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まつへの想い
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「まつ。今日は遅くなるかもしれない。先に休んで――」
「お待ちください。どうして、遅くなるのですか?」
利家が草鞋を履きながら後ろで荷物を持っている、今年婚姻したまつにそう告げると、彼女は目の色を暗くして問い詰めた。
「どこかに――女でも作ったんですか?」
底冷えしてしまうほど冷たい怒りが込められていた。しかし利家は気がつかないようで「そうじゃねえよ」と優しく言う。
「柴田様と可成の兄い、それから藤吉郎と飲む約束したんだよ」
「……嘘じゃないですよね? 本当に本当に本当に――嘘は言ってないですよね?」
震えた声が途中から早口になる。まつは荷物を持ったまま、全身を痙攣させた。草鞋を履き終えた利家は振り返って「嘘じゃねえよ」と笑った。彼は自分の妻の奇行を可愛らしい嫉妬だと解釈していた。
「だから今日はゆっくり休んでおけ。日頃から慣れない家事をやっているのだから」
「侍女がいるからさほど大変ではありませんよ。それより――」
まつは悲しげな表情のまま利家に婚姻してからの悩みを打ち明けた。
「私とどうして、子を成してくれぬのですか?」
「……まだ早いだろ。お前の身体では出産に耐えられるか分からない」
「そんなことないです。耐えてみせます。ちゃんと子も成せる印が毎月ありますし」
利家は黙ってまつから荷物を受け取った。それを背負うと、まつの身体を引き寄せて抱き締めた。まつは驚くが、利家の体温がなんだか安心できて、ぎゅっと抱き返した。
「お前が嫌だとか、そういう話じゃない。お前が心配だから――」
「利家……」
「それじゃ、行ってくる」
利家が離れて玄関を出ると、まつは少しだけ蕩けた表情でいたが、すぐに平常に戻る。そして暗い顔になって、また誤魔化されてしまったわ、と思ってしまった。
まつは能面のような無表情で家の部屋に戻り、独りになって考える。私には魅力が無いのかしら。それとも無理矢理迫ってみようかなと――
妻がそこまで思い詰めているとは知らず、利家は清洲城に登城していた。
それなりの地位にある利家は、目下の武士に頭を下げられる中、評定の間へと向かう。
その途中、利家は好敵手である成政に出くわした。
「成政、久しぶりだな。長い間、どこに行っていたんだ?」
それなりの友情を覚えていたので、利家はそう声をかけた。
成政のほうは何やら疲れていた様子で「少し主命で離れていた」と言った。
「主命? 殿からか?」
「ああ。内容は言えないが、かなり骨のいるものだった――いや、今も続いている」
「へえ。そりゃ大変だな。何なら代わってやろうか?」
「お前じゃ無理だ。分を弁えろ」
いつもの憎まれ口を利かれて、少しだけ安心する利家。成政のそれは晴れ空のようにすっきりとしている。もちろん怒りを覚えるがある意味小気味良かった。
「それに新婚だろう。家を離れて奥方を心配させるのは良くないぞ」
「……あー、そうだな。そのとおりだ、お前の言うとおりだよ」
「うん? どうしたんだ? いつもより素直じゃないか」
怪訝な表情の成政。よく観察すると利家の表情は暗かった。
「奥方の……まつ殿か。何か問題でもあるのか?」
「いや、問題はねえけど……いや、あるのか?」
「私が聞いているんだが……」
「そうだ。お前今日、夜空いているか? 柴田様たちと一緒に飲むんだ」
成政は「悪いな。私も約束がある」と断った。利家は残念そうな顔をしたが「仕方ないな」と納得した。
「ちなみに誰との約束だ?」
「義父となる村井貞勝殿だ。二人で飲みたいようだ」
「そういや、お前も婚姻するんだったな」
「お前にいろいろと夫婦について聞こうと思ったが、その様子だとな」
利家は反論したかったが、何も言えないことに気づき、結局は「うるせえ」としか返せなかった。
評定の間に入ると、利家は顔をしかめた。何故ならいけ好かない奴がいたからである。その者も利家の顔を見るなり嫌そうな表情をした。
「はあ。朝からあなたの面を見ることになるとは。嫌ですねえ」
「てめえ……喧嘩売っているのか?」
今すぐ殴りたい気持ちを抑える利家。その様子を後ろから見ていた成政は「なんだ拾阿弥か」と呟いた。
