとおりだな」
追い打ちをかけることなく、余裕のまま征士郎は言う。
ことは「人殺し! 誰か助けて!」と震えながら叫んだ。
「……あなたが人斬りですね。今話題の」
「もしそうじゃなかったら、とんだ笑い話だ」
黒い羽織に灰色の袴に返り血がついている。先ほどの血たまりと関係あるのは明白だった。すらりと抜いた刀の刀身は闇夜でもきらりと光っていた。ことは混乱しながらも、まるで数珠みたいな模様ねと思った。
「さて。白拍子とやら。俺から逃げられるか? それとも殺し合うか?」
「嫌な二択ですね……どちらも選びたくありません」
「ならば三択目……ここで斬られるか?」
「いいえ、四択目を選びます」
まつりはことを庇うように両手を広げて、腰を落として――
「……ここであなたを倒す!」
――刀を持った征士郎に突撃した。
「いい度胸だ! 気に入ったぞ!」
にやりと笑って八双に構えた征士郎。まつりと真正面から向き合う。
右斜めから斬撃を征士郎は放つ。常人なら見切れないほどの速さ。
しかし予想していたらしく、まつりは右寄りに踏み込んで刀が振り下ろされる前に胸のあたりに掌底を食らわせた。
たたらを踏む征士郎。そのままさらなる攻撃を食らわせようとして――何かに感づいたまつりは大きく後ろに下がる。
一部始終を見ていたことは、どうしてまつりが下がったのか分からない。素人目にも勝負を決められたのに。
けれど飛沫を上げた赤い血を見て気づく――まつりの肩が斬られていた。
「まつり! あんた!」
「ことさん! 決して動かないでください! 私の後ろにいて!」
ことは動きたくても腰が抜けてしまっている――そんなことはどうでもいい。
何故まつりの肩が斬られていたのか。実のところ、まつりは攻撃を受け流されていたのだ。たたらを踏んでいるように見えたのは、胸への衝撃を逃していた、いわば回避行動だったのだ。
「あの人斬り……相当な使い手です」
「その言葉、そっくり返すぜ……白拍子のお嬢ちゃん」
冷たく笑う征士郎。まつりの攻撃が全然効いていない。
「とっさによく判断したもんだ。おかげで斬り捨てられなかった」
このまま殺し合いが続行すると思われたが、まつりたちの後ろから提灯を持った数人がこちらに近づいてくるのが、征士郎の角度から見えた。刀を納めて「続きは今度だ」と言う。
「できることなら刀同士で。真剣勝負で戦ってみたい」
言い残して素早くその場から退く征士郎。
しばらくじっとその後ろ姿を見ていたまつり。彼が闇夜に溶けていくのを見届けると、緊張の糸が切れたようで、崩れ落ちてしまった。
「まつり……? ちょっと、まつり!?」
「あはは。疲れちゃいましたね」
「当たり前よ! ……でもありがとう。あたし一人だったら殺されていたわ」
ことはまつりに感謝したものの、この子は何者だろうと考えた。
先ほどの戦いからして常人ではない。動きを全て見られたわけではないけど、武の心得のない、平凡な女性のことでもすごい境地だと分かる。
白拍子のことを、太夫の説明もあって舞い手だと思っていた。
でも――実際は違っていた。
戦う者だった。守ってくれる人だった。そして今、ことの命を救ってくれた恩人だった。
年端のいかない少女がどうしてここまでできるのか……
「まつり。あたしはあんたの目的や氏素性は知らない。だけどこれだけは言える」
ことは決意を固めた。
そのまま、まつりに言う。
「あんたは大切な友人だよ。いつだって味方になってあげる」
まつりは驚いた目になって。それから嬉しそうにした。
「えへへ。とっても嬉しいですよ、ことさん!」
少女らしい、年相応の反応だった。
案の定足元がおぼつかないほど真っ暗になっている。
ことは呆けているまつりに「しっかりしなよ」と言って背中を叩いた。
「太夫に会ったから仕方ないと思うけど、用心棒をしっかりやってもらわないと。そんなふわふわされると困るわ」
「分かっている……つもりでした」
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まつりは言葉を選んでいるようだった。二人が黙っているとただでさえ薄気味悪い夜道が不気味になっていく。
ようやく口を開いたまつりはため息混じりに言う。
「芸事は時代が進めば洗練されていきます。分かっていたんです。白拍子舞が江戸の人どころか、日の本の誰にも通じないって」
「いやまあ、言っていることは無学で非才なあたしでも分かるけど、実際に舞っていないのにどうして落ち込むのさ。光帯太夫に見惚れてしまったのが悔しかったの?」
「そうではありません。白拍子以外で芸事に精を出していて、気概のある女の人、初めて会いました。はっきり言って――衝撃的でした。自分の舞に自信が持てなくなるほど」
「だから、芸事で競っていないのにどうして言えるの?」
「手に取らなくてもよく切れるはさみ、ことさんなら見て分かりますよね?」
ことはなんとなく分かる程度の目利きしかできない。それでも髪結いをしているので、なんとなく分からなくもない。
おそらく言葉を交わしただけで力量の差が分かったようだ。光帯太夫と話している最中に気づかなかったのは、太夫が言葉と雰囲気で誤魔化していたのだ。しかし離れてから冷静になったまつりはその事実に気づいてしまったのだ。
「私、実を言えば白拍子舞こそ、日の本一の芸事だと思っていました。でも井底の蛙だったようです。昨日までの自分が恥ずかしいですよ」
そんなに落ち込むことはないんじゃないかと、ことは思ったがそれこそ芸事に通じた者でなければ分からない話だと思い直し「だったら一層、芸を磨くしかないね」と励ました。
