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忠義と無情
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荒木村重が謀反したことで、戦局は大きく変わった。
摂津国――石山本願寺を含めた領地だ――が敵に回るということは、隣接している別所家や織田家と敵対している波多野家などの丹波国と連携されるんだ。
宇喜多家がこちらの味方になったおかげで、陸路からの挟み撃ちは無くなったけど、日の本最強の村上水軍による兵糧の輸送は可能だ。
今や播磨国の周辺は敵に囲まれているのと同じである。
そしてもう一つ、懸念することがあった。
「小寺家も荒木に同調する動きがあるのか……」
三木城攻めの本陣で、秀吉が苦い顔をして、黒田の報告を受けていた。
だが黒田は「殿は荒木殿を説得すれば、織田方につくとおっしゃっていた」と諦めていなかった。
他に本陣に居るのは、僕と半兵衛さんだった。秀長さんと長政は但馬国を攻めていて不在で、正勝は三木城を包囲する兵の鼓舞をしていた。
「だから、俺が説得に行く。利を説けば考えも改めるだろう」
「……わしも説得に向かったが、決意は固かった。それでも行くと言うのか?」
弁舌が立つ秀吉でも説得できなかったんだ。黒田もそれなりに調略は上手いが、成功する見込みは低い……
「それでも行かねば、小寺家は毛利家側についてしまう。そうなるのは避けたい」
黒田の決意も固いようだった。
それに秀吉には止める権限はない。黒田は小寺家の家老だ。
つまりこれは単なる報告に過ぎない。
「……気をつけてな。必ず生きて会おう」
「ありがたき言葉。感謝いたす」
黒田は一礼して、本陣から去ろうとする――
「待ちなさいよ。あなた、罠に嵌められているわよ?」
待ったをかけたのは半兵衛さんだった。
顔色が日々悪くなっているけど、言葉は強かった。
「……罠、だと? この俺がか?」
訝しげな顔で黒田は半兵衛さんに問う。
「小寺家の当主は織田家に不満を持っているわ。今はあなたが織田家につくように説得したけど、内心は毛利家につきたがっている」
「……分かっているさ。日々心変わりをする殿を相手にしているのは、俺だからな」
「分かってないわよ! あなた荒木のところに行ったら殺されるわ!」
半兵衛さんの突然の大声。しかしすぐに咳き込んでしまう。
僕は半兵衛さんに寄って背中を擦ってあげた。
「半兵衛さん。あまり無理をしないでくれ」
「雲之介ちゃん。大丈夫だから」
「でも……」
「本当に、大丈夫だから」
僕は――半兵衛さんから離れた。
秀吉は苦渋の表情をしていて、黒田は目を見開いている。
「少し考えれば分かるじゃない……煙たがっているあなたを、小寺政職が葬るに決まっているじゃない……でも戦功を重ねているあなたを処分なんかできない……」
「…………」
「だったら、荒木に殺させるわ。あたしならそうする」
思わず僕は「主君が忠臣を謀殺するなんて……」と呟く。
「小寺政職は、荒木を説得すれば、織田方に着くと言った。さらに、官兵衛ちゃんに説得するようにと命じた。おかしな話じゃない」
「僕にはおかしなこととは思えないけど……」
「雲之介ちゃん。よく考えてみて。毛利家に着きたい人が、どうして荒木を説得するのよ? しないほうが戦況を鑑みれば有利じゃない」
言われてみればそうだ。
「それに説得させるのなら、官兵衛ちゃんは適任じゃないわ。確かに小寺家には官兵衛ちゃんに匹敵する者はいない。でも明らかに織田家に肩を寄せている人を向かわせても説得力はないわ……」
半兵衛さんは黒田に近づく。
緩慢な動きで、その肩を掴んだ。
「あなたなら気づいているはずよ。なのにどうして――」
「それでも行かねばならぬ」
黒田は半兵衛さんの目を真っ直ぐ見た。
一点の曇りのない、澄み切った目だった。