「おやおや、すぐに暴力に訴えるなんて。野蛮人ですね。聞いたところによると、沢彦和尚に教えを受けているらしいですけど、あまり効果がないようですねえ」
信長の小姓にして茶坊主の拾阿弥は怒りに震えている利家にそう言った。
彼は青瓢箪のように色白で華奢な身体つきをしているが、顔だちは整っていた。しかし性根の悪さが滲み出ていて、素直に美男子と認められない風貌をしている。いつも嫌味たっぷりに利家や他の馬廻り衆を罵倒している嫌われ者であった。
「茶坊主のくせに舌先は斬れるじゃねえか……」
「槍を振るうしかできない脳なしと比べないでくださいよ」
利家が怒りで歯軋りしていると「そこまでにしておけ」と成政が拾阿弥を睨みつけた。いくら好敵手であっても、このような罵倒は同じ武士として見ていられなかった。
「私たちが槍を振るうことで、貴様は安穏と茶坊主をやっていられることを忘れるなよ」
「……ふふふ。佐々殿は相変わらず、上手な返しをされますね。槍働きより外交のほうがお似合いですよ」
「嫌味しか言えない茶坊主よりは向いていると自覚している。それより殿はどこにおわす?」
これ以上会話しても不毛だなと感じた成政が信長の所在を問う。
拾阿弥はにたにた笑いながら「もうすぐいらっしゃいますよ」と答えた。
「あなた方に主命を下そうと――おや、いらっしゃいましたね」
拾阿弥が素早く座ってお辞儀をする。
成政とやや遅れて利家が平伏すると、がらりと襖が開いて信長が入ってきた。
上座に座ると信長は「面を上げよ」と静かに言った。
「利家。昨日の戦働き、見事であった。褒めて使わす」
「はは。もったいなきお言葉です!」
「それから成政。例の件はどうだった?」
信長の問いに成政は「こちらに返書がございます」と懐から書状を取り出した。
拾阿弥とは別の小姓が受け取り、信長に手渡す。
書状を広げて読んだ信長は「あまり良い返事とは言えないな」と呟いた。
「交渉の余地はあるか?」
「私の感覚ですと、無いわけではありません。今後とも根気良く続ければ、可能性はあります」
「で、あるか。ならばその件はお前に一任する。好きなように動け」
「かしこまりました」
一体成政に何を命じられているのか、利家はまるで分からなかったが、重要なことなのだろうと思い、口を挟まなかった。
「そういえば、利家。お前嫁を貰ったらしいが」
「ええ。今年、貰いました」
「夫婦仲は順調か? 何か問題はないか?」
自分の個人的なことを訊ねられるとは思わなかったので、利家は大いに戸惑った。
しかし「別段、悪くないと思います」と何とか答えることができた。
「朝起きると目の前に顔を近づけて『おはようございます』と言われ、食事の際はじっと見つめられ、夜寝るときは俺が寝るまで顔を見られております」
動揺のあまり、利家はありのままを喋ってしまった。
「……お、おう。そうか。いつも見られているのだな」
信長と聞いていた成政、拾阿弥は引いてしまっている。
利家はそんな主君たちの反応が分からず、また戸惑ってしまった。
「その、妻とは何の会話をしているのだ?」
「大したことは話しておりませんが……あ、そういえば、俺の帰りが遅くなったときは、部屋の隅で膝を抱えながら『どうして』を繰り返して泣いていましたね。あれには弱りました」
「……大丈夫か?」
「えっ? ああ、謝ったら『日付を越えたら自害しようと思いました』と冗談言われましたね。でも許してくれたのでほっとしました」
「…………」
おそらく本気だったのだろうと利家以外は思ったが、当人はあっけらかんと笑っていたので、何も言えなかった。
成政は前世の記憶でそういう性格が流行っていたことを思い出していた。
「ま、まあ仲が良ければそれでいい。野暮なことを聞いてしまってすまなかったな」
「いえ、俺は別に……」
「主命だが利家は兵の訓練、成政は例の件を進めてくれ」
信長から主命を下されて二人は下がった。
成政は利家に「お前の悩みってなんだ?」とすぐさま訊ねた。
「奥方の愛がおかしいとかか?」
「おかしい……? いや、そう思わないが……」
「じゃあ悩みってなんだよ?」
利家は少し悩んで「まつはまだ十二才だ」と言った。
「子供が欲しいと言うが、その年齢で出産できるかどうか……」
「あ、そういうことか……」
「どういうことだと思ったんだ?」
「なんでもない。お前が良いなら、なんでもない」