「よく分からないけど、あんたの舞はそれほど誇れるものなんだろう? 次に太夫と会うときに気圧されないように、頑張るしかないね」
曖昧で誰にでも言える慰め方だったが、まつりはほんの少し元気を取り戻したらしく「……そうですよね!」と明るく笑った。空元気でも繰り返せば元気になる。そう言わんばかりの振る舞いだった――
「……ことさん。止まってください」
緊張を帯びた声。ことは「どうしたのよ?」と問う。事態を飲み込めていなかった。
まつりは周囲の匂いを嗅ぎ始めた。
「錆びた鉄……血の臭いがします」
「えっ? よく分かるわね。あたしには――」
分からないと言いかけて気づく。辺りは店と家の間。正面には川が見える。川に沿って左に向かえば職人町が目前だ。
しかしこの辺りは人斬りが二人目を殺した現場近くだった。つまり――人を斬っても気づかれづらい場所であり、人を斬る者が好んでいる場でもある。
「まつり。もしかして……」
「しっ。声を落として。ゆっくり曲がり角を確認します」
二人は忍び足で曲がり角まで歩き、まずは右を確認する――誰もいない。
ということは左かと思って見る――こちらも誰もいない。
「な、なによ。誰もいないじゃない」
「……ことさん。あれを見てください」
ほっとため息をついたのも束の間、まつりが指さした先には『水たまり』があった。
雨も降っていないのに、水たまりがあるなんておかしいと、ことは思ったがまつりの言葉で戦慄する。
「血ですね。誰かが斬られた跡。下手人は相当な腕前です」
「ひぃい!? そんな――」
ことはあの量の血を見て助からないだろうと悟った。動けたとしてもろくに抵抗も逃走もできない。
まつりは「急ぎましょう」と震えていることに告げる。
「まだ近くにいるかも――」
「――鋭いな、お嬢ちゃん……そのとおりだよ」
後ろからおぞましい殺気――まつりは振り返ることなく、ことに近づいて抱きついて、押し倒すように斬撃を避けた。
そう。まつりではなく、ことを狙ったのだ――人斬り乃村征士郎は。
「なるほど。なかなかできるようだ。あいつが言っていたとおりだな」
追い打ちをかけることなく、余裕のまま征士郎は言う。
ことは「人殺し! 誰か助けて!」と震えながら叫んだ。
「……あなたが人斬りですね。今話題の」
「もしそうじゃなかったら、とんだ笑い話だ」
黒い羽織に灰色の袴に返り血がついている。先ほどの血たまりと関係あるのは明白だった。すらりと抜いた刀の刀身は闇夜でもきらりと光っていた。ことは混乱しながらも、まるで数珠みたいな模様ねと思った。
「さて。白拍子とやら。俺から逃げられるか? それとも殺し合うか?」
「嫌な二択ですね……どちらも選びたくありません」
「ならば三択目……ここで斬られるか?」
「いいえ、四択目を選びます」
まつりはことを庇うように両手を広げて、腰を落として――
「……ここであなたを倒す!」
――刀を持った征士郎に突撃した。
「いい度胸だ! 気に入ったぞ!」
にやりと笑って八双に構えた征士郎。まつりと真正面から向き合う。
右斜めから斬撃を征士郎は放つ。常人なら見切れないほどの速さ。
しかし予想していたらしく、まつりは右寄りに踏み込んで刀が振り下ろされる前に胸のあたりに掌底を食らわせた。
たたらを踏む征士郎。そのままさらなる攻撃を食らわせようとして――何かに感づいたまつりは大きく後ろに下がる。
一部始終を見ていたことは、どうしてまつりが下がったのか分からない。素人目にも勝負を決められたのに。
けれど飛沫を上げた赤い血を見て気づく――まつりの肩が斬られていた。
「まつり! あんた!」
「ことさん! 決して動かないでください! 私の後ろにいて!」
ことは動きたくても腰が抜けてしまっている――そんなことはどうでもいい。
何故まつりの肩が斬られていたのか。実のところ、まつりは攻撃を受け流されていたのだ。たたらを踏んでいるように見えたのは、胸への衝撃を逃していた、いわば回避行動だったのだ。
「あの人斬り……相当な使い手です」
「その言葉、そっくり返すぜ……白拍子のお嬢ちゃん」
冷たく笑う征士郎。まつりの攻撃が全然効いていない。
「とっさによく判断したもんだ。おかげで斬り捨てられなかった」
このまま殺し合いが続行すると思われたが、まつりたちの後ろから提灯を持った数人がこちらに近づいてくるのが、征士郎の角度から見えた。刀を納めて「続きは今度だ」と言う。
「できることなら刀同士で。真剣勝負で戦ってみたい」
言い残して素早くその場から退く征士郎。
しばらくじっとその後ろ姿を見ていたまつり。彼が闇夜に溶けていくのを見届けると、緊張の糸が切れたようで、崩れ落ちてしまった。
「まつり……? ちょっと、まつり!?」
「あはは。疲れちゃいましたね」
「当たり前よ! ……でもありがとう。あたし一人だったら殺されていたわ」
ことはまつりに感謝したものの、この子は何者だろうと考えた。
先ほどの戦いからして常人ではない。動きを全て見られたわけではないけど、武の心得のない、平凡な女性のことでもすごい境地だと分かる。
白拍子のことを、太夫の説明もあって舞い手だと思っていた。
でも――実際は違っていた。
戦う者だった。守ってくれる人だった。そして今、ことの命を救ってくれた恩人だった。
年端のいかない少女がどうしてここまでできるのか……
「まつり。あたしはあんたの目的や氏素性は知らない。だけどこれだけは言える」
ことは決意を固めた。
そのまま、まつりに言う。
「あんたは大切な友人だよ。いつだって味方になってあげる」
まつりは驚いた目になって。それから嬉しそうにした。
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