「殿が俺を殺そうと企んでも、荒木殿がそれを了承したとしても、主命である以上、行かねばならん」
「……一体どうして?」
「俺は竹中殿のように賢くないからだ」
黒田にもはや迷いなどなかったようだ。
「こうなった以上、羽柴殿に仲介してもらって、黒田家を織田家に寝返らせるのが上策だろう。しかし、黒田家は小寺家に忠義を貫かねばならない。今までの恩義があるからな」
「そ、そんな恩義なんて――」
「俺はあんたとは違う。主君の城を十六人で乗っ取り、そして離反したあんたとはな」
酷い言葉だが、口調は決して蔑んでいなかった。
むしろ自分を卑下しているようだった。
「俺は甘い男だよ。小寺家に対する情や忠義で、あるべき最善を選べない。軍師としては失格だな」
半兵衛さんは――肩を掴んだ手を離した。
「そうなのね……あなたは、そう決めてしまったのね」
そして半兵衛さんは黒田に言う。
悲しげに、物悲しげに、悲哀と悲痛を込めて、言う。
「あなたなら、あたしの後継者になれると思っていたのに、本当に残念だわ」
逆に黒田は快活に笑った。
思い残すことはないとばかりに、笑った。
「最高の褒め言葉だな。ありがとう」
その言葉を最後に、黒田は本陣を去った。
その後ろ姿を見送った半兵衛さんは疲れた顔をしていた。
僕は二人の軍師に何も声をかけられなかった。
かけることが、できなかった。
黒田はそれっきり戻って来なかった。
殺されたのか、寝返ったのか、それとも捕まったのか。
それは分からない。けれど小寺家は堂々と織田家に反旗を翻した。
つまりは――そういうことなのだろう。
「……小寺家には手出しできねえ、ってことになるよな」
本陣で静かに言ったのは、正勝だった。
もし黒田が捕らわれていたのであれば、下手に挑発すれば黒田の命が危ういからだ。
「言ったとおりじゃない……本当に、馬鹿ね……」
半兵衛さんがぼそりと呟いた。
「……わしたちは、三木城攻めで動くことは敵わん」
秀吉は感情を表さずに、顔を伏せながら言う。
それぞれ思うことがあるだろうけど、僕には気がかりなことがあった。
「松寿丸はどうなるんだ?」
ハッとして正勝と半兵衛さんが僕を見る。
秀吉は「わしも同じことを考えていた」と言う。
「上様がもし、黒田殿が荒木に寝返ったと思ったら……」
「まさか! 人質とはいえ子どもだぞ!?」
正勝が思わず立ち上がる。
「そんなことはさせねえ! 黒田が裏切るはずがねえし、それに今も捕まったままだったら――おい、兄弟! 上様を説得しに行くぞ!」
僕は頷いて、立とうとする――
「待って。この件はあたしに任せてくれない?」
半兵衛さんが青白い顔で、手を挙げた。
「あたしが説得するわ。もしできなくても、策はあるし」
「策? どんな策だ?」
正勝が問い詰めると「それは教えられないわ」と半兵衛さんは目を伏せた。
「何があってもあたしを信じて。どんなことが起きてもね」
「お、お前、何を――」
「正勝。少し待て」
秀吉がいつに無く恐い顔をしていた。
「半兵衛。お前は、わしたちに策を知らせずに、上様を説得し、それが失敗して、松寿丸が『死んだ』としても、信じろと言うのだな」
何故か『死んだ』を強調する秀吉。
「ええ。あなたは信じられる?」
半兵衛さんは秀吉に問う。
何の策も無く、真っ直ぐ――心に問う。
「ああ。無論、信じる」
秀吉も迷い無く、真っ直ぐに答えた。
半兵衛は軽く笑った。
「秀吉ちゃん。あなたが主君で、あたしは幸せだったわ」
まるで今わの際のようなことを、半兵衛さんが言うものだから、目から涙が出るのを抑えられなかった。
「そんな悲しいことを、言うなよ」
「雲之介ちゃん……」
正勝はぐっとこらえて言う。
「俺も兄弟も、信じるよ。信じるに決まっているじゃねえか」
「あはは。やっぱり正勝ちゃんは、良い男だわ」
半兵衛さんは、改まって秀吉に言う。
「それじゃ、安土城に向かうわ。三木城攻め、頑張ってね」
「……ああ。任せてくれ」
それから一ヵ月後のことだった。