利家の怪訝な顔を見て、成政はいずれまつに殺されるんじゃないか? と思ったが何も言えなかった。
だから自分の主命を考える。
薄汚い仕事のことを――
「お待ちください。どうして、遅くなるのですか?」
利家が草鞋を履きながら後ろで荷物を持っている、今年婚姻したまつにそう告げると、彼女は目の色を暗くして問い詰めた。
「どこかに――女でも作ったんですか?」
底冷えしてしまうほど冷たい怒りが込められていた。しかし利家は気がつかないようで「そうじゃねえよ」と優しく言う。
「柴田様と可成の兄い、それから藤吉郎と飲む約束したんだよ」
「……嘘じゃないですよね? 本当に本当に本当に――嘘は言ってないですよね?」
震えた声が途中から早口になる。まつは荷物を持ったまま、全身を痙攣させた。草鞋を履き終えた利家は振り返って「嘘じゃねえよ」と笑った。彼は自分の妻の奇行を可愛らしい嫉妬だと解釈していた。
「だから今日はゆっくり休んでおけ。日頃から慣れない家事をやっているのだから」
「侍女がいるからさほど大変ではありませんよ。それより――」
まつは悲しげな表情のまま利家に婚姻してからの悩みを打ち明けた。
「私とどうして、子を成してくれぬのですか?」
「……まだ早いだろ。お前の身体では出産に耐えられるか分からない」
「そんなことないです。耐えてみせます。ちゃんと子も成せる印が毎月ありますし」
利家は黙ってまつから荷物を受け取った。それを背負うと、まつの身体を引き寄せて抱き締めた。まつは驚くが、利家の体温がなんだか安心できて、ぎゅっと抱き返した。
「お前が嫌だとか、そういう話じゃない。お前が心配だから――」
「利家……」
「それじゃ、行ってくる」
利家が離れて玄関を出ると、まつは少しだけ蕩けた表情でいたが、すぐに平常に戻る。そして暗い顔になって、また誤魔化されてしまったわ、と思ってしまった。
まつは能面のような無表情で家の部屋に戻り、独りになって考える。私には魅力が無いのかしら。それとも無理矢理迫ってみようかなと――
妻がそこまで思い詰めているとは知らず、利家は清洲城に登城していた。
それなりの地位にある利家は、目下の武士に頭を下げられる中、評定の間へと向かう。
その途中、利家は好敵手である成政に出くわした。
「成政、久しぶりだな。長い間、どこに行っていたんだ?」
それなりの友情を覚えていたので、利家はそう声をかけた。
成政のほうは何やら疲れていた様子で「少し主命で離れていた」と言った。
「主命? 殿からか?」
「ああ。内容は言えないが、かなり骨のいるものだった――いや、今も続いている」
「へえ。そりゃ大変だな。何なら代わってやろうか?」
「お前じゃ無理だ。分を弁えろ」
いつもの憎まれ口を利かれて、少しだけ安心する利家。成政のそれは晴れ空のようにすっきりとしている。もちろん怒りを覚えるがある意味小気味良かった。
「それに新婚だろう。家を離れて奥方を心配させるのは良くないぞ」
「……あー、そうだな。そのとおりだ、お前の言うとおりだよ」
「うん? どうしたんだ? いつもより素直じゃないか」
怪訝な表情の成政。よく観察すると利家の表情は暗かった。
「奥方の……まつ殿か。何か問題でもあるのか?」
「いや、問題はねえけど……いや、あるのか?」
「私が聞いているんだが……」
「そうだ。お前今日、夜空いているか? 柴田様たちと一緒に飲むんだ」
成政は「悪いな。私も約束がある」と断った。利家は残念そうな顔をしたが「仕方ないな」と納得した。
「ちなみに誰との約束だ?」
「義父となる村井貞勝殿だ。二人で飲みたいようだ」
「そういや、お前も婚姻するんだったな」
「お前にいろいろと夫婦について聞こうと思ったが、その様子だとな」
利家は反論したかったが、何も言えないことに気づき、結局は「うるせえ」としか返せなかった。
評定の間に入ると、利家は顔をしかめた。何故ならいけ好かない奴がいたからである。その者も利家の顔を見るなり嫌そうな表情をした。
「はあ。朝からあなたの面を見ることになるとは。嫌ですねえ」
「てめえ……喧嘩売っているのか?」
今すぐ殴りたい気持ちを抑える利家。その様子を後ろから見ていた成政は「なんだ拾阿弥か」と呟いた。
「おやおや、すぐに暴力に訴えるなんて。野蛮人ですね。聞いたところによると、沢彦和尚に教えを受けているらしいですけど、あまり効果がないようですねえ」
信長の小姓にして茶坊主の拾阿弥は怒りに震えている利家にそう言った。