黒田官兵衛孝高の嫡男、松寿丸が切腹し。
その首が上様に届けられたという報告が来たのは――
摂津国――石山本願寺を含めた領地だ――が敵に回るということは、隣接している別所家や織田家と敵対している波多野家などの丹波国と連携されるんだ。
宇喜多家がこちらの味方になったおかげで、陸路からの挟み撃ちは無くなったけど、日の本最強の村上水軍による兵糧の輸送は可能だ。
今や播磨国の周辺は敵に囲まれているのと同じである。
そしてもう一つ、懸念することがあった。
「小寺家も荒木に同調する動きがあるのか……」
三木城攻めの本陣で、秀吉が苦い顔をして、黒田の報告を受けていた。
だが黒田は「殿は荒木殿を説得すれば、織田方につくとおっしゃっていた」と諦めていなかった。
他に本陣に居るのは、僕と半兵衛さんだった。秀長さんと長政は但馬国を攻めていて不在で、正勝は三木城を包囲する兵の鼓舞をしていた。
「だから、俺が説得に行く。利を説けば考えも改めるだろう」
「……わしも説得に向かったが、決意は固かった。それでも行くと言うのか?」
弁舌が立つ秀吉でも説得できなかったんだ。黒田もそれなりに調略は上手いが、成功する見込みは低い……
「それでも行かねば、小寺家は毛利家側についてしまう。そうなるのは避けたい」
黒田の決意も固いようだった。
それに秀吉には止める権限はない。黒田は小寺家の家老だ。
つまりこれは単なる報告に過ぎない。
「……気をつけてな。必ず生きて会おう」
「ありがたき言葉。感謝いたす」
黒田は一礼して、本陣から去ろうとする――
「待ちなさいよ。あなた、罠に嵌められているわよ?」
待ったをかけたのは半兵衛さんだった。
顔色が日々悪くなっているけど、言葉は強かった。
「……罠、だと? この俺がか?」
訝しげな顔で黒田は半兵衛さんに問う。
「小寺家の当主は織田家に不満を持っているわ。今はあなたが織田家につくように説得したけど、内心は毛利家につきたがっている」
「……分かっているさ。日々心変わりをする殿を相手にしているのは、俺だからな」
「分かってないわよ! あなた荒木のところに行ったら殺されるわ!」
半兵衛さんの突然の大声。しかしすぐに咳き込んでしまう。
僕は半兵衛さんに寄って背中を擦ってあげた。
「半兵衛さん。あまり無理をしないでくれ」
「雲之介ちゃん。大丈夫だから」
「でも……」
「本当に、大丈夫だから」
僕は――半兵衛さんから離れた。
秀吉は苦渋の表情をしていて、黒田は目を見開いている。
「少し考えれば分かるじゃない……煙たがっているあなたを、小寺政職が葬るに決まっているじゃない……でも戦功を重ねているあなたを処分なんかできない……」
「…………」
「だったら、荒木に殺させるわ。あたしならそうする」
思わず僕は「主君が忠臣を謀殺するなんて……」と呟く。
「小寺政職は、荒木を説得すれば、織田方に着くと言った。さらに、官兵衛ちゃんに説得するようにと命じた。おかしな話じゃない」
「僕にはおかしなこととは思えないけど……」
「雲之介ちゃん。よく考えてみて。毛利家に着きたい人が、どうして荒木を説得するのよ? しないほうが戦況を鑑みれば有利じゃない」
言われてみればそうだ。
「それに説得させるのなら、官兵衛ちゃんは適任じゃないわ。確かに小寺家には官兵衛ちゃんに匹敵する者はいない。でも明らかに織田家に肩を寄せている人を向かわせても説得力はないわ……」
半兵衛さんは黒田に近づく。
緩慢な動きで、その肩を掴んだ。
「あなたなら気づいているはずよ。なのにどうして――」
「それでも行かねばならぬ」
黒田は半兵衛さんの目を真っ直ぐ見た。
一点の曇りのない、澄み切った目だった。
「殿が俺を殺そうと企んでも、荒木殿がそれを了承したとしても、主命である以上、行かねばならん」
「……一体どうして?」
「俺は竹中殿のように賢くないからだ」
黒田にもはや迷いなどなかったようだ。