彼は青瓢箪のように色白で華奢な身体つきをしているが、顔だちは整っていた。しかし性根の悪さが滲み出ていて、素直に美男子と認められない風貌をしている。いつも嫌味たっぷりに利家や他の馬廻り衆を罵倒している嫌われ者であった。
「茶坊主のくせに舌先は斬れるじゃねえか……」
「槍を振るうしかできない脳なしと比べないでくださいよ」
利家が怒りで歯軋りしていると「そこまでにしておけ」と成政が拾阿弥を睨みつけた。いくら好敵手であっても、このような罵倒は同じ武士として見ていられなかった。
「私たちが槍を振るうことで、貴様は安穏と茶坊主をやっていられることを忘れるなよ」
「……ふふふ。佐々殿は相変わらず、上手な返しをされますね。槍働きより外交のほうがお似合いですよ」
「嫌味しか言えない茶坊主よりは向いていると自覚している。それより殿はどこにおわす?」
これ以上会話しても不毛だなと感じた成政が信長の所在を問う。
拾阿弥はにたにた笑いながら「もうすぐいらっしゃいますよ」と答えた。
「あなた方に主命を下そうと――おや、いらっしゃいましたね」
拾阿弥が素早く座ってお辞儀をする。
成政とやや遅れて利家が平伏すると、がらりと襖が開いて信長が入ってきた。
上座に座ると信長は「面を上げよ」と静かに言った。
「利家。昨日の戦働き、見事であった。褒めて使わす」
「はは。もったいなきお言葉です!」
「それから成政。例の件はどうだった?」
信長の問いに成政は「こちらに返書がございます」と懐から書状を取り出した。
拾阿弥とは別の小姓が受け取り、信長に手渡す。
書状を広げて読んだ信長は「あまり良い返事とは言えないな」と呟いた。
「交渉の余地はあるか?」
「私の感覚ですと、無いわけではありません。今後とも根気良く続ければ、可能性はあります」
「で、あるか。ならばその件はお前に一任する。好きなように動け」
「かしこまりました」
一体成政に何を命じられているのか、利家はまるで分からなかったが、重要なことなのだろうと思い、口を挟まなかった。
「そういえば、利家。お前嫁を貰ったらしいが」
「ええ。今年、貰いました」
「夫婦仲は順調か? 何か問題はないか?」
自分の個人的なことを訊ねられるとは思わなかったので、利家は大いに戸惑った。
しかし「別段、悪くないと思います」と何とか答えることができた。
「朝起きると目の前に顔を近づけて『おはようございます』と言われ、食事の際はじっと見つめられ、夜寝るときは俺が寝るまで顔を見られております」
動揺のあまり、利家はありのままを喋ってしまった。
「……お、おう。そうか。いつも見られているのだな」
信長と聞いていた成政、拾阿弥は引いてしまっている。
利家はそんな主君たちの反応が分からず、また戸惑ってしまった。
「その、妻とは何の会話をしているのだ?」
「大したことは話しておりませんが……あ、そういえば、俺の帰りが遅くなったときは、部屋の隅で膝を抱えながら『どうして』を繰り返して泣いていましたね。あれには弱りました」
「……大丈夫か?」
「えっ? ああ、謝ったら『日付を越えたら自害しようと思いました』と冗談言われましたね。でも許してくれたのでほっとしました」
「…………」
おそらく本気だったのだろうと利家以外は思ったが、当人はあっけらかんと笑っていたので、何も言えなかった。
成政は前世の記憶でそういう性格が流行っていたことを思い出していた。
「ま、まあ仲が良ければそれでいい。野暮なことを聞いてしまってすまなかったな」
「いえ、俺は別に……」
「主命だが利家は兵の訓練、成政は例の件を進めてくれ」
信長から主命を下されて二人は下がった。
成政は利家に「お前の悩みってなんだ?」とすぐさま訊ねた。
「奥方の愛がおかしいとかか?」
「おかしい……? いや、そう思わないが……」
「じゃあ悩みってなんだよ?」
利家は少し悩んで「まつはまだ十二才だ」と言った。
「子供が欲しいと言うが、その年齢で出産できるかどうか……」
「あ、そういうことか……」
「どういうことだと思ったんだ?」
「なんでもない。お前が良いなら、なんでもない」
利家の怪訝な顔を見て、成政はいずれまつに殺されるんじゃないか? と思ったが何も言えなかった。
だから自分の主命を考える。
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