「こうなった以上、羽柴殿に仲介してもらって、黒田家を織田家に寝返らせるのが上策だろう。しかし、黒田家は小寺家に忠義を貫かねばならない。今までの恩義があるからな」
「そ、そんな恩義なんて――」
「俺はあんたとは違う。主君の城を十六人で乗っ取り、そして離反したあんたとはな」
酷い言葉だが、口調は決して蔑んでいなかった。
むしろ自分を卑下しているようだった。
「俺は甘い男だよ。小寺家に対する情や忠義で、あるべき最善を選べない。軍師としては失格だな」
半兵衛さんは――肩を掴んだ手を離した。
「そうなのね……あなたは、そう決めてしまったのね」
そして半兵衛さんは黒田に言う。
悲しげに、物悲しげに、悲哀と悲痛を込めて、言う。
「あなたなら、あたしの後継者になれると思っていたのに、本当に残念だわ」
逆に黒田は快活に笑った。
思い残すことはないとばかりに、笑った。
「最高の褒め言葉だな。ありがとう」
その言葉を最後に、黒田は本陣を去った。
その後ろ姿を見送った半兵衛さんは疲れた顔をしていた。
僕は二人の軍師に何も声をかけられなかった。
かけることが、できなかった。
黒田はそれっきり戻って来なかった。
殺されたのか、寝返ったのか、それとも捕まったのか。
それは分からない。けれど小寺家は堂々と織田家に反旗を翻した。
つまりは――そういうことなのだろう。
「……小寺家には手出しできねえ、ってことになるよな」
本陣で静かに言ったのは、正勝だった。
もし黒田が捕らわれていたのであれば、下手に挑発すれば黒田の命が危ういからだ。
「言ったとおりじゃない……本当に、馬鹿ね……」
半兵衛さんがぼそりと呟いた。
「……わしたちは、三木城攻めで動くことは敵わん」
秀吉は感情を表さずに、顔を伏せながら言う。
それぞれ思うことがあるだろうけど、僕には気がかりなことがあった。
「松寿丸はどうなるんだ?」
ハッとして正勝と半兵衛さんが僕を見る。
秀吉は「わしも同じことを考えていた」と言う。
「上様がもし、黒田殿が荒木に寝返ったと思ったら……」
「まさか! 人質とはいえ子どもだぞ!?」
正勝が思わず立ち上がる。
「そんなことはさせねえ! 黒田が裏切るはずがねえし、それに今も捕まったままだったら――おい、兄弟! 上様を説得しに行くぞ!」
僕は頷いて、立とうとする――
「待って。この件はあたしに任せてくれない?」
半兵衛さんが青白い顔で、手を挙げた。
「あたしが説得するわ。もしできなくても、策はあるし」
「策? どんな策だ?」
正勝が問い詰めると「それは教えられないわ」と半兵衛さんは目を伏せた。
「何があってもあたしを信じて。どんなことが起きてもね」
「お、お前、何を――」
「正勝。少し待て」
秀吉がいつに無く恐い顔をしていた。
「半兵衛。お前は、わしたちに策を知らせずに、上様を説得し、それが失敗して、松寿丸が『死んだ』としても、信じろと言うのだな」
何故か『死んだ』を強調する秀吉。
「ええ。あなたは信じられる?」
半兵衛さんは秀吉に問う。
何の策も無く、真っ直ぐ――心に問う。
「ああ。無論、信じる」
秀吉も迷い無く、真っ直ぐに答えた。
半兵衛は軽く笑った。
「秀吉ちゃん。あなたが主君で、あたしは幸せだったわ」
まるで今わの際のようなことを、半兵衛さんが言うものだから、目から涙が出るのを抑えられなかった。
「そんな悲しいことを、言うなよ」
「雲之介ちゃん……」
正勝はぐっとこらえて言う。
「俺も兄弟も、信じるよ。信じるに決まっているじゃねえか」
「あはは。やっぱり正勝ちゃんは、良い男だわ」
半兵衛さんは、改まって秀吉に言う。
「それじゃ、安土城に向かうわ。三木城攻め、頑張ってね」
「……ああ。任せてくれ」
それから一ヵ月後のことだった。
黒田官兵衛孝高の嫡男、松寿丸が切腹し。
その首が上様に届けられたという報告が来たのは――
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